空室対策リノベーションのコツ
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長

- 2025年7月28日
- 読了時間: 11分
更新日:2025年10月28日
近年の賃貸市場では、全国的に物件供給が飽和状態となり、空室率の悪化が深刻な問題となっています。特に築年数が古い物件は競争力の低下が顕著で、家賃を値下げしたとしても客付けするのが困難な状況です。
その結果、一部の物件では半年から1年以上も空室が続くケースが見られます。このような空室問題を解決するには、物件の資産価値を高めることが不可欠で、最も効果的な手段として注目されているのがリノベーションです。
リノベーションにより物件は新たな魅力を獲得し、競争力を一気に回復させることが可能です。とはいえ、リノベーションにはかなりの費用がかかるため、「費用対効果」を懸念する貸主が多いのが現実です。
しかし適切なポイントと方法を理解すれば、この投資を早期に回収しつつ、安定した客付けと収益向上を十分に期待することができます。リノベーションは単なる物件改修ではなく、新たな可能性を広げるカギとなるのです。
本投稿は空室対策リノベーションのコツについてお伝えいたします。
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【本記事でお伝えする結論】
1.空室対策リノベーションの重要性

本題に入る前に空室対策リノベーションの重要性についてお伝えいたします。
空室問題の現状
近年少子化の進行に伴い、賃貸物件の需要が減少しています。総務省の調査によると、日本の生産年齢人口(15~64才)は1995年をピークに減少し続けており、2050年には5,275万人まで減少することが予測されています。これは2021年時点をと比べて29.2%の減少となります。
この人口減少は賃貸物件を利用する層の縮小を意味し、賃貸市場における空室率の悪化は避けられない状況となっています。
実際に野村総研の調査では、2040年までに賃貸空室率が約40%に達するとの予測が示されています。さらに、公益財団法人 全国賃貸住宅経営者協会連合会が「平成30年住宅土地統計調査」を基に空室率を集計した結果、一部の地方都市ではすでに空室率25%を超えていることが、確認されています。
特に「栃木県」「山梨県」「和歌山県」の3県では、空室率が30%以上に達している状況です。
空室率の上昇は借り手が見つからない物件の増加を招き、とりわけ競争力が低下している築年数が古い物件は家賃値下げしても、競合物件の増加による価格競争が激化し、客付けが困難になります。
その結果、市場内で負のスパイラルを引き起こす可能性があります。
リノベーションがもたらすメリット

近年では部屋探しに対する価値観が多様化しており、それぞれのライフスタイルや個性に合った物件を求める傾向が強くなっています。築年数が経過した物件でも、リノベーションを行うことで、以下のようなメリットが得られます。
設備や内装、間取りを一新することで、顧客の価値観やライフスタイルに合った空間を提供できる
資産価値を向上させることで、家賃値上げが容易になり、高い収益性を確保できる
物件価値の目減りを抑えられるため、契約更新時借主による家賃値下げ要求を回避できる
従前と比べ物件稼働率が向上し、安定した家賃収入を得られるようになる
物件管理を強化すれば長期入居を促進でき、収益性の高い物件にすることができる
これらによって、競争の厳しい賃貸市場において成功を収めることが期待できます。
リノベーションの種類

