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賃貸アパートをリノベーションして入居率を上げるためのノウハウ

更新日:9月15日


賃貸経営は借主が入居することで、毎月安定した家賃収入を得ることができる魅力的な投資です。ただし物件の築年数の経過するにつれて「資産価値」はどうしても下がり始め、空室が目立つようになります。



空室の増加は賃貸経営の収益に深刻な影響を与えるだけでなく、キャッシュフローの悪化を引き起こします。



このような課題に対して、効果的な解決策として注目されているのがリノベーションです。物件をリノベーションすることで、従前と比べ資産価値は向上させることができる上、入居率の上昇や収益改善が期待できます。結果として、より安定した賃貸経営の継続が可能になるのです。



リノベーションは貸主にとって「未来の投資」とも言えるでしょう。



本投稿は賃貸アパートをリノベーションして、入居率を上げるためのノウハウについてお伝えいたします。


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【本記事でお伝えする結論】




1.アパート入居率を上げる理由


アパート入居率を上げる理由

アパート入居率は賃貸経営を安定させるうえで、非常に重要な要素となります。入居率が低下すると家賃収入が減少し、損益分岐点を下回る状況が生じることで収支のバランスが崩れ、結果としてキャッシュフローの悪化を招く可能性があります。



賃貸経営を行う貸主は、損益分岐点を正確に把握し、アパート入居率を高めることが求められます。




入居率を改善させるために、家賃値下げを選ぶケースが多いですが、それが必ずしも正しい選択とは言えません。



安易に家賃値下げすると、その代償は大きい

家賃値下げすると反響が増え客付けが容易になりますが、収益自体が減少するため損益分岐点のハードルが上がります。また近年ではインフレの影響で日銀が政策金利を引き上げているため、変動金利型のアパートローンをはじめとする事業系融資の利息も上昇し、キャッシュフローへの悪影響をさらに深刻化します。



加えて、家賃値下げすることで借主属性を悪化し、入居後に騒音問題や家賃滞納といったトラブルを引き起こすリスクが高まります。



競争力が低下した築20年以上の物件をリノベーションすることで、資産価値が高まり、新築同様のクオリティーを実現することで、家賃値上げも可能となり、入居促進効果が期待できます。その結果、入居率や収益性が改善されるだけでなく、借主属性も良化し、安定的な家賃収入を得られるようになるでしょう。



2.アパート入居率が悪い原因


適切な空室対策と物件管理を行えば、築年数が経過したとしてもアパートの入居率が悪化することはありません。入居率が低下する主な原因としては、以下3点が挙げられます。



  • 物件清掃が行き届いていない

  • 部屋のクオリティーが低い

  • 物件管理のクオリティーが低い



それではこれらの問題点を詳しく見ていきましょう。


物件清掃が行き届いていない


物件清掃が行き届いていない

物件内見する内見者が、一番最初に確認するのは共用部や物件周りです。第一印象はたった数秒で決まると言われており、その短い時間が物件選びにおいて重要な役割を果たしています。



もし共用廊下に虫の死骸やごみが散乱し、私物が放置され、物件周りには雑草が伸び放題、さらに駐輪場が乱雑な状態であれば、多くの人が「ここでは暮らしたくない」と感じるのはごく自然なことです。



清潔感に欠ける物件は、入居率が改善できないだけでなく、借主にとって快適な生活環境を提供されないため、結果として物件稼働率にも悪影響を及ぼしてしまいます。



清掃の重要性は既に証明されており、特に飲食業界では、店内の清潔さが顧客の来店意欲に大きく影響している例からもわかるように、清掃による第一印象の効果は明白です。


部屋のクオリティーが低い


部屋のクオリティーが低い

部屋探しされる方は、自分の希望条件に合った物件を内見し、3件程度の候補の中から最適なひとつを選びます。そのため全体的にクオリティーが低いと感じられると、他の物件へ流れてしまい、結果として入居率は低下してしまいます。



さらに、最近の賃貸市場では築年数が古くなるにつれて、物件供給数は増え競争が激化しています。競争力が低下した古い物件を選ぶ方は少ないため、クオリティーを上げない限り家賃値下げしても入居率は改善されません。



