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リノベーション費用は本当に高い?大家が知っておきたい減価償却の考え方


「リノベーションは費用が高いから難しい。」



築20年以上のアパートを所有している貸主の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか?



確かにリノベーションにはまとまった資金が必要です。数十万円で済む原状回復工事とは異なり、場合によっては100万円以上の投資が必要になることもあり得ます。



しかし、工事費だけを見て判断してしまうと、本来得られる収益改善効果や経営上のメリットを見落としてしまうかもしれません。



私自身、1993年築のファミリー向けアパートを20戸所有していますが、2018年当時は入居率が77%まで低下していました。そこで空室対策としてリノベーションを開始しましたが、当初は節税を目的にしていたわけではありません。



ところが実際に運営を続ける中で、家賃アップや空室改善だけでなく、減価償却という考えも投資判断に大きく関係していることを学びました。



本投稿は、税理士ではなく現役の賃貸オーナーとして、リノベーション費用を考える際に知っておきたい減価償却の考え方について解説します。


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私の経営する有限会社山長では、アパート経営改善・空室対策コンサルティングを行っています。かつて私自身が直面した「自己破産寸前」だった状態を、独自の高付加価値リノベーションで再生。入居率77%→99%への改善、年間収入430万円UPという実証済みのノウハウをもとに、オーナー様と二人三脚で改善サポートします。



その実績は『全国賃貸住宅新聞』『楽待』などのメディアにも多数紹介されています。まずはお手軽な無料相談からお気軽にご相談ください。[→詳しいプロフィールと解決事例は記事末尾へ]





▼ 目 次




【本記事でお伝えする結論】


  • リノベーションは工事費だけで判断せず、減価償却や投資回収期間、将来収益を含めて総合的に判断すべき。


  • 入居率77%まで低下した経験から、原状回復だけでは限界があると判断し、ターゲットに合わせたリノベーションへと方針転換した。


  • 築20年以上の物件は、建て替えを急ぐ前に既存物件の収益力を高め、将来を見据えた投資判断を行うことが重要。


1.賃貸リノベーションは本当に高いの?


賃貸リノベーションは本当に高いの?

リノベーション費用について考える際、まず理解しておきたいのが「なぜ高額になるのか」という点です。原状回復工事と比べると費用差は大きく、初めは検討する貸主ほど不安を感じやすいかもしれません。



しかし、その費用の中には単なる修繕だけではなく、物件価値や競争力を高めるための投資が含まれています。まずは、多くの貸主がリノベーションが高いと感じる理由と、その内訳について見ていきましょう。


1)工事費だけを見ると高額に感じる理由


工事費だけを見ると高額に感じる理由


リノベーションは単なる修繕工事ではありません。古くなった間取りや設備を現代の顧客ニーズに合わせて見直し、物件の競争力を高めるための投資です。



そのため、壁や床の張り替えだけでなく、キッチンや浴室などの設備交換や間取り変更、電気配線や給排水設備の見直しなど、工事範囲が広くなります。



さらに築年数が経過した物件では、解体後に想定していなかった問題が発生することがあります。例えば、配管の劣化や水漏れ、下地材の傷みなどです。その結果、当初の見積もりより費用が増えることもあります。


リノベーションによる貸主の悩み


また、リノベーションを行ったからといって、新築と同等の家賃設定ができるとは限りません。立地や築年数、市場環境などの影響を受けるため、家賃上昇には一定の限界があります。そのため多くの貸主が…



  • 本当にリノベーション費用を回収できるのか?


  • 減価償却になると税務上どうなるのか?


  • 投資回収まで何年かかるのか?



という不安を抱えるのは自然なことだと思います。


2)私も最初は投資に不安を感じていた


弊社が所有する1993年築のファミリー向けアパート(全20戸)でリノベーションを検討した当時、最初に悩んだことは「本当に投資回収できるのか?」という点でした。



それまでの原状回復工事であれば数十万円で済むことが多かったのが、リノベーションとなると一部屋当たり数百万円規模の投資になります。



しかも、弊社物件がある山梨県は、全国平均と比べて賃貸空室率が高いエリアです。私自身も当初は「このような市場で高額な投資を行っても回収は難しいのでは?」と考えていました。



以下は、公益財団法人 全国賃貸住宅経営者協会連合会の資料のもと、山梨県と全国平均の空室率の差をまとめたものです。



ご覧のように、山梨県の空室率は全国平均を上回る水準で推移しています。だからこそ私は単純に「流行りだからリノベーションする」という判断はしませんでした。



実際に市場を分析し、自社物件の募集状況を検証する中で、空室の原因は単純に築年数ではなく、間取りや設備、デザイン性などが現代の顧客ニーズに合致していないことにあると感じました。そこで私は工事費の金額だけで結論を出すのではなく…



