賃貸繁忙期でもリノベーションすべきか?
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長

- 3月11日
- 読了時間: 16分
毎年1月~3月にかけては、進学や就職、転勤など新年度に向けて部屋探しをされる方が多くなります。
そのため、繁忙期に退去が発生した場合、多くの貸主や管理会社は、可能な限り早く原状回復工事を終わらせて募集を始め、空室期間を短くしようと考えています。
しかし物件築年数が20年以上経過すると「設備の老朽化」や「間取りが現代のライフスタイルにあっていない」ため、単なる原状回復しても客付けが難しくなるリスクが高まります。
ただしリノベーションを行うことで、物件の付加価値が大幅に向上し、客付けや収益性の面で大きなメリットを得ることが可能になりますが、通常完成までに1か月前後の工期が発生します。
そのため「繁忙期にリノベーションすると、空室期間が長くなり、賃料収入の機会損失が長くなるのでは?」と不安に感じる貸主も多いです。
しかし結果的には、賃貸繁忙期であってもリノベーションを行うことで、貸主にとって大きなメリットにつながりやすくなります。
本投稿は、賃貸繁忙期でもリノベーションを行うべき理由について、解説します。
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▼ 目次
【本記事でお伝えする結論】
賃貸繁忙期において、築20年以上で原状回復のみの物件では、空室長期化や賃料値下げリスクが高まる。一方、リノベーションを行えば物件の付加価値が向上し、反響数の増加や賃料アップ、早期成約につながるため有効な空室対策となる。
賃貸業界の繁忙期は、リフォーム会社も忙しいため、希望するタイミングで工事依頼することができない場合がある。
賃貸繁忙期にリノベーションを成功させるためには、ターゲットとコンセプトを明確に設計し、水回りの一新、とりわけキッチンの差別化を図ることが重要。
1.賃貸繁忙期でもリノベーションすべき理由

賃貸繁忙期であってもリノベーションを行うべき最大の理由は、従前と比べて物件の訴求力が大幅に向上し、リノベーションを行っていない同築年の物件と比べて、反響数が増えて早期成約につながりやすくなるからです。
近年の賃貸市場は、物件の築年数が経過するほど供給数が多くなります。特に築20年以上の物件では原状回復しか行っていないケースが多いため、結果的に競争力が低下することで空室が長期化し、価格競争が発生しやすくなります。
賃料を値下げすれば成約率は高くなるものの、その代償として物件の収益性が低下し、さらに値下げの連鎖が止まらなくなってしまいます。つまり物件の競争力が低下すると、賃料の値下げや空室長期化の二重リスクが発生しやすくなります。

一方でリノベーションを行うことで、室内のデザイン性や設備の機能性が向上し、また現代のライフスタイルに合った間取りに改修されているため、物件全体の付加価値が高まります。そのため賃料を値上げして募集しても、相場の影響が受けにくくなります。
つまり、築年数が古い物件をリノベーションすることで、賃料アップや入居率の改善、競合物件との差別化を図れるため、空室対策としても非常に効果的な施策となります。
工期が長いリノベーションを賃貸繁忙期で行うと、募集機会を逃してしまう懸念があるものの、長期的な視点でみると、物件価値を高め、入居率や収益性の改善につながる有益な投資といえます。
それでは、賃貸繁忙期でもリノベーションを行うべき具体的な理由について、詳しく解説します。
1)内見者の約6割は水回り設備を重視して物件を探している

