募集中の賃貸物件を早期に埋めるためには、顧客が満足できるような部屋を提供しなければなりません。そのためニーズがない設備/間取りは早期に対応することが求められます。
昔の賃貸物件には和室は当たり前にありました。しかし洋室生活が当たり前となった今の時代物件に和室があると集客上不利になりやすいため、近年施工された物件では全室洋室化/和室があった古い物件は洋室に間取り変更するのが当たり前となっています。
ただ若い世代が戸建て住宅を購入する際、和室を設ける比率が高い調査結果が出ていることを踏まえると、貸主が思っている以上「和室離れ」は進んでいない仮説が生まれます。
本投稿は賃貸和室間取り変更は、集客上効果的なのかについてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"賃貸和室間取り変更における重要なポイント”
1.賃貸和室が敬遠される最大の理由
賃貸物件で和室が減少傾向になっている表向きの理由は、ライフスタイルの変化です。洋室化が進むことで和室需要は減少傾向となり、さらに近年では和室生活をしたことがない方もいることから集客上不利になります。
ただし本当の理由は退去時に表替え費用が必然的に発生することによる入居拒否です。畳はフローリングと比べ日焼けがしやすいことから退去後表替えが必須となります。
国土交通省が作成したガイドラインでは、和室表替えについて
入居者入れ替わりによる物件の維持管理上の問題
であることから賃貸人=貸主負担が妥当と判断しています。しかし賃貸借契約の特約事項に「表替え費用は借主負担」にしているため、和室がある物件では借主が表替え費用を支払わなければなりません。
和室の表替え費用は6帖タイプでおよそ3万円。近年の賃貸市場は「退去費用を抑えたい」と考える方が多いため賃貸和室需要は大幅に減少。そのため入居促進を図るため和室がある物件では洋室に間取り変更している所が急増しています。
2.若い世代の和室の考え方
ファミリー物件に入居される方の中には、戸建て住宅を購入し住替えされる方がいます。
賃貸の和室離れが深刻になっていることは戸建て住宅も全室洋室化となっている可能性が高いと思われます。ただ住環境研究所が発表したリリースによると「若い世代ほど和室を設けている」ことがわかったとのことです。
▶住環境研究所のリリースはこちらをご覧下さい。
同研究所は、和室本来の「客間」としての使い方から、子育てをする場としての需要が高くなったと分析しています。つまり若い世代から受け入れられる和室であれば、和室間取り変更しなくても一定の需要はあると推察することができます。
3.和室が集客上武器になる
弊社物件は築年数が経過しているため、2018年以降空き部屋を随時リノベーションを行っています。弊社物件は新築時から和室が標準となっていますが、リノベーションを機に和モダン空間が魅力的な琉球畳に変更しています。
結論から先に申し上げますと、琉球畳を導入したことにより内見者の和室嫌悪感は全くなく逆に高い評価をもらうことができ入居促進を図ることができています。
内見者/借主評価が高い理由は、以下の2点です。
高評価①:畳がおしゃれ
縁がない琉球畳は和室特有の「堅苦しさ」が全くなく、また畳の置き方を変えることで「市松模様」となり魅力的な空間となります。
高評価②:デメリットがない
琉球畳は一般的な畳と比べて「日焼けがしにくいため退去後の表替え不要」「ダニが発生しにくい」ため、内見者/借主の悩みがゼロになります。また畳はクッション性があるため生活音対策としても有効。
子育てをされているかたにとっては、使い勝手がいい部屋となります。
コストの面で比較すると和室から洋室に間取り変更した方がメリットが大きくなりますが…
洋室に変更しても和室感は残る
競合物件も同様の対策をとる
ため差別化を図ることが難しいため費用対効果を期待することができません。一方費用は掛かるものの琉球畳に変更することで内見時の印象が高く差別化を図れるため、費用対効果は十分期待できると思われます。
▶弊社和室リノベーションについては、過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
今回は賃貸和室間取り変更は、集客上効果的なのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
賃貸和室は需要がないから洋室に変更する物件が多くなっているものの、顧客が受け入れてくれる和室を用意することで内見時の第一印象UP/差別化を図れることから入居促進/集客上有利になります。
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アパート経営、空室対策コンサルタント
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