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【2026年版】築20年以上のアパートは建て替えよりリノベーション?インフレ時代の空室対策を解説


築20年以上が経過したファミリー向けアパートを所有している貸主の中には…



  • 空室が長期化している


  • 家賃を下げても反響が増えない


  • 建て替えるべきか、リノベーションで延命すべきか迷っている



と感じている方も多いのではないでしょうか。



近年はインフレの影響により、建築費や設備費、人件費が上昇しています。そのため新築アパートの賃料は高くなりやすく、入居希望者にとっては「新築に住みたいが、家賃は抑えたい」という悩みが生まれています。



一方で、築年数が古いアパートであっても、間取りや内装、設備を現在のニーズに合わせてリノベーションすれば、新築より家賃を抑えながら、快適でおしゃれな住まいとして選ばれる可能性があります。



つまり、インフレ時代における築古アパートの空室対策では、単に家賃を下げるのではなく、リノベーションによって物件の競争力を高めることが重要です。



本投稿では、築20年以上のファミリー向けアパートがインフレ時代にリノベーションを検討すべき理由、建て替えとの違い、貸主が判断する際のポイントについて解説します。


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▼ 目次



【本記事でお伝えする結論】


  • 築20年以上のアパートは、設備や間取りの陳腐化により競争力が低下し、空室になりやすい。


  • 建築費高騰に伴う新築の家賃上昇により、物件によっては完成前満室とならないケースもある


  • リノベーションは借主・仲介会社・貸主の三者にメリットがあり、選ばれる物件づくりにつながる。


  • 建築費高騰下では、建物を活かせる物件ほど建て替え前にリノベーション検討の価値がある。


  • 入居者目線のリノベーションと適切な資金計画が、入居率と収益改善につながる。


1. 築20年以上のアパートはなぜ選ばれにくくなるのか?


 築20年以上のアパートはなぜ選ばれにくくなるのか?


賃貸物件の築年数が20年以上になると、設備や間取り、内装デザインが現在の借主ニーズに一致しにくくなります。



特にファミリー向けアパートでは、20〜30代のカップルや新婚夫婦、子育て世帯が主な入居対象となります。こうした方々は家賃だけでなく、室内の清潔感や使いやすい間取り、収納力、キッチンや洗面台などの設備も重視する傾向があります。



私が所有する1993年築20戸のファミリー向けアパートも、2018年にリノベーションへ着手する前は、築年数の経過とともに競争力が低下していました。



かつては付加価値として評価されていたモニター付きインターホンや温水洗浄便座、追い焚き機能も、現在では多くの物件に設置されているため、それだけで借主に選ばれる時代ではなくなっています。



また、当時のファミリー向けアパートでは、DKを中心とした間取りや和室を設けた住戸が一般的でした。しかし近年は、家族が集まれるリビングを重視する方や、洋室を希望する方が増えています。そのため、従来型の間取りでは現代のライフスタイルとのズレが生じやすくなっています。



実際に私のアパートでも、2017年以前はDKからLDKへの間取り変更やクロス・床材の張り替えなどの表装リフォームを行っていました。しかし、キッチンや洗面台などの水回り設備は交換しておらず、築年数の経過とともに入居者からの反響は次第に弱くなっていきました。



当時は、築年数が古くなるにつれて周辺の競合物件との差が広がり、物件の競争力が低下したことが空室の主な原因ではないかと考えていました。



▶私がアパートを相続してから空室改善に取り組んだ経緯については、関連記事「【アパート経営】相続してから空室0にするまでやってきたこと①」の記事で詳しく紹介しています。




部屋探しの多様化

一方で、設備や間取りだけが原因ではありません。



近年は物件供給数が増えており、借主は以前より多くの選択肢の中から住まいを選べるようになっています。その結果、設備や内装リニューアルされていない築年数が古い物件は、魅力が感じられないため、選ばれにくくなっています。



私自身も当初は、築年数の経過による競争力低下が空室の主な原因だと考えていました。しかし、その後リノベーションを実践する中で、築年数そのものが問題なのではなく、「現在の借主が求める暮らしとのズレ」が大きくなることが空室の原因になりやすいと感じるようになりました。



築20年以上のアパートは、時間の経過とともに設備や間取りが陳腐化しやすくなります。その状態のままでは、適正家賃で募集しても競争力を維持することが難しくなります。



では、このような状況の中で、近年のインフレは賃貸市場にどのような影響を与えているのでしょうか。次章では、建築費や住宅価格の上昇によって変化している賃貸市場について解説します。



▶築20年以上の物件がなぜ空室化するのか、またリノベーションによってどのように収益改善できるのかについては、関連記事「空室対策リノベーション完全ガイド」で詳しく解説しています。



