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賃貸アパート空室が埋まる物件と埋まらない物件の決定的な違いとは?

更新日:2 日前


賃貸経営の大きな魅力といえば、借主さえ確保できれば、安定した賃料収入を得られることです。しかし近年の賃貸市場は「人口減少」と「物件供給数飽和」などが原因で、全国的に賃貸空室率は悪化している状況です。



加えて地域や物件によって稼働率に大きく差が生じており、地域によっては二極化が進んでいます。アパートの空室が埋まらない理由としては、以下のような要因が一般的に上げられています。



  • 築年数が古い

  • 相場より高い賃料設定



これらはよく知られた理由ですが、最近では部屋探しの多様化が進み、築年数や賃料だけで物件を選ばれることは少なくなっています。賃貸アパートを選ぶ基準が多様化しているため、実際に空室が埋まらない本当の原因は、これらとは異なる可能性が高いです。



この背景をよく理解し、変化し続ける市場に対応できる戦略を立てることが、賃貸経営の成功への鍵と言えるでしょう。



本投稿は、賃貸アパート空室が埋まる物件と埋まらない物件の決定的な違いについて、お伝えいたします。


▶︎お知らせ◀︎


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▼目 次



【本記事でお伝えする結論】


  • 空室が埋まる物件と、埋まらない物件の決定的な差は「訴求力」


  • 空室が埋まる物件は資産価値を向上させる空室対策を行ってるため、多くの仲介会社から評価→紹介されやすくなる。


  • 訴求力がなく物件清掃が行き届いていない物件は、仲介会社から忌避され空室が埋まりにくい。




1.賃貸アパート空室が埋まらない物件の特徴


賃貸アパート空室が埋まらない物件の特徴

部屋探しされる方は平均して3件程度内見を行い、また平均空室期間は約3~4か月と言われています。そのため募集から3か月経過しているのに、反響数が少ない/空室が埋まらない場合、以下の5つのポイントに問題がある可能性が高いと考えられます。



  • 共用部分の清掃が行き届いていない

  • 物件の訴求力が低下している

  • 仲介会社が忌避している

  • 最低限の設備が設置されていない

  • 物件管理に問題がある



それではそれぞれの問題点について、詳しく見ていきましょう。



1)共用部分の清掃が行き届いていない


共用部清掃が行き届いていない

物件を内覧する際、一番最初に確認されるのは、共用部分や外観周りです。第一印象はたったの約3秒で決まり、その約55%が視覚からの影響を受けると言われています。




ごみ置き場や駐輪場、外観周りは定期的に掃除を行わないとごみや枯葉が溜まりやすくなります。共用廊下がある物件は、夏の時期になると虫の死骸や蜘蛛の糸が目立ち、不快な印象を与えかねません。



また物件の外壁は紫外線や風雨の影響を受けるため、次第に劣化していきます。そのため、10年に1度の割合で外壁塗装を行わないと、年数以上に古さが目立ち、建物の第一印象を損なう原因となります。



共用部分清掃や外壁塗装が行き届いていない物件は、内覧者や借主に良い印象を与えられないため、成約低下の原因となってしまいます。



さらに共用部分の清掃が不十分な物件は、賃料の引き下げや募集条件を見直したとしても空室が長期化しやすくなり、また借主の満足度にも悪影響を与え、結果として物件稼働率を高めることが厳しくなります。


▶日本トレンドリサーチのリリースは、こちらをご覧下さい。



2)訴求力が低下している


訴求力が低下している

部屋探しをされている方の約7割は、主要賃貸検索サイトであるSUUMO、HOME'S、at-home

のいずれかを利用し、利用者の半数以上は水回りを確認していることが、at-homeが2025年に発表したリリースで明らかになっています。


▶at-homeが発表したリリースは、こちらをご覧下さい。




水回りは年数が経過すると、内装を張り替えたとしても古さや汚れが目立ちやすい箇所です。特に築20年を超えた物件では、水回りをリフォームしない限り、入居後の暮らしのイメージがしにくいため、適正賃料で募集していたとしても、空室は埋まりにくくなります。



さらに、古い物件の中には、敷金と礼金が設定されているケースがありますが、部屋探しをされている方は、初期費用を抑えたいと考えています。とりわけ競争力が低下した古い物件において、敷金と礼金があることで、かえって敬遠される可能性が高くなってしまいます。



弊社物件を管理している管理会社によると、貸主の中には、利回りを基準にリフォーム内容を決めているとのことです。



ただその物件は築20年を超えており、それだけでは競争力を高めることができないため、リフォームの強化が必要だと、その貸主に提案しているとのことです。しかしなかなか理解してもらえない状況が続いているようです。



物件稼働率が低い状態では、管理会社にとっても管理業務の費用対効果が期待できなくなるため、場合にとっては管理契約の解除を通告される可能性があり得ます。



3)仲介会社が忌避している


仲介会社が忌避している

仲介会社は物件が成約しない限り、報酬となる仲介手数料を受け取ることができません。仲介手数料は最大でも家賃1.1か月分までと決められているため、仲介担当者には成約ノルマが課せられています。



