top of page

アパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なの?

更新日:2025年12月11日


アパート経営は空室や賃料下落などのリスクはあるものの、借主がいる限り毎月安定した収入が得られます。ただし、実際の資金の流れを把握しておかないと、突発的な支出が発生した際、資金繰りに苦しむ可能性があります。



そのため貸主は、資金の流れを理解しておくことが大切です。



本投稿はアパート経営におけるキャッシュフローの重要性について解説します。


▶︎お知らせ◀︎


私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!

まずはお手軽無料相談からお問い合わせください。


 

▼ 目次



【本記事でお伝えする結論】


  • アパート経営におけるキャッシュフローとは、賃料収入からアパートローン返済額、管理会社に支払う管理費や修繕費、固定資産税などの諸経費を引いた、「手元に残る」資金のこと。


  • 帳簿上の所得とキャッシュフローは別物のため、帳簿上、所得がプラスでキャッシュフローがマイナスになることはあり得る。


  • キャッシュフローを理解しておくと、突発的な高額な修繕費が発生しても資金繰りに苦労しない


  • 築20年以上経過すると、建物の減価償却が減少または終了し、デッドクロスに陥る可能性がある。


  • キャッシュフローの悪化を防ぐには、賃料収入を増やすことを意識すること。


1.キャッシュフローとは?


キャッシュフローとは?

本題に入る前に、改めてキャッシュフローについて簡単におさらいしましょう。



アパート経営におけるキャッシュフローとは、賃料収入からアパートローン返済額や管理会社に支払う管理費、修繕費、固定資産税などの諸経費を引いた「最終的に手元に残る資金」のことです。キャッシュフローは、アパート経営を安定させるうえで、非常に重要な指標となります。



アパートローンや諸経費の支払日(引落日)は事前に決まっています。そのため、キャッシュフローをしっかりと把握しておかないと、キャッシュが焦げ付き返済が滞る恐れがあります。



ブラックリスト

残高不足で引き落とせなかった場合、再引落日まで引き落とし口座に入金しておかないと、信用情報機関に登録(所謂ブラックリスト)され、少なくとも5年間は新規融資が受けられなくなります。また遅延損害金が発生する可能性も出てきますので、注意が必要です。



アパート経営を円滑に進めるためにも、しっかりと計画的な管理を心がけることが大切です。



2.キャッシュフローで勘違いしてしまうこととは?


キャッシュフローで勘違いしてしまうこととは?

アパート経営をされている方は、基本的に不動産所得を毎年「確定申告」しなければなりません。



ここで注意しなければならないのは、不動産所得には、会計上の利益にあたる「帳簿上の所得」と「キャッシュフロー」の2つあり、これらは全く別物だという点です。



アパート経営初心者の方は、この違いを認識せず混同してしまう場合があります。その理由として、帳簿上の所得と実際のキャッシュフローは、計算方法が大きく全く異なるからです。




  • 帳簿上の所得の計算方法:賃料収入−(必要経費+借入金利子減価償却費


  • キャッシュフローの計算方法:賃料収入−(必要経費+借入金(元金+利子)+税金)



帳簿上の所得とキャッシュフローの違いについて、損益計算書を使うと、よりわかりやすくなります。



キャッシュフロー

帳簿上の所得

家賃収入

1,300万円

1,300万円

経 費

-200万円

-200万円

元本返済

-500万円

0万円

利息の支払い

-300万円

-300万円

減価償却費

0万円

-200万円

合 計

300万円

600万円




アパート経営において必要経費として認められているのは…



  • 建物や設備の減価償却費

  • 固定資産税、都市計画税

  • アパートローンなどの借入金の利子

  • 修繕費

  • 管理会社に支払う管理料、管理委託費

  • 一定の事業規模があり、要件を満たせば青色申告特別控除

  • 火災保険や損害保険料など



となっています。



実際のキャッシュフローでは、これらの必要経費や税金に加え、借入金の元金と利子を含めた借入金が賃料収入から引かれます。



帳簿上の所得とキャッシュフローの違い

一方、帳簿上の所得では、借入金の元金は必要経費として計上できないももの、現金の支出を伴わない減価償却費は計上できます。この違いが、帳簿上の所得とキャッシュフローに乖離を生む大きな要因となります。



ただ減価償却費は、設備や建物の構造躯体によって法定耐用年数が定められているため、毎年一定額の金額しか落とすことができません。


▶建物別による法定耐用年数の詳細は、こちらをご覧下さい。




キャッシュフローと帳簿上の所得の違い

その結果、所有している物件の築年数や経営状況によって、帳簿上の所得が赤字でキャッシュフローが黒字、もしくはその逆も起こり得ます。



さらに年度末に支払う所得税は、帳簿上の所得をベースに課税されるため、特に減価償却費があまり計上できない築年数が古い物件は、資金不足を防ぐために、内部留保などを活用し、税金の支払いに備える必要があります。



3.アパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なの?


アパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なの?


アパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なのか?その理由について、具体的に見ていきましょう。


リスクに対応しやすい


リスクに対応しやすい

物件の築年数が経過すると、建物や設備の老朽化はどうしても避けられません。それに伴い、設備の入れ替えや外壁塗装工事、また予期しない突発的な修繕が発生することが増えてしまいます。



また空室リスクの増加や、賃料の値下げといった問題も起こりやすくなり、貸主にとっては悩みの種が増えるばかりです。



しかしキャッシュフローが安定していれば、問題が発生しても収支バランスが崩れることなく、一括で対応でき、余裕を持った対策が打てるため、精神的な不安からも解放されます。



金融機関からの評価が高くなる


金融機関からの評価が高くなる


キャッシュフローが安定し内部留保が厚くなると、自己資本比率が向上するため、金融機関からは「返済能力が高い」と認識され信用度が一層高まります。



その結果、プロパー融資が承認されやすくなったり、既存融資の金利の引き下げ交渉が成功しやすくなります。


不動産投資がしやすくなる


不動産投資がしやすくなる


貸主の中には、不労所得を目指して、利回りの良い投資物件の購入を検討される方もいると思います。不動産投資は自己資金と借入金をうまく活用することで、資産を効率よく運用することができます。



かつては自己資金なしでも、投資用物件を購入することができました。しかし「かぼちゃの馬車事件」後は、金融機関側も融資基準を厳格化し、原則自己資金が用意できなければ、不動産融資は厳しくなっています。



しかしキャッシュフローを安定させ、ある程度の自己資金が用意できれば、投資用物件の購入が可能となり、レバレッジ効果による資産拡大も期待できるでしょう。



▶かぼちゃの馬車事件の詳細は、こちらをご覧下さい。



建て替え後のキャッシュフローが良くなる



2015年に相続税の基礎控除が縮小されたことで、課税対象者はこれまでよりも大幅に増加しています。



相続税の負担が身近な問題となっている今、アパート経営は最適な節税対策です。更地の土地にアパートを建設することで、相続税評価額を大幅に下げられ、またアパートローンの残債を債務削除することができます。


建て替えによる逆ザヤとは?

その一方で、近年ではインフレの影響で建築資材や人件費が高騰し、建設にかかる費用が、30年前と比べ2倍近くまでになっています。そのため、相続税や所得税対策でアパート経営を行っても、自己資金が少なすぎると「逆ザヤ」となり、キャッシュフローが厳しくなります。



しかしこの問題は自己資金を多めに入れることで、解決することができます。どのくらいの資金を投入すればいいか、事前にシミュレーションされることをおすすめします。


▶逆ザヤについては、こちらをご覧下さい。



4.キャッシュフローで気をつけることとは?


キャッシュフローで気をつけることとは?

キャッシュフローで気をつけることは、デッドクロスに巻き込まれないよう事前対策を行うことです。



繰り返しになりますが、アパート経営は毎年「減価償却」を経費計上できるため、高い節税効果が期待できます。しかし建物の構造に応じて償却期間が定められており、償却が終わると減価償却費と元金返済額のバランスが変わってしまうため…



帳簿上の利益が発生すると所得税が高額になり、その影響で資金繰りが一気に悪化



してしまいます。これをデッドクロスと言います。



特に新築物件を購入し、構造が木造や鉄骨の厚さが4㎜以下の軽量鉄骨造の物件では、ローン完済より償却が早く終了するため、デッドクロスに入りやすくなります。



デッドクロスを回避


デッドクロスのリスク対策を行わないと、最悪黒字倒産に陥る可能性が高くなります。回避するためには、以下のような方法を検討する必要があります。



  • 内部留保の積み立て

  • アパートを法人化する

  • 借り換えを行い月々の返済を減らす

  • 減価償却が終了するタイミングで売却する

  • 償却資産がある物件を購入する

  • 原状回復目的の外壁塗装を行い、全額修繕費として計上する




貸主によっては築22年以上の木造アパートを購入して、節税対策を強化する方がいます。法定耐用年数を超えた木造アパートの償却期間は4年となるため、短期間ではありますが節税効果が高くなります。



しかし償却が終わると、借入金の元本返済だけが残るだけとなるため、デッドクロスに入ってしまい、また回避しようと売却ができたとしても、所有期間が5年を超えないと譲渡所得税が約40%と高額になります。



したがって、デッドクロス対策のために、安易に中古物件を購入するのは、リスクが高すぎるため、正直おすすめできません。



5.キャッシュフローの悪化を防ぐには?


キャッシュフローの悪化を防ぐには?

