賃貸経営のメリットは借主さえ見つけることができれば安定した家賃収入を得ることが期待できる点です。ただ賃貸物件は築年数の経過と共に「資産価値が下落」するため、年数が古くなると空室が目立つ/家賃値下げを余儀なくされ収益が低下してしまいます。
そのため賃貸経営は「右肩下がりのビジネスモデル」と言われることがあります。
ただし築年数に応じた適切な空室対策を行えば築年数が古くなっても、空室問題で悩むことはないため安定した家賃収入を得ることが期待できます。
本投稿は築20年以上経過した物件を対象とした賃貸経営で役立つ具体的な空室対策リストを挙げてみたいと思います。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.空室対策の基本
本題に入る前に空室対策の基本を改めてお伝えいたします。空室対策を簡潔に言うと「空室を早期に埋めるために行う様々な対策」のことです。
築年数が浅い物件は物件資産価値が高いため、原状回復程度でも早期客付けは十分期待できます。しかし築年数が経過すると設備の老朽化/間取りがライフスタイルに合わなくなるため空室目立つようになります。
空室対策の基本は、空室原因を把握+エリア内の競合物件の動向を分析した上で、成約ターゲットを明確化/訴求効果が高い空室対策を行うことです。つまり成約ターゲットが「この部屋内見してみたい」と想像できる空室対策を行うことです。
上記を理解できなければ素晴らしい設備を導入したとしても、「住みにくい部屋」と捉えられ客付けは厳しくなってしまいます。
2.賃貸経営で役立つ具体的な空室対策リスト
物件築年数が20年を超えてくると設備の老朽化/間取りが現在のライフスタイルに合わない可能性が出てくるため、表装リフォームを強化しても早期客付けは難しくなってしまいます。
本章では築20年を超えた物件に効果的な空室対策リストをご紹介します。
1)リノベーションで人気物件にする
近年では部屋探しの価値観が多様化しているため、リノベーションが行われていれば築年数だけで物件判断されることは少ないです。ただ今後リノベーションを行う物件は増加することが予想されるためリノベーションで人気物件にするには以下3つの対策は必ず行わなければなりません。
①室内配色を意識する
リノベーション物件を探す方は室内インテリアに非常に強いこだわりを持っています。そのため自分達が所有/購入する家具や雑貨が部屋とマッチしなければ、他の物件に流れてしまうと言っても過言ではありません。
リノベーションを機に内装張替えする物件は多いですが、その際室内配色を意識することが重要です。内装/家具/インテリアの色を3色以下に抑えると「統一感があるおしゃれな部屋」となり内見時の物件印象を高めることができます。
シンプル過ぎると思われますが、リノベーションで重要なのは入居後の生活イメージに合った部屋作りを行うこと。意外と上記を意識しているリノベーション物件は少ないため、対応することで訴求力を高めることが期待できます。
②水回りの差別化
リノベーション物件に興味を示しているのは女性が圧倒的に多いです。リノベーション物件は基本的に水回りを交換していますが、コストを抑えるべく既製品を導入するケースが圧倒的に多いです。
正直全ての水回りが既製品となると新築物件をコピーした部屋となり、訴求力/資産価値を最大化させることができません。リノベーションで人気物件にするには、1つでもいいので物件オリジナル設備を導入すると入居促進を高めることができます。
③収納力を高める
近年施工された新築物件にはクローゼット収納/洗面脱衣所内に収納棚が設置されていますが、築年数が古い物件では対応していないケースが多いです。
収納力が少ないと新たに収納棚などを用意しなければならないため、たとえリノベーションしても「利便性が期待できない」と判断され客付けで不利になります。
ただ収納は後付対応でき、既存収納をクローゼット化/脱衣所内に収納棚を新設することは可能です。リノベーションする際は必ず収納力を高める対策を行うことが重要です。
2)集客方法の見直し
リノベーションを行う最大の目的は収益アップです。そのためリノベーションを機に家賃値上げを行うケースは多いですが、部屋探しされる方が家賃帯で物件検索してしまうと、賃貸検索サイトの反響数を高めることが難しくなります。
そこでおススメなのが集客方法を見直し、貸主自ら物件募集を行うことです。賃貸物件を最も利用している10~40代は調べものする際Google検索の他にSNS検索も併せて行っています。
特にInstagramはSNSの中で…
購買意欲が高いユーザーが集まっている
男性より女性の方が利用者が多い
視覚的に訴える商品の訴求
に効果的なため、リノベーション部屋をInstagramに投稿すると反響数を高めることが期待できます。
3)入居促進対策
賃貸物件に入居される方は契約前に初期費用を一括で支払わなくてはなりません。一般的な初期費用相場は家賃4~6か月と言われています。ただ賃貸物件に入居する際初期費用の他に「引越費用」「家具家電費用」が別途発生するため、多くの方は潜在的に初期費用を何とか抑えたいと思っているはずです。
じつは貸主の考え次第で初期費用をある程度抑えることは可能です。具体的には…
敷金、礼金を無料にする
フリーレントを設定する
たったこれだけでも初期費用を抑えることはできます。競合物件では初期費用をお得にする対策は特段行っていないため、事前に対応することで入居促進に繋げやすくなります。
3.空室対策成功事例
弊社物件がある山梨県の賃貸空室率は約3割と言われています。空室率が悪化すると競争力が低下した築年数が古い物件は家賃下げ圧力がかかるため、価格競争が激化します。
ただ物件によっては適正家賃以下で募集しても客付けで苦戦し、6か月以上空室が続いているところもあります。
弊社物件は築年数が古いため2018年から空き室を随時リノベーションしています。競合物件との徹底的な差別化を図るため、リノベーション/集客/初期費用を独自で対応しています。
白を基調としたシンプルデザインを意識。室内配色は基本2色。
キッチンは弊社オリジナルのカフェスタイル。上級グレードには造作洗面台設置。
上級グレードの壁材は原則漆喰
リノベーションを機に一部収納をクローゼット化+浴室洗面台に収納棚設置
集客強化のため物件独自の公式サイトを2018年に開設
公式サイトから内見された方のみ特別価格の初期費用を用意
上記対応したことでリノベーション前と比べると成約期間短縮/家賃値上げ/物件稼働率を大幅に改善させることができ、2020年以降3期連続で増収増益を継続させることに成功しています。
▶弊社リノベーションの詳細は過去記事をご覧下さい。
4.まとめ
本投稿は築20年以上経過した物件を対象とした賃貸経営で役立つ具体的な空室対策についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
競争力が低下した築年数が古い物件を立て直すにはリノベーションが効果的。ただ今後リノベーション物件は確実に増加することが予想されるため、生き残るには成約ターゲットに訴求する室内インテリア/設備導入がポイントとなります。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
空室対策&築古物件の再生は(有)山長にお任せください!
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