不動産投資は借主さえ見つけることができれば安定した家賃収入を得ることができます。ただ空室期間が長期化すれば家賃機会損失が大きくなります。
空室期間を少しでも短縮させたい場合、広告料をつけると効果的と言われています。
ただ近年の部屋探しは昔と比べ大きく異なっているため、広告料設定が必ずしも早期成約に結び付くとは言えなくなっています。
本投稿は賃貸オーナーが仲介会社に支払う広告料についてお伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸オーナーが仲介会社に支払う広告料とは?
1)仲介手数料との違い
広告料と仲介手数料は客付けに成功した仲介会社に支払う「成功報酬」です。仲介手数料は法律によって定められた報酬に対し、広告料は「貸主が広告費用を出した場合」のみに発生する報酬です。
仲介会社が成約成立で貰える報酬は原則仲介手数料のみですが、広告料設定物件を成約させると「仲介手数料+広告料」収入を得ることができるため、売上アップが期待できます。
▶仲介手数料と広告料の違いに関しては、過去記事をご覧下さい。
2)広告料の相場は?誰が支払うの?
仲介手数料は法律により上限がありますが、広告料はあくまでも貸主任意であるため上限はありません。
広告料の相場は家賃1か月が多いですが、客付けに苦戦している物件では3か月設定しているところもあります。
広告料は客付けが成功した場合、賃貸オーナーが客付け業者に支払います。
3)広告料設定メリットは?
何度もお伝えしていますが、仲介会社が客付け成功した場合の成功報酬は原則仲介手数料のみで、最大でも家賃1,1か月分までです。
売上を伸ばすには他社物件を含め契約本数を増やすしか方法はありません。そのため仲介会社では担当者に契約ノルマを課しています。
ただ広告料設定物件が決まると、1件の成約で複数件成約させたことになります。そのため…
優先的に紹介してくれるため成約率が高くなる
値引き交渉が入っても広告料で相殺できるので、積極的に紹介→成約率が高くなる
ことが期待できます。一般的に賃貸成約期間は3か月前後と言われていますが、広告料をつけたことで早期客付けができれば費用対効果は高いと言えます。
2.賃貸広告料設定効果は?
広告料設定することで、仲介会社/賃貸オーナーの利害が一致するため早期客付け効果が期待できると言われています。
ただ弊社代表は以下の理由から広告料設定効果は昔と比べ期待できないと考えています。
仲介会社来店数の減少
株式会社リクルートの調査によると、部屋探しされる方が不動産仲介会社に訪問する件数は年々減少傾向で2018年を境に下げ止まっています。平均で1,6件とのことです。
訪問件数が少なければ、広告料設定物件紹介できる可能性も少なくなることから、費用対効果がどこまで期待できるか懐疑的です。
内見先を決めている
同社リリースによると部屋探しされる方は平均3件内見しているとのことです。
部屋探しされる方は希望条件に合致した部屋を内見するため、広告料設定物件が内見者の希望に合致していなければ、仮に紹介しても成約させることは難しいと言わざるを得ません。
また広告料設定物件より条件がいい物件があれば、そちらの方に流れてしまうため客付けが厳しくなる可能性があります。
3.賃貸広告料以上に効果が期待できる空室対策
近年の賃貸市場は全国的に空室率が悪化傾向となっています。空室率が悪化すれば客付けできない物件も必然的に増加するため、早期客付けを目指すならば抜本的な空室対策を行わなければなりません。
早期客付けを目指すには「顧客が住みたい部屋にする」「物件周知を強化」が重要となります。
弊社物件は築年数が古く、また物件がある山梨県は日本一空室率が悪い県です。さらに弊社物件があるエリアは1990年代に施工された物件が乱立しているため、過当競争が激化しています。
そこで弊社物件では2018年から差別化リノベーション+独自集客を強化したことで、広告料設定しなくても早期客付け+収益アップに成功し2020年以降満室状態をほぼ継続させることができています。
▶弊社リノベーション詳細、差別化戦略については過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
今回は賃貸オーナーが仲介会社に支払う広告料についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
広告料を設定すると成約率が高くなると言われています。
しかし近年の賃貸市場は空室率が悪化+広告料設定物件は賃貸検索サイトの反響数が少ない物件が多いため、費用対効果が本当に期待できるか懐疑的です。
物件クオリティーが高い物件は広告料をつけなくても早期客付けができているため、空室が埋まりにくくなった場合は資産価値を高める空室対策を行った方が効果的と言えます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
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