空室の原因は本当に賃料なの?
更新日:10月5日
空室がなかなか埋まらない時、原因は賃料と考えてしまう貸主は多いはずです。
空室期間が長期化すると、家賃収入に影響が出てしまうため早期に客付けをさせなければなりません。空室による家賃機会損失を早期に解決したいのであれば、賃料を値下げするのが一番ラクな方法です。
ただ安易な値下げを行ってしまうと、値下げの連鎖が止まらなくなってしまい負のスパイラルに陥ってしまう可能性が高くなります。また適正賃料に設定しても早期客付けができていない物件が一定数あることを踏まえると、空室原因が必ずしも賃料と断定することは難しいと言えます。
本投稿は空室原因が本当に賃料なのか、事例を交えてお伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"空室対策における適正賃料で重要なポイント”
1.適正賃料について

不動産鑑定評価をする際の算定方法として
積算法:物件と土地の購入価格から不動産価格を算出する方法
収益分析表:対象物件の純利益+必要所経費を加味して算出する方法
賃貸事例比較法:対象物件と条件が同じ他社物件を比較し算出する方法
があります。
この内、賃貸賃料算定の際に用いられるのは「賃貸事例比較法」です。
より詳しく調べるためには成約済み物件も入れなければなりません。ただ成約済み物件は不動産業界関係者のみが閲覧できませんが、実は貸主でも簡単に適正賃料を調べることができます。
貸主でもできる適正賃料の調べ方とチェックポイントについてみていきましょう。
1)適正賃料の算出方法
SUUMO賃貸経営サポートを利用することで、貸主でも簡単にエリア内の適正賃料を調べることができます。
エリア/築年数など条件を入力することによって、周辺賃料相場や初期費用相場などが表示されるため、物件比較を簡単に確認することができます。
募集物件賃料が適正賃料より高い場合、反響数や問合せ数などを加味して、適正賃料に合わせると結果が出やすいと言われています。
2)チェックポイント
同サポート内には、設備相場ページが掲載されています。事前に募集物件を登録することによって周辺物件の設備装着率を比較することができるため、競合他社物件との設備チェックを簡単に把握することができます。
2.空室の原因は本当に賃料なのか?

部屋探しをされる方は、賃貸検索サイトを利用されていることが多いです。
同サイト内にある検索画面では、希望条件を入力することができるだけではなく、エリア内の家賃相場も調べることができます。その結果希望条件に合致した部屋が家賃相場より高い場合、安い物件の方に流れてしまうので、空室期間が長期化してしまいます。
管理会社や仲介会社担当者が「適正賃料」にしてほしいと主張するのは、上記が理由です。
ただし、近年の賃貸市場は物件供給数増加による空室率の悪化により、適正賃料に設定しても早期成約が難しくなっています。こちらをご覧下さい。

賃貸経営サポート調べによると、弊社物件がある甲府市大里町の平均賃料は5.1万円となっています。
エリア内において現在複数の物件が適正賃料に合わせて募集を行っていますが、数か月前経過しても部屋が一向に埋まっていません。
一方弊社物件の家賃は適正賃料と比べて約1~2万円以上高い設定となっていますが、本執筆時の2023年10月5日現在満室状態となっています。
もし適正賃料が正しいのであれば、今回ご紹介した他社物件は成約になってもおかしくはありません。
適正賃料に合わせた募集を行っているのに、空室期間が長期化している。ここに適正賃料のジレンマが発生しています。
弊社物件においても過去に募集中の部屋が一向に決まらず苦慮していましたが、あることに気づいたおかげで、窮地を脱することができ現在では安定した賃貸経営を行うことができています。
▶弊社が集客に苦戦していた時の詳細は、過去記事をご覧下さい。
【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①
【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと②
次章では、弊社物件があることに気づいたことで適正賃料集客から脱却に成功したことをお伝えいたします。
3.適正賃料に沿った設定をしなくても大丈夫?
弊社物件は築年数が経過しているため、2018年から空き部屋を随時リノベーションを行っています。
ただ最初からうまく客付けができていたわけではありません。集客ターゲットが気に入るカフェスタイルに特化したリノベーションを行い、資産価値も従前より高くなったことから家賃を値上げして募集しました。
繁忙期に募集開始したので早期客付けはできると思っていたところ…客付けできたのは募集開始から6か月以上先で、約40万円損失となってしまいました。
客付けがうまくいかなかったのは「賃貸検索サイト」に依存した集客をしていたからです。
弊社リノベーション部屋は家賃相場より高い家賃設定していたため、同サイトからの反響数が伸び悩んでいました。これでは質の高いリノベーションしても効果を期待することはできません。
そこで弊社代表は独自集客を展開すれば早期客付けが可能になるのではと考え、同年11月から物件専用HP/X(旧Twitter)/Instagram/YouTubeを開設。
その結果公式サイト経由からの反響数が年々増加傾向となり、今では入居者の約8割は同サイト経由+内見当日に入居申込される確率が高くなっています。
部屋探しされる方は確実にエリア内の家賃相場を確認されています。上述の通り弊社リノベーション部屋は相場より高い家賃設定していますが、内見当日に入居申込に至ることができているのは…
競合他社には真似できない質が高いリノベーションを展開しているから
で、実際入居後借主にヒアリングした所「家賃以上の価値があるから入居を決めた」と回答して頂きました。
つまり、顧客が望んでいて競合他社が真似することができず、自社だけが提供することができれば、適正賃料に沿った集客からの脱却を図ることができると言えます。逆に賃料が適正であっても部屋のクオリティーが低ければ、家賃帯で探している方以外は敬遠されてしまうのではと考えます。
4.まとめ
今回は空室原因が本当に賃料なのか、事例を交えてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
募集する際、適正賃料に合わせることで早期成約が可能となると言われています。
しかし、近年の賃貸市場は物件供給数が飽和状態となっているため、競争力が低下している築年数が古い物件は、価格競争を激化しています。そのため家賃相場自体が値崩れし適正賃料とは言えない状態となっています。
賃貸経営に行き詰っている貸主の多くは、適正賃料に合わせた集客を行っています。収益を改善させるためには適正賃料からの脱却を図らなければなりません。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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