at-homeが発表したリリースによると、部屋探しをしている方が賃貸検索サイトで物件を探す際、約6割の方は水回り設備を重視していることが明らかになっています。これは部屋探しにおいて、立地と賃料と並び、設備の快適性を求めている方が多いことを示しています。
水回りは毎日の生活の中で必ず使用するため、内見者にとっては入居後の生活の快適性や満足度を大きく左右する重要なポイントになります。
そのため水回り設備が老朽化したままでは、内見時に「使いにくい」「生活しにくい」といったマイナス印象を与えてしまい、成約率の低下につながる恐れがあります。
しかしリノベーションを機に水回りを一新すれば、賃貸検索サイトの見栄えが大幅に向上するため、反響数の増加が期待できます。それにより、競合物件との差別化がより明確となり、内見時の印象が高まることで早期成約に結び付きやすくなります。
水回りをすべて交換するとなると、総額で200万円程度かかってしまいますが、原状回復程度のリフォームしかしていない物件では、繁忙期であっても空室が埋まりにくく、1年近く続くことがあります。
こうした点を踏まえると、築20年以上の物件は水回りを交換した方が、費用対効果が高いといえます。
▶at-homeが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
▶築古物件が水回りを交換した方が良い理由については、過去記事をご覧下さい。
2)新築の賃料高騰により、リノベ物件が注目されている

近年の賃貸市場では、建築資材や人件費の高騰などインフレの影響により、新築アパートの賃料が高止まりの状態が続いています。新築アパートに入居したい方は一定数いるものの、実質賃金が事実上伸び悩んでいるため、新築希望者の中には…
新築アパートに住みたいが、賃料が高すぎる
できればきれいな部屋に住みたいが、賃料は抑えたい
と考える方が増えてきています。こうした背景から、最近では建物完成後であっても募集が続いているケースが見られるようになりました。

このような賃貸市場の変化の中で、注目されているのがリノベーション物件です。リノベーション物件は「室内デザインや設備は新築並み」「賃料は新築より20%前後安い」特徴があります。
つまり内見者にとっては「新築並みの部屋にリーズナブルな賃料で住める」という大きなメリットが生まれ、部屋探しの選択肢が広がりやすくなります。特に最近では、新築以上に個性的な魅力的な物件も増えており、若い世代を中心に人気が高まっています。
リノベーションは費用が高額になるものの、リノベーションを機に賃料の値上げがしやすくなるため、物件管理を強化すれば、入居中に費用回収ができ利益を確保できることから、貸主にとってもメリットが生まれます。
▶リノベーションの費用回収の詳細については、過去記事をご覧下さい。
3)リノベーション実績を活用することで、反響数アップが期待できる

一般的にリノベーションは、約1か月程度の工期が発生します。そのため、賃貸繁忙期にリノベーション工事を行うと、集客に影響が出てしまうのではと懸念する貸主も少なくありません。
しかし過去にリノベーションを行った実績があれば、工事中であっても集客に大きな影響が出ることは少なく、成約につなげられることは十分可能です。
そもそもリノベーション物件は、通常の原状回復しかしていない物件と比べ、デザイン性や設備の機能性が高いため、賃貸検索サイトの反響数を伸ばすことが期待できます。
そのため工事期間中に内見が入ることもありますが、過去に施工したリノベーション部屋の写真を見せながら説明することで、内見者は入居後の生活を具体的に想像しやすくなります。その結果、内見者が希望する入居時期までに工事が完了すれば、工事中であっても入居申込が入りやすくなります。
原状回復しかしていない築20年以上の物件は、賃貸繁忙期であっても、競争力が低下しているため確実に空室が埋まりやすいとは言えません。しかしリノベーションを行うことで確実に物件競争力は高まるため、繁忙期であっても対応した方が結果的に早期成約につながりやすくなります。
2.賃貸繁忙期にリノベーションを行う際の注意点
賃貸繁忙期にリノベーションを行う際は、以下のリスクをしっかりと把握しておくことが重要です。
1)工事が完了するまでは賃料収入がストップする

