top of page

3LDK賃貸リノベーション200万円以下でできる?


3LDK賃貸アパートを2LDKへ間取り変更し、内装や水回りまで全面的にリノベーションする場合、工事費を200万円以下に収めるのは簡単ではありません。



その背景には、キッチンや浴室、洗面台、トイレなどの水回り設備を交換すると、設備費と工事費が積み重なり、総工事費が大きくなりやすいことがあります。



さらに、3LDKは専有面積が広いことが多く、床材や壁・天井のクロスなど、張り替えが必要となる範囲も広くなるため、内装工事費が高くなりやすい点も理由の一つです。



ただし、既存設備を残す範囲を見極め、使用する内装材や設備のグレードを調整すれば、工事費を200万円に近づけられる可能性はあります。



弊社では、1993年築のファミリー向け賃貸アパートを3棟20戸運営しています。そのうち4戸はもともと3LDKでしたが、ライフスタイルや入居希望者のニーズの変化を踏まえ、退去に合わせて2LDKへ順次変更してきました。



本記事では、その経験を踏まえ、3LDK賃貸リノベーションを200万円以下で行うことが難しい理由と、予算を抑えるために考えたい工事の優先順位について解説します。



▶︎お知らせ◀︎


私の経営する有限会社山長では、アパート経営改善・空室対策コンサルティングを行っています。かつて私自身が直面した「自己破産寸前」だった状態を、独自の高付加価値リノベーションで再生。入居率77%から、2020年以降は年間平均95%以上へ改善、年間収入430万円UPという自社物件で実践・検証してきたノウハウをもとに、オーナー様と二人三脚で改善サポートします。



その実績は『全国賃貸住宅新聞』『楽待』などのメディアにも多数紹介されています。まずはお手軽な無料相談からお気軽にご相談ください。 [→詳しいプロフィールと解決事例は記事末尾へ]





【本記事でお伝えする結論】


  • 築20年以上の3LDKは、需要や競合を確認した上で、2LDKへの間取り変更を検討することが重要。


  • 3LDKの全面リノベーションを200万円以下に抑えるのは難しく、設備更新には優先順位が必要。


  • 状態の良い設備を活用し、キッチンや浴室へ予算を集中することで費用対効果を高められる。


1.3LDK賃貸アパートをリノベーションすべき理由


3LDK賃貸アパートをリノベーションすべき理由

3LDKをリノベーションすべきかどうかは、築年数だけで判断できるものではありません。募集エリアの需要や競合物件、想定する入居者層を踏まえたうえで、その物件に合った改善方法を検討する必要があります。



弊社では、1993年築のファミリー向け賃貸アパート3棟20戸を運営しています。そのうち4戸は3LDKでしたが、入居希望者のライフスタイルの変化を踏まえ、退去のたびに3LDKから2LDKへ間取り変更を行っています。



3LDKから2LDKへ間取りを変更するだけで、必ず客付けが改善するわけではありません。

しかし、実際に運営して分かったのは、間取りを変更しただけでは客付けが改善するとは限らないということです。



LDKを広くすることで暮らしやすさは向上しますが、築20年以上経過した物件では、キッチンや浴室、洗面台などの設備が古いままでは、広くなったLDKとのバランスが取れず、内見時に古さが目立ってしまうケースがありました。



一方で、間取り変更とあわせて設備交換を含めたリノベーションを行った部屋では、成約までの期間に大きな違いが見られました。



この経験から、築20年以上の3LDKでは、間取り変更だけではなく、設備も含めて住まい全体の印象を見直すことが、客付け改善につながりやすいと考えています。



もちろん、すべての物件を2LDKへ変更すべきという意味ではありません。募集エリアの需要や競合物件、入居者層によっては、3LDKのまま募集した方が適しているケースもあります。そのため、間取り変更の必要性は物件ごとに判断する必要があります。



