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築30年のアパートが甦る!リノベーション事例を徹底解説

更新日:9月15日


一般的に物件築年数が30年を超えると、建物の償却期間が終了し節税効果が期待できなくなることや、経年劣化による修繕費の増加などの理由で、物件売却や建て替えを含めた出口戦略を検討する傾向があります。



しかし近年では、部屋探しに対する価値観が多様化が進み、築年数が古い物件でもリノベーションによって魅力を向上させれば、築年数だけで物件判断する方は減少しています。



またライフスタイルに合わせた部屋を提供することで、資産価値が向上し、家賃値上げしても客付けがしやすくなるため、収益性を高めることが可能です。



このような背景から、築30年以上の物件を所有している貸主の中には、建て替えや売却を選択せず、リノベーションに踏み切る選択肢を取る方が増えてきています。



本投稿は築30年のアパートが甦るリノベーション事例について、お伝えいたします。


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【本記事でお伝えする結論】



1.築30年アパートのリノベションの魅力とは?


築30年アパートのリノベションの魅力とは?

築30年のアパートをリノベーションを行うことは、借主と貸主の双方に多大なメリットをもたらし、不動産賃貸市場における競争力を大幅に高める効果があります。



築年数が古くてもリノベーションを行うことで、ライフスタイルに合った新築物件並みのデザイン性と機能性を持った空間に生まれ変わり、また家賃も新築物件と比べ、リーズナブルな設定になっている点も魅力的です。



特に近年ではインフレによる影響で、新築物件の家賃が高騰している状況を考慮すると、リノベーション物件の価値はさらに高まっています。



現代の部屋探しの価値観は大きく変化している中で、新築や築年数が浅い物件を検討されている方、またデザイン性が高い部屋を検討している方にとってリノベーション物件は、有力な選択肢となっています。



そのためリノベーション物件は早期に部屋が埋まる傾向にあります。



リノベーションによる貸主メリット


またリノベーションは、貸主にも大きなメリットを生み出します。



そもそも物件がある場所は、利便性が高く賃貸需要が見込めるエリアであることが多いです。このような条件のもと、競争力を向上させるリノベーションを行うことで、物件の魅力が増し、早期成約の期待できる点は大きなメリットと言えます。



さらに、リノベーションによって資産価値が向上することで、リノベーションを機に家賃値上げがスムーズに行えるようになり、結果的に物件の収益性を高める効果ももたらされます。




2.築30年アパートリノベーション成功事例を知る


築30年アパートリノベーション成功事例を知る


弊社は1993年築の2LDKアパートを3棟20戸所有しています。2018年から空室対策の一環として順次リノベーションを開始した背景には、従来の手法では客付けすることが難しくなったからです。



物件がある山梨県は賃貸空室率が約3割と厳しいエリアで、さらに1990年~2000年に施工された物件が多いため、価格競争が激化しているのが現状です。このような市場環境の中で安定した家賃収入を得るためには、競合物件との差別化は必須です。



弊社物件に入居される主な層は、20~30代のカップルや新婚夫婦であり、多くの場合、女性が部屋探しの主導権を握っています。



この点に着目し、若い女性から支持を得やすい「カフェスタイル」に特化したリノベーションを行い、競合他社が容易に真似できない「自然素材」を活用したデザインを導入。これにより、資産価値の最大化に成功しました。



その結果として、2020年以降は4期連続で増収増益を実現し、年間稼働率も95%以上を維持させることに成功。2025年8月末時点で全20戸中15戸リノベーションを完了しています。


▶弊社リノベーションの詳細は、過去記事をご覧下さい。


リノベーション失敗事例


現在ではリノベーション戦略が軌道に乗っていますが、その過程では数々の失敗も経験しました。最大の失敗例として挙げられるのは、「資産価値が上がれば強気の家賃設定でも客付けはできる」と安易に考え、設備投資を過剰に行ってしまった点です。



この結果、家賃設定が高過ぎたため客付けに苦戦し、最終的には数千円値下げすることで何とか契約に至りました。また融資先の金融機関支店長からも「リノベーションコストを抑えてほしい」と指摘されたほどでした。



この失敗から得た教訓を生かし、家賃値上げの幅を最大10%までに限定し、リノベーション予算を明確化することで運営を改善。結果として、着実な収益拡大とキャッシュフローの安定を達成することができました。


▶弊社リノベーションの失敗事例については、過去記事をご覧下さい。



3.リノベーションを成功させるためのノウハウ


リノベーションを成功させるためのノウハウ


多額の費用が伴うリノベーションを成功させるためには、以下のポイントをしっかりと押さえることが重要です。


リノベーション予算と回収期間を具体的に設定する


古い賃貸アパートをリノベーションすることで、従前と比べ資産価値が高まるため、家賃値上げがしやすくなります。



ただしリノベーションによる家賃値上げは、最大でも新築物件の約8割程度となるため、必要以上に費用をかけると、回収までに長時間を要し、キャッシュフローが圧迫される可能性があります。



一般的にリノベーション費用の回収目安は3年~3.5年程度とされています。そのため、この回収期間内で費用を回収できるよう、予め予算を明確化して計画を立てる必要があります。



もし予算を超えてしまう場合には、以下のような対策を検討すると良いでしょう。



  • 既存設備を活用する

  • 内装グレードを落とす

  • 施主支給を認めてもらう交渉する



これらの手段により、コスト削減を図りつつ、計画内での実現を目指すことが可能です。


ターゲットに訴求する室内空間を作る


ターゲットに訴求する室内空間を作る

リノベーション賃貸物件を求めている方は、一般的にデザイン性が高い室内空間を重視しています。そのためリノベーションを手掛ける際には、ターゲット層に魅力的に映るインテリアデザインを工夫することが重要です。



