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賃貸リノベーション予算が限られている場合どうしたらいい?


築年数が経過した賃貸アパートの空室対策としてリノベーションを検討する場合、「予算が限られているため、全面的な改修までは難しい」と悩む貸主は少なくありません。



しかし、予算が限られているからといって、すべての工事費を一律に削ってしまうのはおすすめできません。大切なのは…



「入居希望者への訴求に影響する部分には予算を残し、それ以外は既存設備を活用する」



という考え方です。



私自身、1993年築・3棟20戸のアパートを経営し、2018年から空室になった部屋を順次リノベーションしています。現在は20戸中15戸を改修済みで、全面的に改修する部屋だけでなく、家賃を据え置くことを前提に改修範囲を絞った部屋もあります。



実際に取り組んできたからこそ分かったのは、予算が限られている場合ほど「何を削るか」より「何を残すか」を先に考えることが重要だということです。



本記事では、弊社物件で実際に行ってきたリノベーション事例をもとに、予算が限られている場合の考え方、費用をかける部分・抑えられる部分、予算を判断する際のポイントについて解説します。



▶空室対策リノベーション全体の考え方については、関連記事「空室対策リノベーション完全ガイド」で詳しく解説しています。


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私の経営する有限会社山長では、アパート経営改善・空室対策コンサルティングを行っています。かつて私自身が直面した「自己破産寸前」だった状態を、独自の高付加価値リノベーションで再生。入居率77%から年間平均95%以上への改善、年間家賃収入約430万円増加という、自社物件での実績をもとに、オーナー様の経営改善をサポートしています。


その実績は『全国賃貸住宅新聞』『楽待』などのメディアにも多数紹介されています。まずはお手軽な無料相談からお気軽にご相談ください。 [→詳しいプロフィールと解決事例は記事末尾へ]





▼ 目次




【本記事でお伝えする結論】


  • 賃貸リノベーション予算は、募集家賃と改修目的を明確にしてから決める。


  • 予算が限られるほど、入居希望者への訴求に必要な部分へ優先的に配分する。


  • 既存設備を活用して工事費を抑え、費用対効果と中長期の収益性で判断する。


1.賃貸リノベーション予算が限られている場合の考え方


.賃貸リノベーション予算が限られている場合どうしたらいい?


予算が限られているからといって、単純に工事内容を減らせばよいわけではありません。大切なのは、リノベーションの目的と募集家賃を明確にしたうえで、入居希望者への訴求に必要な工事と、削減できる工事を見極めることです。



ここでは、限られた予算を効果的に配分するために、貸主が押さえておきたい6つの考え方を紹介します。

1)リノベーション後の家賃と目的を明確にする


リノベーション後の家賃と目的を明確にする


賃貸リノベーションを行う際、最初に考えることは「工事費をいくらにするか」ではなく、リノベーション後にどのような部屋にしたいのかです。たとえば…



  • 家賃を上げたい


  • 現在の家賃を維持したい


  • 空室期間を短縮したい


  • 競合物件との差別化を図りたい



といった目的によって、必要となる改修内容は異なります。家賃を上げて募集するのであれば、その家賃を支払ってでも選びたいと思ってもらえる室内にする必要があります。



一方、現在の家賃を維持することが目的であれば、状態の良い設備まですべて交換する必要はなく、既存設備を活用しながら室内の印象を改善する方法も考えられます。



そのため、「誰に貸したいのか」「家賃をいくらに設定するのか」「そのために何を改善する必要があるのか」という順番で考えると、リノベーション予算を配分しやすくなります。


2)予算オーバーしたら優先順位を決める


優先順位を決める


リノベーションでは、当初予定していた工事をすべて見積もると、予算を超えてしまうことがあります。その場合に重要なのが、工事項目に優先順位をつけることです。



ただし予算を下げるために、すべての工事項目を一律に削ると、室内全体の訴求力まで低下する可能性があります。大切なのは…



「入居希望者が部屋を選ぶうえで重要な部分は残し、それ以外の部分で調整する」



ことです。たとえば…



  • 状態の良い設備は既存利用する


  • 高価な内装材から価格を抑えた材料に変更する


  • 水回り全体を交換せず部分的に改善する


  • 必要性が低い間取り変更を行わない



などの方法があります。ただし、費用を抑えることばかりを優先し、古さが目立つ部分や入居希望者への訴求に影響する設備までそのまま残してしまえば、リノベーションの効果そのものが弱くなる可能性があります。


