賃貸経営は一般的な投資と比べリスクが少ないと言われていますが、以下リスクは築年数/エリア関係なくどの物件でも起こり得る問題です。
家賃滞納
騒音
設備不良
ゴミ出し
長期空室
管理会社
上記問題は特に築年数が経過すると発生率が高くなりますが「事前対策」を講じればリスクを軽減させることができ築年数が経過しても安定的な賃貸経営を行うことができます。
本投稿は賃貸経営で必ず発生する6大トラブルが発生した際、どう解決するかお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
1.賃貸経営の6大トラブルとは?
家賃滞納
賃貸物件に入居する前必ず入居審査を行い契約者の家賃支払い能力を確認するため、一般的に家賃滞納発生率は1割以下と言われています。
ただ家賃は毎月の家計支出の中で最もウエイトを占めているため、一回家賃滞納が発生すると回収が難しくなってしまいます。
家賃滞納が発生すると管理会社は回収を行いますが、出来るのはあくまでも「お願い」程度のみ。そのため回収に失敗すると滞納額が膨れ上がり回収ができなくなる恐れがあります。
騒音
賃貸物件はひとつの建物の中に複数の部屋が隣接しているため、隣室/上階から生活音がどうしても響いてしまいます。ここでいう生活音は足音/テレビや会話の音/排水音などです。
騒音トラブルは築年数/構造躯体一切関係なくどの物件でも起こりやすく、防音性が最も高い分譲マンションでも発生します。
騒音トラブルが発生した際、早期解決させることが重要で管理委託している物件では全て管理会社が対応します。ただ迅速な対応/解決ができないと退去のきっかけを作り更に騒音が理由で退去となると、再募集時告知しなければならないため、客付けが厳しくなります。
▶騒音による告知義務の詳細はこちらをご覧下さい。
設備不良
賃貸物件に設置されている設備は経年すると部品劣化が起こるため不具合/故障しやすくなります。経年劣化による設備修理や交換は全て貸主が対応することになり、これは民法第606条に明記されています。
また設備不良が発生し免責期間内に対応できないと貸主から家賃減額請求を受けるリスクが高くなります。家賃減額幅は故障した設備によって目安があるものの、正直ガイドラインに沿った家賃減額提案は借主が満足できる回答ではないため、退去リスクが高くなります。
ゴミ出し
賃貸物件の敷地内にはごみ置き場が設置されています。現在多くの自治体では指定ごみ袋にごみを入れて決まった時間にごみを出すことになっていますが、一部借主は…
ゴミ分別を理解していない
収集日以外にごみ出ししている
ことがあります。またごみ置き場にごみが放置されている/清潔感がないと、内見された方から「清潔感がない物件」と認識され他の物件に流れるリスクが高くなります。
長期空室
近年の賃貸市場は人口減少に伴う物件供給数飽和により全国的に空室率は悪化しています。空室率が悪化すれば競争力が低下した築年数が古い物件は客付けが難しくなるため家賃値下げを余儀なくされます。
ただ需要より供給数が多くなれば、家賃値下げしても客付けができない物件は必然的に多くなります。その結果客付けで失敗した物件は空室が長くなるため、キャッシュフローが厳しくなることが予想されます。
管理会社
賃貸管理は煩わしい業務が沢山あるため、一般的には管理会社に管理委託してもらうケースが多いです。管理会社に管理委託した場合、客付けも一緒にしてもらうことが多いのですが、管理会社のスキルが弱いと…
適切なリフォーム提案ができないため空室が長期化になる
設備/借主トラブル解決に時間がかかる
ため安定した賃貸経営を行うことが難しくなります。管理会社を変えることで客付け/管理能力が高くなることがありますが管理会社変更により…
家賃保証会社
管理会社が提携している家財保険を使った場合
は契約が終了となり、新たに別の保証会社/家財保険に再加入はできますが、借主負担が新たに発生するため金銭的トラブルが発生することがあります。
2.賃貸経営で必ず発生する6大トラブル、どう解決する?
