
家賃値下げ集客は、絶対にしてはいけない。
更新日:1月5日
募集している部屋がなかなか埋まらない場合、もしかすると「家賃相場より高い賃料設定」になっていることがあります。このような場合には、適正家賃に設定し直すことによって、反響を得られやすくなると言われています。
ただ毎回このようなことを繰返していれば、家賃収入は減少していきます。
家賃値下げ集客は、空室による家賃機会損失を防ぐことができる一方で、中長期的な視点で賃貸経営を見た場合、利幅を減らしキャッシュフローが悪化するだけになるため、家賃値下げ集客は絶対にしてはいけない対策であると、個人的には考えています。
本投稿は、家賃値下げ集客をしてはいけない理由についてお伝えいたします。
目 次
1.家賃収入が減少

家賃値下げしたことによって、すぐに部屋が決まれば「費用対効果はものすごく高い」と言えると思います。ただその代償として「家賃収入が減少」することを意味します。
例えば、家賃5万円の部屋を1棟=10戸所有し、常に満室状態ではあるものの、年1%家賃を値下げしていた場合、1年間の家賃合計がどのように変化するのかまとめてみると、このようになります。
| 新築時 | 築10年目 | 築20年目 | 築30年目 |
1年間家賃合計 | 600万円 | 540万円 | 480万円 | 420万円 |
築年数が経過すればするほど、修繕費は多く発生してしまいがちとなり、賃料を値下げ=利幅的には確実に減少してしまいます。その結果、損益分岐点が非常に高い状態をキープすることができなければ、一気に経営が悪化してしまいます。
2.既存入居者との家賃不均衡問題

お部屋探しをされる方は大手賃貸検索サイトを利用していることから、物件を募集する際同サイトを活用することになります。
一定期間反響が得られなければ、仲介会社/管理会社としては「家賃に問題がある」と判断して家賃値下げを貸主にお願いすることがあります。貸主の許可が得られれば、すぐにサイト情報を訂正し新賃料で募集することになるものの、同じ物件で家賃帯が異なってしまえば「現借主」にとっては不満が大きくなってしまいます。
そのため家賃値下げを安易に行うと、現借主からクレームを言われてしまい家賃値下げを余儀なくされてしまい、収益が悪化してしまうこともあり得ます。
▶家賃値下げ集客の限界に関しては、過去記事をご覧下さい。
【過去記事】家賃相場が下落した場合、家賃見直ししたほうがいいのか?
3.利回りが低下し、売却時に損をする

家賃値下げし続けていれば、当然ながら「利回り」も低下してしまいますので、将来売却を検討されている場合、売却金額が低くなってしまう可能性が出てきてしまい、損をしてしまう可能性が高くなってしまいます。
▶家賃値下げによる売却時のデメリットに関しては、こちらをご覧下さい。
4.入居者の質が低下し、トラブル増加

家賃を値下げすることによって、入居者の質はどうしても低下してしまい、他の入居者とのトラブルや、家賃滞納が発生しやすくなりますので、管理上問題となってしまいます。
借家権の絡みもあり、問題行動を起こしたからと言って、そう簡単に退去させることはできません。
問題が発生した時、早期に解決することができれば、何ら問題はありませんが、長期化になってしまうと、最悪「我慢ができなくなってしまった借主が退去」してしまうことが予想されるため、家賃値下げ集客は、正直しないほうが得策です。
5.リノベして家賃値上げした方が、トク

築年数の経過によって物件資産価値は低下してしまいます。
しかし、築年数が経過したとしても資産価値を高める対策を講じれば、収益性を確保することができ、安定した賃貸経営を行うことができます。
弊社物件は、日本一空室率が悪い山梨県にあり、さらに築年数が経過していることから、集客が難しいイメージを持たれてしまいます。
集客強化のため、2018年から空き部屋を随時ナチュラルテイストに特化したリノベーションを展開。
自然素材の材料を使ったリノベーションは、賃貸業界では殆ど事例がない事から、特に女性のお客様からの反響が多く、その結果家賃値上げしても成約して頂くことができ、本執筆時の2022年12月26日現在全室満室となっています。
▶弊社リノベーションについては過去記事をご覧下さい。
【過去記事】【アパートのリノベーション】実体験をもとにメリットとデメリットを解説
【過去記事】弊社アパートの人気№1リノベーションルームを大公開!キッチン編
【過去記事】弊社アパートの人気№1リノベーションルームを大公開!洗面台編
6.まとめ

家賃値下げ集客は、貸主の一存で簡単に対応することができるものの、メリットよりデメリットの方が完全に上回ってしまうため、長期的な視点で見た場合、明らかに損となってしまいます。
築年数が経過したとしても、物件資産価値を上げるような対策(リノベーションや外壁塗装)を行うことによって、価値が下落するようなことにはなりにくくなり、家賃相場を指揮した集客をしなくても、募集することが容易となりますので、結果的には資産価値を高められるような経営を持続することが、貸主自身も守ってくれます。
空室部屋を埋めたいと思っても「どこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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