3)既存設備を活用する


既存設備を活用する

リノベーションというと、設備をすべて新品に交換するイメージがありますが、必ずしもそうする必要はありません。



既存設備の状態が良ければ、そのまま活用しても集客に影響が出ないばかりか、工事費を抑えることができます。たとえば…



  • 浴室本体は残して水栓や鏡だけを交換する


  • 洗面台やトイレは状態が良ければ既存設備を活用し、床や壁などの内装を改善する


  • 間取りを変更せず、内装や照明で印象を変える



といった方法があります。ただし、既存設備を残すかどうかは、「まだ使用できるか」だけで判断するのではなく、「リノベーション後の家賃や室内全体の印象に合っているか」まで考えることが重要です。


4)集客に影響する部分は削りすぎない


集客に影響する部分は削りすぎない


予算が限られている場合、特に注意したいのが、入居希望者の判断に影響する部分まで削ってしまうことです。


リノベーションでは、「何を安くできるか」だけではなく、「どこは削ってはいけないのか」を考える必要があります。



特に水回りやLDKなど、内見時に目に入りやすい部分は、室内全体の印象に影響します。そのため、予算を削減する際は、物件のターゲットや競合物件を確認しながら、優先順位を決めることが重要です。



5)見積内容を確認して不要な工事を減らす



リノベーション予算を抑えるためには、施工会社から出された見積書をそのまま受け入れるのではなく、工事項目ごとに必要性を確認することも重要です。施工範囲や使用する設備、材料によって工事費は大きく変わります。



たとえば…



  • 本当に設備本体の交換が必要なのか


  • 部分補修で対応できないか


  • 高いグレードの設備である必要があるのか


  • 現在の間取りをそのまま活用できないか



などを確認すると、工事内容を整理しやすくなります。また、初めてリノベーションを行う場合は、複数社から見積もりを取得し、施工内容と金額を比較する方法もあります。



6)工事費だけではなく収益性で判断する


工事費だけではなく収益性で判断する

リノベーション予算を考える際、多くの貸主は、「工事費はいくらかかるのか」「何年で元が取れるのか」という点に注目してしまいます。もちろん工事費は重要です。



しかし、賃貸経営では工事費だけで費用対効果を判断することはできません。たとえば…



  • リノベーション後の家賃


  • 空室期間


  • 想定入居期間


  • 退去後の修繕費


  • 将来的な設備交換費



なども収支に影響します。そのため、単純に家賃の値上げ分だけで工事費を回収するのではなく、中長期的な収益まで含めて判断することが重要です。



弊社でも、リノベーション内容を決める際は、10年間のキャッシュフローを想定しながら費用対効果を確認しています。



▶資金計画そのものをどのように立てればよいのかについては、「【関連記事】賃貸リノベーションに必要な資金計画の立て方」で詳しく解説しています。



▶また、リノベーションを「工事費」だけではなく「費用対効果」で考える方法については「【関連記事】賃貸リノベーション空室対策は費用対効果は期待できる?」で解説しています。



2.弊社の予算別リノベーション事例


弊社リノベーション部屋


ここからは、実際に弊社物件で行ってきたリノベーション事例を紹介します。弊社では、1993年築・3棟20戸のファミリー向けアパートを所有し、2018年から空室になった部屋を順次リノベーションしてきました。現在は20戸中15戸が改修済みです。



ただし、すべての部屋を同じ予算・仕様で改修しているわけではありません。募集家賃や改修目的、既存設備の状態などを確認しながら、どこまで工事を行うかを判断しています。



そのため弊社では、大きく「家賃アップを目指すフルリノベーション」と「家賃据え置きを基本とした部分リノベーション」を使い分けています。



それでは、それぞれどのような考え方で予算と工事内容を決めているのか、具体的な事例を紹介します。


1)フルリノベーション


弊社リノベーション部屋

フルリノベーションでは、家賃アップと競合物件との差別化を目的に、室内全体の付加価値を高めています。主な特徴は…



  • カフェスタイルキッチンを設置


  • 一部を除き漆喰を施工


  • LDKにペンダントライト・ダウンライトを新設


  • 琉球畳に変更


  • オリジナルの造作洗面台を設置


  • 浴室の改修



となっています。



弊社では20~30代のカップル・新婚世帯を主なターゲットとして、「賃貸でもおうちカフェを楽しむ」というコンセプトでリノベーションしています。フルリノベーションした部屋では、従前と比較して家賃を8~10%程度上げて募集しています。