そのような背景から、物件訴求力がない、または清掃が行き届いていないと、仮に内見があっても成約率は低くなることから、仲介会社から忌避される可能性が高くなります。



実際に賃貸検索サイトの反響が少なすぎる物件は、掲載を一方的に取り下げるケースがあり、また訴求力が著しく欠ける物件は当て馬的に扱われることがありますが、空室で悩んでいる一部の貸主はこの現実を把握していない可能性があります。


~お役立ち情報~


以前に弊社にお問合せされたある貸主の物件について、ご紹介します。



その物件は築40年を超えていて、低所得者に向けて募集を行っていたため、リフォームは原状回復程度しか行われていませんでした。主な募集条件、客付け対応をまとめると以下の通りです。



  • 相場より低い賃料で募集

  • インターネット無料提供

  • ペット3匹までは飼育可能

  • 客付けに強い仲介会社に定期的に訪問営業



この物件をある賃貸検索サイトで閲覧した際、問合せ数が100件を超えていたものの、あまりにも訴求力が低かったことから、結果的に空室期間が1年半と長期化しました。



恐らく仲介会社からは忌避されていた可能性は高いと思われます。最終的に賃料をさらに5,000円値下げした後、ようやく成約に至りました。



▶仲介会社が賃貸検索サイトの掲載を取りやめる、当て馬的に扱う理由については、こちらをご覧下さい。




4)最低限の設備が設置されていない


最低限の設備が設置されていない

全国賃貸住宅新聞社では、毎年10月に「この設備がなければ入居が決まらないTOP10」を発表しています。



  • エアコン

  • 室内洗濯機置き場

  • テレビ付きモニターホン



は例年のランキングで単身/ファミリー物件ともトップ3位に入っており、特に需要が高い設備と言えます。これらの設備が1つでも設置されない場合、賃貸検索サイトの検索に漏れてしまう可能性が高まります。



また独立洗面台、温水洗浄便座、追い炊き機能は、トップ10入りしていますが、これらの設備は、部屋探しされる方からは「設置して当たり前」とみられる傾向があります。そのため、1つでも設置していないと空室は埋まりにくいと考えた方がいいと思います。



今回取り上げた設備は、比較的コスト負担が大きくないものばかりです。これらを導入することにより、賃貸検索サイトの検索に該当しやすくなり、反響数の増加が期待できます。そのため費用対効果の面から見ても、効果的な設備投資といえます。


▶最新の人気設備ランキングの詳細は、過去記事をご覧下さい。



5)物件管理に問題がある


物件管理に問題がある

設備や騒音トラブルは、建物の築年数関係なく発生してしまう問題です。しかし、管理対応が遅れると顧客満足度の低下につながり、退去(住み替え)リスクが高まります。



特に注意しなければならないのは、騒音トラブルが原因で借主が退去してしまうと、仲介担当者は内見の際に、その事実を伝えなければなりません。その結果、適正賃料で募集しても空室が埋まりにくい状態が続いてしまう恐れがあります。



騒音トラブルが発生する背景には、借主属性の低下を挙げることができます。入居率を高めようと入居審査を緩くしてしまう物件ほど、こうしたトラブルは発生しやすい傾向にあるため、注意しなければなりません。


▶告知義務について、また騒音トラブルの実態についてはこちらをご覧下さい。




2.賃貸アパート空室が埋まる物件の特徴


賃貸アパート空室が埋まる物件の特徴

賃貸経営で成功されている貸主は、空室を解消するためのポイントをしっかりと把握しています。そのポイントとなる「空室を埋めるコツ」は以下5つのことを指します。



  • 共用部分清掃の重要性を理解している

  • 訴求力が高い部屋を提供している

  • 仲介会社からの評価が高い

  • 設備が充実している

  • 管理能力が高い



それではそれぞれのコツを解説します。



1)共用部分清掃の重要性を理解している


共用部清掃の重要性を理解している

物件の清掃がいかに顧客を引き付ける、重要な第一歩であるかは、飲食業界ではすでに証明されています。日本トレンドリサーチの調査結果を見ても、その影響力を改めて痛感します。リリースによると…



  • 飲食店内が不潔であることを理由に、それ以来訪れなくなった方は約6割

  • 料理やサービスが良くても店内が不潔であれば再訪しない方は約5割



であることが判明しました。



これらの数字が示しているのは、清掃と顧客満足度、そして集客力との間に密接な関係があるという事実です。清掃は単なる「見た目」の問題ではなく、顧客がその場を快適に感じられるか、信頼できる空間であるかどうかを左右する、大事な要素と言えます。



成功している貸主は共通して物件清掃の重要性を深く理解しており、定期的な清掃を徹底しています。



物件清掃は一般的に外部業者に委託するケースが多く、費用相場は1回あたり3,000円~4,000円程度です。もし物件が自宅近くにある場合は、貸主自ら行うことで清掃コストを抑えることができます。


▶日本トレンドリサーチのリリースはこちらをご覧下さい。



2)訴求力が高い部屋を提供している


訴求力が高い部屋を提供している

近年の賃貸業界は空室率の増加が大きな問題となっており、特に築年数が古い物件は競争が激化しています。



空室対策の一環として、人気設備を導入する物件は多いですが、競合物件も似たような施策を実施するため、結果的に同質化になりやすく、客付けが難しくなる可能性があります。



