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【2026年繁忙期総括】山梨県の賃貸市場に異変?新築=満室神話崩壊と、貸主が今すべき対策とは?

「3月になれば空室は自然と埋まる」。



賃貸経営をされている多くの貸主が信じてきた賃貸経営の常識は、2026年の繁忙期において、もはや通用しない局面が顕著になっています。



毎年最大の書き入れ時であったはずのこの3ヵ月。しかし山梨県の賃貸市場では、需要が高い新築物件すら満室にならないうという、かつてない変化の兆候が表れました。



これまでの”新築=満室神話”は、明らかに転換期を迎えています。



本投稿は、山梨県甲府市で築30年以上のファミリー向け物件を所有している弊社の実体験をもとに、今年発生した市場の歪みの正体を徹底解剖します。



従来のやり方がなぜ通用しなくなっているのか?そしてその変化の激しい時代を生き抜き、選ばれ続ける物件であるために貸主が今すぐに着手すべき生存戦略とは何か?現場のリアルな数字と温度差とともに解説します。


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▼ 目 次




【本記事でお伝えする結論】


  • 新卒4月1日入社の定説は崩壊し、また異動時期も平準化している。そのため繁忙期という枠に縛られず夏前を見据えた柔軟な募集戦略への切り替えが、空室を埋めるための必須条件になる。


  • 建築費や人件費高騰で上昇した新築家賃と実質賃金が乖離し、新築神話は崩壊した。過度な賃料設定は特に新築サブリース契約物件では将来的な賃料減額のリスクが懸念される。


  • 原状回復のみの古い物件は賃貸検索サイトで淘汰され、損失が拡大する。現代のニーズに合わせたリノベーションで選ばれる価値を付加し、空室の負のスパイラルを断ち切ることが求められる。


  • ナフサショックによる資材調達が困難な状況でも、直接発注による信頼関係があれば、優先的な資材確保は可能になる。施工会社とwinwinの関係を築くことこそが、最強のリスクヘッジになる。



1.変わりゆく賃貸繁忙期の定義


変わりゆく賃貸繁忙期の定義


「3月中に埋まらなければ、秋まで空室だ」。そんな従来の賃貸経営の定説は、大きな転換期を迎えています。なぜ私たちの常識が通用しなくなったのか、そして今、現場ではどのような需要の変化が起きているのか?



その背景と対策を、3つの視点で深掘りしていきます。


1)4月1日の定説がなぜ崩れたのか?


4月1日の定説がなぜ崩れたのか?

近年、大手企業を中心に「4月1日一括採用」にこだわらない組織体制が急速に高まっています。これは単なる一時的なトレンドではなく、日本の雇用慣行が大きく変わろうとしている兆候です。



象徴的な例として、ニトリホールディングスや富士通といった大手企業が、従来の枠組みを超えた採用戦略へと舵を切ったことが挙げられます。



彼らが目指しているのは、学校年度に合わせた一斉配属ではなく、企業の経営課題に即した即戦力配置です。こうした動きは、賃貸市場における「全員が4月1日に合わせて移動する」という前提を根底から覆しつつあります。





2)繁忙期が5月以降へ分散する市場のリアル


繁忙期が5月以降へ分散する市場のリアル

弊社が所有している物件においても、大手企業に勤務されている借主から、3月後半に退去連絡を受け、実際に退去されたのは4月以降というケースが、今年は特に散見されました。



もちろん製造業や建設業、官公庁などは依然として4月1日入社・着任を重視する業界も根強くあります。しかし実態としては4月1日主義が消えたのではなく、4月1日だけが唯一の正解ではなくなったというのが、今の賃貸市場の真実です。



退去のタイミングが後ろ倒しになれば、当然次の借主の移動のタイミングも後ろ倒しになります。賃貸需要の波が以前よりも平準化し、季節の壁が溶け出しています。


3)諦めるのはまだ早い!夏前までを見据えた募集戦略


諦めるのはまだ早い!夏前までを見据えた募集戦略


もし貸主が「4月に入っても空室が埋まらないから、今年はもうだめだ」と諦めているのであれば、それは大きな機会損失かもしれません。



かつては3月末までに満室にすることが当たり前でしたが、異動時期が分散化している今、繁忙期という枠組み自体を「より緩やかな期間」として捉え直す必要があります。




次章からは、山梨県の賃貸市場で今何が起きているのか、家賃相場と建築コストの視点から、家賃限界点の正体を明らかにしていきます。この変化を正しく理解し、夏前を見据えた柔軟な募集戦略へ切り替えていきましょう。