2)部分リノベーション


セカンドラインの部屋


一方、家賃を据え置いて募集する部屋については、改修範囲を絞った部分リノベーションを行っています。たとえば…



  • キッチンはカフェスタイル改修する


  • 壁は量産クロスを採用する


  • 洗面台は状態が良ければ既存設備を活用する


  • 浴室本体は残し、必要な部分だけ改修する


  • トイレも設備本体を活用し、内装を中心に改善する



といった形です。つまり、単純に工事内容を減らすのではなく、「入居希望者への訴求に必要な部分は残し、それ以外を調整する」という考え方です。


3)予算をかける部分・抑える部分


弊社リノベーションの基本的な考え方を整理すると、次のようになります。


フルリノベーション


セカンドライン

付加価値向上

基本方針

費用を抑えながら改善

カフェスタイル

キッチン

カフェスタイル

(一部を除き)漆喰

壁材

壁紙(量産品)

ペンダント&ダウンライト

LDK照明

なし

琉球畳

和室

琉球畳

オリジナル造作洗面台

洗面台

既存洗面台

内装リフォームのみ

トイレ

内装リフォームのみ

リノベーション対応

浴室

シャワー水栓のみ交換

従前と比べ8~10%UP

家賃

家賃据置


ここで重要なのは、予算を抑える部屋でも、すべての仕様を下げているわけではないということです。

入居希望者への訴求に必要だと判断した部分には、予算を残しています。



▶リノベーションでは、単純に工事費を削るのではなく、入居希望者への訴求効果が期待できる部分に予算を配分し、既存設備を活用できる部分では費用を抑えることが重要です。


実際の予算と施工内容については、以下の事例でビフォーアフターとともに紹介しています。




4)弊社がキッチンを重視する理由


弊社物件では、リノベーションする際にキッチンを特に重視しています。もちろん、工事費だけを抑えるのであれば、比較的価格を抑えやすいセクショナルキッチンを採用する方法もあります。



それでも弊社があえてキッチンに予算を配分しているのには、主に3つの理由があります。


① 見学会では約70%の参加者がキッチンを評価


見学会では約70%の参加者がキッチンを評価


弊社では2018年に物件独自の公式ウェブサイトを開設し、リノベーション完成後には「見るだけ見学会」を実施しています。



見学会では毎回アンケートを行っており、約70%の回答者がキッチンを最も印象に残った場所として挙げています。



また、実際の入居者から話を聞くと、キッチンが入居の決め手のひとつになったというケースも多くあります。



こうした入居希望者・入居者の反応から、弊社物件ではキッチンを入居につながる訴求力の高い場所のひとつと考え、限られたリノベーション予算の中でも優先順位を高くしています。



▶アンケートの詳細については、関連記事「弊社アパートの人気№1リノベーションルームを大公開!キッチン編」をご覧ください。


②キッチン環境を重視するニーズがある


キッチン環境を重視するニーズがある


弊社がキッチンを重視している理由は、自社物件での反応だけでなく、外部調査からもキッチン環境を重視するニーズが確認されているからです。



クックパッド株式会社発表したリリースによると、物件選びの際、「駅までの距離」「家賃」「リビングの広さ」の各条件を妥協しても、充実したキッチン環境がある物件を選ぶ」と回答した人が、それぞれ過半数を超えています。 



また、同社が別途実施したインタビュー調査では、キッチン設備や広さが料理のしやすさに関係することや、キッチンの利用頻度が高い人ほど、物件選びでキッチン環境を重視する傾向も示されています。



この調査は東京都の25~54歳500人を対象としたものであるため、その結果をそのまま弊社物件の入居希望者に当てはめることはできません。



しかし、弊社の「見るだけ見学会」でも約70%の回答者がキッチンを最も印象に残った場所として挙げ、実際にキッチンが入居の決め手のひとつになったケースも多くあります。



こうした外部調査と弊社物件での実際の反応を踏まえ、弊社ではキッチンを限られたリノベーション予算を優先的に配分する場所のひとつと考えています。


③なぜ既製品ではなく、オリジナルキッチンにしているのか


なぜ既製品ではなく、オリジナルキッチンにしているのか

キッチンを交換するのであれば、比較的コストを抑えやすいセクショナルキッチンを採用する方法があります。



それでも弊社物件では、既存キッチンを活用し、扉に無垢材を取り付けたカフェスタイルのオリジナルキッチンにしています。



その理由は、単に設備を新しくするのではなく、競合物件との違いをつくり、「この部屋だから選びたい」と感じてもらえる特徴を残したいからです。



セクショナルキッチンやシステムキッチンでも、必要な機能を整えることはできます。一方、既製品は他の賃貸物件でも採用されているため、それだけで物件独自の特徴をつくることは簡単ではありません。