キャッシュフローの悪化を防ぐためには、以下3つの方法が効果的です。



  • 賃料収入をアップ

  • 返済期間を延長する

  • 金利交渉する



それでは、これらの具体的な対策について、詳しく見ていきましょう。

賃料収入をアップ


賃料収入をアップ

キャッシュフローを改善させるには、支出を見直しと収入の増加が欠かせません。特に、アパート経営においては、空室期間を短くし賃料収入を増やすことで、健全なキャッシュフローが実現できます。



近年の賃貸業界は部屋探しの方法や、重視するポイントが多様化しており、築年数自体を気にする方は減少しています。



基本的に賃貸物件は、需要が高いエリアにあるため、競争力を高めるリフォームやリノベーションを検討し、その際にニーズが高い設備を導入することで付加価値が高まります。



これにより、周辺の相場より高い賃料設定しても、早期成約や長期入居につながりやすくなり、結果的に収益性を大きく向上させることができます。


返済期間を伸ばす


返済期間を伸ばす


近年はインフレの影響により、契約更新を機に賃料の値上げが行いやすくなった一方で、建築資材費や人件費の高騰により修繕費の負担が増加しています。



さらに、今後日銀が追加利上げを発表すれば、変動金利型のアパートローンの金利負担が大きくなるので、いくら対策を講じてもキャッシュフローの大きな改善は難しくなります。



このような場合、借り入れ金額が大きいアパートローンを借り換えることで、金利負担を抑えられるため、毎月の返済額を軽減することが可能です。その結果キャッシュフローの改善が見込めます。



ただし一般的な借り換えでは、返済期間を延長することが難しいため、キャッシュフローの大幅な改善を期待することはできません。一方で、金利は若干高めとなるものの、ノンバンク系の金融機関で借り換えを行えば、返済期間を長めに設定できるため、月々の返済額を大幅に削減でき、キャッシュフローの改善効果は大きくなります



特に賃貸需要が高い人気エリアに物件を所有し、デッドクロス対策を検討している方にとっては、非常に有効な選択肢と言えるでしょう。


▶各金融機関による借り換えの書斎については、こちらをご覧下さい。




**弊社事例紹介**


借り換えによりキャッシュフローを改善


弊社では1993年からアパート経営を行っていますが、これまでに一度だけアパートローンの借り換えを行いました。しかし、ローン完済よりも建物の償却が先に終了してしまうため、2024年度からデッドクロスになり、最大で所得税が300万円になる恐れがありました。



メインバンクに相談した結果、高い担保能力と安定した入居率、そして事業の収益性が評価され、アパートローンを含む大口融資5本をノンバンク系の金融機関に借り換えを行うことができました。



この借り換えにより、毎月のキャッシュフローは飛躍的に改善しました。



また2024年度は、リノベーションに加え、駐車場のライン引き工事や宅配ボックスの設置、共用灯LED交換などの工事を実施したことで、経費を多く計上すうることができました。結果的に所得税の負担は想定の3分の1程度に抑えることができました。



▶弊社のデッドクロス対策の詳細は、こちらをご覧下さい。


金利交渉する


金利交渉する

借入金利を引き下げることができれば、利息負担が軽減されるため、キャッシュフローの改善につながります。ただし金融機関にとって利息は利益源となるので、簡単には応じてはくれません。



しかしアパート経営において、複数年結果を出すことができれば、交渉次第では金利引き下げに応じてもらえる可能性が高まります。



実際に、弊社では2020年以降、毎年増収増益を達成しており、その実績を踏まえて融資担当者に交渉した結果、一部の借入金利を0.3%引き下げることに成功しました。


▶弊社リノベーションの実績については、過去記事をご覧下さい。



6.まとめ


今回はアパート経営においてキャッシュフローはなぜ重要なのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。



  • アパート経営におけるキャッシュフローとは、家賃収入から諸経費やアパートローンなどの返済金を引いた「手元に残る」お金のこと。


  • 帳簿上の所得とキャッシュフローは別物のため、帳簿上、所得がプラスでキャッシュフローがマイナスになることはあり得る。


  • キャッシュフローを理解しておくと、突発的な高額な修繕費が発生しても資金繰りに苦労しない


  • 築20年以上経過すると、建物の減価償却が減少または終了し、デッドクロスに陥る可能性がある。


  • キャッシュフローの悪化を防ぐには、賃料収入を増やすことを意識すること。



キャッシュフローを正しく理解することで、資金不足に陥るリスクを大幅に減らすことができます。しかし、今後の賃貸市場は人口減少の影響から、エリア空室率がさらに悪化する可能性が高いため、キャッシュフローが厳しくなる貸主は増えることが予想されます



ただし、適切な空室対策を行えば客付けで苦戦することはほとんどなく、結果的にキャッシュフローの悪化も抑えられると考えられます。



今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。


そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。


過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

055-241-2218

090-8514-3562


コメント


bottom of page