客付けに強い管理会社に変更すれば、空室は埋まるのか?
更新日:2022年12月31日
不動産賃貸業界は、今後「人口減少」が著しく発生することから、必然的に「空室率は上昇」してしまいます。地方都市ではもちろんのこと、大都市圏であったとしても、空室率上昇は避けられない問題となってしまいます。
空室率が上昇してしまうと、お部屋探しをされている方に対して、複数の仲介会社が「奪い合う」形となってしまうため、競争が激化することが予想されます。
空室率を抑えるためには、客付け力が強い仲介会社/管理会社に物件紹介してもらうことが、非常に重要となります。

楽街が「メルマガ会員」に行った「管理会社を変更しようとしたきっかけ」について調べた所によると、約6割の方は「客付けを強化するため」に、管理会社を変更したとのこと。
実際に管理会社を変更した、とあるオーナー様の話では「月に2~3件程度の内見だったものが、管理会社を変更したことによって、月に5件以上内見が増えた」とのこと。
このような話を聞いてしまうと、現在集客に苦戦を強いられている貸主は、この機会に「管理会社変更を検討してみよう」と考えたくなるものですが、ただ管理会社を変えれば、全てがうまくいくという保証はありません。
1.空室対策で重要なこと

仮に管理会社を変えたとしても、募集部屋が「普通以上のクオリティーを保っていない」と、エリア内には同質化物件が多数あることから、価格競争に巻き込まれてしまうか、空室期間が長期化してしまう可能性が出てきてしまいます。
先程ご紹介した楽街アンケートで管理会社を変えた貸主は…
物件購入時に仲介してくれた不動産会社にそのまま管理も委託していた投資家のAさん。 しかし、時間の経過とともに空室が目立つようになり、今年は繁忙期が過ぎても12部屋中3部屋も空室!さらに、その内の1室は家賃を6000円も値下げしたにも関わらず、半年間も空室のままだったそうです。
Aさんは管理会社を変えたことで、内見者数が2倍になったとのことですが、ただここで一番問題なのは、繁忙期中に部屋が埋まらない理由を全て管理会社の責任にしている点。
Aさんがリフォーム対応していたかどうかは、本アンケートでは確認することができないものの、しっかりとした空室対策を講じなければ、たとえ繁忙期であったとしても部屋を埋めることは難しいのが正直なところです。
▶弊社物件も空室対策にとても苦労した時期があります。詳細に関しては過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①
2.仲介会社の本音

管理会社に管理委託している物件では、管理担当者が仲介会社担当者に「募集物件を早期に埋めるようにプッシュ」します。特に管理と仲介が一体型の物件では、自社物件を優先的に客付けする傾向が強いため、働き掛けを強化してきます。
ただ、仲介会社の本音としては「成約に結び付けられそうな部屋」を紹介してほしいと考えています。
仲介会社は基本的に契約成立に至らなければ、成功報酬=仲介手数料は一切もらえません。
仲介手数料は法律によって最大でも家賃1.1か月分しかもらうことができないので、仲介会社としては成約に結び付けやすい物件を優先的に紹介したくなるものです。それが自社であっても他社物件であっても関係ありません。
優秀な仲介担当者は、本命物件を埋めるためにわざとクオリティーが低い部屋を先に見せておいて、本命物件を確実に決める営業を行っています。場合によっては貸主の物件が本命物件を決めさせるための当て馬物件になっている可能性もあり得ます。
▶仲介会社営業に関しては、こちらをご覧下さい。
3.広告料物件の表と裏

早期に客付けを図りたいと考えている場合、広告料をつけると効果的と言われています。
確かに広告料をつけることによって、仲介担当者のやる気が一気に上がる(=成約させれば2~3件の契約分に匹敵する)ため、積極的に紹介してくれます。
ただそもそもしっかりと空室対策を施せば、築年数関係なく成約させることは可能であることを踏まえると、広告料設定することによって逆に集客にマイナス的な要因を仲介担当者に与えてしまう恐れがあります。
こちらは、地方都市にある「全空室物件を満室」にさせた方法の動画です。
こちらの物件は貸主が物件購入後、設備トラブルに見舞われてしまい一時期は大変だったとのことですが「広告料やフリーレントの設定、家賃値下げ」等を行うことによって、満室を達成することができたとのことです。
仲介会社にしてみれば、契約成立時に「仲介手数料と広告料」が一気に入るので、貸主に対してはお礼の気持ちがいっぱいになると思いますが、ここまでしなければ成約させることができないということは、すでに物件資産価値が低下していることを示唆しています。
恐らくではありますが、この様な物件は
家賃滞納リスク上昇
借主同士におけるトラブル増加
早期退去の増加
が懸念され、場合によっては客付けをした仲介会社/管理会社にクレームを言う借主も出てくるため、安定した賃貸経営を行うことは難しくなってしまいます。
4.管理会社を変える前に、物件クオリティーを上げる

弊社物件は、1993年築。更に日本一空室率が悪い山梨県にあることから、集客上においては苦戦しそうなエリアではあるものの、本執筆時の2022年12月31日時点において
募集している部屋は全て満室
リノベーションを機に家賃を8~10%値上げ
家賃相場は完全無視
今期はアパート収入過去最高を更新
しています。
どうして築古物件がここまでの結果を出すことができたのかというと…
管理会社を協力して物件管理を強化
徹底した差別化リノベーションを展開
顧客が創造するリノベーション部屋を開発
したことが要因であると推察しています。
管理会社を変えれば確かに状況を変えることができるかもしれませんが、冒頭でもお伝えした通り、部屋が埋まらないのは管理会社の責任以上に、貸主が賃貸経営に対して怠慢をしていることが最大の要因であると思われます。
しっかりとした空室対策を行えば、日本一空室率が悪い山梨県でも、しっかりと満室&増収増益を達成することはできます。空室対策を打開するために管理会社を変える前に、一度物件のクオリティーを見直してみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな時は私ども(有)山長の「お手軽無料相談」をご利用ください。
過度なメール配信、強引な営業活動等は一切行なっておりませんのでどうか安心してご相談ください。


取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
あなたのアパート経営を支援させていただきます!
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