アパート経営は空室や家賃下落などのリスクはあるものの、借主がいる限り毎月安定的な家賃収入が入ります。ただお金の流れを把握しておかないと、突発的な支出が発生した際資金繰りに苦しむことになります。
そのためアパート経営をする貸主はお金の流れをしっかりと理解しておくことが重要です。
本投稿はアパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なのかについてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.キャッシュフローとは?
アパート経営におけるキャッシュフローとは、家賃収入から各種経費やアパートローンなどの返済金を引いた「手元に残る」お金のことを言います。
アパートローンなどの支払日(引落日)はあらかじめ決まっています。そのためキャッシュフローを把握しておかないとキャッシュが焦げ付き返済が滞ってしまいます。
残高不足で引き落とせなかった場合、再引落日までに現金を用意→入金しておかないと信用情報機関に登録(所謂ブラックリスト)され5年間は新規融資が難しくなる/遅延損害金を支払うことになるため注意が必要です。
2.キャッシュフローで勘違いしてしまうこととは?
アパート経営されている方は毎年不動産所得を確定申告しなければなりません。
ただ同じ所得でも帳簿上の所得と実際のお金の流れ(キャッシュフロー)は別物と捉えなければなりませんが、アパート経営を始められた方はこの部分を勘違いされていることがあります。
帳簿上の所得の計算方法:家賃収入−(経費+借入金利子+減価償却費)
キャッシュフローの計算方法:家賃収入−(経費+借入金(元金+利子)+税金)
帳簿上の所得とキャッシュフローの計算方法は異なっているため、帳簿上の所得が黒字なのにキャッシュフローは赤字もしくは逆のパターンも十分考えられます。
なお年度末に支払う所得税は「帳簿上の所得」に応じて課税されますので、貸主はキャッシュが焦げ付かないよう事前対策(内部留保などで支払う)しておかなくてはなりません。
3.アパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なの?
アパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なのか?その理由を解説いたします。
万が一の時すぐに対応できる
築年数が経過すると突発的な修繕が発生したり、リノベーションを行う機会が多くなりますが、キャッシュフローが健全だと借入することなく費用の捻出ができるため収支バランスが崩れることはありません。
空室が発生しても経営が厳しくなるリスクは少ない
アパート経営は空室リスクがつきものですが、キャッシュフローが健全であれば多少空室が発生してもキャッシュ/内部留保から補填が可能なため、アパート経営が厳しくなるリスクは少なく、預貯金等が圧迫されることは少ないです。
4.キャッシュフローで気をつけることとは?
キャッシュフローで気をつけることとは、デッドクロスに巻き込まれないよう事前対策を行うことです。
アパート経営は毎年「減価償却」を経費計上できるため節税効果が期待できますが、減価償却は建物構造躯体により償却期間が決まっています。そのため償却期間が終わると減価償却費と元金返済額のバランスが変わってしまうため…
帳簿上利益が出てしまうことで所得税が高額になりその結果資金繰りが一気に悪化
してしまいます。これをデッドクロスと言います。デッドクロスは築20年を超えてくるとどの構造躯体でも発生リスクがあり、事前対策を講じないと黒字倒産もあり得ます。デッドクロスに巻き込まれないようにするには…
内部留保を貯めておく
減価償却が終了する時期を把握する
ローンの借り換えし月々の返済を減らす
減価償却が終了するタイミングで売却する
償却資産がある物件を購入する
などの対策があります。なお上記対策ができない場合は、リスケジュールを行うしか方法はありませんが…
貸主の格付けが下がる
リスケジュールを行う引き換えとして借入金利引き上げを提示される
リスケジュール中は新規融資が認められない
ため正直あまりおススメできません。
5.キャッシュフローの悪化を防ぐには?
キャッシュフローの悪化を防ぐには以下3点を行うと効果的です。
家賃収入をアップさせる
返済期間を伸ばす
金利交渉する
それではそれぞれの対策を見ていきましょう。
家賃収入をアップさせる
キャッシュフローを改善させるには収入を増やすことが第一条件となります。つまり空室期間を短くし家賃収入をアップさせれば必然的キャッシュは増えるためキャッシュフローは健全となります。
近年の賃貸業界は部屋探しの多様化が進んでいるため、築年数で物件判断される方は少なくなっています。そのため適切なリフォーム/リノベーションを行うことで入居率改善&家賃値上げは十分期待できます。
またこれは多くの貸主が忘れがちですが、空室を作りにくい対策(物件管理を強化)することも行わなければなりません。
返済期間を伸ばす
アパートローンの他に複数借入している場合、金融機関に相談すれば一本化することができます。一本化できれば返済期間を伸ばしてくれる可能性があるため毎月の返済負担額が軽減でき、キャッシュフローを大幅に改善させることができます。
さらに一本化することで毎月の返済日をまとめることができるため、返済日がわかりやすくなります。
金利交渉する
借入金利の引き下げができれば、利息が減るためキャッシュフローを改善させることができます。ただし金融機関にとって利息は利益になるため、簡単に金利引き下げに応じてはくれません。
ただアパート経営で複数年増収増益が達成できれば、交渉すれば金利引き下げに応じてくれる可能性が高くなります。弊社では2020年から毎年増収増益を達成しているため、融資担当者に交渉した結果、一部の借入金利を0.3%引き下げてもらうことができました。
6.まとめ
今回はアパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
キャッシュフローを理解することで資金不足に陥るリスクは少なくなります。ただ今後の賃貸市場は空室率がさらに悪化するためキャッシュフローが悪化する貸主は増える可能性が高いです。
ただ適切な空室対策を行えば客付けで苦戦することはまずないため、キャッシュフローが悪化することは少ないと思います。
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