リノベーションにはフルリノベーションと部分リノベーションの2種類あります。それぞれの特性や目的に応じて、適切な選択を行うことが重要です。
フルリノベーション
フルリノベーションとは老朽化した設備や内装、間取りなど物件全体を全面的に改修する方法です。この手法は、築年数の古さによるふりを一新する効果があります。
メリットは、従前と比べ資産価値が向上するため、家賃値上げが容易になり収益性が向上します。また全面改装により、物件全体の魅力が高まり、早期客付けが可能になるため、空室による家賃機会損失を抑えることができます。
デメリットは、高額な初期費用が必要になるため、予算計画や回収期間(通常2~3年程度)を慎重に検討する必要があります。また回収前に借主が退去するリスクへの対策も課題となります。
部分リノベーション
部分リノベーションとは、物件の内装や間取りの一部は改修しつつ、一部の既存設備をそのまま活用する手法です。
メリットは、フルリノベーションと比べて改修範囲が限定されるため、費用と工期を抑えられる点にあります。賃貸繁忙期でもスピーディーに対応できる柔軟性があるため、貸主にとって非常に実用的です。
一方デメリットはフルリノベーションと比べ付加価値が高まらないため、家賃の値上げは難しく、また物件自体の差別化が難しくなる可能性があるため、市場で競争力を確保するためには、慎重な計画が求められます。
場合によっては、客付けが困難になるリスクもゼロではありません。

それでは、フルリノベーションと部分リノベーションのどちらかを選ぶべきか?
これは多くの貸主が悩むポイントですが、物件へのコンディションや収益目的をよく考えることで、適切な方向性を見つけやすくなります。例えば、室内の劣化が著しく、物件全体の価値を大幅に向上させたい場合には、フルリノベーションを検討するのが得策です。
一方で、予算を抑えながらも一定の競争力を維持したい場合は、部分リノベーションが最適でしょう。
それぞれの選択肢には明確な特徴があるため、物件状況や資金計画に応じたプランニングがカギとなります。リノベーションは単なる修繕ではなく、物件の長期的な価値向上や収益性強化にも影響する重要なポイントです。賢い判断で良い結果を目指しましょう。
2.空室対策リノベーションのコツ

賃貸空室リノベーションのポイントは、適切な計画を立てることです。実際、「どう進めればいいかわからない」と悩む方がいますが、ここでは具体的なコツをわかりやすく紹介します。
それらを取り入れれば、短期間で成果を実感できるでしょう。
成約ターゲットをペルソナ設定する

空室問題を解消するためには、まず成約したいターゲット層を明確に設定することが重要です。このターゲットのニーズやライフスタイルに踏まえた部屋作りを行えば、物件の訴求力が高まり、成約率の向上に繋がります。
例えば、1LDK以上のファミリー向け物件では、20~30代のカップルや新婚夫婦が主なターゲット層となります。このターゲットの特徴と好みに合わせたリノベーションを施すことで、物件訴求力が向上します。
特に、二人暮らしをされる方の部屋探しの特徴をまとめると、以下の通りとなります。
女性が部屋探しの主導権を握ることが多い
1LDK以上の物件では、圧倒的に女性が部屋探しの主導権を持つことが多く、女性が好むインテリアテイストを意識したデザインが効果的です。
水回りへのこだわり
女性はキッチンや浴室などの水回りに対して要求が高く、特に実用性やデザイン性が求められるポイントです。
シンプル&統一感
部屋全体をシンプルでナチュラルなテイストにすることで、内見者が入居後の具体的なイメージしやすくなります。競合物件ではこのような部屋はないため、反響数や成約率が向上しやすくなります。
以上を踏まえ、ターゲットニーズに応えたリノベーションを行えば、物件の魅力が大きく増し、さらに入居促進へとつながるでしょう。
水回りは一新する

リノベーションによる収益アップを目指すなら、水回り交換は必須です。しかし水回りを全て変えると約150万円ほどの費用が掛かるため、予算に制限がある場合は、既存設備を効果的に活用すると良いでしょう。
特にキッチンは「生活空間の中心であり、長時間使用される場所」のため、多くの女性が強い関心を寄せています。そのためキッチン設備については、妥協せず新しいものに変更すべきです。
築古さを取り除く

築年数が古い物件は、新築物件と比べ機能性や印象面で劣ることがあります。しかしリノベーションでこれらを改善し、競争力を持たせることが可能です。
例えば、玄関に人感センサー付き照明をを導入すれば、自動点灯機能で利便性が増し、内見時の好印象も期待できます。
またコンセントカバーや照明スイッチを最新型にするだけでも、物件全体の古さを感じさせなくなり、より魅力的に演出できます。
和室に付加価値をつける