参考として、LIFULL HOME'S「見える賃貸経営・山梨県甲府市編」に掲載されている間取り別検索割合では、次のような結果が示されています。



  • ワンルーム:46.4%


  • 1LDK・2K・2DK:19.7%


  • 2LDK・3K・3DK:24.9%


  • 3LDK・4K・4DK:8.6%



このデータでは、3LDK・4K・4DKを検索条件としていた割合は8.6%で、1LDKや2LDKを含む区分より低い結果が示されています。



ただし、この数値だけで3LDKの需要が低いとは判断できません。家賃、専有面積、駐車場、学区、募集エリアなど、さまざまな条件によって求められる間取りは変わるためです。



そのため、3LDKを2LDKへ変更するかどうかは、統計データだけではなく、自社物件や競合物件の募集状況も踏まえて判断することが大切です。


▶築20年以上の賃貸物件でリノベーションを検討する際の基本的な考え方については、「空室対策リノベーション完全ガイド」でも詳しく解説しています。



ここまで、築20年以上の3LDKでは、間取り変更だけでなく、設備交換を含めたリノベーションを検討する重要性についてお伝えしました。



では実際に、3LDKを2LDKへ変更し、水回り設備も一新する場合、どの程度の工事費が必要になるのでしょうか?



「200万円以内でフルリノベーションできるのではないか」と考える貸主も少なくありません。しかし、設備交換や内装工事、間取り変更を行うと、工事費を200万円以下に抑えることは簡単ではありません。



次章では、弊社物件で実際に行ったリノベーションをもとに、3LDK賃貸アパートの全面リノベーションで200万円以下に抑えることが難しい理由を詳しく解説します。


2.3LDK賃貸リノベーション予算200万円以下でできる?


3LDK賃貸リノベーション予算200万円以下でできる?


前章では、3LDKリノベーションでは設備の更新も重要であることをお伝えしました。



そこで気になるのが、「3LDKを2LDKへ変更し、内装や水回りまで全面的にリノベーションした場合、工事費は200万円以下に収まるのか」という点ではないでしょうか?



結論からお伝えすると、3LDKを2LDKへ間取り変更し、内装と水回りを全面的に改修する場合、工事費を200万円以内に収めるのは難しいと考えられます。以下は、3LDKのリノベーションを検討する際に想定される主な工事項目と費用の目安です。



  • 壁紙の張り替え:40~50万円


  • フロアタイルの重ね張り:30~50万円


  • 間仕切り壁の撤去:10~15万円


  • セクショナルキッチンの設置:30~50万円


  • トイレ交換:15~20万円


  • 洗面台交換:約10万円


  • システムバスの導入:約60万円



施工会社や部屋の広さ、既存設備の状態、使用する設備のグレードによって工事費は変動しますが、これらの工事を全て行うと、単純に合計しただけでも200万円を超える可能性があります。



また、解体後に下地や給排水管の補修などが必要になれば、当初の見積額より工事費が増えることも少なくありません。


「3LDKのフルリノベーションを必ず200万円以下で行う」と最初から予算の上限を固定してしまうと、本来必要な工事まで削らざるを得なくなり、募集開始後の競争力が十分に確保できない可能性があります。

そのため、「3LDKのフルリノベーションを必ず200万円以下で行う」と最初から予算の上限を固定してしまうと、本来必要な工事まで削らざるを得なくなり、募集開始後の競争力が十分に確保できない可能性があります。



このような事態を避けるためにも、まずは次の点を整理した上で、予算を配分することが重要です。



  • 間取り変更は本当に必要か


  • 既存設備のうち再利用できるものはあるか


  • 入居希望者への訴求効果が高い工事はどこか


  • 今回実施せず、将来的な更新時に回せる工事はあるか



限られた予算の中でも、工事の優先順位を明確にすることで、費用対効果を高められる可能性があります。



弊社でも、3LDKを2LDKへリノベーションする際は、全ての設備を一律に更新するのではなく、入居希望者の反応や費用対効果を踏まえながら、工事内容を検討してきました。