一般的にリノベーションは室内の間取りや内装、設備を大きく刷新する全面改修となるため、約1か月程度の工期が発生します。さらに工事中に、建具の劣化などの不具合などが見つかると、緊急修繕を行うことになるので、場合によってはそれ以上の期間が必要になることもあります。
工事中は借主を受け入れることができないため、賃料収入が一時的にストップしてしまう点も、貸主にとっては大きな懸念材料になります。特に賃貸繁忙期は入居需要が一番高まるため、「このタイミングでリノベーションはかなりリスクが高いのでは?」と感じる方も少なくはありません。
しかし近年の賃貸市場の傾向を見ると、築20年以上の物件では原状回復のみで募集しても、競争が激しいため確実に部屋が埋まるとは言えなくなっています。
そのため思い切ってリノベーションを行い、物件の付加価値を高めた方が、賃料を値上げしても反響数の増加が期待できるため、早期成約につながりやすく、収益性の向上が期待できます。
賃貸繁忙期にリノベーションを行う際の空室長期化のリスクを軽減する方法として、工事期間中から物件募集を行うことです。
過去に同一物件でリノベーションを行った実績があれば、他室の写真を賃貸検索サイトに掲載することで「完成後のイメージ」を想像しやすくなります。これにより工事中であっても物件の関心を高めることができ、反響数の増加や内見予約、入居申込につながる可能性が高まります。
2)リフォーム会社に依頼しても対応してもらえない可能性がある

賃貸繁忙期は退去リフォームの需要が高まるため、リフォーム会社にも工事依頼が集中しやすくなります。そのため希望するタイミングでリノベーション工事を依頼しても、すぐに対応してくれない可能性があります。
ただし管理会社に管理委託している物件では、複数の協力会社と連携しているため、繁忙期であっても対応してくれる可能性がありますが、工事費用に中間マージンが上乗せされる可能性があるため、コスト面を重視したいのであれば、直接リフォーム会社に依頼した方が無難と言えます。
このように賃貸繁忙期にリノベーションを行うと、いくつかの問題点はありますが、募集方法や工事依頼を工夫することで、その影響を最小限にい抑えることは可能です。適切な対応を行えば、繁忙期の需要を取り込みながら、物件の競争力を高めることができます。
3.賃貸繁忙期リノベーションに成功させるポイント

賃貸繁忙期にリノベーションを行う場合、ただ室内を新しくするだけでは十分とは言えません。競合が多い賃貸市場において、内見者が「この部屋に住みたい」と思ってもらえるような明確な差別化が重要になります。
そのためには、ターゲット設定や設備の工夫、募集方法などを戦略的に考えることが、リノベーション成功のポイントとなります。
ここでは賃貸繁忙期にリノベーションを成功させるための、重要なポイントについて解説します。
1)ターゲットとコンセプトを明確に設計する

リノベーションを成功させるためには、ターゲット層とコンセプトを明確に設計することが不可欠です。例えば…
単身者向け
カップル、子育て世帯向け
在宅ワークを行う社会人向け
など、どのような顧客が入居するかによって、求められる設備や間取り、内装デザインは大きく異なります。ターゲットを明確にせずにリノベーションを行ってしまうと、デザインや設備が曖昧となり、結果として、競合物件との差別化が難しくなります。
そのため具体的なターゲット層を設定した上で、コンセプトを作ることにより、室内空間に統一感が生まれ、物件の魅力をより打ち出すことが可能になります。
例えば、近年は「カフェのような空間」「在宅ワークができる部屋」など、ライフスタイルを意識したリノベーションが人気を集めています。コンセプトを明確にすることにより、賃貸検索サイトでも注目を集めやすく、反響数の増加につながりやすくなります。
2)キッチンの差別化

リノベーションを行う際には、水回り設備の改善も重要なポイントになりますが、その中でも近年の賃貸市場において、部屋探しをする際、充実したキッチン環境を望んでいる方が多いことが、クックパットのリリースから明らかになっています。
▶クックパットが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
そのため、水回り交換の中でも特にキッチンの差別化は必須と言えるでしょう。例えば…
壁付けから対面キッチンに変更
デザイン性が高いシステムキッチンの導入
収納力が高いキッチン設備
など、利便性やデザイン性を意識した設備を導入することで、内見者からの評価が高まりやすくなります。
特に近年ではインフレの影響により、自炊志向やおうち時間の充実を重視する方が増えているため、キッチン環境が充実している物件は、内見者にとっても大きな魅力になります。その結果早期成約につながりやすくなります。
3)入居促進キャンペーンを実施する

