部屋探しの多様化が進んだことで、近年では築年数だけで物件判断されることは少なくなってきました。そのため昔と比べるとリノベーションを行う築古物件は非常に多くなってきています。
リノベーションの最大の魅力は
新築より家賃が安いため集客がしやすい
資産価値が高くなったため従前と比べ家賃値上げがしやすい
収益改善が期待できる
点です。リノベーションを機に家賃値上げを実現するには「クオリティー」が決め手となります。
本投稿は、300万円の予算でリノベーションした弊社物件のビフォーアフター事例を紹介します。
▶予算200万円でリノベーションした弊社物件のビフォーアフター事例は、こちらをお読みください。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.予算300万円で賃貸リノベしたい!ビフォーアフター事例
【リノベーション概要】
2017年の繁忙期客付けに失敗。原因は物件資産価値が思っている以上に低下していたからと分析し、同年を境にリフォームからリノベーションへと舵を切る。
2018年以降空き部屋を随時フルリノベーションを行い従前より家賃8~10%値上げ。物件公式サイトを開設し独自集客を展開したことで、2020年以降稼働率を改善させることに成功。
1)LDK
リノベーション前のLDKは統一感が全くなく、また濃いフローリングを採用していたため室内印象が暗い感じでした。
またキッチンは新築当時のものをそのまま採用していたため、使い勝手/利便性は正直期待できません。
リノベーション後のLDKはキッチン及び内装を全面的にリニューアル。キッチンは無垢材を使用した弊社オリジナルのカフェスタイルキッチンを採用。利便性及び機能性を高めるため、弊社が開発したオリジナルのキッチンカウンターを新設。
また弊社のセカンドライン/競合リノベーション物件との差別化を図るため、LDKのみペンダントライトとダウンライトを標準対応。両照明を設置することで生活感が感じにくく、またカフェスタイルキッチンの魅力を引き立たせています。
内装は、白を基調としたホワイトインテリアに統一。白をベースとした部屋にすることで
部屋が広く見える
清潔感が感じられる
ため、特に女性のお客様からは高い評価を頂いております。さらに室内機能性充実のため、LDK/和室/洋室の壁には自然素材の漆喰を採用。
漆喰を採用することで、調湿性や消臭性など生活する上で気になる悩みを漆喰が解消してくれます。
また漆喰は明光性が優れていることから、室内空間がとても明るくなるため、日中の時間帯なら電気をつけなくても生活に不便さを感じることは殆どありません。
▶弊社リノベーションキッチン、壁材に関しては、過去記事をご覧下さい。
2)洋室
スタイリッシュな部屋にするためするため壁の一面に「アクセントクロス」を施工する物件は非常に多いです。
ただ色の選択を間違えてしまうと逆効果になります。こちらの洋室は「南側」にありますが、リノベーション前はグレー系のアクセントクロスを採用したため室内空間が暗い印象でした。
リノベーション後はホワイトインテリアに統一しているため、清潔/開放感が感じるおしゃれな洋室になっているため、築年数の古さは一切感じられません。
▶アクセントクロスに関しては、こちらをご覧下さい。
3)和室
賃貸で和室があると賃貸借契約上退去する際「借主に表替え費用を請求」することになっています。和室離れが深刻化/退去費用を抑えたいと考える方が多いため、集客上和室は不利になりやすいと言われています。
しかし住環境研究所のリリースでは、
戸建て住宅を購入される方は和室を設ける人が多い(特に20代は多い)
和室を客間として使うのではなく、子育て/趣味など自由空間として活用したい
方が多いとのことです。つまり若い世代は和室そのものを敬遠していないことがわかります。
そこで弊社物件では若い世代にも受け入れられる和室空間を作ろうと、リノベーションを機に琉球畳を採用しています。琉球畳を採用することで…
ダニが発生しにくいため、赤ちゃんがいる家庭でも安心して使用できる
畳自体クッション性があるため、吸音効果(生活音対策)が期待できる
日焼けがしにくいため、原則表替え不要→賃貸借契約の特約を廃止できる
効果が期待できます。またベージュを採用することで色彩学的に「リラックス効果」が期待できることから、琉球畳にすることで集客上の武器になり入居促進効果が期待できます。
▶琉球畳に関しては、過去記事をご覧下さい。
4)トイレ
リノベーション物件の中には、LDKや洋室はしっかりと対応しているもののトイレは手を抜いている所があります。水回り部分は築年数の古さが感じやすいためリノベーション対応しないと客付けが厳しくなります。
