公的年金をしっかりと支払ったとしても、将来受け取れる年金額は現在と比べれば確実に減少してしまいます。そのため私的年金替わりとして投資の中でも「リスクが少ない」と言われているアパート投資をされる方は年々増加傾向となっています。
ただどのような投資であっても「リスク」は必ずあります。
アパート経営においてもデメリット/リスクはありますが、リスクを把握しておくとリスク回避することができ、安定した賃貸経営を行うことができます。
本投稿はアパート経営におけるリスク及びリスク回避の方法についてお伝えいたします。
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私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"弊社リノベーション物件で重要なポイント”
1.アパート経営に潜むリスクとは?
アパート経営のメリットは、毎月安定した「家賃収入が期待」できることです。
アパートローンや税金/保険料などを差し引いた金額が「利益」となるので、面倒な管理業務を「管理会社に委託」することによって、サラリーマンの方でも「副業」として賃貸経営を行うことができます。
仮にアパート経営が赤字になった場合であっても、給与所得から差し引くことができ課税対象額を引き下げるため所得税や住民税が低くなることから、節税効果が期待できるのもメリットと言えます。
ただし、アパート経営も「様々なリスク」があります。事前にリスクマネジメントをしっかりと把握することが、重要となります。
アパート経営におけるリスクとは、次の通りとなります。
空室リスク+収益悪化リスク
家賃滞納リスク
老朽化リスク
サブリース問題
それぞれのリスクに関する対策方法については、次章でお伝えいたします。
2.リスク回避するためには、どのような対策が必要?
1)空室リスク+収益悪化リスク
賃貸物件の価値は「築年数が経過」すればするほど低下してきます。一般的に築年数が経過するごとに家賃は1%下落すると言われています。
特に築年数が10年目/20年目を迎えると、資産価値が急激に下落するためエリア内の家賃相場も一気に値下がりしてきます。
そのため原状回復程度の空室対策のみでは空室期間が長期化してしまうため家賃値下げをせざるを得なくなります。
空室及び収益悪化リスクを避ける方法としては、物件資産価値を上げることが一番有効的です。
設備の減価償却は概ね20年で終了するため、築年数が20年を区切りとして20年以下なら表装リフォーム/20年を超えている物件はリノベーションをすると、早期成約+収益性UPが期待できます。
空室対策を行う時、修繕費をかけない/最小限に抑えたいと考える貸主は意外に多いです。
ただ修繕費をかけない空室対策をしてしまうと、経年劣化を放置させることになるためかえって修繕費用が高くなりキャッシュフローを悪化させてしまいます。
▶修繕費をかけない空室対策の危険性に関しては、過去記事をご覧下さい。
2)家賃滞納リスク
契約前に入居審査を行うため入居後家賃滞納が発生する確率は1割以下と言われています。ただ家賃滞納が発生すると「金額が大きい」ことから回収が難しくなる可能性があり得ます。
近年では約8割以上の物件で家賃保証会社を利用しています。家賃保証会社を契約時に利用することによって…
家賃滞納が発生しても、保証会社が代位弁済してくれる
滞納が長期化し強制退去させたい場合、保証会社が全額裁判費用を負担してくれる
夜逃などがあっても、原状回復費用(上限設定あり)を代位弁済してくれる
ため、貸主側における家賃滞納リスクは保証会社が倒産しない限りはほぼないと言っても過言ではありません。
3)老朽化リスク
築年数が経過すればするほど、建物/設備は老朽化してしまいます。老朽化を放置してしまうと…
空室長期化の原因
建物寿命を短くしてしまう
修繕費用が高くなる
ため早急に対応した方が結果的にメリットは大きくなります。そのため予め修繕費用を積み立てる必要が出てきます。
特に物件の外壁は常に紫外線の影響をダイレクトに受けているため、一般的に10年に1度の割合で大規模修繕工事は必要となってきます。
4)サブリース問題
賃貸物件は入れ替わりがあるため、場合によっては空室期間が長期化になってしまうことも考えられます。
ただしサブリース契約で物件管理することで、空室部屋が何室あったとしても毎月一定の賃料が必ず貸主に振込まれるため、副業感覚で経営を行うことができます。
しかしサブリース契約は、サブリース会社が借地借家法による「借主」の立場になってしまいます。エリア内の家賃相場と募集部屋の家賃に乖離が発生し、空室期間が長期化してしまえばサブリース会社は損をしてしまいます。
そこでサブリース会社は「家賃相場乖離」「物件稼働率低下」などがあると貸主との契約更新の際、借地借家法の借主の立場から「家賃減額交渉」を行うことが想定されます。サブリース会社からの提案に対し貸主は拒否すること自体ができません。
アセットテクノロジー株式会社がサブリース契約をした経験がある110名にアンケート調査を行ったところ…
約7割はサブリース契約したことを後悔
後悔の理由第1位は家賃見直しで大幅に減額させられた
とのことです。サブリース契約は借主となるサブリース会社は契約解消させることはできるものの貸主側は正当事由がない限りは解約をもう知れることができないため、トラブルになる可能性があります。
▶アセットテクノロジー株式会社のプレスリリースに関しては,こちらをご覧下さい。
3.金融機関担当者とは、常に連絡を取ることが重要
どのような商売でも言えることですが、仕事が順調な時もあれば、低迷する時もあります。
売上が低迷した時「できる範囲内」でコスト削減/内部留保の活用をしなければなりませんが自助努力だけでは対応できない部分も、当然ながらあり得ます。
空室期間の長期化/家賃収入下落によりキャッシュフローが低下すると、毎月の支払いが難しくなります。
このような場合リスケジュールを検討しなければなりませんが、取引先銀行がどのような形態か、また経営状態がうまくいっているかどうかで同じ事案であっても対応方法は180度違います。
なぜこのようなことが言えるのかと言いますと、取引金融機関が「都市銀行や地方銀行」の場合、株主の利益を最優先としているからです。
そのため将来性が期待できないと判断されると新規融資停止/債権回収に打って出ることを考えられます。
弊社では、メインバンクを信用金庫にしています。金利は都市銀行や地方銀行と比べると少々高めとなっていますが、都市銀行/地方銀行と比べ経営上の問題が発生しても親身になって対応してくれます。
2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で、客付けが全くできず退去が発生してしまったことでキャッシュが焦げ付きそうになりました。すぐにメインバンクに相談したところ、支店長決済でリスケジュール(元金据え置き)を即決して頂きました。
▶銀行と信用金庫に関しては、過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
本投稿はアパート経営において発生するリスク及びリスク回避の方法についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認確認してみましょう。
アパート経営は比較的リスクが少ないと言われているものの、人口減少の影響による地方都市の賃貸空室率増加/物件供給数の方の状態は今後さらに増加することが懸念されます。
安定した賃貸経営を行うには「リスクマネジメントを理解する」「差別化戦略」を意識することが重要です。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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