次章では、実際に取り組んできた経験をもとに、3LDKリノベーションで優先して検討したい工事について詳しく解説します。




3.リノベーション予算を抑える方法について


リノベーション予算を抑える方法について

前章では、全面リノベーションでは一定の工事費が必要になることをお伝えしました。しかし、だからといって予算を増やすしか方法がないわけではありません。



私は2018年から15戸のリノベーションを進める中で、「お金を掛ける場所」と「既存設備を活かす場所」を明確に分けることで、限られた予算でも競争力を高められることを実感しました。実際に運営する中で…



  • 故障リスクを踏まえ、2026年からトイレ本体の交換方針へ変更


  • 維持管理のしやすさを考え、床材をフロアタイルからクッションフロアへ変更


  • コストを抑えるため、キッチンカウンターをIKEA製へ変更



など、実際の経験をもとに判断基準を見直してきました。ここではその経験を踏まえ、リノベーション予算を抑えるために実践してきた方法をご紹介します。


既存設備を有効活用する


既存設備を有効活用する

これまで弊社では、フルリノベーションを行う際でも、トイレ本体は交換せず、壁紙や床の張り替えを中心とした改修を行っていました。



しかし、新築時から使用しているトイレを継続して使用していたため、入居後にボールタップの経年劣化による「水が止まらない」といった設備トラブルが徐々に増えてきました。



そこで2026年からは、フルリノベーションを実施する住戸を中心に、退去後のタイミングでトイレ本体も交換する方針へ変更しています。



この経験から、既存設備は「まだ使えるから残す」のではなく、故障リスクや維持管理費まで考慮した上で、残すか交換するかを判断する必要があります。



リノベーション費用の中でも、キッチンや浴室などの水回り設備は、高額になりやすい工事の一つです。そのため、状態が良い設備まで一律に交換すると、工事費が大きく増える可能性があります。



ただし、見た目だけで判断するのではなく、使用年数や故障リスクも考慮した上で、残すか交換するかを判断することが重要です。

例えば、キッチンを壁付けから対面式へ変更する場合は、設備本体だけでなく、解体工事や給排水・電気配線・内装工事なども必要になるため、費用が高くなる傾向があります。



一方で、キッチンの位置を変更せず、同型のセクショナルキッチンへ交換すれば、給排水管の移設工事を抑えられるためコストを抑えられます。



また同様に浴室についても、設備の状態によっては浴室全体を交換するのではなく、内装の改修を中心とした工事で対応できる場合があります。



このように、設備は見た目だけで判断するのではなく、使用年数や故障リスク、将来の維持管理費を総合的に考慮し、「残す設備」と「交換する設備」を見極めることが、限られた予算で費用対効果の高いリノベーションを実現するポイントです。


内装材の選び方を見直す


グレードを落とす

弊社では、フルリノベーションを開始した当初、床材にはフロアタイルを採用していました。汚損や破損が発生した場合でも1枚単位で部分交換できるため、長期的な維持管理費を抑えられると考えたためです。



しかし、実際に賃貸経営を続ける中で、採用していた床材の品番が廃番となり、部分補修が難しくなるという課題に直面しました。部分交換を予定していても、同じ床材が入手できなければ、結果として床全体を張り替えなければならない場合があります。



そこで現在は、将来の維持管理まで考慮し、和室を除いてクッションフロアを標準仕様として採用しています。



床材には、フロアタイルやクッションフロアなどさまざまな種類があります。一般的に施工費込みの目安では、クッションフロアは約2,500~4,000円/㎡、フロアタイルは約4,000~7,000円/㎡とされており、フロアタイルの方が材料費・施工費ともに高くなる傾向があります。



一方で、価格だけで床材を選ぶことはおすすめできません。耐久性やデザイン性だけでなく、将来の補修や維持管理のしやすさまで含めて検討すべきポイントです。



クッションフロアも品番が廃番になることはありますが、類似デザインの商品が比較的多く、張り替えや補修にも対応しやすいと考えています。


この経験から、床材は初期費用だけでなく、将来の維持管理費まで含めて選定することが、結果として費用対効果の高いリノベーションにつながると考えています。



▶なお、フロアタイルからクッションフロアへ変更した経緯や、実際に経験した失敗については、「【2022年】実体験をもとに賃貸リノベーション失敗と対策を解説」で詳しく紹介しています。



