不動産賃貸経営は、他の投資と比べると「リスクが少ない」と言われています。
しかし実際アパート経営をされている方の中には「想定していた家賃収入が入らない」と、悩んでいる方は多いはずです。
弊社物件も、新築当時は満室状態が続いていました。しかし、近所に新規物件が建設されると空室が目立つようになり徐々に家賃を維持することが難しくなっていきました。
その後キャッシュフローは悪化、気づいた時には債務超過状態となっていました。
現在は債務超過を脱し、アパート経営で一定の収益を確保することができるようになりました。
アパート経営の失敗には共通点があります。
本投稿では、実際の私の経験をもとに、アパート経営失敗のリスクを減らすためにどのような部分に気をつければいいのかまとめてみたいと思います。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
”やるべき対策” は下記の3点
ではなぜ現代のアパート経営にこれらの対策が求められるのか。
それらの原因から順に見ていきたいと思います。
1.アパート経営失敗の主な原因
1)需要と供給のバランスが崩壊している
アパート経営失敗の原因として多いのは一部の好立地エリアを除き、需要と供給のバランスが崩壊状態となっていることです。
新築物件や建てて間もない新しい物件は需要も高く早期に部屋が埋まりやすい傾向にありますが、築年数の経過で競争力が低下した物件においては設備投資に消極的な傾向が強く、価格競争に陥りやすくなります。
さらに近年では、「住宅ローン金利が優遇」されているため、戸建て住宅に住替える方が急増しており、地方の賃貸空室率は深刻な状態となっています。
2)キャッシュフローの悪化
アパート経営に失敗する最大の要因は冒頭でもお伝えした通り、当初想定していた家賃収益が得られなくなることです。
正確にはエリア内の価格競争激化で、家賃値下げをしなければならないというケースです。
業界的には「一定期間空室が続いた場合、そのままの家賃にしておくより値下げして機会損失を減らすべき」と考える管理会社が多いため、家賃値下げをお願いされるケースはよくあります。
しかし値下げして成約になったとしても、今までと比較すると収入減になるのは確実です。さらに値下げした家賃は大手賃貸検索サイトを通じて既存入居者が目にする可能性も高く、値下交渉のきっかけを作ることになってしまします。
「一度の安易な家賃値下げから値下がりに歯止めが効かず、気づいた時にはとんでもない経営状態になっていた」と悩むオーナーさんは少なくないのではないでしょうか。
2007年にアパートを相続した自分も正にこの状態でした。
3)広告料を出せば成約になると信じている
都市部の好立地エリアなどでは入居者を募集する際、広告展開する場合があります。
しかしこれは限られたごく一部のエリアのケースであり、大多数のエリアでは行われていません。
(ちなみに弊社物件がある山梨県においては、募集時に広告料をつける慣習はありません)
一日でも早く部屋を埋めたい場合に、仲介会社に対し広告依頼することで、入居希望者へ積極的に紹介してもらうことができます。
しかし「需要と供給のバランスが均衡していた時代」であれば、このような施策は効果が出やすいのですが、供給数が飽和状態となっている昨今ではすぐに結果が出るとは言えません。
さらに積極的に広告展開している物件は「何か成約にならない理由があるのでは?」といったマイナスイメージに繋がってしまう場合があります。
4)オーナー自身の危機意識の低下
私がアパート経営を相続した2007年と現在では「賃貸経営に関する常識」は180度違っています。
2007年当時は地方都市では「リノベーションを行う」という考え方があまり浸透していませんでした。
今では築年数が経過してもリノベーションを通じて収益性を高められることが実証されています。
時代の経過と共に業界の常識も変化していきますが、その流れに順応することができないと「良き時代の賃貸経営」から抜け出せず最悪の経営状態に陥る可能性もあります。
2.必ずやるべき3つの失敗対策
1)家賃値下げ集客からの脱却
築年数が経過すると、「家賃値下げ/空室率が増加しやすくなる」ことは明白となってしまうため、何も対策を講じなけえば、経営状態は悪化してしまいます。
では、どのように改善すればいいのかというと、「家賃値下げ集客」から脱却することです。
家賃値下げ集客から脱却することができれば収益性も安定し、キャッシュフロー自体も改善することができます。
弊社物件エリアにある同築年の他社物件は退去リフォームに消極的であるため家賃相場よりさらに安い家賃設定をしています。しかしなかなか成約に結び付けることができていません。
| 募集家賃 | 差額 |
1996年築 他社2LDK | 4.6万円 | |
1993年築 弊社2LDK | 6.6万円 | +2万円 |
弊社物件も築年数が経過していますが2018年以降、随時ナチュラルテイストに特化したリノベーションを展開し家賃を8~10%値上げしています。
リフォームに消極的な物件の家賃は月4.6万円。弊社リノベーション部屋(上級グレード)の家賃は月6.6万円。差額は2万円、年間24万円となります。
仮に4年入居した場合、その差額は96万円、ほぼほぼ100万円になるわけです。
あくまでこれは1部屋分の計算であり、実際にはこの数字に部屋数の掛け算となりますのでこの2万円がいかに大きいかは言うまでもありませんね。
収益性を高めるのであれば、家賃値下げをするのではなく、資産価値を高めるリノベーションを行い、家賃値上げ集客に舵を切ったほうが経営改善への近道となります。
2)差別化リノベーションの展開
弊社物件は、同築年の他社物件と比べると、比較的退去リフォームをしっかりしていたことから、家賃相場より高い設定であっても、客付けに苦労することはあまりありませんでした。
しかし2017年、今までの対策が全く通用せず募集していた部屋が埋まらないばかりか同時退去も重なり、一気に赤字へ転落することとなりました。
どうしてしっかりとリフォームしているのに、部屋が埋まらないのか?
