アパート経営の最大のリスクといえばやはり空室。空室が発生してしまうと次の借主が入居するまで家賃入金がないため、早急に客付けしなければなりません。
賃貸物件の空室率上昇の要因は、外的要素(人口減少による賃貸需要低下/物件供給数飽和)が多いですが、競争に打ち勝つ空室対策を行っている物件が少ないのも要因として挙げられます。
賃貸空室率を抑えるには「物件資産価値を高める」ことが重要で、これを行っている貸主はたとえ空室率が悪いエリアでもアパート経営に成功しています。
本投稿はアパート経営で空室率が上がる理由及び対策についてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.アパート経営で空室率が上がる原因とは?
アパート経営において賃貸空室率が上昇する背景には、以下の3つを挙げることができます。
物件供給数飽和
過剰な設備投資
物件管理
それではそれぞれの原因を見ていきましょう。
1)物件供給数飽和
賃貸物件を最も借りる生産年齢人口(15~64才)は1995年をピークに下落していますが、節税対策の一環で賃貸物件供給は続いているのが現状で、特に人口減少が著しい地方都市では賃貸空室率が悪化傾向となっています。
空室率が悪化すると資産価値が高い物件に顧客が流れるため、競争力が低下した築年数が古い物件は空き部屋が多くなってしまいます。
地方都市の人口減少は今後さらに加速するので、地方都市の賃貸市場は今後二極化(顧客の奪い合い)が進み競争に負けた物件は淘汰する可能性が高くなります。
2)過剰な設備投資&価格競争
近年の賃貸市場は借り手有利と言われています。そのため入居促進を図ろうと設備増強&価格競争を行う物件は非常に多くなっています。
設備増強&価格競争を行えば借主から高い評価を受けるため、早期客付けが期待できますが競争に負けた物件は空室率が多くなってしまいます。
3)物件管理
賃貸修繕対応が遅い/借主属性が原因によるトラブル増加/物件清掃が行き届いていないなど物件管理に問題があると…
仲介会社からの紹介されにくくなる
長期入居してもらえなくなる
可能性が高くなるため空室率が悪化することがあります。
特に一番注意しなければならないのは騒音問題で退去となると告知対象物件になり客付けが非常にしにくくなる点です。
2.空室率を抑えるためには?
物件空室率を抑えるには「物件資産価値」を高めることが非常に重要です。
物件資産価値を考える上で参考になるのが新築物件です。新築物件は建物が完成する前に満室になることがあります。入居される方の大半は内見を一切行わないで入居を決意しています。
どうして新築物件は早期に部屋が埋まるのか?借主が新築物件を選択する理由として
入居履歴がない部屋に住みたい
最新設備が充実している部屋で暮らしたい
からだと思われます。新築物件に入居される方は家賃帯は問題にしていません。新築というブランドに興味がある/住みたいから入居します。
つまり物件の価値を高めれば入居希望者は多くなり、空室率を抑えることは十分期待できるはずです。
そこで効果が期待できるのがリノベーション。築年数が20年を超えると設備の減価償却は終了してしまうため空室が目立ち価格競争が激化します。
リノベーションすることで機能性+利便性が向上し、さらに競合物件との差別化+希少性を訴えるような部屋を作れば資産価値を最大化させることができるため、早期客付けはもちろんのこと家賃値上げも可能になります。
▶資産価値を高めるリノベーションに関しては、過去記事をご覧下さい。
3.家賃値下げ集客は絶対NG
空室期間が長期化するより家賃値下げして早期客付けさせた方が、家賃機会損失を最小限に抑えられると言われています。
ただし家賃値下げ集客を行うと…
物件によって家賃差異が発生し、他の借主からクレーム/家賃値下げ要求が起こる
貸主の家賃収入が減少する
借主属性が悪くなり、家賃滞納/トラブル発生率上昇→稼働率の悪化
が発生しやすくその結果負のスパイラルに陥ってしまう可能性が高くなってしまいます。
▶負のスパイラルの詳細は、過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
今回はアパート経営で空室率が上がる理由及び対策についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
賃貸空室率が悪化すると競争力が低下した築年数が古い物件は不利になりがちになります。
しかし物件資産価値を高める対策を講じることで、物件空室率を抑えることができるだけでなく収益性を高めることも期待できるため、安定した家賃収入を得ることができます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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