  • 減価償却


  • 投資回収期間


  • 将来の家賃収入



の3つの視点からリノベーションが収益につながるかを検証するようになりました。しかし、収支シミュレーション上では投資価値があると考えられても、実際に数百万円の資金を投じる決断は簡単ではありません。



特に当時は空室率の高い市場環境だったこともあり、「本当にリノベーションを行うべきか」と何度も悩みました。それでも最終的に投資を決断したのには理由があります。



次章では、私がリノベーションを決断した経緯と、その背景についてお伝えします。


2.入居率77%まで低下したためリノベーションを決意


入居率77%まで低下したためリノベーションを決意


前章でお伝えしたように、私自身も当初はリノベーション費用に不安を感じていました。しかし賃貸経営では「費用が高いからやらない」という判断が、結果的に空室の長期化や家賃下落を招くこともあります。



実際に弊社物件でも、築年数の経過とともに従来の原状回復だけでは対応できない状況になり、リノベーションを検討せざるを得なくなりました。



ここでは、なぜ私が高額なリノベーション投資を決断したのか、その経緯を実体験をもとにお伝えします。



1)節税ではなく空室対策が目的


節税ではなく空室対策が目的

誤解のないようにお伝えすると、私がリノベーションを始めた理由は節税ではなく空室対策です。



築年数が経過すると、クロスの張り替えや設備交換などの表装リフォームだけでは、内見者から選ばれにくくなる場合があります。



特に築20年以上の物件では、設備や間取りが現代のライフスタイルと合わなくなり、原状回復を繰り返しても賃貸検索サイトの比較段階で候補から外されてしまうケースが増えていきます。



弊社物件では、競合物件と比べると内装や床材の張り替えなどに力を入れていたため、客付けで苦戦することはありませんでした。しかし築24年目の2017年の繁忙期、募集していた部屋の多くが成約に至らず、その年の入居率は77%まで低下しました。



この時に強く感じたのは、「元に戻すだけでは選ばれなくなっている」という現実です。そこで翌年から、空室を順次リノベーションし、20~30代のカップルや新婚世帯をターゲットにしたカフェスタイルの住空間づくりを進めることにしました。



私がリノベーションを選択した理由は、単なる見た目の改善ではありません。ターゲット層が求める暮らし方に合わせて、物件価値そのものを見直す必要があると考えたからです。



▶なお、入居率77%まで低下した当時の状況や、その後どのような空室対策を実践してきたかについては、関連記事「相続してから空室0にするまでやってきたこと①」「相続してから空室0にするまでやってきたこと②」で詳しく解説しています。


▶また、築年数が古い物件の空室対策全体の考え方、リノベーションが本当に必要なケースについては、関連記事「空室対策リノベーション完全ガイド」も参考にして下さい。


2)原状回復だけでは競争力を維持できなかった


原状回復だけでは競争力を維持できなかった

築20年以上の物件では、原状回復だけで競争力を維持することは年々難しくなっています。私自身も長年、原状回復を中心としたリフォームを行っていましたが、築24年目となった2017年に入居率77%まで低下したことで、その限界を実感しました。



なぜなら設備や間取り、収納などは建築当時のライフスタイルを前提にしているからです。



例えば、和室中心の間取りや20年以上前のキッチン・洗面台が残っている物件は、近年の賃貸市場では厳しい競争を強いられる傾向にあります。部屋探しをされる方は、募集図面や賃貸検索サイトの写真を見た段階で、複数の物件を比較しています。



その際、設備更新されていない部屋は、内見候補から外されることも珍しくはありません。特に築20年以上の物件は、「築年数が古い」こと自体が不利なのではなく、「古いまま放置されている」と判断されることが問題です。



そのため、原状回復だけでは競争力を維持しにくくなり、家賃を下げても反響につながらないケースが増えています。



2017年の年間入居率77%の結果を経験したことで、私は従来の考え方を見直す必要があると感じました。そこで考えるようになったのが、「どうすれば選ばれる部屋になるのか」という視点です。


原状回復からリノベーションへと方針転換


そしてその答えを探す中で行き着いたのが、単なる原状回復ではなく、ターゲット層に合わせて価値を再構築するリノベーションという考え方でした。



もっとも、リノベーションは決して安い投資ではありません。そのため当時の私は「本当に投資する価値があるのか」「どうやって費用を回収するのか」という不安を抱えていました。



