賃貸業界の商慣習で退去後室内クリーニング費用は賃貸借契約の特約により借主負担となっていることが多いです。ただ室内クリーニングの対象は物件/管理会社で大きく異なり、一部物件ではエアコンクリーニングが実施されていない所があります。
エアコンクリーニングが実施されていなければ入居後クレームが発生する確率が高く、場合によっては退去のきっかけになりますが、貸主の一部は意外とこの事実を把握していないことがあります。
本投稿は退去後の室内クリーニング時にエアコンクリーニングを行うべき理由をお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.室内クリーニングとは?
本題に入る前に退去後に行われる室内クリーニングについて簡単に説明します。
室内クリーニングとは次の方が気持ちよく使ってもらうよう、退去後クリーニング会社に依頼してきれいに室内清掃をしてもらうことです。
室内クリーニング費用は部屋の大きさで設定金額は異なり、多くの物件では退去精算時に支払うことになっています。
国交省のガイドラインでは「次の入居者確保のために行われる通常清掃は賃貸人(貸主)負担」が妥当としていますが、賃貸業界の商習慣(賃貸借契約の特約設定)により室内クリーニングは借主負担にしているところが多いのが現状です。
物件によって清掃箇所は異なりますが、一般的な室内クリーニングは以下を対応しています。
床清掃とワックスがけ
水回りクリーニング(換気扇含む)
玄関まわりのクリーニング
ガラスクリーニング
ベランダクリーニング
それではエアコンクリーニングは室内クリーニングに含まれているかというと、実は物件(管理会社)によって対応が分かれているのが現状です。背景には管理会社からクリーニング会社に支払うマージンが少ないところではエアコンクリーニングは対象外としています。
エアコンクリーニングが行われないままで次の借主が入居すると、確実にクレームが発生してしまいますが、実はエアコンクリーニングを行いことが賃貸経営上マイナスになることを多くの貸主は認識していません。
次章で室内クリーニングを行うべき理由を解説します。
2.退去後の室内クリーニング時にエアコンクリーニングを行うべき理由とは?
退去後の室内クリーニング時にエアコンクリーニングを行うことで、貸主は以下3点のメリットが期待できます。
クレーム対策
エアコン寿命を延ばせる
内見時にPRできる
それではそれぞれのメリットをお伝えしましょう。
1)クレーム対策
近年では光熱費が上昇しているため、借主も電気代節約のためエアコンフィルターは定期的に清掃していると思われます。
ただ入居中に定期的にエアコンクリーニングを行う借主は殆どいません。退去後にエアコンクリーニングを行わないとエアコン内部にカビやホコリが付着している可能性が高くなるため…
異臭を感じてしまう
アレルギーや肺炎などの症状を引き起こす
可能性が高く、入居後即クレームになります。入居後すぐにトラブルが発生すれば「入居したことを後悔」するため場合によっては退去のきっかけを作ってしまいます。
エアコンクリーニング費用は1万円程度です。1万円程度を渋って早期退去になるなら費用を支払った方が費用対効果は十分期待できます。
2)エアコン寿命を延ばす
エアコン1台の価格は約10万円前後で、寿命は約10年と言われています。つまり10年に1度のサイクルでエアコン交換しなければならないため、貸主的には頭が痛いところです。
ただエアコンクリーニングを行うと、エアコン寿命を延ばすことが期待できます。つまり買い替えサイクルを伸ばすことができれば、結果的に支出を抑えることができるため、貸主的にもメリットが大きくなります。
3)内見時にPRできる
内見される方は入居後の生活イメージを連想させながら内見しています。そのためエアコンクリーニングを行うことで築年数が古い物件であっても「清潔感」を感じてもらうことができるため、入居促進効果が期待できます。
3.まとめ
今回は退去後の室内クリーニング時にエアコンクリーニングを行うべき理由をお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
近年の賃貸市場は物件供給数が飽和状態のため、完全に借り手有利となっています。そのため少しのミスが退去のきっかけを作ってしまうと言っても過言ではありません。
管理会社に管理委託している物件はエアコンクリーニングしているとつい思ってしまいますが、今回本記事を作成した背景には、管理会社物件であってもエアコンクリーニングを実施していないケースがあったからです。
繰り返しになりますが、エアコンクリーニング費用は1万円程度で費用的には決して高いとは言えません。賃貸経営を安定させたいのであれば、エアコンクリーニングはぜひ室内クリーニング時に行うべきです。
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