2.地方都市の山梨県が直面する家賃限界点と新築の苦悩


地方都市の山梨県が直面する家賃限界点と新築の苦悩


建築資材や人件費の高騰が山梨県の賃貸市場にもたらしている影響と、それに伴う賃料と実質賃金の乖離について解説します。かつての成功モデルが通用しなくなっている背景を、まずは整理しましょう。


1)”新築=即満室”神話の崩壊


”新築=即満室”神話の崩壊


山梨県の賃貸市場において、長年信じられてきた「新築物件を建てれば即満室になる」という神話は、もはや過去の産物になりつつあります。現代の地方都市において、新築は決して「無条件のドル箱」ではないのです。



ここ数年、山梨県の賃貸市場は劇的な変化が起きています。建築コスト高騰に伴う家賃上昇は全国的なトレンドであり、公的データでもその傾向は明白です。




しかし、データ以上に現場の貸主が肌で感じている変化は、より切実なはずです。私が相続で賃貸経営を引き継いだ2008年ごろの、甲府市のファミリー向け(2LDK)の家賃相場は8万円前後でした。



しかし今では10万円台が主流であり、条件が良い物件では12万円前後が当たり前となっています。この18年間で、新築家賃が2割から5割上昇した計算です。



実質賃金


一方で、顧客の実質賃金の伸びはこの上昇に追いついていないのが現状です。その結果、建設費を家賃に転嫁すればするほど、顧客が許容できる「家賃の限界点」を突き抜けて、完成後でも募集を続けている新築物件は増加しています。



実際に山梨県内のマーケットでは、建物完成後に広告料(AD)の追加設定や、期間限定の家賃減額キャンペーンを行わざるを得ない新築物件が後を絶ちません。



「新築物件なら間違いない」という経営判断は、今や最大の経営リスクになり得ます。まずはこの前提を疑うことから、現代の賃貸経営を再構築していくことが求められます。



なぜ新築が選ばれなくなったのか?


かつて仲介会社にとって新築物件は、「早期成約・高賃料」が見込めるドル箱でしたが、現在は違います。



今の顧客は「払える家賃で満足度の高い部屋」をシビアに選んでいるため、仲介会社が「新築」という看板だけで集客をする時代は終わったのです。


2)新築の客付け鈍化がもたらす、サブリースという時限爆弾


新築の客付け鈍化がもたらす、サブリースという時限爆弾

新築物件の客付け鈍化により、最も直接的な影響を受ける可能性があるのが、サブリース契約で物件を運用している貸主です。



サブリース契約は「満室時の80~90%程度の家賃が毎月振り込まれる」ため、一見すると空室リスクを回避できる仕組みに見えます。しかしその裏側には、貸主が見落としがちな「サブリース会社の損益分岐点」という経営上のリスクが潜んでいます。



サブリース会社は空室保証の対価として、借主から受け取る家賃と貸主に支払う保証賃料との差額で利益を確保しています。



そのため想定よりも入居率が低下したり、募集家賃を下げなければ客付けができない状況が続いたりすると、収益は大きく圧迫されます。



サブリースには賃料見直し条項がある

この状況が長期化すると、契約に含まれる「賃料見直し条項」に基づき、保証賃料の厳格提案が行われる可能性が高まります。


▶サブリース契約の家賃減額リスクについては、関連記事「途中からサブリース契約に切り替えれば、賃貸経営は安定するか?」で詳しく解説しています。



交渉の根拠には、以下のような客観的なデータが用いられます。



  • 市場賃料:近隣の成約事例との比較

  • 入居率:物件全体の稼働状況

  • 周辺状況:同条件の競合物件との賃料差

  • フリーレントやADなど募集条件の実態

  • サブリース物件の収支状況



サブリース会社は借地借家法上の「借主」の立場になるため、正当な理由があれば賃料減額請求を行う権利があります。もちろん、単に会社が赤字だからという理由だけで減額が認められるわけではありません。



しかし、周辺相場との乖離や稼働率の低下が続くと、貸主側も厳しい交渉へ対応せざるを得ないのが現実です。



高い家賃設定で事業計画を組んだ新築物件ほど、完成後の市場価値が計画と乖離した際、この「時限爆弾」のカウントダウンが早まることになります。



3.明暗を分けるリノベーション物件と放置物件の格差


明暗を分けるリノベーション物件と放置物件の格差


地方都市と大都市圏の賃貸市場の二極化は、もはや無視できないレベルに達しています。大都市圏(とりわけ東京都)では物件供給が追いついていない一方で、山梨県のような地方都市では、物件の選別が容赦なく行われています。



この厳しい環境下の中で、収益を維持できる物件と、空室が長期化する物件の境界線は、どこにあるのでしょうか?





