賃貸経営の最大のメリットは借主さえ見つけることができれば、安定した家賃収入が確保できる点です。ただ管理方法によって毎月入金される金額は大きく異なります。
管理会社に管理委託する場合、管理方法は集金管理/サブリースの2つがあります。
集金管理:管理会社が管理/家賃集金を行う。空室保証はない
サブリース:サブリース会社が借上げ第三者に転貸。管理+空室保証はある
賃貸経営の最大のリスクはやはり空室ですが、管理形態がサブリースの場合空室が発生しても貸主に支払われる家賃は一定のため、安定した家賃収入を得ることができます。
そのため管理形態は「サブリースの方が絶対に優位」と思われがちですが、貸主の権限を強化/利益を最大化させたいなら、集金管理がおススメです。
本投稿はサブリース及び集金管理の詳細について、お伝えいたします。
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▼目 次
1.サブリース契約の落とし穴
2.集金管理は貸主権限が強い
【本記事でお伝えする結論】
1.サブリース契約の落とし穴
サブリース契約は空室が発生しても貸主に支払う家賃は毎月一定です。ただ築年数の経過/経済情勢などの影響により募集家賃と家賃相場に乖離が発生することがあります。
家賃相場より募集家賃の方が高くなると、募集反響が少なくなるため客付けが難しくなりサブリース会社が損をしてしまいます。
そこでサブリース会社では公租公課/経済情勢/家賃相場の変動/稼働率が低下が認められた場合、借地借家法第32条1項を適用し貸主に家賃減額請求を起こしてきます。
貸主はサブリース会社の家賃減額請求に納得することはできないはずです。しかしサブリース契約は同会社が法律上借主の立場になってしまうため、要求を拒否することはできません。
サブリース経験者の約7割はサブリース契約を後悔
後悔の理由で最も多かったのは家賃見直しにより、大幅に家賃を下げられた
とのことです。ただしサブリース会社から家賃減額交渉が入っても、貸主側の意見/要望は多少反映することはできますが、最終的に合意しなければ契約解除となります。
▶サブリース契約の詳細については、過去記事をご覧下さい。
2.集金管理は貸主権限が強い
サブリース契約は「空室保証」がされているものの、借地借家法によって貸主の立場は非常に弱くなってしまいます。
一方集金管理は、貸主権限が強くなるため本格的に賃貸経営をしたい方は集金管理の方がおススメです。
(1)管理料が全く違う
サブリース契約では「空室が発生した場合の担保」を確保しなければならないので、「満室時想定時の10~20%の管理料」が発生しています。つまり入居率80~90%で運用しているのと同じです。
【家賃5万円×10室 満室想定における家賃収入】
集金管理 | サブリース(管理料20%) |
47,5万円 | 40万円 |
一方集金管理の管理料は、3~5%となっていますので、物件稼働率が高ければ集金管理の方がオトクになります。
(2)家賃を自由に決められる
サブリース契約は貸主が家賃設定を行うことはできません。
一方集金管理は貸主の方で「家賃設定」ができるため、収益改善を目指して「家賃値上げを目的としたリノベーション」をしたとしても、家賃帯に関して管理会社が拒否することはできません。
(3)リフォーム費用
退去後室内の使用状況によってはリフォームを行うことがありますが、集金管理は貸主が発注することができるため管理会社経由で発注するより費用を抑えることができます。
一方サブリース契約ではサブリース会社が指定する業者を使わないといけないため、費用が割高になることもあり得ます。
3.まとめ
今回は、「サブリースと集金管理」のメリット、デメリットについてお伝えいたしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
弊社では4棟賃貸物件を所有しています。3棟は集金管理/1棟はサブリースとなっています。築年数が30年近く経過していますが、収益性を高めているのは集金管理物件であり、サブリース契約物件は新築時と比べ家賃が20%以上下落しています。
集金管理/サブリースともメリットやデメリットがあるため、どちらがベストなのかは貸主の賃貸経営次第となりますが、ただ利益を最大化させたいのであれば集金管理がおススメです。
弊社物件では独自の空室対策を施した結果、収益性を伸ばすことに成功し、昨年度は家賃収入が過去最高を更新することができました。
▶弊社空室対策の詳細は、過去記事をご覧下さい
。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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