賃貸経営は借主さえ見つければ毎月安定した家賃収入を得ることができます。ただ築年数が経過すると物件資産価値が低下するため空室が目立つ/家賃値下げを余儀なくされてしまいます。
そのため経営リスクを避けるには毎月のお金の流れ=キャッシュフローを把握することが重要で、また帳簿上と実際のキャッシュフローは全く別物であることを理解しないと、場合によっては黒字倒産もあり得るので注意が必要です。
本投稿は賃貸経営はキャッシュフロー把握がなぜ大切なのかについてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.キャッシュフローとは何?
本題に入る前に賃貸経営におけるキャッシュフローを簡単に説明いたします。キャッシュフローとは賃貸経営で発生するお金の流れのことを言います。
キャッシュフローの計算式は「収入金額−支出金額」です。賃貸経営における収入と支出をまとめると以下の通りとなります。
収入から支出を引いてプラスになれば賃貸経営が黒字になっていることを示します。一方収入より支出の方が大きい場合は資金不足状態に陥っているため、早急に改善させないと資金繰りが悪くなってしまいます。
ただし気を付けないといけないのは、帳簿上のキャッシュフローと実際(現金)のキャッシュフローは計算方法が全く異なるため一致しないことがあり、帳簿上のキャッシュフローはプラスなのに実際のキャッシュフローがマイナスということはよくあります。
賃貸経営を行う上で非常に重要なのは「減価償却がいつ終了するか」事前に把握→対応しておくことです。
減価償却が終了すると経費計上が一切できないため帳簿上の利益が実際の利益より高くなるため所得税(住民税)が高額になり、内部留保がなければ資金繰りが一気に悪化→最悪黒字倒産してしまうリスクが高くなります。
2.賃貸経営はキャッシュフロー把握が大切な理由
一般論として利益が増えれば税負担も増えますが、賃貸経営の場合何年に分けて経費計上できる「減価償却」があるため、家賃収入が多くなっても帳簿上の利益は減額するため節税効果が期待できます。
ただ減価償却は償却年数が決まっているため、減価償却が終了すると帳簿上の利益が増え所得税(住民税)が一気に高くなり資金繰りが悪くなります。
これをデッドクロスといいますが、デッドクロスは賃貸経営をされているすべての貸主に発生する問題で、特に築年数が20年を超えた物件を所有している貸主はデッドクロスに巻き込まれる危険性は高くなります。
リスクを避けるには帳簿上/実際のキャッシュフローを明確に把握し対応することが重要です。
▶デッドクロスを避ける方法の詳細はこちらをご覧下さい。
3.賃貸経営のキャッシュフローを改善させるには?
帳簿上/実際のキャッシュフローを改善させるには以下対策を講じると効果的です。
満室経営を目指す
経費を見直す
費用が掛からない節税対策をする
それではそれぞれの対策を見ていきましょう。
満室経営を目指す
キャッシュフローを改善させるにはまずは収入を増やす=満室にして家賃収入を最大化させることが重要です。ここで気をつけたいのが家賃値下げしてまで満室を目指さないことです。
早期客付けには家賃値下げが一番の近道と言われています。ただ近年の賃貸市場は空室率が全国的に悪化しているため競争力が低下している築年数が古い物件は、家賃値下げしても客付けで苦戦しているのが現状です。
また客付けができたとしても借主属性が悪い可能性があり、入居後騒音/家賃滞納トラブルを起こす可能性が高く、また借家権の絡みから簡単に退去させることはできません。
上記のような賃貸経営を行うと収益性は低下するため、損益分岐点は確実に高くなり経営リスクが高まりますが、家賃値上げを目的としたリフォーム/リノベーションを行えば従前と比べ資産価値は向上するため早期客付け+収益性UPが期待できます。
経費を見直す
今まで当たり前と思っていた経費も見直すことで、支出を抑えることができるためキャッシュフローを改善させることができます。例えば…
共用部の電気契約を他社に変える
火災保険料の掛け金を少なくする
共用部清掃の委託契約を解除し貸主が行う
リフォーム/リノベーションを貸主で行う
採算が取れない物件を処分する
多少ではありますが経費を見直すことで時間の経過と共にキャッシュは確実に改善されます。
費用が掛からない節税対策をする
節税と聞くと費用が掛かるイメージが強いのですが、実は費用が掛からない節税対策があります。それは確定申告する際「青色申告」することです。
確定申告には白色/青色の2つあり、青色申告で確定申告すると…
最大65万円削除できる
青色事業専従者給与を必要経費にできる
純損失の繰越しと繰り戻しができる
貸倒引当金を計上できる
少額減価償却資産の特例が使える
等のメリットが期待できます。なお青色申告する場合「複式簿記での記帳」「e-Taxでの申告と青色申告決算書を提出or電子帳簿保存を利用」しなければならないため、税理士などに会計業務を委託したほうがいいかもしれません。
4.賃貸経営のキャッシュフローを改善させた事例
弊社物件は1993年に祖父が相続税対策の一環として賃貸経営をスタートさせました。最初の頃は安定した家賃収入を得ていましたが、2000年以降競合物件が多くなり次第に空室が目立ち始め収益が低下。
2006年12月に父親が56才の若さで亡くなり、23日後祖父が後を追うように亡くなったため当時28才だった私が急遽2代目オーナーに就任しました。
当時のアパート収入は全室家賃1万円値下げ+物件稼働率が70%台だったため、家賃収入が新築時と比べ大幅に低下。家賃収入より銀行返済の方が上回っている債務超過状態で、母からの資金援助がなければいつ自己破産してもおかしくはない状態でした。
その後経費の見直し/リスケジュール/借り換え/リフォーム強化など経営改革を行ったことで2014年9月に黒字化達成、翌年4月一部法人化を行いました。
しかし2017年の繁忙期客付けで失敗し赤字になったことを受け、リノベーションへと舵を切り2018年から本格的に始動しました。2年後から物件稼働率が改善し3期連続で増収増益を達成することができました。
▶弊社再建への道の詳細は、過去記事をご覧下さい。
一方弊社物件は毎年約500万円減価償却費を計上してきましたが、あと1年で償却が終了するため今後所得税が数百万円となり対策を講じなけば資金がショートし黒字倒産リスクが高まっていました。
その後メインバンクからアパートローンを含む大型融資を一本化し返済期間を20年延長する提案を受けたことで現況と比べ月56万円支出を抑えられるため、デッドクロスになっても資金ショートの危険性がほぼなくなり経営上のリスクから脱することができました。
5.まとめ
今回は賃貸経営はキャッシュフロー把握がなぜ大切なのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
キャッシュフローを改善させると急な出費が発生してもローン返済に追われるリスクが少なくなり、また増収増益を継続出来れば金融機関の格付けが高くなるため、金利見直し/新規物件融資が下りやすくなります。
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