その理由について次のように分析しました。
エリア内の空室率が上昇
価格競争の激化
自分の物件と競合他社物件が同質化している
このままでは退去が発生した際に客付けが厳しくなることが予想できたため経営方針を一新、リフォームからリノベーションへと大きく転換しました。
ランチェスター戦略とは、世界で最も利用されている戦略のひとつ。
弱者が強者に勝つための戦略方法で、中小企業が大企業に勝ち抜くためには、必須の方法と言えます。
築年数が経過している物件は、ランチェスター戦略上「弱者」に該当します。
弱者が強者(築浅/新築物件)に勝つためには、徹底した差別化戦略が必要となります。
築年数が経過している物件において、価格競争が発生しているのは、同質化物件が多くなってるからです。
意外にも上記内容を把握できていない管理会社、空室対策コンサルタントは多く、リノベーションしても結果が出ていない物件の問題はここにあります。
弊社では、成約のカギを握っている女性=奥様が、100%喜んでくれるであろう「ナチュラルテイスト」に目をつけ、2018年からリノベーションを展開したところ、部屋の価値を認めてくれる方が多くなり、満室経営を実現することができました。
▶︎筆者の取り組みに関する詳細は下記の過去記事をご覧ください
3)独自集客の確立
近年では、リノベーション物件が社会的に認知されつつあることから、必ずしも「築年数だけ」で物件判断されることは少なくなりました。
しかしお部屋探しをされる方の大多数は大手賃貸検索サイトを活用されることからどうしても「築年数や家賃」で物件検索されがちになってしまいます。
そんな中、賃貸物件を借りる割合が多い20~30代は日常的にSNSを利用しています。
そのためSNSを通じて物件情報を配信することでより多くの方に情報を届けることが可能となります。
弊社においても、2018年からリノベーション事業を立ち上げ、同年に公式ホームページも開設しました。開設当初はなかなか反響に結ぶつけることができませんでした。
そこで2020年からホームページ管理を業者に委託したところ、SEO順位も徐々に上がっていき今では特定ワードを入力するとトップページ掲載するまでに至りました。
その結果ご入居される方の約8割は公式サイト経由となりました。
公式サイトからのご契約が増加することで家賃相場の影響を受けにくくなり毎月確実に利益を出すことができるようになりました。
なお、ホームページ制作するとなると、それなりの費用が掛かってしまうのも事実です。
ただし、物件のクオリティーが良ければ、無料で使えるInstagramやTwitterを活用することで、映える写真を掲載すると確実に反響を得ることができるため、効果を実感できます。
【弊社物件公式サイト】
3.まとめ
今回は、「弊社アパート経営の失敗対策を実体験」をもとに解説させてもらいました。
賃貸業界の空室対策は、昔と比べると大きく変わってきています。需要と供給のバランスが崩れてしまっている現在では、「家賃帯をただ値下げ」しただけでは、客付けすることが難しくなってしまい、空室期間が長期化になってしまう懸念がでてきてしまいます。
今回紹介した対策は、しっかり取り組むことで他者には簡単に真似することができない付加価値につながります。
上記3点の対策は実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。
取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090
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