賃貸市場は需要と供給が逆転しているため、借り手有利な状況が続いています。そのため、リノベーションを行う際には、募集方法にも工夫を取り入れることが重要になります。例えば…
一定期間賃料が無料になるフリーレント
敷金、礼金の無料
日用雑貨を用意
などの入居促進キャンペーンを行うことで、入居の決め手となる確率が高まるため、内見からの成約率は高くなります。このようなキャンペーンを積極的に展開している物件は少数なので、対応すると仲介担当者にとってもクロージングがしやすくなります。
▶賃貸繁忙期リノベーションに成功させるポイントの詳細については、過去記事をご覧下さい。
4.賃貸繁忙期リノベーションに成功した事例紹介
賃貸繁忙期にリノベーションを行うことで、本当に早期成約につながるのか疑問に感じる貸主は多いかもしれません。そこで、実際に賃貸繁忙期にリノベーションを行い、早期成約につながった事例をご紹介します。
弊社物件は築年数が経過しているため、2018年から空き室を順次リノベーションしています。2025年1月末、約8年入居していた借主が戸建て住宅住替えのため退去しました。
退去連絡をいただいた1か月前から、賃貸検索サイトなどで再募集を開始し、退去後リノベーションを実施してから内見予約を受付けようと思っていましたが、退去3日後に賃貸検索サイト(SUUMO)経由で仲介会社に内見予約が入りました。
この時点ではリノベーション前でしたが、仲介担当者が過去に施工したいリノベーション部屋の室内写真を見せながら案内を行い、物件の魅力や現在入居している借主の満足度などについて説明した結果、内見当日に申込が入り、同年3月下旬に入居が決まりました。


内見同行した仲介担当者に入居の決め手を伺ったところ、開放感がある18帖LDKとデザイン性の高いリノベーション空間が特に気に入ったとのことでした。
さらに再募集のタイミングで賃料を7,000円アップして早期に埋まったため、従前と比べて年間84,000円の賃料収入増加を実現しました。このことは、リノベーションによって物件の付加価値が高まれば、高めの賃料設定でも早期成約につながりやすいことを示しています。
弊社物件の隣にある競合物件(築20年・2LDK)は原状回復程度の修繕しか行っておらず、さらに集客強化を図るため広告料を0.5ヵ月設定した上で、2024年12月から募集を開始していました。
しかし弊社物件の方が先に部屋が埋まり、こちらの物件は2025年2月下旬に埋まりました。
この事例から、現在の賃貸市場では室内のデザイン性や居住性が高ければ、築年数の古さは集客において大きな影響を与えないと考えられます。また仮に広告料を設定しても物件自体の価値が低ければ、成約までに時間がかかることが証明されたと言えます。
したがって築20年以上経過している物件は、繁忙期であってもリノベーションを行い付加価値を高めなければ、早期成約が難しくなることが推測できます。
▶こちらのリノベーション部屋、広告料の詳細については、過去記事をご覧下さい。
5.まとめ
本投稿は賃貸繁忙期でもリノベーションすべき理由についてお伝えいたしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
賃貸繁忙期において、築20年以上で原状回復のみの物件では、空室長期化や賃料値下げリスクが高まる。一方、リノベーションを行えば物件の付加価値が向上し、反響数の増加や賃料アップ、早期成約につながるため有効な空室対策となる。
賃貸業界の繁忙期は、リフォーム会社も忙しいため、希望するタイミングで工事依頼することができない場合がある。
賃貸繁忙期にリノベーションを成功させるためには、ターゲットとコンセプトを明確に設計し、水回りの一新、とりわけキッチンの差別化を図ることが重要。
賃貸繁忙期は入居需要が高まるものの、競争力が低下し原状回復しかしていない築20年以上の物件は、適正賃料以下で募集し、さらに広告料を設定しても、早期成約は難しくなります。
その一方で、現代のライフスタイルに合ったリノベーションを行うことで、物件の付加価値が高まり、賃料を値上げしても早期成約が期待できます。
リノベーション工事期間中は賃料収入が止まってしまうものの、退去連絡を受付けた時点で募集を行い、適切なターゲット設定や設備の差別化を図れば、工事中でも入居申込が入ることは十分にあります。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
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