インテリア空間への配慮が必要な理由として、部屋探しする方は「理想のインテリアスタイルで心地よく暮らしたい」「自分の家具や雑貨と部屋と調和するか」といったポイントを大切にしていることが挙げられます。



そのためリノベーション時には、ターゲットの好みに沿ったインテリアスタイルを追求するだけでなく、家具や雑貨との相性も考慮することが重要です。特に、室内配色を3色以下に抑えることで、落ち着きのある快適な空間を作ることができ、結果的に成約率の向上に繋がると言えるでしょう。


リノベーションの優先順位を決める


リノベーションの優先順位を決める


リノベーションを成功させるには、優先順位を明確にすることが重要です。その中でも特に重要になるのが水回りです。年数が経過した物件の水回りは機能性が低下し、更に見た目も古さを感じてしまいます。



水回りをリニューアルすることで、機能性や利便性を向上させるだけでなく、築年数の古さによるマイナス要素を軽減し、物件価値の向上にもつながります。ただし水回り設備を全て新品に入れ替えるとなると、約150万円ほどの費用がかかるため、予算面で厳しいと感じる貸主も多いかもしれません。



そこで予算を抑えつつも、効果的なリノベーションを実現するためには、集客上特に重要となる設備のみを交換し、状態が良い既存設備は内装のみ張替える工夫を行うことで、コストを削減しながら部屋の魅力を高めることが可能です。



キッチンはリノベーションにおける「顔」とも言える重要な個所であり、多くの方がキッチンの充実度を重視しています。そのため、キッチン交換は必須と言えます。同型タイプの交換なら費用を抑えることができます。



浴室はキッチンの次に重要な水回りですが、既存状態が良ければ内装と鏡、水栓をリニューアルさせるだけでも十分清潔感が感じられます。これにより、システムバスの導入と比べて大幅なコスト削減が期待できます。



さらに洗面台とトイレに関しては、既存設備の状態が良ければ、室内の内装デザインを工夫することで古さが感じられないおしゃれな空間を作り出せます。



水回り全体の交換が予算的に厳しい場合でも、リノベーション箇所の優先順位を考慮することで、コスト削減と物件価値向上を両立させ、魅力的な住空間を提供することが可能になります。



4.リノベーションのメリットとデメリット


リノベーションのメリットとデメリット


築年数が経過した物件をリノベーションすると、従前と比べ資産価値が高まり、現代のニーズに応えた室内空間へと生まれ変わるため、家賃を値上げしても早期成約に繋げられ、結果的に収益性を向上させることができます。



ただし、リノベーションには光もあれば陰もあるという事実を見過ごしてはいけません。施工中に予期せぬ問題や追加コストが発生するケースも少なくありません。



例えば、施工中に建具や老朽化により緊急修繕が必要になる場合があります。これはリノベーションを行う物件なら、どこでも起こり得る問題であり、弊社の過去の事例でも類似したケースが発生しています。



具体的には、脱衣所の床材を改修しようとした際、根太が著しく腐食していたため、予定していなかった追加費用が発生したことがあります。



また現在の賃貸市場では、リノベーション物件の供給は今後さらに増えることが予想されますが、供給過多になれば競争が激化し、物件同士の差別化が求められる状態に陥ります。差別化が不足すれば価格競争に巻き込まれ、思ったような収益が得られないリスクも考えられます。



そのためリノベーションを検討する際には、そのメリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが不可欠です。デメリットについては、事前の計画や適切な対応によってリスクを最小限に抑えることが可能です。


5.築古物件のリノベーションがもたらす経済効果


築古物件のリノベーションがもたらす経済効果


築年数の古い物件をリノベーションすることは、特に将来的に建て替えを視野に入れている貸主にとって、経済的メリットが非常に高い選択肢と言えます。



以前は築30年を超えると、需要が少ないため「売却」か「建て替え」の二択を選ぶ貸主が多く見られました。しかし近年、部屋探しの価値観が広がりを見せ、リノベーションによる資産価値の向上が注目されています。



同時に築年数の古さがあまり問題視されなくなり、家賃を値上げしたとしても安定した収入を期待できる状況が増えています。



築30年越えの物件を建て替えすれば、節税効果が期待できるものの、昨今はインフレの影響で新築物件の建設費が急上昇しています。この結果、十分な頭金を用意しない限り、以前と同じ水準の家賃収入を実現することは難しくなります。



その点、リノベーションは物件の魅力を高めることで、入居率や家賃収入の安定化を図れます。それによって内部留保を増やし、その資金を投資などで運用することで、資産をさらに拡大することが可能となります。



そして十分な資金を確保した状態で建て替えに踏み切れば、新築物件ならではの、より高い収益を得ることが期待できます。



結果として、築古物件のリノベーションは物件の価値向上と安定した収益確保に加え、新たな出口戦略として非常に有効な手法だと言えるでしょう。



6.まとめ


今回は築30年のアパートが甦るリノベーション事例について、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。





築30年以上の物件は資産価値が低下し、収益性が期待しにくいと考える貸主は一定数いると思います。しかし、近年では社会的にリノベーションが社会的に広く認知されるようになり、新たな出口戦略として注目されるようになりました。



特に新築物件との明確な差別化を図ったリノベーション物件は、従来の新築や築浅物件とは異なる「第三の賃貸物件」として位置づけられることから、募集時期に左右されることなく早期客付けがしやすくなります。




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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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