トイレの悩みといえばやはりニオイ。ニオイ対策しつつもデザイン性がいいトイレ空間にすることが重要となります。
弊社リノベーションでは、両壁と天井に消臭効果が期待できる機能性壁紙を採用し、正面にはタイル風のアクセントクロス、床材はテラコッタ風のクッションフロアを採用。
また無垢材の壁棚を設置し観葉植物を置くスペースを作ることで、映えるトイレ空間となります。更にタオル掛けもアンティークなものを選択すると生活感が感じにくくなり、女性からの評価が高くなります。
5)洗面台
賃貸物件で採用されているシャワー付き洗面台は、女性からの評価がとても低いです。
そのため一部の借主は原状回復が可能の範囲内(100%自己責任)で洗面台をDIYしています。
リノベーション物件の多くは、洗面台の状態が良ければ交換などの対応はしません。しかし家賃値上げをするのであれば、デザイン性が優れた洗面台を検討すべきです。
弊社物件ではフルリノベーション部屋(家賃値上げ)のみ、オリジナルの洗面台を導入しています。
無垢材を使用しているので生活感が感じられず、更に大きめの洗面台/業務用の洗面ボウルを採用しているため、利便性は格段に向上しています。
▶弊社オリジナルの洗面台に関しては、過去記事をご覧下さい。
6)浴室
築年数が経過している物件の浴室は、貸主が思っている以上古さが出てしまっています。そのためリノベーション後家賃値上げする場合、浴室対策は必須です。
浴室対策で一般的なのは最新のユニットバスを導入することです。
築年数が古い物件の浴室は0,75坪が主流ですが、1坪タイプのユニットバスを導入することで浴室利便性が高まることから、成約のカギを握る女性からの評価が高くなり、入居促進に繋げやすくなります。
ただユニットバスを導入すると最低でも50万円以上の費用がかかります。そのため当然ながら家賃に転嫁することになりますが、リノベーション家賃を高くしすぎてしまうと集客上逆効果になってしまいます。
▶リノベーションの家賃設定に関しては、過去記事をご覧下さい。
そこでおススメなのが浴室リノベーション。
浴室の壁/天井/床に特殊なシールを施工することでユニットバス導入と比べ費用を3分の1程度に抑えることができ、また浴室クオリティーも高くなっているため費用対効果は十分期待できます。
▶浴室リノベーションに関しては、過去記事をご覧下さい。
7)玄関エントランス
賃貸玄関は「狭い、暗い」イメージが強くなりますが、リノベーション次第で「明るい、きれい」な空間にすることができます。
まずは内装を白に統一することで玄関エントランスの印象がとても華やかになります。またリノベーションを機にダウンライトを設置することで廊下の明るさ問題を解決してくれます。
更に無垢材を使った壁棚を設置すると観葉植物やおしゃれな雑貨を置くことができるため、映える玄関エントランスになります。
内見を成功させるためには、第一印象がとても重要です。玄関エントランスは内見時に一番最初に確認する場所であることから、デザイン性が高い空間にすること入居申込に繋げやすくなります。
2.リノベーション効果
多額の費用が掛かるリノベーションをする以上、費用対効果が高くなければやる意味がありません。
弊社物件では2018年からリノベーション事業を展開していますが、直近のリノベーション結果をお伝えいたします。
成約期間
リノベーション開始当初は集客に苦戦していたため成約期間は長くなってしまいました。
2020年以降集客強化を図るためSEO+SNS集客を見直したことで公式サイト経由からの問い合わせ~入居が多くなり、その結果成約期間の短縮を実現しました。
家賃収入
集客強化が功を奏し、2020年以降満室状態が続くようになりました。
その結果2期連続で増収増益、今期は年度末まで満室が続ければ増収増益が期待できます。
3.まとめ
今回は300万円の予算でリノベーションした弊社物件のビフォーアフター事例を紹介しました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
弊社リノベーション物件は、家賃相場は完全無視した家賃設定しています。ただ競合物件が追随できない差別化リノベーションを展開していることから、家賃相場の影響/資産価値下落の懸念はなく、また近年では他社仲介会社からの紹介も増えてきています。
弊社リノベーションは費用対効果がものすごく高いと自信をもってお伝えすることができます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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