株式会社一条工務店が、全国の男女1,097名を対象に実施した「住まいのインテリアに関する意識調査」によると、「最も好きなインテリアテイストを実現できている」と回答した方は僅か4.2%で、実現できていないと回答した方は約6割いることが明らかになりました。



特に、賃貸物件に入居している方の約7割が、理想のインテリアを実現できていないことを踏まえると、リフォームやリノベーションを行う際は、ターゲット層の好みに合ったインテリアデザイン空間を提供することが重要になります。


▶一条工務店が発表したリリースは、こちらをご覧下さい。




間取り変更

また築年数が古いファミリー向け物件には、間取りがDKだったり、和室が設定されているケースがあります。しかしファミリー向け物件を求めている若い世代は、洋式での生活スタイルが一般的であり、広々とした快適なリビング空間を重視しています。



そのため物件の間取りがDKだったり和室があると、現代のライフスタイルとマッチしづらくなり、適正賃料以下で募集しても客付けが難しくなります。




築年数の古い物件を所有しつつも、賃貸経営に成功している貸主は、内覧の際、入居後の具体的な生活イメージを連想させることの重要性を理解しています。



そのため、リフォームやリノベーションを行う際には、ターゲット層のニーズを徹底的に分析し、好みに合わせたインテリアデザインや間取り変更を積極的に行っています。


▶ターゲット層の分析方法、間取り変更の成功事例の詳細は、過去記事をご覧下さい。




3)仲介会社からの評価が高い


仲介会社からの評価が高い


一部の貸主は、利回りを基準にリフォームの範囲を決めていますが、この方法では物件の競争力が向上しないため、結果的に空室の長期化や、賃料を値下げを余儀なくされてしまいます。



その結果、損益分岐点が高くなり、少しの空室でもキャッシュフローが悪化してしまう可能性があります。



賃貸経営で成功している貸主は、「物件価値の向上」が安定した賃貸経営を継続させることができると認識しています。



そのため築年数に応じて適切なリフォームやリノベーションを積極的に実施し、また内見者から交渉が入った際は、可能な限り迅速に対応しています。



物件価値が高まっていると、仲介担当者も客付けしやすいと評価され、優先的に紹介されるケースが増えます。その結果、多少賃料が高めでも早期に部屋が埋まりやすくなります。



4)設備が充実している


設備が充実している

築年数が経過すると設備の老朽化が目立つため、古い設備のままでは客付けが難しくなってしまいます。



築20年を超えたタイミングで、設備の入れ替えを行うことで、機能性や利便性が高まり、賃貸検索サイトからの反響アップが期待できます。しかし、築年数が浅い物件と比べると、防犯性能は明らかに劣ってしまうため、セキュリティーを重視する女性や学生にとっては、不満に感じてしまいやすくなります。



防犯性能を高めるには、ホームセキュリティーやオートロックを導入するのが一番効果的です。しか導入コストが高いうえ、毎月ランニングコストも発生するため貸主の負担が大きくなります。



そこでおすすめしたいのが防犯カメラです。設置費用は約30万円前後と決して安くはありませんが、築年数が古い物件には設置されていないことが多いため、対応することで防犯抑止効果が高まり、入居率の向上に役立ちます。



5)管理能力が高い


管理能力が高い

賃貸物件の設備故障は予測が難しく、集金管理物件においては、設備修理や交換を行う際には、管理会社は貸主の許可がなければ対応することができません。



費用が高額になる場合を除いて、原則貸主決裁不要ですぐに対応することができれば、結果的に顧客満足度が向上し、長期入居や退去抑制に繋がりますが、賃貸経営に成功している貸主は、その点を理解しています。



また築年数が古くなると属性が悪化し、騒音トラブル/家賃滞納が発生しやすくなりますが、資産価値を高めるリフォーム/リノベーションを行うことで、賃料値上げが容易になり借主属性の改善が期待できます。



3.まとめ


今回は賃貸アパート空室が埋まる物件と埋まらない物件の決定的な違いについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。



  • 空室が埋まる物件と、埋まらない物件の決定的な差は「訴求力」


  • 空室が埋まる物件は資産価値を向上させる空室対策を行ってるため、多くの仲介会社から評価→紹介されやすくなる。


  • 訴求力がなく物件清掃が行き届いていない物件は、仲介会社から忌避され空室が埋まりにくい。



空室が埋まらないのは必ず根本的な原因があります。その原因を正確に把握しない限り、賃料を引き下げるなどの対策を講じても、十分な効果は得られません。



弊社物件は築年数が古く、さらに立地する山梨県は賃貸空室率が25%台と高めの水準です。しかし今回紹介した「空室が埋まる方法」をすべて実践した結果、2020年以降増収増益し、物件稼働率は95%以上を継続することに成功しています。




▶弊社空室対策詳細は、過去記事をご覧下さい。



▶アパートリノベーションによる収支改善については、過去記事をご覧下さい。



今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。


そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。


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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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