賃貸経営をされている貸主にとって、退去による空室期間をいかに短縮させることができるかが勝負となってきます。
空室による家賃機会損失を少なくすれば安定した家賃収入を得ることができますが、空室が長期化になれば家賃損失が大きくなるため収益に大きな影響が出てきます。
一般的な賃貸成約期間はおおむね3か月前後と言われていますが、エリアや築年数、募集時期によって多少の差異ははあります。
賃貸客付けができない場合「必ず原因」があります。原因を追究し対応しなければ部屋は絶対に埋まりません。
そこで本投稿は賃貸客付けができない時に確認すべきこと、また改善すべきことについてお伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸客付けできない時に確認すべきこと
賃貸内見からの成約率は約20%と言われています。そのため早期客付けさせるためには「内見数を増やす」ことが求められます。
賃貸客付けが停滞している場合、以下の4つのいずれかに原因があると考えられます。
・賃貸検索サイトの反響
・物件クオリティー
・入居条件に付いて
・仲介会社に嫌われている
それではそれぞれの原因についてみていきましょう。
1)賃貸検索サイトの反響
物件を募集する際、主要賃貸検索サイト(SUUMO/HOME'S/at-home)に物件情報を掲載するのが一般的です。
同サイトは部屋探しされる方が最も利用されることから、物件情報を掲載することで早期客付けさせることが期待できます。
しかし同サイト内には「検索画面」があるため、希望条件に1つでも該当しない物件はその時点で成約対象外となってしまいます。
そのため検索に引っかかってしまうと内見予約に繋げることができないため、反響を得ることが難しくなります。
2)物件クオリティー
部屋探しされている方は、平均3件内見していると言われています。
そのため貸主物件に内見が入ったとしても、他社物件の外観/内観クオリティーが高ければ必然的に他の物件に流れてしまう可能性は高くなります。
特に物件敷地内にある「ごみ置き場」「駐輪場」「共用廊下」は物件の第一印象を決める重要な場所です。上記が清潔になっていないと仮に内観が良くても内見者の印象は悪くなってしまうため他の物件に流れる可能性が非常に高いです。
3)入居条件について
一定の反響数はあるが客付けに結び付かない場合、もしかすると入居条件が厳しいことが考えられます。
例えば敷金や礼金は昔からある賃貸商慣習のため、入居条件に入れている物件があります。
ただ敷金は「家賃保証会社」を契約時に利用することで敷金の代わりとなり、また礼金は物件供給数が少なかった時代における貸主謝礼金の意味合いが強いことから、敷金/礼金を見直すことで入居促進効果が期待できます。
4)仲介会社に嫌われている?
仲介会社は成約報酬となる仲介手数料が会社の売上の大部分を占めています。仲介手数料は法律によって最大でも家賃1,1か月分までとなっている/担当者には契約ノルマが課せられているため、必然的に客付けがしやすい物件を最優先で紹介します。
たとえ賃貸検索サイトの反響が一定数あっても、物件クオリティーが低ければ内見同行しても客付けに結び付けることは厳しくなるため、紹介されにくくなります。
▶仲介会社の本音については、こちらをご覧下さい。
2.賃貸客付けを改善するには?
賃貸客付けに苦戦した場合、「複数の客付け業者に客付けを依頼」「貸主自ら客付けに強い仲介会社に営業訪問」すると効果的と言われています。
ただ賃貸客付けで結果が出ない物件の大半は、「物件クオリティー」「仲介会社との連携」「物件認知度不足」が主な原因。これらを改善するだけ反響数を伸ばすことが期待できます。
それではそれぞれの改善策を見ていきましょう。
1)物件価値を上げる
先程もお伝えした通り物件探しされる方は複数の物件を内見しています。そのため内見時に入居申込に繋げるには物件価値を高めるのが一番の近道です。
物件価値を高める方法としてはリフォーム/リノベーションが有効的。
例えば表装リフォームを室内前面に行う場合、白を基調とした部屋にするだけでも「清潔感」「開放感」が出るため内見時の第一印象をよくすることができます。
また定期的に物件清掃を行うことで物件景観/物件価値が高くなります。客付けに苦戦している貸主は物件清掃の重要性をあまり意識していませんが、清掃を行うだけでも客付けに大きな変化が生まれます。
2)仲介会社との連携
賃貸繁忙期(毎年1月~3月)は新年度に向けて多くの方が部屋探しをされます。そのため1件の物件に複数の仲介会社から紹介を受けることもあり、場合によってはタッチの差で部屋が埋まることもあります。
内見時及び入居申込時において、内見者から値引き交渉が入ることがあります。入居条件を変更する場合原則貸主決裁が必要となるため、内見者に回答するまで時間がかかることがありますが…
・事前にある程度の権限(例えば家賃○○円までは値引きOK)を与えておく
・土休日電話連絡OKにする
ことでクロージングがしやすくなるため、仲介会社から紹介されやすくなります。
3)独自で集客する
若い世代は調べ物をする際「本音を知りたい」傾向が強いため、SNS検索を利用することが多くなっています。物件反響数を伸ばすためには物件認知度を高めることが急務です。
そこで物件情報をSNS媒体を使って配信することで、ハッシュタグ検索された方に情報が確実に届くため反響数を伸ばすことが期待できます。
弊社物件では収益性を伸ばす目的で空き部屋を随時リノベーションしています。リノベーションを機に家賃値上げを行っていますが、家賃相場より高い家賃設定してるため賃貸検索サイトの反響はあまりありません。
しかしSNS集客を強化することで、問合せ/内見数UPさせることができ早期客付けに結び付けることに成功しました。
▶SNS集客については、過去記事をご覧下さい。
3.まとめ
今回は賃貸客付けができない時に確認すべきこと、また改善すべきことについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
近年ではホームステージング集客が脚光を浴びています。募集部屋におしゃれな家具や雑貨を置く事で物件印象を格段に改善させることができるため、早期客付けに成功しているケースが多いです。
ただし築年数が20年以上経過してる物件では、目視できない部分で確実に劣化が進んでいます。そのためリフォームやリノベーションを行わず低予算でできるホームステージング集客に固執してしまうと、思わぬ大事故を誘発させてしまう可能性があるため注意が必要です。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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