こういった市場の流れを十分に理解していない貸主が少なくないのが現状です。



物件管理のクオリティーが低い


物件管理のクオリティーが低い


入居後に備付設備の不具合や、借主間のトラブルが発生することがあります。その際、管理会社や貸主が迅速かつ適切な対応を行わないと、借主が退去する原因となり、物件の長期的な入居率を維持することが難しくなります。



近年の賃貸市場では、全国的に空室率が上昇しており、「借り手有利」の状況が続いています。このため、物件管理を強化しなければ入居率低下を招く可能性が高まります。



3.賃貸アパートをリノベーションして入居率を上げるためのノウハウ


賃貸アパートをリノベーションして入居率を上げるためのノウハウ


部屋探しの価値観が多様化し、個々のライフスタイルを重視する方が増えているため、築年数が古い物件でも顧客ニーズに応じたリノベーションを行うことで競争力が向上し、入居率と収益性の改善が期待できます。



しかし賃貸リノベーションで確実に入居率を向上させるためには、単なるリノベーションにとどまらず、他の対策も取り入れる必要があります。そこで今回は、入居率を向上させるための具体的なノウハウをご紹介します。



ライフスタイルに合わせたリノベーション


ライフスタイルに合わせたリノベーション

リノベーションを機に設備交換や間取り変更を行うことが一般的ですが、特に若い世代では室内インテリアへの関心が高い傾向が見られます。



リノベーション物件を選ぶ方は、入居後のインテリアテイストを重視しますが、中には顧客のライフスタイルに合わせたリノベーションを行っていないケースがあり、対応していない物件は客付けで苦戦しています。



リノベーション物件に興味を持つ方の間では、シンプルナチュラルや北欧インテリアに憧れを持っているため、これらテイストをリノベーションに取り入れることで、競合物件との差別化に繋がり、入居促進に繋げやすくなります。



また家具やインテリアの色を3色以下に抑えことで、バランスの取れたおしゃれな部屋を作ることができます。そのため室内で広い面積を占める壁、床、天井の内装色を1~2色にすることがリノベーションの成功のカギとなります。


初期費用を抑える


初期費用を抑える

賃貸物件に入居される方は、契約時に初期費用として家賃4~6か月分を一括で支払う必要があるため、多くの方がその負担を少しでも軽減したいと考えています。



しかし殆どの物件では、こうした初期費用を抑える取り組みは行われていません。物件管理が集金管理の場合、貸主が一部の要素において初期費用を調整することができます。具体的には以下の対応が可能です。



  • 敷金と礼金の撤廃

  • フリーレント(一定期間の家賃無料)

  • 契約日を月末に指定(月初~月中に申込された方のみ)



これらの取り組みにより、初期費用の負担が少しでも軽減出来れば、仲介担当者もクロージングがしやすくなり、入居率を改善させる効果があります。


日用雑貨をプレゼント


日用雑貨をプレゼント

借り手有利な状況が続いている賃貸市場では、入居率を向上させるために「特別感を提供すること」をが重要になります。



賃貸物件に引っ越す当日、多くの方はかさばる日用雑貨を購入するのは避けたいと思うものです。



そこでリノベーション部屋に、入居特典として日用雑貨(トイレットペーパー、ティッシュボックス、市区町村のごみ袋など)を用意することで、内見者は「この物件は私たちのニーズをよく理解してくれている」と感じてもらうことができます。



これが入居を決める後押しになる可能性があります。こうしたサービスは競合物件では一般的ではないため、入居率の向上に大きく貢献します。




4.まとめ


今回は賃貸アパートをリノベーションして、入居率を上げるためのノウハウについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。





賃貸市場は完全に借り手有利な状況にあり、さらに築年数の経過と共に物件供給数は増えていくことを考えると、築年数が古い物件の入居率を高めるには、物件自体の競争力を高め、その物件でしか提供できない独自の価値を打ち出すことが重要です。



今回紹介した入居率を向上させるための方法は、意外と競合物件ではまだ対応していないケースが多いため、採用することでクロージングがしやすくなることから、入居率を改善させることができるはずです。





今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。


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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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