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【空室対策リフォーム】古いキッチンをリメイクシートしただけではNGな理由


賃貸アパートの築年数が経過すると、水回り設備の劣化が進み、キッチンも古さが目立つようになります。



そこで空室対策として、キッチン扉にリメイクシートやダイノックシートを貼り、見た目を改善する方法があります。キッチン本体を交換するより費用を抑えられるため、貸主にとって取り入れやすくなります。



しかし、キッチンの機能性まで低下している場合、見た目を改善するだけでは、十分な空室対策にはならないことがあります。



弊社でも以前、キッチン扉へダイノックシートを施工していましたが、客付けに苦戦した経験から、現在は見た目だけでなく機能性も含めて改善しています。



本記事では、弊社所有物件での実体験をもとに「古いキッチンはリメイクシートを貼るだけでも空室対策になるのか?」という疑問について、貸主の立場から解説します。



空室対策を目的とした賃貸リノベーション全体の考え方や費用、投資判断については、関連記事「空室対策リノベーション完全ガイド」をご覧ください。


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▼ 目次




【本記事でお伝えする結論】


  • リメイクシートは古いキッチンの見た目を改善できても、調理・収納スペースなどの機能性までは改善できない。


  • キッチンの機能性まで低下している場合、見た目だけを改善しても集客では不利になりやすい。


  • 弊社では見た目中心の対策から機能性も改善するリノベーションへ切り替え、募集期間や成約率が改善した。



1.キッチンにリメイクシートを貼るメリット


キッチンにリメイクシートを貼るメリット


キッチンは日常的に使用するため、こまめに掃除していても、徐々に汚れが落ちにくくなります。



特にキッチン扉やパネルは経年による変色が目立ちやすく、ガスコンロ周辺には油汚れも付着するため、退去後にハウスクリーニングを行っても、古さを完全に解消することが難しい場合があります。


経年によるキッチンの老朽化が目立つ場合、本体を交換すれば見た目だけでなく設備そのものを新しくできます。しかし、キッチン交換にはまとまった費用がかかるため、できるだけコストを抑えたい貸主にとっては負担になります。



そこで選択肢となるのが、キッチン扉やパネルにリメイクシートやダイノックシートを貼る方法です。キッチン本体を交換するより費用を抑えながら、古くなったキッチンの見た目を改善できます。



ダイノックシートをきれいに仕上げるには技術が必要なため、施工業者に依頼した方が安心です。一方、リメイクシートは比較的施工しやすく、DIYで対応できる商品もあります。そのため、自分で施工すれば施工費を抑えられる点もメリットです。





「キッチン自体はまだ使用できるので、交換せず見た目だけきれいにしたい」場合には、リメイクシートは選択肢のひとつになります。



ただし、空室対策として考える場合は、見た目の改善だけで十分なのかを別に判断する必要があります。


2.古いキッチンにリメイクシートを貼るだけでは集客で不利になる理由


空室対策としてキッチンにリメイクシートを貼っても効果が期待できない理由


前章でお伝えしたように、リメイクシートはキッチン本体を交換するより費用を抑えながら、見た目を改善できるメリットがあります。



一方、空室対策として考えた場合、見た目をきれいにするだけで入居希望者から選ばれるキッチンになるとは限りません。



特に築年数が経過し、キッチンそのものの使い勝手が競合物件と比べて見劣りしている場合は注意が必要です。


見た目を変えてもキッチンの機能性は変わらない


部屋探しされる方は充実したキッチン環境を求めている

古いキッチンにリメイクシートを貼ると、施工前と比べて見た目はきれいになります。しかし、リメイクシートで変えられるのは、基本的にキッチン扉などの表面的なデザインだけです。