壁紙も全て高価格帯の商品を採用する必要はありません。広い面には量産品を使用し、アクセントクロスを組み合わせることで、費用を抑えながら室内の印象を変えられる場合があります。



既存の壁紙の状態が良ければ、一部のみ張り替える方法も選択肢となります。このように、壁紙も施工範囲や使用する商品を工夫することで、費用対効果を高めることが可能です。



リフォーム会社への直接依頼と施主支給を検討する


リフォーム会社への直接依頼と施主支給を検討する


弊社では、2018年からカフェスタイルキッチンを導入した際、造作カウンターを特注で製作していましたが、1台当たり約30万~40万円の製作費がかかっていました。



そこで2021年、コスト削減を目的に試験的にIKEA製カウンターを採用したところ、組み立て費を含めても約6万円で設置することができました。内見時の評価も良好だったことから、現在ではIKEA製カウンターを標準仕様として採用しています。



このように、設備や部材によっては施主支給を活用することで、デザイン性や訴求力を大きく損なうことなく工事費を抑えられる場合があります。




管理会社へ管理委託している物件では、リノベーション工事も依頼できるため、工事手配などの手間を省けるメリットがあります。



一方で、工事費には管理会社の中間マージンが含まれる場合があり、工事金額が大きくなるほど、その負担も大きくなる可能性があります。



集金管理物件の場合は、契約内容によって貸主が直接リフォーム会社へ工事を依頼できることがあります。その場合は、中間マージンを抑えられる可能性があるため、契約内容を確認した上で検討することも一つの方法です。



また、リフォーム会社へ直接依頼する場合は、設備や部材の一部を貸主が購入する「施主支給」に対応できるか相談することで、商品代を抑えられる場合があります。


施主支給のメリット・デメリット

ただし、施主支給は必ず費用削減につながるとは限りません。



貸主自身が商品の型番や寸法、納期を確認し、工事日までに現場へ準備する必要があります。商品の選定ミスや納品遅れが発生すると、工事スケジュールへ影響する可能性もあります。



また、リフォーム会社によっては施主支給に対応していない場合や、取付工事費が通常より高くなる場合もあります。さらに、商品の不具合が発生した際には、商品の購入先と施工会社で責任の所在が分かれる可能性があるため注意が必要です。



そのため、施主支給を検討する場合は、商品を購入する前にリフォーム会社へ相談し、次の点を確認した上で進めることをおすすめします。



  • 施主支給に対応しているか


  • 取付工事費はいくらか


  • 必要な寸法や仕様


  • 保証や不具合発生時の対応



施主支給は全ての設備に適しているわけではありませんが、施工会社と十分に打ち合わせを行い、適用できる設備を見極めることで、工事費を抑えながら競争力のあるリノベーションにつなげられる可能性があります。


▶施主支給のメリット・デメリットや、実際に取り組む際の注意点については、「施主支給のメリット・デメリット紹介」で詳しく解説しています。



4.リノベーションで費用をかける場所の考え方


リノベーションをする際に、考慮すべきポイント

予算を抑えながらリノベーションを行う際は、設備を一律に更新することではありません。限られた予算を、入居希望者が重視する設備へ優先的に配分することが、費用対効果の高いリノベーションにつながります。


では、実際にどの設備へ優先的に費用を配分すべきなのでしょうか。弊社が2018年から行ってきた見学会や退去時アンケートの結果を踏まえると、まず検討したいのがキッチンです。


キッチンは最も優先したい設備


キッチンは最も優先したい設備

弊社では2018年から、リノベーションした部屋を実際に見学できるオーナー主催の「見るだけ見学会」を開催し、毎回アンケート調査を実施しています。その結果、参加者の約7割が「キッチンが最も印象に残った設備」と回答しています。



この結果から、限られた予算の中でも、キッチンは優先的に費用をかけるべき設備だと考えています。



▶見学会でキッチンが高く評価された理由や、実際に採用したカフェスタイルキッチンの工夫については、「弊社アパートの人気No.1リノベーションルームを大公開!キッチン編」で詳しく紹介しています。