2000年以前に施工された一部のファミリー向け物件には、和室が備えられている場合があります。しかし、近年では退去費用を抑えたいというニーズが増加しているうえ、洋室での生活が一般化となったことから、退去時に表替え費用が発生する和室の選択を避ける借主が増えつつあります。
結果として、和室がある物件は敬遠される傾向が見受けられます。このような背景を受け、多くの物件ではリノベーションの際に、和室を洋室へと間取り変更するケースが増えています。
しかし住環境研究所が発表したリリースでは、若い世代が戸建て住宅を購入する際、あえて室内に和室を取り入れるケースが増加しているが明らかになっています。
これまで和室は主に客間として利用されていることが一般的でしたが、現在の若い世代は趣味を楽しむ空間や家事、子育てにも活用できる自由な「場」として、和室を使う傾向にあるようです。
言い換えると、若い世代にとって和室は必ずしも否定的な存在ではなくなっており、魅力的なデザインや用途を追求した和室を提供することで、その抵抗感を和らげるだけでなく、競合物件との差別化が可能となります。
これにより、入居率の向上も期待できるでしょう。
家賃設定

リノベーションを行う際には、特に家賃設定に頭を悩ませることが多いのではないでしょうか?
確かにリノベーションによる資産価値の向上は、家賃値上げの可能性を広げますが、新築物件と同等の価値を提供するわけではないため、もし新築物件に近い水準の家賃を設定してしまえば、リノベーション物件を選ぶ理由が薄れてしまい、逆効果になる危険性があります。
そのため、リノベーションによる家賃設定は「新築物件の8割以内に抑える」ことが理想です。この家賃帯であれば、借主に「オトク感」を感じてもらいやすくなり、結果的に物件への反響を増やすことが可能となります。
3.空室対策リノベーション成功事例
弊社では、築年数は経過した物件の価値を高めるため、2018年からカフェスタイルに特化したリノベーションを展開しています。このインテリアスタイルを採用した理由は、築年数の古さを魅力として捉え、逆にそれをPR要素とする戦略に基づいています。
競合物件との差別化を図りながら、資産価値の目減りを抑えるため、可能な限り自然素材を活用し、温かみを感じられる手作り感あふれる内装を追求。借主に居心地の良さを提供することを目指しています。
2025年6月末現在で、全20戸のうち15戸のリノベーションを完了しており、家賃値上げを目的にしたフルリノベーションを原則として実施しています。
キッチンや洗面台は弊社オリジナルデザインで統一し、壁には機能性に優れた漆喰を使用。一部の部屋にはペンダントライトとダウンライトを標準装備することで、カフェのような柔らかい雰囲気を演出しています。
この独自の空室対策リノベーションにより、競合他社との差別化を実現。具体的な成果として、以下の結果を残しています。
2020年以降4期連続増収増益、昨年度には過去最高の家賃収入を更新
物件稼働率も高水準を維持、昨年度稼働率は99.04%
平均成約期間は1か月前後、最短は退去前に入居申込
これらの成果により、弊社の空室対策リノベーションは、不動産メディアから注目される存在となっています。
▶弊社空室対策リノベーションの詳細は過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
今回は空室対策リノベーションのコツについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
近年の賃貸市場では空室率の上昇が顕著であり、物件の魅力や価値が十分に認められない場合には、適正家賃以下で募集を行っても、空室を解消するのが容易ではない状況となっています。
こうした背景を踏まえると、築20年以上の物件を所有し、空室が多いことや収益性の低下に悩んでいる貸主にとっては、物件の価値向上を目的としたリノベーションを実施することが、確実に成果を上げるための有力な手段となるでしょう。
リノベーションによって物件の魅力や機能性を高めることで、賃貸需要を引き寄せるだけでなく、より高い収益性を実現する可能性も期待できるのです。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
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