しかし実際に賃貸経営を続ける中で、リノベーション費用は単なる支出ではなく、収益改善や減価償却という視点も含めて判断すべき投資であることを学びました。



次章では、多くの貸主が見落としがちな減価償却の仕組みと、私がリノベーション投資をどのような視点で判断するようになったのかについて解説します。



3.リノベーション後に知った減価償却という考え方


リノベーション後に知った減価償却という考え方


高額なリノベーションを実施する中で、私が後から知ったのが「減価償却」という考え方です。



当初は工事費の金額ばかりに目が向いていました。しかし賃貸経営について学ぶうちに、リノベーション費用は単なる支出ではなく、税務上の取り扱いによって見え方が変わることを知りました。



ここでは、私自身がリノベーションを通じて知った減価償却の考え方と、それによって費用に対する見方がどのように変わったかをお伝えします。


1)リノベーション費用は単なる支出ではない


リノベーション費用は単なる支出ではない

前章でお伝えした通り、私は所有物件の空室を埋める目的でリノベーションを実施してきました。しかし当初は工事費の大きさばかりが気になり、税務上の仕組みについてほとんど理解していませんでした。



私自身、「リノベーションは費用が高い」という認識しかなく、工事費を回収できるのかという不安もありました。しかし、築20年以上が経過した物件では、原状回復工事だけを繰り返していても必ずしも空室改善につながるとは限りません。



実際に私が所有する1993年築20戸のファミリーアパートも、原状回復中心だったころは入居率が77%まで低下していました。そこで翌年からリノベーションを開始した結果、入居率は大きく改善しました。



この経験を通じて、私は工事費の金額だけを見るのではなく、「その投資によって空室改善や家賃維持につながるのか」という視点で考えるようになりました。



つまりリノベーション費用は単なる支出ではなく、収益改善を目指すための投資という側面もあることに気づいたのです。

2)工事内容によっては減価償却の対象になる場合がある


工事内容によっては減価償却の対象になる場合がある

その後、賃貸経営について学ぶ中で知ったのが減価償却という考え方です。



賃貸経営では、工事内容によって税務上の取り扱いが異なります。例えばクロスの張り替えや設備交換など原状回復を目的とした工事は、一般的に修繕費として処理されるケースがあります。



一方で、設備のグレードアップや間取りの変更など、建物の価値向上や機能改善を伴う工事については、資本的支出として扱われる場合があることを知りました。



私自身、それまでは「工事費が高いか安いか」という視点でしか考えていませんでした。しかしリノベーションについて学ぶ中で、工事内容によって耐用年数に応じて複数年にわたり費用化される考え方があることを知ったのです。



もちろん工事代金を支払えば現金は減ります。しかし原状回復工事のような維持管理費とは異なり、リノベーションによって建物の価値向上や収益改善が期待できる上、税務上の取り扱いも異なる場合があります。



この仕組みを理解したことで、私はリノベーション費用を工事費の代金だけで判断するのではなく、将来的な収益改善や税務上の取り扱いを含めて考えるようになりました。



なお、修繕費と資本的支出の判断は工事内容によって異なります。実際の税務処理については、必ず税理士へ確認することが重要です。


4.減価償却を理解して投資判断の基準が変わった


減価償却を理解して投資判断の基準が変わった

前章でお伝えしたように、私はリノベーションを単なる支出ではなく、投資として考えるようになりました。しかし当初は、一般的な投資回収の考え方に当てはめると、リノベーションに踏み切ることへの不安もありました。



一般的にリノベーションの投資回収は、家賃増額分をもとに計算し、3~5年程度で回収できるかを目安に判断するケースが多いとされています。



弊社物件の場合、1戸あたりのリノベーション費用は約230万円ですが、家賃の値上げ幅は8~10%程度であるため、家賃増額分だけで単純計算すると、投資回収には10年以上かかる計算になります。



この数字だけを見ると、「リノベーションは割に合わない」と判断されるかもしれません。しかし私は家賃アップだけでなく、空室改善や長期入居による効果も含めて投資回収を考えるようになりました。



実際に弊社物件がある山梨県は、全国的に見ても空室率が高いエリアです。また物件供給も多く、都市部のような大幅な家賃アップは期待しにくい市場環境にあります。



そのため私は家賃増額分だけで投資回収を判断するのではなく、次のような複数の効果を総合的に考えて投資判断を行いました。



  • 家賃を8~10%上げる


  • 長期入居につなげる


  • 空室期間を短縮する


  • 貸主負担の原状回復費用を抑える


  • 再募集時の工事期間を短縮する



という複数の効果を総合的に考え、投資判断を行いました。



その結果、2017年に77%まで低下していた入居率は、2025年には97%まで改善しました。また、年間家賃収入も2017年と比較して36%増加しています。



私自身、この結果を経験したことで、リノベーションの投資効果は「家賃がいくら上がったか」だけでは測られないと考えるようになりました。さらに工事内容によって減価償却の対象になる場合があります。