  • 調理スペースの広さ


  • 収納スペース


  • シンクの大きさ


  • 作業のしやすさ



といった、キッチン本体の機能性まで改善できるわけではありません。ここが、空室対策として古いキッチンにリメイクシートを貼るだけでは限界がある大きな理由です。



クックパッドが2019年に東京都の25~54歳500人を対象に実施した調査では、「駅までの距離」「家賃」「リビングの広さ」などの条件を多少妥協しても、充実したキッチン環境のある物件を選びたいという回答が、それぞれ過半数となっています。



この調査からも、部屋探しでは単に「キッチンがきれいに見えるか」だけではなく、実際に料理や生活をする際の使いやすさも、物件選びに影響することが考えられます。



つまり、古いキッチンの扉にリメイクシートを貼って見た目を改善しても、調理スペースや収納、シンクなどに使いにくさが残っていれば、内見者にとって十分な魅力につながらない可能性があります。


弊社でもダイノックシートによる空室対策を行っていた


弊社物件のキッチンリメイク


弊社物件でも、築15年を過ぎた頃から、古くなったキッチンの見栄えを改善するため、キッチン扉にダイノックシートを貼るリフォームを定期的に行っていました。



また、キッチンだけではなくクロスや床などの表装リフォームにも力を入れていたため、当時は「室内をきれいにすれば、築年数が経過しても競争力を維持できる」と考えていました。



しかし、キッチン本体は新築当時のものをそのまま使用していたため、築年数が経過するにつれて、扉の見た目を変えるだけでは解消できない問題が目立つようになりました。



そして築24年目となる2017年の繁忙期には、4部屋を募集したものの、成約できたのは1部屋でした。その後の退去も重なり、年間入居率は77%まで低下しました。



当時のキッチンを現在振り返ってみると、扉にはダイノックシートを貼っていましたが、キッチンパネルは既存のものをそのまま使用していたため、キッチン全体としては築年数を感じさせる状態でした。



さらに、新築当時から使用していたキッチンは調理スペースが狭く、まな板1枚を置く程度のスペースしかありませんでした。


賃貸検索サイトではキッチン写真も確認されている


賃貸検索サイトではキッチン写真も確認されている


現在の部屋探しでは、インターネット上に掲載されている物件写真も重要な判断材料になっています。



アットホーム株式会社が発表したリリースによると、住まい探しで「不動産ポータルサイトで検索」と回答した割合は、引越し経験者66.8%、検討者73.2%で、それぞれ最も高い結果となっています。



さらに、インターネットで物件を探す際に「必ず見たい写真」として「キッチン」を挙げた割合は、経験者60.9%、検討者64.3%でした。検討者がキッチン写真の中で「必ず見たい」と回答したポイントを見ると…



  • キッチン全体の広さ:73.5%


  • シンクの広さ:72.2%


  • コンロの数:68.9%


  • 冷蔵庫置き場の位置:66.6%


  • 作業場の広さ・収納スペース:64.2%



となっています。つまり、入居希望者はキッチン写真を単に「新しい・古い」「きれい・汚い」という見た目だけで確認しているのではなく、広さやシンク、作業スペース、収納など、実際の使いやすさにつながる部分も確認していることが分かります。



キッチン扉をリメイクしても古さや使い勝手は改善されず、リノベーションで機能性を改善した賃貸キッチンの比較イメージ


この調査は2025年に行われたものであり、2017年当時の弊社物件の客付け結果を直接説明するものではありません。また、2017年に弊社が客付けで苦戦した原因が、キッチンだけだったと断定することもできません。



ただ、現在の調査結果を踏まえて当時のキッチンを振り返ると、ダイノックシートを貼ることで扉の見た目は改善していても、キッチン全体の古さや狭い調理スペースなど、入居希望者が写真で確認する部分までは改善できていませんでした。



表装リフォームを強化していたにもかかわらず客付けに苦戦した背景のひとつとして、こうしたキッチンの使い勝手や全体の印象が、競合物件と比較した際に十分な魅力になっていなかった可能性はあると考えています。



弊社がこの経験から学んだのは、キッチン扉をきれいにすること自体が問題なのではなく、調理スペースや収納などの機能性に課題が残ったままでは、見た目だけを改善しても物件全体の競争力向上にはつながりにくいということです。



そして2018年から、表装リフォームを中心とした空室対策から、キッチンを含めて設備や間取りそのものを改善するリノベーションへと空室対策を見直しました。



▶弊社が相続後の空室対策をどのように見直してきたのかについては、関連記事「【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①」で詳しく紹介しています。



3.古いキッチンは交換した方がいい?