そこで弊社では、既存設備と無垢材を組み合わせ、室内全体のデザインに合わせたキッチンに仕上げています。



上の写真は、同じ部屋のLDKを2018年と2025年に撮影したものです。施工から時間が経過することで無垢材の色合いが変化し、施工当初とは異なる温かみのある表情になっています。



弊社ではこうした経年変化もデザインの一部と考え、退去後に再募集するときにも、その部屋ならではの特徴を残せることを重視しています。



そのため、単純に安価なキッチンへ交換するのではなく、既存設備を活用して工事費を調整しながら、競合物件との差別化を図る方法としてカフェスタイルキッチンを採用しています。



3.弊社物件をリノベーションした結果どうなった?


リノベーションした結果どうなった?


弊社では、以前から表装リフォームなどを行っていたこともあり、早期成約につなげていました。しかし2017年の繁忙期、募集していた部屋の多くが決まらず、さらに3月末には転勤による2部屋の同時退去が発生。同年の入居率は8割を下回り、赤字となりました。



そこで翌年から、空室になった部屋を順次リノベーションするようになりました。



▶弊社がリノベーションを行うきっかけになった詳細については、関連記事「【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①」をご覧ください。



ただし、リノベーションを行っただけですぐに空室問題が解決したわけではありません。



当時は賃貸検索サイトを中心とした集客だったため、リノベーションした部屋の特徴を十分に伝えることが難しく、空室が長期化していました。



その後、2020年からホームページの管理を外部に委託し、SNSによる情報発信にも力を入れるようになったことで、リノベーションした部屋の特徴を内見者へ直接伝えやすくなりました。



こうした取り組みを続けた結果、2020年以降は年間入居率95%以上を継続しています。また、安定した収益を確保できるようになったことで、メインバンクからの評価が高くなり、複数の大型融資やリノベーション融資の一本化、借入金利の引き下げなどを経て、当座貸越契約の締結にもつながりました。



▶リノベーション後の入居率や収益改善など、詳しい実績については「空室対策リノベーション実績」で紹介しています。


リノベーション後も必要に応じて改修する



弊社では、一度リノベーションしたら、それで完成とは考えていません。



実際にリノベーションした部屋で暮らしている借主の声を参考にしながら、「もっと暮らしやすい部屋にできないか」「さらに改善できる部分はないか」を考え、退去後に必要な改修を行っています。



2025年度から、過去にリノベーションした部屋が退去した際に、収納力を高めるためにオープンクローゼットや室内物干しを追加した事例があります。



こうした改修を行った部屋では、従前より家賃を数千円上げて募集していますが、内見時の反応もさらに良くなり、早期成約につながっています。


この経験から弊社では、リノベーションを一度行って終わりにするのではなく、実際に暮らした入居者の声を次の改修に生かし、部屋そのものを継続的にアップデートしていくことも重要だと考えています。


4.まとめ


今回は、賃貸リノベーション予算が限られている場合の考え方について、弊社の実例をもとに紹介しました。



大切なのは、単純に工事費を削ることではありません。まず「誰に貸したいのか」「リノベーション後の家賃をいくらにするのか」を明確にし、入居希望者への訴求に必要な部分へ優先的に予算を配分することが重要です。



状態の良い既存設備は活用し、必要性の低い工事を見直すことで、限られた予算でも改修内容を調整できます。



弊社でも、家賃アップを目指すフルリノベーションと、家賃据え置きを基本とした部分リノベーションを使い分けています。



リノベーション予算は「いくら安くできるか」だけではなく、空室期間や家賃、将来の修繕費なども含め、中長期的な費用対効果から判断することが重要です。



今回ご紹介した内容は、私自身が1993年築のアパートを運営する中で実践し、試行錯誤を重ねながら取り組んできた空室対策です。



しかし、「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件でも活用できるのか判断できない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。



そのような場合は、(有)山長の無料相談をご利用ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年に祖父が建設した3棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

055-241-2218

090-8514-3562


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