築年数が古くなると物件資産価値が低下するため客付けが厳しくなってきます。築古物件の客付け対策というと「適正家賃に合わせる」のがポピュラーです。
しかし近年の賃貸市場は空室率が全国的に悪化しています。野村総研の予測では2040年に空室率が40%前後になる予測を出していますが、空室率悪化は適正家賃に合わせても客付けできない物件が今より多くなるため、根本的な解決とは言えません。
築古物件の空室対策で必要なことは、築古物件問題点を把握しどう解決すればいいのか対策を講じることです。
本投稿は築古物件の空室対策で必要なことについて、お伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.築古物件の問題点
築年数が古い物件では様々な問題が発生してしまいます。代表的な問題点は以下3つです。
競争力低下
価格競争
借主属性低下
それではそれぞれの問題点を見ていきましょう。
1)競争力低下
物件築年数が経過すると新築物件と比べ室内機能性や利便性は大幅に下落しています。そのため競争力が低下し客付けに時間がかかるケースが多くなります。
設備投資を行えば競争力が高まるものの、大多数の物件は家賃値下げ対応する場合が多いです。ただ家賃値下げは家賃収益をマイナスにしてしまうため根本的な解決とは言えません。
2)価格競争
賃貸市場は需要と供給のバランスが完全に崩れています。競争力が高い新築/築浅物件はある程度の需要があるため客付けが厳しくなることはあまりありませんが、築20年以上経過した物件は競合物件との競争が激しくなり、価格競争が発生します。
価格競争は貸主の家賃収益をマイナスにするだけではなく、借主属性までも低下させてしまうため賃貸経営が厳しくなってしまいます。
3)借主属性低下
家賃値下げは借主属性が悪くなり管理トラブルが発生しやすくなります。管理で特に問題になるのが「家賃滞納」「騒音トラブル」です。
家賃滞納は家賃保証会社を利用することで貸主に直接的な影響はありません。
(ただし強制退去となると裁判所立会いのもと対応することになるので心理的なダメージは大きくなります)
ただ騒音トラブルは騒音が理由で退去となると、告知義務対象物件となるため客付けが非常に厳しくなります。
2.築古物件の空室対策で必要なこと
築年数が古い物件の空室対策で必要なことは、以下の3つです。
ブランドを高める
借主属性を高める
集客を見直す
それではそれぞれの対策を見ていきましょう。
1)物件ブランドを高める
部屋探しされている方は、築年数が古い物件=「古い」「生活がしにくい」イメージが強いと思われがちですが、エイブルが20~30代男女にアンケート調査したところ、築年数にこだわりはない/リフォームしていれば気にならないと回答した方が約3割いました。
▶エイブルの調査結果は、こちらをご覧下さい。
そのため築年数が古い物件の空室対策を行う際は、機能性や利便性を向上させたリノベーションを行いブランド力向上を図ることが重要となります。
ただし近年では競合物件もリノベーションを行っているため、リノベーションを検討する際は競合物件との差別化を図らないとブランディングを最大化させることが難しくなってしまいます。
▶差別化戦略の詳細は過去記事をご覧下さい。
2)借主属性を高める
長期入居者を増やすことも空室対策上重要となります。長期入居者を増やすためには前掲したブランディングを最大化させるリノベーションを行い、借主属性を高める対策を行うことです。
借主属性を高めるには以下対策を講じると効果的です。…
家賃値下げは行わない
入居審査で滞納歴/転職歴がある人は入居させない
入居動機が曖昧な方は入居させない
借主属性が高くなると問題行動を起こす方は殆どいないくなるため、リノベーション+管理のクオリティーが高ければ長期入居してくれる方が増えてきます。
▶長期入居者の重要性に関しては、過去記事をご覧下さい。
3)集客を見直す
賃貸検索サイトは希望条件を入力することができます。そのため競争力が低下している築年数が古い物件は反響数を伸ばすことが難しくなり空室期間が長期化傾向となります。
ただ部屋探しされる方は必ずしも賃貸検索サイトを利用しているとは限りません。賃貸物件を最も利用している20~40代は調べ物をする際「リアルな本音」「時短検索」を求めSNS検索を利用するケースがあります。
そこでSNS媒体を使って物件告知を行うことで、物件情報をより多くの方に確認してもらうことができ反響数アップさせることが期待できます。
▶SN集客の重要性は過去記事をご覧下さい。
3.まとめ
今回は築古物件の空室対策で必要なことについて、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
築古物件はイメージ的にマイナスになるため、空室対策をする際「良い意味でイメージを裏切る」ような部屋作りをしないと、早期客付けは厳しくなります。
弊社物件は築年数が経過しますが、今回紹介した空室対策を行ったことで…
入居率/稼働率/家賃収入は2020年以降右肩上がりとなっています。また本執筆時の2024年2月1日現在満室状態を継続しています。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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