古いキッチンは交換した方がいい?


先ほど紹介したクックパッドとアットホームの調査からも、部屋探しではキッチンの見た目だけではなく、調理スペースや収納、シンクの広さなど、実際の使いやすさも確認されていることが分かります。



そのため弊社では、築20年以上が経過し、キッチンの機能性が現在の競合物件と比べて見劣りしている場合は、リメイクシートで見た目だけを改善するのではなく、キッチン交換も検討した方がよいと考えています。



ただし、「築20年以上なら必ず交換する」という意味ではありません。



現在のキッチンの状態や募集家賃、入居ターゲット、周辺の競合物件などを確認したうえで、交換するかどうかを判断することが重要です。


キッチン交換費用だけでなく「空室による機会損失」も考える


キッチン交換費用だけでなく「空室による機会損失」も考える

貸主がキッチン交換をためらう大きな理由のひとつが、交換費用です。


しかし空室対策として考える場合、「キッチン交換にいくらかかるか」だけではなく、「設備を改善しないことで空室が長期化した場合、どれだけ家賃収入を得られない可能性があるか」という視点も必要です。



実際に弊社物件と同じエリアにある築25年のファミリー向け賃貸マンションでは、2025年12月から入居募集を開始していますが、2026年9月29日時点でも募集が続いています。



募集家賃は7万円で、内装はリフォームされていますが、キッチンを含む水回り設備は既存設備が活用されています。



もちろん、この物件の空室が長期化している原因がキッチンにあると断定することはできません。ただ、家賃7万円の部屋が仮に10か月空室になれば、単純計算で70万円相当の家賃収入を得られないことになります。



空室による機会損失が大きくなるのであれば、その一部をキッチンなどの水回り設備の改善に充て、物件の競争力を高める選択肢も、費用対効果を比較したうえで検討する価値があります。

キッチン交換は予算に合わせて考える


キッチン交換は予算に合わせて考える


キッチンを交換するといっても、必ずしも高額なシステムキッチンや対面キッチンを導入する必要はありません。



ファミリー向け賃貸でキッチンを交換する場合、主にセクショナルキッチンとシステムキッチンがあり、さらに既存と同じ位置に設置するのか、壁付けキッチンから対面キッチンへ変更するのかによって工事内容や費用が変わります。



近年の新築ファミリー向け物件では、対面式のシステムキッチンを採用しているケースが多いです。そのため、競合する新築・築浅物件との差を縮めるという点では、壁付けから対面キッチンへの変更も選択肢のひとつです。



ただし、壁付けキッチンから対面キッチンへ変更すると、キッチン本体の費用だけでは済みません。



給排水管の移設や電気工事、床・壁などの内装工事が必要になる場合があり、施工条件によっては工事費が大きくなります。



そのため、予算を確保でき、募集家賃や入居ターゲットから見ても投資効果が期待できるのであれば、対面キッチンへの変更を検討する価値があります。



一方、そこまで予算をかけられない場合は、既存のキッチン位置を活用し、セクショナルキッチンへ交換する方法もあります。



給排水位置を大きく変更しなければ、壁付けから対面キッチンへ変更する場合と比べて工事範囲を抑えやすく、古くなったキッチンの機能性を改善しながら、費用を抑えることができます。



空室対策で重要なのは、高額なキッチンを導入することではありません。募集家賃・入居ターゲット・競合物件・想定される空室期間を確認し、費用対効果に合ったキッチンへ改善することが重要です。



