築年数が経過してくると、物件資産価値が低下し家賃維持が難しくなってしまいます。
ただ地方都市においては「賃貸空室率が悪化傾向」となっているため、家賃を闇雲に値下げしても、空室がすぐに埋まるかどうかは、正直未知数と言っても過言ではありません。
さらに家賃値下げを行ってしまうと、その情報は「同じ物件に入居している他の入居者」にも確認することができるため、「家賃値下げ要求」等が起こりやすくなり負のスパイラルに陥ってしまいます。
▶賃貸系の負のスパイラルに関しては、過去記事をご覧下さい。
そこでおすすめなのが、リノベーションです。
リノベーションすることによって、設備や内装、又は間取り変更を行うことになるので、築古特有の「古臭さ」「生活がしにくい」といったイメージ脱却を図れるだけではなく、リノベーションを機に家賃値上げをすることも可能となってきます。
本投稿はリノベーションで賃料アップを可能にするためには、どのような対策を講じればいいのかお伝えいたします。
▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
”リノベーションで賃料を上げるために重要となる”点とは?
1.競合他社物件をリサーチ
まず最初に行わなければならないのは、「エリア内にある競合他社物件」の情報をリサーチすることです。
競合他社物件の情報は大手賃貸検索ポータルサイトを使うことで、簡単に調べることができます。
同築年物件、又はターゲットとしている物件が「どのような設備を導入」しているのか、また「家賃設定はどのようになっているのか」を確認することによって、リノベーションを行う場合、どこを差別化すればいいのかを「ある程度把握」することができます。
弊社物件では、2018年から自社物件をリノベーションを行っていますが、事業開始前エリア内にある競合他社物件1つ1つ自分の足で確認し、情報収集を行いました。
その結果、同築年の物件は設備投資に消極的で「原状回復程度の対応」しかしていない物件が多いことがわかりました。設備交換をしていないと「古臭さ」が、どうしてもにじみ出てしまい、同質化になりやすく価格競争が生まれやすくなってしまいます。
2.家賃相場は確実に調べられている
お部屋探しをされている方は、大手賃貸検索ポータルサイト内の「エリアの家賃相場情報」を事前に調べた上で、内見参加されている方が多いです。
そのため部屋のクオリティーが低ければ、家賃相場より家賃が低くても「見た目的に家賃が高い」というイメージが先行してしまいがちとなってしまうため、成約につながらない可能性があります。
つまり、リノベーションを行う場合には「部屋のクオリティーを上げる」ことが必要となり、さらには「徹底した差別化戦略」を施さないと、家賃を値上げしても「価値を見いだせることができなくなる」ため、成約率が上がりません。
3.賃料アップを可能にするには
リノベーションをして賃料アップを図るためには、顧客の心を鷲摑みにしなければ、成約させることができません。
顧客の心を鷲摑みにするためには、顧客が希望しているような部屋を実現させることであり、これを実現することができれば、内見当日にお申込を頂ける可能性は高くなります。
では、具体的にどのような対策を講じればいいのか?
1)集客ターゲットを予め設定する
リノベーションを手掛ける際に、一番重要となるのが「誰に入居してもらいたいのか?」をあらかじめ決めておくことです。つまり「ペルソナ設定」を事前に行うことによって、その方に響くような部屋を提供することができれば、反響率も高くなります。
▶集客ターゲットに関しては、過去記事をご覧下さい。
2)競合他社物件にはないオリジナルの部屋を作る
ファミリータイプ物件では「カップルや新婚さん」が入居してくる可能性は高くなります。
同物件の場合、「最終的にお部屋を決めるのは、女性=奥様」がほぼ100%であることから、女性=奥様向けの部屋を提供することができれば、反響率を上げることは十分可能となります。
女性=奥様は、おしゃれな店はとても好きで、特に「カフェスタイル空間」は、大多数の方が好きと答えるはずです。どうしてカフェのお店が好きなのかというと、やはりおしゃれなカフェスタイル空間において、好きなだけ話をすることができることではないでしょうか?
