賃貸物件の資産価値は築年数の経過と共に下落するため、早期客付けがしにくくなりますがリフォーム/リノベーションすることで資産価値が向上するため…
早期成約
収益改善
効果が期待できます。ただリフォーム/リノベーションは意味合いが全く異なるため、両者を理解しないと空室対策で失敗してしまいます。
本投稿はリフォームとリノベーションの違いについて、お伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"賃貸リフォームとリノベーションの違いについて”
1.賃貸リフォームとリノベーションの違いとは?
そもそも「リフォームとリノベーションの法的定義」は一切ありません。そのため施工会社/管理会社が工事内容から「リフォーム/リノベーション」と表現しているのが現状です。
ただこれだけではわかりにくいので、弊社代表が考えるリフォームとリノベーションの違い(境界線)について、お話させていただきます。
【リフォーム】
簡単に言えば「マイナスの状態をゼロの状態」に戻した部屋のこと。入居期間が長くなると経年劣化が発生してしまうため、現況のままで再募集しても借り手はなかなか見つかりません。
そこで内装や床材交換、場合によっては設備交換することによって、マイナスの状態をゼロの状態=原状回復に戻すことで古臭さ/前借主の生活感がなくなるため、客付けがしやすくなります。
【リノベーション】
リノベーションをわかりやすく言えば、マイナスの状態をプラスにすること。同じ間取りも新築物件と築年数が相当数経過した部屋とでは、室内機能性が180度違います。
内装や設備交換はもちろんのこと、和室から洋室にする/DKからLDKに間取り変更することで新築物件並みの価値になり、見た目的には古さは感じず室内機能性も大幅に向上します。
近年では部屋探しの多様化が進み築年数だけで物件判断される方は少なくなっています。そのためリノベーションすることで早期客付けはもちろんですが収益改善も期待できます。
2.リフォームがおススメな方
従前家賃をキープしつつも費用を抑えた空室対策をしたいと貸主は、リフォームは最適と言えます。
リフォームすることで前借主の生活感はなくなり、部屋の第一印象がとてもよくなるため内見者の家賃予算に合えば成約率が一気に高くなります。リフォームは主に内装/床材張替えがメインとなり設備交換は現況次第となるため、募集時に家賃値上げは正直難しくなります。
なお築年数が20年を超えてくると設備の減価償却し競争力が低下するため、表装リフォームを強化しても家賃維持/早期客付けは難しくなります。
そのためリフォームは概ね築20年以下の物件ではおススメと言えます。
3.リノベーションがおススメな方
リノベーションを行うと物件資産価値が向上するため、家賃値上げ+早期成約がしやすくなります。そのため収益性を高めたいと考えている貸主には最適な方法と言えます。
リノベーションを検討している貸主にとって一番気になるのは、家賃値上げ率ではないでしょうか?