▶壁付けキッチンから対面キッチンへ変更する際の費用や注意点については、関連記事「壁付けから対面キッチン変更は失敗する3つの理由」で詳しく紹介しています。



4.弊社がキッチンの空室対策を見直した結果


弊社がキッチンの空室対策を見直した結果


弊社では2017年の客付け失敗をきっかけに、空室対策を表装リフォーム中心からリノベーションへ切り替えました。



その中でも特に重視したのがキッチンです。



20~30代のカップルや新婚世帯を主な入居ターゲットとして、単に新しいキッチンへ交換するのではなく、「賃貸でもおうちカフェを楽しむ」をコンセプトにしたカフェスタイルキッチンへ改修しました。



ただし、弊社ではキッチン本体をすべて新品へ交換しているわけではありません。既存キッチンを活用しながら扉を無垢材へ変更し、古くなったキッチンパネルも不燃化粧板へ張り替えています。



さらに、従前では不足していた調理スペースと収納スペースを補うため、キッチンカウンターを新設しています。



当初は無垢材を使用したオリジナルの調理台付き可動式カウンターを全室に導入していましたが、最近ではコスト削減のためIKEA製のカウンターを採用しています。



つまり、以前行っていたダイノックシートによるリフォームとの大きな違いは、キッチン本体を新品に交換したことではありません。既存設備を活用しながら、「見た目」と「使いやすさ」の両方を改善したことです。


内見者の約7割がカフェスタイルキッチンを評価


内見者の約7割がカフェスタイルキッチンを評価


弊社では賃貸検索サイトだけではなく、物件独自の公式Webサイトからも入居募集を行っています。公式Webサイトから内見予約が入った場合は、弊社代表が直接内見に同行し、内見終了後にアンケートを実施しています。



その結果、全体の約7割の方が、評価の高い設備として「カフェスタイルキッチン」を挙げています。



さらに、契約時に弊社が実施しているアンケートでも、「カフェスタイルキッチンが契約の決め手になった」という回答が多く寄せられています。



このことから、弊社物件ではカフェスタイルキッチンが、内見時の印象だけではなく、実際の物件選びにおいても評価されている設備のひとつだと考えています。



この経験から弊社では、築年数が経過してキッチンの機能性まで競争力を失っている場合、単に新品へ交換したり、リメイクシートで見た目だけを改善したりするのではなく、入居ターゲットが求める使いやすさまで含めて改善することが重要だと考えています。



つまり空室対策では、「古いキッチンだから新品へ交換する」という考え方だけではなく、既存設備を活用できる部分は活用しながら、どこを改善すれば入居希望者に選ばれるキッチンになるのかを考えることが重要です。



▶弊社がリノベーションで導入しているカフェスタイルキッチンの仕様や導入効果については、関連記事「【キッチンリノベーション】おしゃれなカフェスタイルキッチン導入効果」をご覧ください。



▶また、弊社が空室対策リノベーションを行った後の入居率や家賃収入、募集期間などの実績については「空室対策リノベーション実績」をご覧ください。



5.まとめ



今回は、古いキッチンにリメイクシートを貼るだけでも空室対策になるのかについてお伝えしました。



リメイクシートは低コストで見た目を改善できますが、調理・収納スペースなどの機能性は変わりません。築年数が経過し、キッチンの使い勝手まで競合物件に見劣りしている場合は、設備そのものの改善も検討する必要があります。



特に適正家賃で募集しても空室が長期化しているのであれば、家賃の機会損失を増やすのか、その一部をキッチンなどの設備改善に回して競争力を高めるのか、費用対効果を比較して判断することが重要です。


今回ご紹介した内容は、私自身が1993年築のアパートを運営する中で実践し、試行錯誤を重ねながら取り組んできた空室対策です。



しかし、「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件でも活用できるのか判断できない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。



そのような場合は、(有)山長の無料相談をご利用ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年に祖父が建設した3棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

055-241-2218

090-8514-3562


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