弊社では15戸リノベーションを実施しており、工事内容に応じて減価償却を行っています。実際に毎年210万円を減価償却費として計上しています。もちろん、税務上の取り扱いだけを目的にリノベーションを行うべきではありません。



しかし、空室改善や家賃維持、長期入居に加え、工事内容によっては減価償却という側面もあることを知ったことで、私の投資判断の基準は大きく変わりました。



現在では工事費の金額だけを見るのではなく、「その投資によって将来どれだけ経営改善につながるのか」という視点で判断しています。



5.築20年以上の物件を所有する貸主が考えたいリノベーション投資


築20年以上の物件を所有する貸主が考えたいリノベーション投資


「築20年以上になり、家賃を下げても空室が埋まらない」「建て替えるべきか、それともリノベーションを続けるべきか」と悩んでいる貸主も多いのではないでしょうか?



私自身も1993年築のファミリー向けアパートを運営する中で、築年数の経過による競争力の低下を経験しました。しかし、リノベーションを進める中で感じたのは、築年数そのものよりも「現在の借主ニーズに対応できているか」が収益を左右するということです。



だからこそ築20年以上の物件では、目先の空室対策だけではなく、次の10年、20年を見据えた経営判断が重要になります。



ここでは、築年数が古い物件の価値をどのように維持・向上させるのか、そして建て替えも含めた将来の経営判断について、私自身の経験をもとにお伝えします。


1)築年数が問題なのではなく、価値が更新されているかが重要


築年数が問題なのではなく、価値が更新されているかが重要


築20年以上の物件になると、「古いから空室になる」と考える貸主も少なくありません。しかし私自身の経験では、必ずしも築年数だけが空室の原因ではないと感じています。



なぜなら、同じ1993年築のアパートでも、原状回復だけを行った部屋とリノベーションを行った部屋では借主の反応に大きな違いがあったからです。もし築年数が古いことだけが原因であれば、リノベーションした部屋も決まらないはずです。



しかし実際には、リノベーションした部屋の方が早期成約につながるケースが多くありました。つまり借主が見ているのは築年数そのものではなく、「その部屋でどのような暮らしができるのか」という点です。例えば…



  • 使いやすいキッチン


  • 明るく開放的なLDK


  • 現代の生活に合った収納


  • 清潔感のある洗面スペース



などは、築年数以上に入居判断へ影響すると感じています。実際に、LIFULL HOME'Sが実施したアンケート「次に賃貸物件を選ぶ際に最も重視したいポイント」として、家賃が49%、間取りが18%、立地が14%だった一方、築年数は2%という結果でした。



この結果を見ると、借主は築年数を全く気にしていないわけではありません。



しかし実際の部屋探しでは、築年数よりも家賃や間取り、立地といった暮らしに直結する要素を優先していることが分かります。また同調査では…



  • 築年数が多少古くても、リフォームやリノベーションがされていれば快適に感じる


  • 築古物件でも設備がよければ問題ない


  • 実際に住んでみると、築年数より管理状態が重要だった



といった意見が紹介されています。つまり借主が敬遠しているのは「築年数が古い物件」ではなく、「時代に合わないまま放置された物件」なのです。



だからこそ築20年以上の物件では、原状回復によって元の状態へ戻すだけではなく、現代の借主ニーズに合わせて価値を更新していくことが重要になります。



私はこれこそが、築20年以上の物件にリノベーションが必要な最大の理由だと考えています。


2)リノベーションは事業継続のための投資でもある


リノベーションは事業継続のための投資でもある


かつては、物件の築年数が30年を超えると、出口戦略として建て替えを検討する貸主も少なくはありませんでした。



しかし近年では建築資材や人件費の高騰により、新築アパートの建築費は大幅に上昇しています。そのため以前のように「築年数が古くなったから建て替える」といった経営判断が難しくなりつつあります。



私自身も築年数の経過とともに建て替えを考えたことがありました。しかし現時点では建て替えよりもまず既存物件の収益力を改善することを優先しました。その理由は、築年数が古くなったからといって、必ずしも建物の価値がなくなるわけではないと考えたからです。