トラブルが発生するとどう対応知ればいいかわからなくなってしまうものです。ただ事前に対応策をを考えることで実際にトラブルが発生しても早期解決させることが期待できます。
それではそれぞれの問題を見ていきましょう。
家賃滞納
家賃滞納リスクを抑えるには家賃保証会社を利用することで、リスク回避ができます。大手管理会社物件を始め今では街の不動産屋さんが管理している物件でも、家賃保証会社を利用しています。
家賃保証会社はあくまでも借主債務を保証する会社なので、保証料などの費用は全て借主負担となります。家賃保証会社を利用すると…
家賃滞納分/更新料支払い拒否した際代位弁済してくれる
強制退去を行う際の裁判費用を全額負担
原状回復費、残置物費用負担(一部上限あり)
などを保証してくれるため、保証会社が倒産しない限り滞納リスクは避けられます。
▶家賃保証会社の詳細は過去記事をご覧下さい。
騒音
生活音トラブルは築年数/構造躯体問わずどの物件でも起こり得る問題なので、根本的解決は難しいです。ただ生活音トラブルを抑えることは十分できます。
生活音トラブル回避策①:借主属性を高める
賃貸業界の暗黙の了解として家賃が安い物件ほど借主属性は悪くなると言われています。騒音トラブルを避けるには属性がい借主に入居してもらうのが一番で具体的には…
安易な家賃値下げはしない
滞納歴がある方を入居させない
この2点を意識するだけでも騒音トラブル発生率を抑えることができます。
生活音トラブル回避策②:クッションフロアを施工する
管理会社担当者の話によると騒音トラブルでよく寄せられる相談は「上階からの足音がうるさい」とのことです。
築年数が古い物件は合板フローリングが採用されていますが、同フローリングは吸音効果は一切ないため所謂パタパタ歩きをすると音が階下に響きやすくなるためトラブルにつながってしまいます。
そこでリフォームを機に吸音効果が期待できるクッションフロアを採用することで、騒音トラブルを抑えることが期待できます。
設備不良
設備トラブルが発生した際は早急に対応するかが勝負となります。早期解決できれば借主満足度も高くなり場合によっては長期入居してもらえる可能性が高くなります。
具体的には設備不良が発生し交換が必要な場合は、管理会社に一任することです。一部の借主は修繕費用を抑えるため、修理/相見積もりを取る方がいますが対応が遅れるとその分だけ借主不満度が大きくなり、退去のきっかけを作ってしまいます。
ゴミ出し
ゴミ出しマナーが守れない方はどの物件でも少なからずいます。
ただごみ置き場が乱雑になるとマナーが守れない借主を増やす/近隣住民が不法投棄するリスクが高くなります。ごみ置き場が汚い物件は借主不満度は高くなり物件稼働率はよくありません。
ごみ置き場をよくするには、ごみ置き場をいつも清潔に保つことです。具体的には貸主/清掃業者さんがごみ収集日以外にごみが放置されていた場合、黙って撤去(収集センターなどに持って行く)するだけです。
つまり「割れ窓理論」を実践することでごみ出しマナーを守る借主が自然的に増えるため、ごみ置き場トラブルを抑えることができます。
長期空室
先程もお伝えしましたが近年の賃貸市場は物件供給数が飽和状態ですので、適正家賃/設備増強しても競合も同様のことを行うため客付けがしにくい状態が続いています。
長期空室を脱するには競合物件との差別化+物件資産価値を高める空室対策をしないと結果を出すことはできません。
弊社物件は賃貸空室率が全国ワースト3位の山梨県に物件があり、さらに築30年を超えていますが、自然素材を使ったカフェスタイルリノベーションを強化したところ…
募集時期関わらず早期客付けに成功
従前より家賃8~10%値上げに成功
2020年以降3期連続増収増益達成
昨年度は家賃収入+物件稼働率過去最高を更新
することに成功し、弊社空室対策は不動産系メディアに多数紹介されています。
管理会社
先程もお伝えしましたが管理会社を変えると、家賃保証会社/家財保険を新たに加入しなければならなくなり、借主に新たな金銭的負担を要求することになります。
そのため一部借主からクレームが発生することが予想され、場合によっては住替えされるリスクが出てきます。
管理会社担当者のスキルに問題がある場合は、まずは上長に相談し指導してもらう/担当者を変えてもらうなどを行い、しばらく様子を見てそれでも改善されない場合は管理会社を変えるのも仕方がないと思います。
また管理会社担当者が適切な空室対策リフォーム提案ができない時は、リフォーム会社に相談するのも手です。サブリース契約では貸主権限は殆どありませんが、集金管理物件ならば貸主がリフォーム会社に依頼することができ、また管理会社で頼むより費用を抑えられる可能性もあります。
3.まとめ
今回は賃貸経営で必ず発生する6大トラブルが発生した際、どう解決するかお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
賃貸経営を行っている多くの貸主は煩わしい管理は全て管理会社に丸投げしているケースが多いですが、今後賃貸空室率はさらに悪化するため、客付けで苦戦する物件は多くなることが予想されます。
安定した賃貸経営を行うには管理会社と一緒になって空室対策(例えば物件清掃も重要な空室対策ですがこれは貸主でもできます)を行っていかないと、経営リスクを抑えることは難しいと言えます。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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