上のグラフは、弊社所有物件がある山梨県甲府市大里町の新築時の2LDK家賃相場と、弊社リノベーション物件の家賃値上げ率を比較したものです。
リノベーション物件に入居したい方は…
新築物件並みの部屋で暮らしたい
新築物件より安い家賃で生活したい
と考えています。そのためリノベーション後の家賃を新築並みにしてしまうと、リノベーション物件に入居したメリットがあまり感じられなくなります。
地域の物価状況によって違いはありますが、リノベーションしても家賃値上げ率は10%/もしくは新築家賃相場の8掛けが限界です。
▶リノベーション家賃設定の詳細は過去記事をご覧下さい。
4.弊社物件の事例紹介
弊社物件では築年数が経過していることもあるので、2018年からリノベーションを行っています。
弊社物件は3棟ありますが、2棟に関しては退去後家賃値上げ目的のフルリノベーションを行い、1棟に部分的なリフォームを行うことで家賃据置で募集しています。
弊社物件家賃は家賃相場と比べると最大1万円以上高い設定となっていますが、本執筆時の2024年2月10日現在満室状態が続いています。リノベーションをする際、明確なビジョンを設定したことで内見した際の第一印象がとてもよくなりました。
弊社リノベーション部屋は
成約ターゲットを20~30代女性
女性が好むフェスタイルに特化した部屋
を意識した部屋作りを行っています。
それではそれぞれの部屋の特徴についてみていきましょう。
(1)リフォーム編
家賃据置の部屋では、リフォーム費用を可能な限り圧縮させなければならないことから、基本的に使用できると判断した内装や設備はそのまま活用していますが、訴求効果を最大化させなければならない箇所は費用が掛かっても交換対応しています。
玄関エントランス
賃貸物件の玄関エントランスは、採光が期待できずまた備え付け照明もそれ程明るくないため暗いイメージになりがちです。そこで弊社物件ではリフォーム/リノベーション時にエントランス照明を変更し、壁棚を設置しています。
リフォーム部屋では、照明及び壁棚をそれぞれIKEA製を採用しています。IKEA製は低価格でありながらクオリティーが高いため、設置することによってエントランスの印象をUPさせることができます。
キッチン
キッチンは賃貸物件にとって「華」というべき部分。特にファミリー物件では女性が成約権を握っていることから、キッチンのクオリティーが低いと成約に結び付けることが難しくなってしまいます。
そこで弊社物件では退去後に温かみや温もりが感じられるカフェスタイルキッチンに変更しています。扉には無垢材を取入れパネルを新調したことで、キッチン印象がとてもよくなりました。
ただこのままでは使い勝手が悪いままとなってしまうため、キッチン改修する際にはカウンターを新設しています。
フルリノベーション部屋ではオリジナルのキッチンカウンターを新設していますが、リフォーム部屋ではコスト削減のためIKEA製を採用しています。
既製品であるもののカウンター部分がとても広いため、使い方によってはダイニングテーブルと兼用できることから、内見された方からも高い評価を頂いております。
(2)リノベーション編
一方フルリノベーション部屋は、「原則従前家賃と比べて8~10%値上げ」して募集することを前提としていることから、カフェスタイルキッチンの他に…
LDKにダウンライト&ペンダントライト
特注のナチュラル洗面台
LDK・和室・洋室の壁に自然素材の漆喰
をそれぞれ標準とし、家賃据置部屋との差別化を図っています。
自然素材の材料をふんだんに取り入れたことで、競合他社との差別化/生活感が感じられないおしゃれな部屋になっているため、入居される方も納得して頂いています。
その結果契約時/更新時家賃値下げ交渉は発生しないため、安定した家賃収入を得ることに成功しています。
▶弊社リノベーション部屋の詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。
(3)資金面について
リフォームやリノベーションをするとなると、費用が高額になる可能性があります。
自己資金で対応すれば一番ベストかもしれません。ただ毎回行うとなると内部留保が少なくなってしまうため借入を起こした方が経営的には安心できます。
融資を行う際可能な限り、金利は抑えたい所です。そこでおススメなのが公的融資。
市区町村では公的融資制度があります。金融機関で借りるより低金利な上条件によっては利子補給/保証料の一部が公的負担になるため、貸主にはとても使いやすい融資と言えます。
▶公的融資の詳細は、過去記事をご覧下さい。
5.まとめ
今回はリフォームとリノベーションの違いについてお伝えいたしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認確認してみましょう。
リフォーム及びリノベーションを行うことで早期成約/資産価値維持が期待できます。
ただ築年数が20年を超えてくると減価償却が終わりさらに家賃相場も一気に値下がりする傾向が強いことから、収益性を確保するのであればリノベーションがおススメです。
近年ではリノベーションを積極的に推進する物件が多くなってきたことから、差別化を図らないと早期成約に繋げることが難しくなってしまいます。
弊社物件ではカフェスタイルに特化したリノベーションを展開することにより、収益性や資産性を高めることに成功し、その結果2年前から増収増益を達成することができるようになりました。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
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