実際に弊社では2018年からリノベーションを開始し、これまで15戸の改修を行ってきました。



1戸あたり200万円とすると、累計投資額は3,000万円になります。決して小さな金額ではありませんが、この投資によって、2017年に77%まで低下していた入居率を、2020年以降は95%以上を継続させることができ、年間家賃収入も大幅に増加しました。



また近年は、築年数だけで物件判断する借主は減少し、室内のデザイン性や設備、暮らしやすさを重視する方が増えています。そのためリノベーションは単なる空室対策ではなく、既存物件の収益力を維持・向上させるための経営投資だと考えています。



実際に、建物の収益力が回復すれば、空室による家賃機会損失の削減や家賃収入の安定化につながります。その結果、将来の設備更新や大規模修繕、さらには建て替えを検討する際の選択肢も広がります。



そのため築20年以上の物件では、建て替えを前提に考えるのではなく、まず既存物件の価値を高める選択肢も十分検討する価値があると感じています。



では、将来的に建て替えを検討する場合は、どのような視点で判断すればいいのでしょうか?次に私が考えている「10年後、20年後に見据えた賃貸経営の考え方」についてお伝えします。


3)次の10年、20年を見据えた経営判断


次の10年、20年を見据えた経営判断


もちろん立地条件が良く、将来的にも賃貸需要が期待できるのであれば、建て替えは有力な選択肢の一つです。しかし、近年は建築資材や人件費の高騰により、新築アパートの建築費は大幅に上昇しています。



私が所有する1993年築のアパートも、建設当時は頭金なしで融資を受けることができましたが、現在では建築費の上昇に加え、金融機関から頭金を求められるケースがあり、建て替えのハードルは以前よりも高くなっています。



さらに新築であれば建物完成前に全室満室が当たり前だったのが、難しくなっています。実際に弊社所有物件近くに、2025年12月に完成した新築賃貸マンションは、2026年5月末時点でも15戸中11戸の稼働にとどまっています。



築古物件の出口戦略


一方で、築年数が古い物件を長期間保有していると、建物の減価償却が終了し、税負担が以前より重くなります。しかし私はそれだけを理由に、急いで建て替える必要はないと考えています。



実際には外壁塗装や設備更新、空室対策リノベーションなどを計画的に行うことで、物件の価値を維持しながら経営を継続することが可能だからです。



例えば、原状回復を目的とした外壁塗装や、トイレや給湯器、エアコンなどの設備交換は、原状回復を目的とした工事であれば修繕費として処理される場合があります。その場合は単年度で費用計上できるため、物件の維持管理を行いながら、帳簿上の利益を抑える効果が期待できます。



一方で、建物の価値向上を伴うリノベーションは資本的支出として扱われる場合があり、減価償却として複数年にわたり費用化されます。



このように築古物件の経営では、建て替えだけが選択肢ではありません。工事内容に応じて修繕費と資本的支出を適切に活用しながら、収益力の維持・向上を図ることも重要だと私は考えています。



築20年以上の物件で重要なのは、リノベーションか建て替えを今すぐ決めることではありません。まずは既存物件の収益力を高め、手元資金や経営基盤を強化すること。



そしてその上で10年後、20年後の市場環境や資金状況を見ながら最適な判断を行うことが、長期的な賃貸経営では重要だと考えています。


6.まとめ


今回は、税理士ではなく現役の賃貸オーナーとして、リノベーション費用を考える際に知っておきたい減価償却の考え方についてお伝えしました。



賃貸リノベーションは単なる高額な工事ではなく、空室改善や収益向上、減価償却を含めて考えるべき経営投資です。築20年以上の物件では、原状回復だけでは競争力を維持しにくく、家賃下落や長期空室のリスクが高まります。



弊社でも1993年築20戸のファミリー向けアパートでリノベーションを進めた結果、入居率は77%から2020年以降は95%以上に改善し、年間家賃収入も大幅に増加しました。



さらに工事内容によっては減価償却の対象となるため、費用だけではなく将来の収益や税務面も含めて判断することが重要です。



築年数が古い物件の今後の経営に不安を感じている方は、一度リノベーション投資を検討してみてはいかがですか?




築20年以上の物件で、空室の長期化や家賃下落に悩んでいる場合、まずは「原状回復で十分なのか」「リノベーション投資が回収できるのか」を整理することが大切です。


有限会社山長では、1993年築20戸の自社物件で実践してきた空室対策リノベーションの経験をもとに、物件状況に合わせた改善相談を行っています。


強引な営業や過度なメール配信は行っておりませんので、まずはお気軽にご相談ください。





空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年・98年に祖父が建設した計4棟のアパートを、2006年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと劇的に改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」と「満室継続」を同時に達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

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