株式会社オーナーズ・スタイルが貸主1,000人に「賃貸経営の先行き感」についてアンケート調査を行ったところ、約6割の貸主は「賃貸経営は将来厳しくなる」と悩んでいることがわかりました。また同アンケートには具体的な悩みも記載されており、意見が多かった上位3つを挙げると…
空室
家賃下落
物件老朽化
という結果でした。築年数が経過するとどの物件でも上記は必ず発生し場合によってはキャッシュフローが悪化する可能性が出てきます。
ただ実際にキャッシュフローが悪化した際、どのように対応すればいいかわからない貸主は意外に多いのではないでしょうか?
そこで本投稿は賃貸経営のキャッシュフローを改善させる5つの方法、またキャッシュフローを改善させるとどのような効果が期待できるかについてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸経営のキャッシュフローの基礎知識
一般的に築年数の経過と共に賃貸経営のキャッシュフローは厳しくなります。理由はとても簡単で…
築年数の経過と共に資産価値が低下→家賃下落+空室率増加=年間家賃収入減少
家賃収入が減少すれば月々の利益は必然的に減少
築年数の経過と共に修繕費は右肩上がり→経営を圧迫
賃貸経営におけるキャッシュフローを改善させるには、次の2つしかありません。
家賃収入を増やす
支出を抑える
賃貸経営は満室になるとこれ以上収入を増やすことはできません。ただ家賃値上げすれば従前よりさらに高い収入を得ることができます。また支出を見直すことで内部留保しやすい環境となるため安定した賃貸経営を行うことができます。
収入を増やす/支出を抑えると聞くと難しいと思われがちですが、費用をかけなくても支出を抑えることもできます。詳細は次章でお伝えします。
2.賃貸経営のキャッシュフローを改善させる5つの方法
賃貸経営のキャッシュフローを改善させる即効性が高い対策は以下の5つを挙げることができます。
家賃収入を増やす
アパートローンの借り換え
電力会社を変える
顧客満足度を高め退去を防ぐ
物件清掃委託契約を解除し貸主が行う
それではそれぞれの対策を見ていきましょう。
家賃収入を増やす
キャッシュフローを改善させるにはまずは家賃収入を増やすことが重要です。正当な理由(物価上昇、固定資産税値上がりなど)があれば入居期間中でも借主に家賃値上げ要求することは可能です。
ただ家賃値上げする場合借主との合意が必要で、正当な理由があっても借主は拒否することができます。そのため入居期間中は家賃値上げは難しいのが正直なところです。
しかし退去後資産価値を高めるリフォーム/リノベーションを行うと従前より付加価値が高まるため家賃値上げが期待でき結果的に家賃収入を増やすことができます。
また家賃値上げができれば更新料収入も増えるため、一石二鳥になります。
▶家賃値上げが厳しい理由については過去記事をご覧下さい。
アパートローンの借り換え
築年数が経過すると家賃値下げ/空室長期化+修繕費の増加が起こりやすく、新築時と比べるとキャッシュが残りにくくなります。
キャッシュの焦げ付きを解消するには毎月の返済額を抑えるのが効果的で、具体的にはアパートローンを金利が安い他行で借り換えることです。
現況より金利が安く返済期間が長くなれば毎月の返済額は大幅に抑えられるため、キャッシュフローが改善しやすくなります。なおアパートローンを借り換えする際手数料(抵当権抹消及び設定の登記費用、融資事務手数料など)が発生しますので注意が必要です。
電力会社を変える
アパートの共用灯電気代は貸主負担ですが、電力会社を変えることで月々の電気代を抑えることが期待できます。
建物規模などで削減幅は異なりますが、平均10%前後の削減が期待できます。長いスパンで考えた場合経費を大幅に削減することができ、また電力会社を変えても借主には一切迷惑が掛からないため、現在キャッシュフローで悩んでいる貸主は今すぐ実践すべき対策と言えます。
顧客満足度を高め退去を防ぐ
株式会社Alba Linkが発表したリリースによると、賃貸物件に引っ越した方の約9割は入居後後悔していることが分かり、最も多かった意見は騒音でした。
賃貸物件は部屋が隣接しているため築年数/構造躯体関係なく騒音問題は発生しやすいのですが、借主属性が悪い物件ほど騒音トラブルは発生しやすく、また家賃値下げばかり行っている物件は設備トラブルが発生しても早急に対応しないため、顧客満足度が高くありません。
顧客満足度が低くなれば住み替えリスクが高くなるものの、適切な物件管理を行えば顧客満足度は高くなるため安定した家賃収入を得ることが期待できます。
物件清掃委託契約を解除し貸主が行う
多くの物件では家賃とは別に共益費を設定しています。そのため少なくとも毎月1回/週に1回物件清掃を業者さんに委託して行っているはずです。
ただ物件清掃は決して難しい作業ではなく、やろうと思えば貸主でも対応できます。清掃料金は物件規模によって違いますが概ね月額20,000円~40,000円が相場。貸主が行うことで年間24万円~48万円節約できるため、経費を大幅に抑えることができます。
貸主が定期的に物件清掃することで自然と借主とコミュニケーションをとることができ、借主からの要望や相談に応じることで顧客満足度が上がり長期入居に繋げるられるメリットがあります。
キャッシュフロー改善効果とは?
賃貸経営のキャッシュフローを改善させると資金ショートの可能性が低くなるため安定的な賃貸経営を継続することができ、またメインバンクからの評価が高くなるため…
金融機関から新規融資
金利見直し
がしやすくなります。弊社物件は2017年の繁忙期客付けで失敗したことを受け翌年から収益性を高めるリノベーションを随時展開。2年後から満室をほぼ継続させることができるようになり3期連続で増収増益を達成。
メインバンクの格付けが高くなり借入金利の引き下げに成功しました。
▶弊社リノベーション成果に関しては過去記事をご覧下さい。
3.まとめ
今回は賃貸経営のキャッシュフローを改善させる5つの方法、またキャッシュフローを改善させるとどのような効果が期待できるかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
キャッシュフローが厳しくなりどうすることもできない場合、金融機関に相談すればリスケジュールしてくれる可能性が高いです。
但しリスケジュールは金融機関にとってマイナスとなり…
信用格付けが下がる
新規融資が厳しい~断られる
借入金利の引き上げ
などのペナルティーが発生するため注意が必要です。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。
取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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