こうした市場背景の中で、特に苦戦しているのが、1990年代の相続税対策の一環で建設され、その後「原状回復」を繰り返していたファミリー向け物件です。



当時のトレンドだった「和室アリのDKタイプの間取り」は、現代のライフスタイルとはミスマッチを起こしており、適正家賃以下で募集しても、賃貸検索サイトの絞り込み段階で、選択肢から外れているのが現実です。



  • 事例①:築37年の3DK物件(原状回復のみ)


  • 2025年4月から募集を続けていますが、2026年5月末時点でも空室が続いています。募集家賃は5万円のため、すでに65万円もの収益損失が発生しています。


  • 事例②:築31年のRC、2LDK物件(原状回復のみ)


  • 全室洋室でペット可、インターネット無料と条件が良いものの、原状回復しか行われていません。2026年1月末に募集を行いましたが、繁忙期中の客付けに失敗し、今に至っています。



これらの事例から明確なのは、繁忙期ですら客付けに失敗する要因は、建物の経年劣化以上に「現代のニーズとの乖離」にあるということです。



賃貸検索サイトで選ばれるための「最初のハードル」を超えられていないことが、最大の損失を招いています。


1)築年数よりも暮らしの質が選ばれる時代


築年数よりも暮らしの質が選ばれる時代


かつては人気物件=新築や築年数が浅い物件と言われていましたが、近年では家賃高騰や価値観の多様化により、部屋探しの判断基準が大きく変わりました。



借主が重視するのは「築年数」ではなく、水回り設備やデザイン性、収納力、そして家賃とのバランスです。つまり現代では、「築何年か」よりも「その部屋でどのような暮らしが実現できるか」で選ばれる時代へ変化しているのです。




2)リノベーションが生む”選ばれる価値”


リノベーションが生む”選ばれる価値”


弊社では、こうした市場環境に対応するために、2018年から空き室を順次「カフェスタイルに特化したリノベーション」を実施しています。全20戸中15戸改修済みで、2026年3月まで満室状態でした。



しかし4月下旬から5月上旬にかけて「転勤」「実家に戻る」といった理由で、一時的に4件の退去が発生しましたが、弊社物件では「入居後の生活イメージが湧く」クオリティの高いリノベーションを施しているため、競合物件よりも圧倒的に優位性があります。



結果として退去からわずか1か月の間に、2部屋を埋めることができました。



弊社事例から分かることは、競争力が低下した築20年以上の物件は「原状回復に戻す」のではなく、「市場競争力(選ばれる価値)を付加する」ことが重要になってきます。退去のタイミングは物件のポテンシャルを見直し、次の時代へ適合させるための絶好のチャンスです。



今のニーズに合わせた投資を行うことが、結果として空室期間を短縮し、賃貸経営の負のスパイラルを防ぐ唯一の策となるのです。


▶築古物件を低コストで差別化する考え方は、関連記事「古いアパートをおしゃれにリノベーション!コストを抑えるアイデアと裏ワザ」も参考になります。



▶空室対策リノベーションの全体像は、関連記事「空室対策リノベーション完全ガイド」で詳しく解説しています。



4.現場の悲鳴:資材不足と工事遅延の深層(ナフサショックの影響)


現場の悲鳴:資材不足と工事遅延の深層(ナフサショックの影響)

2026年現在、賃貸リフォームの現場の工事遅延は、単なる人手不足だけでなく「ナフサ由来の資材供給難」という構造的な問題によって引き起こされています。



もはや「依頼すればすぐに直る」前提は崩れ去っているため、貸主は、突発的な納期遅れを想定した管理体制の構築が必須となっています。



ここでは実際の賃貸リフォーム現場で起きた実体験をもとに、現在進行形で起きている資材不足の深刻さと、それが貸主の収益にどう直結するか「現場のリアル」をお伝えします。