ただし、高額なシステムキッチンを導入したり、壁付けキッチンを無理に対面キッチンへ変更したりすることが、必ずしも最適な選択とは限りません。



弊社では、既存のレイアウトを活かしながらセクショナルキッチンへの交換やカフェスタイルキッチンへのリノベーションを行うことで、費用を抑えつつ、室内全体の印象を改善してきました。



部屋探しをする方にとって、キッチンは毎日使用する設備であり、内見時にも印象に残りやすい場所の一つです。



クックパッドが公表している調査でも、部屋探しをしている方は、多少希望条件を妥協しても、充実したキッチン環境を重視する傾向が示されています。



このように、自社での見学会の結果と外部調査の両方から、限られた予算ではキッチンへ優先的に投資することが、費用対効果の高いリノベーションにつながると考えています。


浴室は古さを感じやすい設備


浴室は古さを感じやすい設備


浴室は、築年数の古さを感じやすい設備の一つです。壁や床、水栓などに経年劣化が目立つと、室内全体をリノベーションしていても古い印象を与えてしまうことがあります。



特にファミリー向け物件では、部屋探しに女性が大きく関わるケースも少なくありません。キッチンと同様に、浴室の清潔感を重視する方も多いため、古さや汚れが目立つと室内全体の印象を損ねる要因になり得ます。



弊社では、システムバスへ交換した事例はありません。フルリノベーションを行う部屋では、既存の浴室を活かしながら浴室用フィルムを施工し、費用を抑えつつ清潔感を改善してきました。また、部分リノベーションでは、水栓や鏡を交換することで、見た目や使い勝手の改善を図っています。



キッチンと同様に、浴室も「全て新しくする」のではなく、入居希望者が古さを感じやすい部分を優先して改善することが大切だと考えています。


トイレ・洗面台は設備の状態を見て判断する


トイレ・洗面台は設備の状態を見て判断する

トイレや洗面台については、使用年数や故障リスクを踏まえ、交換するかどうかを判断する必要があります。



温水洗浄便座付きの洋式トイレやシャワー付き洗面台が設置されている場合は、本体を交換しなくても、壁紙や床など周辺の内装を更新することで、設備の古さをある程度カバーできる場合があります。



一方で、故障リスクが高い場合や老朽化が進んでいる場合は、初期費用だけで判断するのではなく、入居後の維持管理費も考慮した上で交換を検討することが大切です。



ここまで、弊社が実際に優先して投資してきた設備と、その考え方をご紹介しました。



では実際に、築30年以上の3LDK賃貸アパートをリノベーションする際、どの設備へ優先的に投資し、どの部分でコストを抑えたのでしょうか。



次章では、弊社が1993年築3LDKの部屋を2LDKへリノベーションした実例をもとに、実際の工事内容や費用配分の考え方について詳しくご紹介します。


5.3LDKリノベーションの実例と費用配分の考え方




これまで、3LDKリノベーションでは、限られた予算を入居希望者が重視する設備へ優先的に配分することが重要であるとお伝えしてきました。



では実際に、弊社ではどのような考え方で工事内容を決め、設備ごとの優先順位を判断したのでしょうか。



本章では、1993年築3LDK住戸を2LDKへリノベーションした実例をもとに、工事内容を決定した経緯や費用配分の考え方をご紹介します。




弊社では1993年にファミリー向け賃貸アパート3棟20戸を建設しました。そのうち1棟4戸は3LDKでしたが、ライフスタイルや入居希望者のニーズの変化を踏まえ、退去に合わせて順次2LDKへ間取り変更を行っています。



2025年1月末、約8年間入居していた住戸が退去しました。この部屋は約8年前に3LDKから2LDKへ間取り変更していましたが、設備や内装には経年劣化が見られたため、フルリノベーションを実施することにしました。


