新築物件に勝つリノベ賃貸の条件とは?
更新日:2022年12月13日
築年数が経過してくると、どうしても資産価値が下がってしまい、家賃を維持することができにくくなってしまいます。
需要と供給のバランスが保たれていれば、家賃を多少値下げすれば、借り手がすぐに見つかりますが、地方都市を中心に「賃貸の需要と供給のバランスが崩壊」しつつあるので、家賃をただ単に値下げしても「借り手が見つからない」物件は、近年上昇傾向となっており、SUUMO賃貸経営サポートで、エリア内の空室状況を見ても、借り手が見つかりにくくなっている物件は、いつも同じ物件になっていることが多くなってきています。
築年数が経過している物件が「唯一生き残れる」方法とがあるとすれば、資産価値を高めることができる「リノベーション」しかありません。ただ一言でリノベーションと言っても、やり方次第では「失敗」してしまう可能性が出てきてしまいます。
どうせするならば、新築物件に勝てるようなリノベーションを展開したほうが、トータル的に言いに決まっていますが、ではどのような方法をとればいいのでしょうか?
▼目 次
1.新築物件の動向を確認する

築年数が経過している物件を「リノベーション」する際、集客ターゲットは「新築」「築浅物件」に入居したいと考えている方のみとなります。
そもそもどうして「家賃や初期費用が高い新築物件」等に多くの方は入居するのでしょうか?
その理由は簡単。
「新築」というブランドを手に入れたいからです。
新築物件は「最新設備」が充実しているので、「暮らしやすい」のは当たり前ですが、それ以上に「入居履歴がない物件に入居ができる」点が、最大の魅力と言っていいと思います。
では、新築物件の室内が「どのようになっているのか」ネット上で確認してみると、ある共通点があります。それは「どの新築物件も同じ=同質化」になっている点です。
最新設備が設置されていますが、細かくよく見てみると
「壁紙は量産タイプ」
「キッチンはメーカー既製品」
「洗面台はメーカー既製品」
「浴室は一坪タイプ」
などなっていることから、たった一つでもいいので「新築物件には絶対真似できない設備等」があると、差別化戦略がしやすくなるので、簡単に「新築入居希望者」をリノベーション物件に引き入れることができます。
2.ペルソナ設定を行う

リノベーションをこれからしようと検討している時、ペルソナ設定を間違ってしまうと、折角多額の費用を出してきれいになったリノベーション部屋であっても、空室が埋まりにくくなってしまうので、要注意です。
そもそも「ペルソナ設定とは一体何?」と思われるオーナー様も多いと思いますが、ペルソナとは、これから入居するであろうお客様の
年齢
性別
居住地
職業
年収
価値観
家族構成
休日の過ごし方
などの詳細情報を勝手に設定することです。
弊社物件の間取りは、2LDK(一部3LDK)であるため、集客ターゲットは単身者よりも、二人暮らし~子育てをしている家族が中心となりますが、これでは大雑把となってしまうため、より細かくペルソナ設定をしてみると…
入居希望年齢:20~30代後半
職業:会社員
年収:契約者となられる方は300万円以上
家族構成:二人暮らし~子供が二人までの家族
休日の過ごし方:出かけない場合は、家でリラックスして過ごしたい
弊社ではこのような方に入居してもらいたいと思いますが、ただ仮にペルソナ設定をしたとしても、成約のカギを握る方が誰になるのか、しっかりと把握した上で、リノベーションしないと、リノベーションが台無しになってしまいます。
ファミリータイプ物件における「成約の決定権」は、誰にあるのかというと、ほぼ100%女性(奥様)であるため、女性(奥様)が100%受け入れられるようなリノベーション部屋を提供すれば、集客上とても優位になるはずです。
では、女性(奥様)が受け入れられるようなリノベーションとは、一体何かというと、
室内をナチュラルテイストに特化した空間
にすればいいだけの話。

女性の多くは「おしゃれなカフェのお店」がとても好きですが、どうしてコーヒー1杯400円もするカフェに行きたがるのかというと、ズバリ「リラックスできる」からです。
毎日あわただしい生活を送っている方にとって、おしゃれなカフェのお店に行くことは、心身をリラックスさせてくれる「究極の場所」と言っても過言ではありません。
もしそのような空間が賃貸物件に合ったとしたら、恐らくカフェ好きな方にとっては「毎日おうちカフェ」を楽しむことができますよね。
弊社物件では、2018年から「ナチュラルテイストに特化したリノベーション」を展開していますが、集客ターゲット(ペルソナ)を「おしゃれなカフェのお店が大好きな20~30代既婚女性(もしくは同棲/婚約予定の女性)」と勝手に決めていますが、これが大成功となり、お部屋に興味を持たれた方は「内見当日に入居申込」をして頂けるほど、集客力がとても高い部屋となっています。
3.新築物件が真似できないものを作る