ナチュラルテイストに特化したリノベーションを展開することによって、他社との差別化を図れるだけではなく、女性=奥様に響くようなリノベーション部屋となっていることから、家賃相場より高い家賃であったとしても、納得して頂いた上で、ご契約して頂いています。
上のグラフは、エリア内にある競合他社物件と弊社リノベーション部屋の1年間ごとの家賃合計です。
競合他社物件は設備投資に消極的なため、家賃帯を相場以下に設定して募集を行っております。一方弊社リノベーション部屋(上級グレード)においては、リノベーションを機に家賃を8~10%値上げして募集し、さらに家賃相場は一切考慮していません。
弊社物件成約期間は早い時で1週間、遅くても2か月ぐらい(時期によってばらつきがあります)となります。家賃相場を意識した集客をするよりリノベーションをしっかりして家賃値上げをした方が、長期的な視点で見た場合明らかに違いが出てきます。
3)納得できる説明ができるか
先程もご紹介した通り、お部屋探しをされている方は家賃相場をしっかりと確認されてからお部屋探しをされますので、リノベーション部屋の家賃帯が相場より高いと、成約に結び付きにくくなってしまいます。
そのため家賃を従前より高くするときには、それなりのリノベーション対応を行う必要があります。
弊社物件では、物件独自の内見会を開催し、お客様対応はオーナーである自分が行っております。
弊社リノベーションの企画は全て自分が行っているため、室内に関しては一番よく理解しています。そのため部材の説明はもちろんですが、実際にリノベーション部屋に入居された借主の声をしっかりと伝えることによって、納得した上でご入居して頂いております。
そのため家賃相場より家賃を高くしていますが、そのことが原因で退去されたかは皆無であり、大多数の方は現在もご入居して頂いております。
▶弊社のリノベーション事業の取組に関しては、過去記事をご覧下さい。
4.予算的に厳しい場合、現状維持という方法も
リノベーションを行うと家賃アップがしやすくなる一方で、費用が数百万円となることから「費用をあまりかけられない」方も当然いるはずです。
対処方法としては「リノベーションを限定」することで費用を抑えられ、現在の賃料をキープさせることも可能となってきます。
上の写真の部屋は、弊社物件におけるリノベーション部屋です。
向かって右側は「フルリノベーション対応」した部屋で、左側は「一部分のみリノベーションした部屋」でこちらは「家賃は据え置き」としています。
リノベーション費用を抑えた部屋においては、フルリノベーション部屋と比べると、2分の1程度まで抑えることができます。家賃値上げはさすがに難しいのですが、変えるべきところはしっかりと変えることで、家賃キープすることは可能となっています。
▶弊社リノベーションキッチンについては、過去記事をご覧下さい。
なお、近年では「退去リフォームを限定的に行い、ホームステージングを強化」している物件が多くなってきています。低予算で短期間で成約に繋げることができるため、多くの物件で採用されがちになっています。
ただ、上記空室対策にはマーケティング的に大きなミスがあり、そのことに気づいていない方が多いです。詳細に関しては、こちらの記事をご覧下さい。
5.まとめ
今回は、リノベーションで家賃アップを可能にするための方法について、お伝えいたしました。
リノベーションを行うことで資産価値は向上しますが、その一方でペルソナ設定をせずに闇雲にリノベーションを行ったり、明らかに手抜きがわかってしまうようなリノベーション対応をしてしまうと、部屋の印象が悪くなってしまうため、集客が難しくなってしまいます。
弊社物件では、20~30代女性が気に入るようなカフェスタイルリノベーションを展開することによって、しっかりと顧客の心をつかむことができ、その結果満室/収益アップをすることができました。
今回ご紹介した内容を実践して頂くと、確実に効果を期待することができますが、本投稿をお読みの方で質問したいと思っている方はお気軽にご相談ください。
▶︎お知らせ◀︎
私の経営する有限会社 山長ではアパートの経営改善、空室対策など賃貸経営者を支援するコンサルティングサービスを行なっています。自己破産寸前の状態から空室ゼロへ、そして安定した入居率を実現するまでに至った経験をもとにオーナー様と一緒になって改善のお手伝いをさせていただきます!
まずはお手軽無料相談からお問い合わせください。
▶︎弊社の取り組みに関する詳細は下記の過去記事をご覧ください
取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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