2026年5月の連休明けに、約5年入居していた借主が実家に戻るため退去されましたが、室内を確認すると、借主責任による汚損が複数あり、さらに前回の施工時の接着不足によるクッションフロアの浮きが複数個所見つかりました。



そこで汚損箇所が多かったLDKの床材のみ張替えることにしましたが、そこで深刻な事態に直面しました。それは昨今の「ナフサショック」に伴う接着剤の深刻な供給不足により、すぐに張り替えすることができなかったことです。



退去直後のクッションフロア

クッションフロアからクッションフロアへの張り替えは、インテリア業者とのスケジュールが合えば数日で完了しますが、今回は接着剤が手に入らず、リフォーム会社も資材確保に奔走することになりました。



最終的には6月8日まで工事を待つことになり、たった数日で終わる工事が約1ヵ月もの時間を費やすことになりました。



1)なぜ特定の施工パートナーが経営上の武器になるのか?


通常管理会社経由でリフォーム発注すると、どうしても”中間マージン”が発生し、コストが割高になります。



弊社物件は大手管理会社に管理委託していますが、修繕工事を行う際には、特定の外部リフォーム会社へ直接発注していますが、ここでは単なるコスト削減以上の「戦略的意図」があります。


▶管理会社経由と直接発注の違い、リフォーム費用を抑える考え方については、関連記事「費用を賢く抑える!賃貸リフォームの成功法則」をご覧下さい。



2)逆境を証明する:資材難の時代に選ばれる優先枠


逆境を証明する:資材何の時代に選ばれる優先枠

本ブログを読んでいる方の中には、「優先的に引き受けてもらうといっても、今はどの業者も資材不足ではないのか?」と疑問に思うはずです。実はこの問いに対する答えこそが、弊社の経営体制の真価です。



業界全体が「接着剤がない」と悲鳴を上げるこのような非常事態下でこそ、弊社が築いてきたパートナーシップが発揮します。



一般的にリフォーム会社は、競合他社との相見積もりに追われ、営業コスト(見積書の作成の手間)が嵩むことを嫌います。しかし弊社のように「相見積もりなしの直接発注」を徹底することで、施工会社側は営業コストをゼロにして利益を確定させることができます。


「確実な受注が見込める優良クライアント」

この「確実な受注が見込める優良クライアント」という信頼関係があるからこそ、全国的な資材不足の緊急時においても、施工会社は優先的に弊社の資材を確保し、工期を最小限に抑えてくれるのです。



施工会社との絆から生まれる好循環は、以下の通りとなります。



  • 工事の優先順位が上がる:業界全体が資材難であっても、信頼関係により優先的に資材を確保してもらえる。


  • 価格競争力:営業コストがかからない分、一部設備などの価格交渉にも柔軟に応じてくれる。


  • 施工品質の安定:物件の仕様を深く理解した職人が継続して作業するため、施工トラブルが減少する。


「管理会社任せ」ではなく、自社で信頼できるパートナーを囲い込み、winwinの関係を築くこと。これこそが、ナフサショックのような不可抗力にも負けない、強固な賃貸経営の正体です。



退去は単なる原状回復の場ではなく、次の10年を戦うための重要なリセットの機会。私たちは今後もパートナーシップを武器に、外部環境に左右されず、空室期間を最小限に抑える「選ばれる物件づくり」を継続していきます。


5.2026年以降、貸主がすべき防御と準備


2026年以降、貸主がすべき防御と準備


これまでの市場動向を踏まえ、2026年以降に貸主が賃貸市場で生き残るために着手すべき、3つの具体的なアクションを提示します。今後の経営戦略の参考にして下さい。



1)【戦略】今、貸主が意識すべき3つの方針

  • 選ばれる物件への構造改革


原状回復という名の現状維持は、最大のリスクです。現代の顧客ニーズに合わせたリノベーションを行うことで価値を付加し、賃貸検索サイトの絞り込みから外れない物件へと、アップデートしましょう。

  • 施工パートナーという経営資産の確保


今回のナフサショックのような資材不足が発生した際、真っ先に動いてくれる信頼できる職人や業者を囲うことは、物件そのものに匹敵する「経営資産」です。日頃のコミュニケーションが、いざという時の防御力になります。

  • 家賃限界点を見極めた経営管理


新築家賃の上昇に引きずられず、自身の物件が市場でどの位置にあり、いくらなら「選ばれるのか」という限界点を数値で把握して下さい。空室リスクを最小化するキャッシュフロー管理こそが、長期安定経営の要です。