先程までは、リノベーションをする前に「ペルソナ設定」をしっかりと決めることをお伝えしてきましたが、ただリノベーションをしたとしても、室内空間が「競合他社と同じ」ような感じになってしまうと、残念ながら「差別化」することができなくなってしまい、場合によっては「価格競争」に巻き込まれてしまいます。
そのため、競合他社リノベーション物件/新築物件に勝つためには、たった一つでもいいので「他社物件が真似することができないもの」を提供することが、非常に重要です。
例えば、弊社リノベーション物件においては…
キッチンは、リメイクしたナチュラルキッチン(全室共通)
上級グレードの部屋のみ、ペンダントライト&ダウンライトがLDKに標準装備
上級グレードの部屋には、ナチュラル洗面台を設置
リノベーションセカンドラインの部屋には、IKEAキッチンカウンターを設置
上記は、やろうと思えば「競合他社物件」でもまねすることができます。
ただ費用が高くなってしまうので、誰も真似することが難しくなります。実は弊社では「ここをしっかりと把握」した上で、あえて費用が掛かるリノベーションを展開しています。
他社が真似することができないリノベーションを展開することで、価格競争に巻き込まれにくくなり、更に資産価値が高くなるので、家賃を値上げしても「お客様自身が納得」して頂けるので、結果的には「独り勝ち状態」が続いています。
▶弊社では他社リノベーション物件が真似できないリノベーションを展開しています。詳細はこちらをご覧下さい。
【過去記事】弊社アパートの人気№1リノベーションルームを大公開!キッチン編
4.暮らしの提案ができるとなおよい
仲介会社の担当者が、お客様をお部屋に案内した際
「LDKが12帖確保してあるので、室内が広く感じられます」
「最新型のエアコンがLDKには設置されています」
「こちらの部屋は南向きとなっているので、冬はとても暖かいです」
などといった「抽象的」な営業トークとなってしまいますが、もし内見時において「より具体的な営業トーク」ができれば、その日の内に「入居申込」を頂けることもあり得ます。

内見された時点で「見込み客レベル」は、「そのうち客」「お悩み客」のどちらかであると思われますが、そこから今すぐ客に行くためには、「入居したい」という強い理由付けがないと、成約に繋げることは難しくなってしまいます。
弊社リノベーション部屋においては、他社が真似することができない「ナチュラルテイストに特化」したリノベーションを展開していますが、弊社リノベーション部屋では「入居後の暮らし方の提案」をすることまでもできるので、内見された当日に入居申込をされることも、決して珍しくはありません。
(1)漆喰を施工することで、光熱費削減が可能に
弊社リノベーション部屋(上級グレード)においては、自然素材の漆喰が施工されていますが、漆喰を施工することによって「調湿効果」「保冷保温効果」が期待できることから、少ない冷暖房でも効率よく室内を快適にしてくれます。
特質すべき部分は、夏場のエアコン設定温度を「低く」しなくても、快適に過ごすことができるため、電気代を抑えることが十分可能となる点です。
(2)漆喰を施工したことで、部屋干しがしやすくなる
洗濯物は室内干し派の方にとって、気になる点があるとすれば…
洗濯物が乾くまで時間がかかる
嫌なニオイがつきやすくなる
ただ漆喰が施工されている部屋で、部屋干しをすると「調湿効果で洗濯物から出る湿気を吸湿してくれる」「漆喰が持つ強アルカリ性によって、消臭効果が期待できる」ことから、安心して部屋干しをすることができます。
(3)和モダン空間が魅力的な和室部屋
「賃貸で和室部屋がある」と聞いただけで、恐らく大多数の方が「敬遠」されます。
その理由は「古臭くて、退去時に表替え費用が発生」するからだと思いますが、ただ和室部屋を無理に洋室に間取り変更しても、違和感だけが残ってしまうだけであることから、それならば、若い世代でも受け入れられる和室部屋を作ればいいのではと思い、弊社では和室部屋をあえて残しながらも、リノベーション時にリニューアルしています。
おしゃれでモダン的な琉球畳に変更することで、和室でありながら「堅苦しいイメージ」を取り除くことができ、居心地がいい空間となります。
さらに琉球畳は「日焼けがしにくい」ので、入居期間中に「破損や汚損」をしなければ、費用負担が発生することはありませんので、和室部屋があっても「敬遠される」ことはなくなりました。
5.まとめ

今回は「新築物件に勝つリノベ賃貸の条件」について、お伝えしました。
近年では賃貸空室率が悪化傾向となっているため、競争力が低下している築古物件をリノベーションする動きが活発となっています。リノベーション対応している物件は、正直あまり多くがないのが現状となっていることから、現時点では既製品設備を導入しても、差別化に繋げられることができます。
しかし、リノベーション物件が多くなってくると、同質化となってしまっている部屋においては、価格競争が生まれやすい構造となってしまうため、資産価値が減少し収益性が低下してしまいます。
多額の費用をかけてリノベーションをする時には、中長期的な視点で対応すべきであり、長期戦を見据えたリノベーションしている物件のみが、大空室時代を迎えても生き残れる物件となりますし、また新築物件がエリア内に発生しても、勝つことができる物件といえます。
▶弊社リノベーション取組に関しては、過去記事をご覧下さい。
【アパートのリノベーション】実体験をもとにメリットとデメリットを解説
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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