築古物件を黒字化にするためには、どうしたらいい?
更新日:3月21日
築年数が経過してくると資産価値が低下してしまうため、空室率&修繕費が上昇してしまいやすくなり、場合によってはキャッシュフローがマイナスになる可能性が出てきます。
▶アパート経営の年収を左右するポイントについては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】見逃しがち?アパート経営の年収を左右する6つのポイント
不動産投資は、満室にしたとしても「家賃収入には上限」があるため、キャッシュフローをよくするためには、可能な限り「空室率&支出を抑える」ことが求められます。
私は身内の不幸があったので、2007年に祖父から相続する形で2代目オーナーに就任しました。しかし、物件があるのは日本一空室率が悪い山梨県で、更に相続時には家賃収入より返済の方が完全に上回っていたため、自転車操業的な経営を強いられました。
しかし今では完全黒字化+増収増益を達成するまでになりました。
本投稿は築古物件を黒字化するためにはどのような対策を講じればいいのか、お伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
”築古物件を黒字化する上で重要となるポイント”
1.アパートローン返済を見直す

新築物件を建設する前に、大手管理会社では「必ず物件の収支計算書」を作成します。
数十年後の経済状況を把握することは「誰にもできない」ので現実的にはシミュレーション通りには、事が運ばないことが多いです。
そのため、築年数が10年…20年経過してくると、家賃収入が一気に減少(家賃相場の下落が主な理由)し、収益が悪化する物件が出てきてしまいます。管理会社では「空室対策を施す」ものの、需要と供給のバランスが崩壊している市場においては、焼け石に水状態となり、家賃値下げ=価格競争がどうしても発生し、収益が悪くなってしまいます。
▶家賃値下げによる収益悪化の詳細は、過去記事をご覧下さい。
利幅が減少してしまえば、アパートローン返済にも影響が出てきてしまい、場合によっては「自転車操業」的な経営を強いられてしまうことも考えられます。
もし、この様な状況になりそう/なる可能性が高い場合には、すぐに「金融機関に相談」し、現状況を何とか打開する方法を取らないといけなくなります。
主な方法としては、「他行に借り換えを行い、金利を安くしてもらう」「返済期間を延長して、月々の負担額を抑える」「一定期間元金据え置き対応をしてもらい、内部留保をためる」などがあります。
▶弊社がローン返済がきつくなった時に行った対策については、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】アパートローン返済がきつくならないようにするためには、どのような対策が有効的?
2.資産価値を高めるリノベーションを展開する

金融機関にアパートローン返済の見直しをするとなると、貸主の評価は一段階マイナスとなってしまいます。
毎月の返済額の見直しや元金据え置きなどの対応を行うことによって、収支バランスが改善する可能性は高くなりますが、一番問題なのはローン返済見直しをすることによって今後どのような経営改善をするのか、担当者に対してしっかりと提案することが大切です。
弊社物件では、2017年の繁忙期部屋が殆ど埋まらない状態となり、一気に赤字となってしまいました。そこで募集方法を全面的に見直し、リフォームからリノベーションへと舵を切ることにしましたが、この話をメインバンクに伝えたところ当初はあまりいい返事をしてもらえませんでした。
そこで弊社では融資担当者及び支店長に対して、リノベーションの事業計画をプレゼンし、リノベーション実施に対する理解を求めました。
2018年から本格的にリノベーション事業を展開し、最初の数年は集客に苦戦を強いられたものの、2020年以降は黒字&満室を達成しやすくなり、その結果メインバンクからの評価は毎年高くなってきています。
▶弊社リノベーションの詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと②
3.賃貸集客を見直す
収益を改善するためには家賃値上げをするしか方法はありません。
一部の専門家は、空室による家賃機会損失を減らすためには「家賃値下げ」「広告料増加」した方が効果的と主張しています。
しかし、「近年の賃貸市場は物件供給数が飽和状態」「部屋探しをされる方は事前に希望条件に合致した部屋のみを内見する」傾向が強くなってきていることを踏まえると、家賃値下げ/広告料増加しても正直あまり期待することはできません。
一方で築年数が経過している物件をリノベーションすると、室内は新築並みの部屋なのに家賃帯は新築より安くなっていることから、新たな顧客開拓がしやすくなるので収益性を高めることができ、更に資産価値が高くなっているので、家賃値上げがしやすくなります。
ただ、リノベーション部屋を賃貸検索サイト上に掲載しようと思っても
同サイト上における、リノベーション定義に合致していないと、掲載してもらえない
築年数や家賃で検索されてしまうと、その時点で成約候補から外れてしまう
上記懸念がどうしても出てしまいます。
今の時代、若い世代では「当たり前のようにSNSを日常生活上」において活用しています。
そこでSNSを有効活用して物件情報を積極的に投稿することで、物件情報をより多くの方に見てもらえることが可能となってきます。

弊社物件においても、リノベーション事業を開始した2018年から公式サイトを立ち上げました。
立ち上げた理由は、弊社リノベーション物件は相場家賃より高い家賃設定にしているため、賃貸検索サイト上のみの集客では明らかに不利になってしまうことが分かったからです。
SNSを積極的に展開することで、反響数や内見数も右肩上がりとなり、その結果今では入居される方の約8割は「公式サイト」から問合せをされた方です。
▶SNS集客の効果に関しては過去記事をご覧下さい。
4.仲介会社を味方に引き入れる

募集を行っても客付けができなければ、貸主には家賃収入が入りませんが、これは仲介会社も同じです。
不動産仲介会社は、成約に伴う報酬=仲介手数料が唯一の売上となることから、成約に繋げられそうな物件は積極的に紹介してくれます。
▶仲介会社担当者の本音に関しては、こちらをご覧下さい。
よく新築物件で複数の仲介会社が賃貸検索サイト上に募集展開しているのは、成約率が高くさらに高額な仲介手数料(ただし仲介手数料は法律によって最大でも家賃1.1か月分)を手に入れることができるからです。
リノベーション物件は、資産価値が高くなっているため同築年の物件と比べると、成約率が高くなります。そのため仲介会社も問い合わせなどが入ると積極的に紹介してくれる可能性が高くなります。
弊社物件では、2022年3月まで満室状態となっていましたが、3月末~5月末にかけて3件連続退去が発生してしまいました。しかし同年4月から5月末にかけて他社仲介会社から問い合わせが入りすぐに満室となりました。
(因みに募集した3部屋の家賃は、家賃相場と比べて5000~10000円以上高い設定となっています)
5.まとめ

築年数が経過している物件であっても、顧客が創造できるような部屋を募集し、さらに仲介会社から信頼されるようなリノベーション部屋を作ることによって、収益性を高めることができます。
今回ご紹介した対策は、弊社物件で実際に行ったものであり、実践して頂ければ効果を実感できるはずです。
正直顧客が創造できるような物件提供をしているところは皆無に近いため、上記内容を実践して頂ければ確実にブルーオーシャンエリアにいることができることから、収益性を高めることができるはずです。
私たち有限会社 山長では本記事で紹介したような手法でアパート経営をするオーナーさんの支援をさせていただいております。
「空室対策をしているのに、なかなか結果がでない・・・」
とお悩みの方は、まずはお気軽にお問合せ下さい。
▶︎お知らせ◀︎
私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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