2)【行動】今日から実行すべき具体的なアクション


上記を実行するために、現場レベルでは以下の動きに切り替えてください。

  • ターゲット特化の戦略的リノベーションへ切り替える


築20年以上の物件で、原状回復しか行わず空室期間が3か月以上経過した場合は、ターゲットを明確にしたリノベーションを検討する必要があります。



単身向けであれば、インターネット無料化(高速化)や宅配ボックスなどを設置し、生活利便性を高めるのが有効です。



一方ファミリー向け物件では、空室長期化はキッチンや浴室などの水回りの老朽化が要因であることが少なくありません。この場合、表装リフォームよりも水回り設備を優先的に見直すことが、空室期間短縮への近見になります。



自身の物件のターゲット層を見極め、効果的な箇所へピンポイントで投資を行いましょう。

  • 退去連絡後の初動速度と職人確保の体制を整える


退去連絡は基本的に1か月前までに通知が届くため、退去時期を予測することは学生向けアパート以外は不可能に近いです。そのため重要なのは、「退去連絡が入った時点で、即座に工事へ着手できる体制」を整えておくことです。



特に長期入居した部屋は、経年劣化や借主の過失による破損や汚損範囲が広くなるため、リフォーム期間も長くなりがちです。



また、繁忙期には多くの物件で退去が集中するため、職人の確保そのものが最大のボトルネックとなります。そのため、退去連絡が入った時点で速やかに現地確認と打ち合わせができるよう、あらかじめリフォーム会社と連携し、職人のスケジュールを把握しておくこと。



これこそが、空室期間を最短にするための唯一の現実的な戦略です。

  • 管理会社や仲介会社に「内見者のリアルな声」を確認する


空室対策の際、多くの貸主が人気設備ランキングや周辺相場など「一般的な指標」を参考にします。しかし実際は、総合的な観点から判断しているので、「人気設備がないから」「家賃が高いから」といった、単純な理由だけで選ばれないわけではありません。



ここで重要になるのは、内見者の生の声です。仲介会社や管理会社へヒアリングする際は、以下の点を具体的に聞くようにしてください。



  • 内見者から具体的にどのような指摘があったのか?

  • 最終的に他社物件になった決め手は?

  • 競合物件と比べて、貸主物件のどの部分が弱いと認識されているか?



空室対策で最も大切なのは、全国的なトレンドに振り回されることではありません。貸主物件を内見した人の声を集めて、そのエリア、その物件に最適化した改善策を打ち出すことが、内見からの成約率を高める最も近い手法なのです。



6.まとめ


今回は、山梨県甲府市で築30年以上のファミリー向け物件を所有している弊社の実体験をもとに、今年発生した市場の歪みの正体についてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。



  • 新卒4月1日入社の定説は崩壊し、また異動時期も平準化している。そのため繁忙期という枠に縛られず夏前を見据えた柔軟な募集戦略への切り替えが、空室を埋めるための必須条件になる。


  • 建築費や人件費高騰で上昇した新築家賃と実質賃金が乖離し、新築神話は崩壊した。過度な賃料設定は特に新築サブリース契約物件では将来的な賃料減額のリスクが懸念される。


  • 原状回復のみの古い物件は賃貸検索サイトで淘汰され、損失が拡大する。現代のニーズに合わせたリノベーションで選ばれる価値を付加し、空室の負のスパイラルを断ち切ることが求められる。


  • ナフサショックによる資材調達が困難な状況でも、直接発注による信頼関係があれば、優先的な資材確保は可能になる。施工会社とwinwinの関係を築くことこそが、最強のリスクヘッジになる。



賃貸市場は過去の成功体験が通用しない転換期を迎えています。新築信仰や管理会社任せの運営を脱し、現代のニーズに即した物件のアップデートと、直接発注による強固な経営体制を築けるかどうかが、激動の時代を勝ち抜く分かれ道です。



「どこから手を付けるべきか」と迷われている方は、ぜひご相談ください。私自身、絶望的な赤字経験を経験し、試行錯誤の末に満室経営を確立しました。貸主の痛みが分かる専門家として、全力でサポートいたします。




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空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年・98年に祖父が建設した計4棟のアパートを、2006年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと劇的に改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」と「満室継続」を同時に達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


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