今回のリノベーションでは、「全てを新しくする」のではなく、「どこへ費用をかけ、どこを既存設備として活用するか」を明確にした上で工事内容を決定しています。



設 備

判 断

キッチン

優先的に改修

浴室

優先的に改修

洗面台

優先的に改修

トイレ

状態が良かったため既存を活用

床材

状態や室内デザインを考慮し既存を活用


まず、キッチンには優先的に予算を投じました。前章でご紹介した「見るだけ見学会」を通じて、キッチンは入居希望者の印象に大きく影響する設備であることを実感してきたため、今回も優先して改修を行いました。



次に、浴室と洗面台も重点的に改修しました。浴室は築年数の古さが伝わりやすい設備であり、清潔感は室内全体の印象にも大きく影響します。



また、洗面台も毎日使用する設備であるため、古さや使い勝手は入居希望者の印象を左右しやすいと考えています。



一方、トイレ本体は状態が良好だったため、今回は既存設備を活用しました。限られた予算を、入居希望者が重視する設備へ重点的に充てることを優先したためです。



床材についても、既存の状態が良好だったため、そのまま活用しました。もともと新築時からダークブラウン系の合板フローリングが施工されており、弊社では通常、白を基調としたインテリアスタイルに合わせて白系のクッションフロアへ張り替えています。



しかし今回は、既存の床材に目立った傷みがなく、ドアの色とも調和していたことから、床材はあえて張り替えず、そのまま活用することにしました。その結果、床材の張り替え費用を抑えながら、その分の予算をキッチンや浴室など、入居希望者が重視すると考えた設備へ優先的に配分しています。



このように、設備ごとの優先順位や既存設備の状態を総合的に判断しながら工事内容を決定した結果、今回のリノベーション費用は約240万円となりました。


限られた予算の中で、どの設備へ重点的に投資し、どの設備を活用するかを明確に判断したことが、今回のリノベーションのポイントでした。


重要なのは、「240万円かかった」という金額だけではありません。限られた予算の中で、どの設備へ重点的に投資し、どの設備を活用するかを明確に判断したことが、今回のリノベーションのポイントでした。



その結果、退去後3日で入居申込みが入り、その後、工事スケジュールを調整して3月中旬に引き渡しています。また、この部屋は従前より家賃を12%引き上げて成約しました。



もちろん、この結果が全ての物件で再現できるわけではありません。募集時期や募集エリア、家賃設定、競合物件、部屋の状態、募集写真や募集方法など、さまざまな要因が成約へ影響します。



それでも、自社物件で3LDKから2LDKへの間取り変更を行い、工事内容や費用配分、募集から成約までを継続的に検証してきた経験は、築20年以上の賃貸物件でリノベーションを検討する貸主にとって、一つの判断材料になると考えています。



▶今回ご紹介した住戸の施工内容や施工写真、募集開始から成約までの経緯については、以下の記事で詳しく紹介しています。


6.まとめ


今回は、築20年以上の3LDK賃貸アパートをリノベーションする際の工事内容や費用配分の考え方について、自社事例をもとに解説しました。



重要なのは、工事費をできるだけ抑えることではなく、限られた予算を入居希望者が重視する設備へ優先的に投資することです。


状態が良好な設備は活用しながら、キッチンや浴室、洗面台などへ重点的に費用を配分することで、費用対効果の高いリノベーションにつながります。



弊社でも、この考え方をもとに工事内容を決定し、約240万円でリノベーションを実施した結果、募集開始から3日で入居申込みが入り、従前より家賃を12%引き上げて成約しました。



もちろん、この結果が全ての物件で再現できるわけではありません。



しかし、自社物件で継続的に検証してきた経験から、築20年以上の3LDK賃貸アパートでは、「工事費をいくら掛けるか」ではなく、「どこへ費用を掛けるか」という考え方が、空室対策を成功させる重要なポイントになると考えています。



今回ご紹介した内容は、私自身が1993年築のアパートを運営する中で実践し、試行錯誤を重ねながら取り組んできた空室対策です。



しかし、「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件でも活用できるのか判断できない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。



そのような場合は、(有)山長の無料相談をご利用ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年に祖父が建設した3棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

055-241-2218

090-8514-3562


コメント


bottom of page