2. 新築アパートでも客付けが難しくなる理由


新築アパートでも客付けが難しくなる理由

新築アパートは、現在のライフスタイルに合った間取りや設備が採用されているため、以前から高い人気があります。特にファミリー向け物件では…



  • 対面キッチン


  • 広いリビング


  • 独立洗面台


  • 追い焚き機能


  • インターネット無料



などが標準的に採用されており、比較的高い家賃設定でも選ばれやすい傾向があります。しかし近年は、インフレの影響によって新築アパートの客付けにも変化が見られるようになりました。その背景にあるのが建築費の上昇です。


インフレの影響で新築建築費は上昇

日本建設業連合会が公表している資料によると、資材価格や人件費の上昇により、建設コストはこの数年で大幅に上昇しています。特に設備工事費の上昇幅は大きく、新築アパートの建築費を押し上げる要因となっています。



そのため貸主側としては、上昇した建築費を回収するため、一定以上の家賃設定を行わざるを得ません。一方で、入居希望者の所得が同じペースで増えているとは限らず、家賃負担の大きい新築物件を敬遠する方もいると考えられます。



2025年12月完成の新築ファミリー向けマンションの空室推移。2026年1月末時点で15戸中10戸空室、2026年6月15日時点で15戸中3戸空室。
筆者が確認しているエリア内の新築ファミリー向けマンションの募集状況をもとに作成。特定物件を評価するものではなく、一事例として掲載しています

私自身、これまで賃貸経営を続ける中で、「新築だから必ず満室になる」という状況を目にすることが少なくなったと感じています。



実際に所有アパート周辺エリアでも、2025年12月に完成した新築ファミリー向けマンションが、2026年6月15日時点でも募集を継続しており、満室には至っていません。



▶近年の賃貸市場で起きている変化や、新築でも満室にならない背景については、関連記事「【2026年繁忙期総括】山梨県の賃貸市場に異変?」で詳しく解説しています。



もちろん、これは特定エリアにおける一例であり、すべての新築物件に当てはまるわけではありません。しかし、私が賃貸経営を始めた頃と比べると、「新築だから完成前に満室になるのが当たり前」という状況ではなくなってきているように感じています。



また株式会社クレカリが発表したリリースでも、物価上昇の影響から住居費に対する負担感が高まっていることが示されています。こうした状況が続けば、内見者は次のように考えるようになります。



  • 新築は魅力的だが家賃が高い


  • 築浅でなくても、室内がきれいなら検討したい


  • 家賃を抑えながら快適な部屋に住みたい



私自身、このような価値観の変化は以前より強くなっていると感じています。そのため、現在のライフスタイルに合った設備や内装へ改善されたリノベーション物件は、新築の代替候補として検討される可能性があります。



では、建築費が高騰する中で、築20年以上のアパートは建て替えとリノベーションのどちらを選ぶべきなのでしょうか。次章では、それぞれの特徴や違いについて解説します。



▶インフレ時代に築古ファミリー向けアパートがリノベーションを検討すべき理由は、関連記事「築古ファミリー向けアパートはインフレ時こそリノベーションすべき」も参考になります。


3.築20年以上のアパートがリノベーションで選ばれやすくなる理由


築20年以上のアパートの空室対策としてリノベーションを行うことで、競争力向上や家賃維持につながる仕組みを解説した図



物価上昇による住居費負担の増加や、部屋探しの価値観の多様化によって、築年数だけで物件を判断しない方が増えています。実際にLIFULL HOME'Sが発表したリリースでも…



  • 築年数が古くてもリフォームやリノベーションがされていれば快適に感じる


  • 築古物件でも設備が良ければ問題ない


  • 築年数よりも管理状態やメンテナンス状況を重視する



といった声が紹介されています。私自身も賃貸経営を続ける中で、リノベーション後は室内写真や設備内容を見て問い合わせが入るケースが増えたと感じています。



では、なぜ築20年以上のアパートでもリノベーションによって選ばれやすくなるのでしょうか。その理由を借主・仲介会社・貸主の3つの視点から見ていきましょう。


1)借主にとっては家賃と住環境のバランスが良い


借主にとっては家賃と住環境のバランスが良い

賃貸物件を探している方は、家賃だけでなく立地や住環境も重視しています。



新築物件は設備やデザイン面で魅力がありますが、近年は建築費上昇の影響から家賃も高くなりやすい傾向があります。



一方、リノベーション物件は新築より家賃を抑えられる場合がありながら、間取りや設備、内装を現在のライフスタイルに合わせて改善できるため、家賃と住環境のバランスを重視する方にとって選択肢になりやすいと考えられます。



また、築年数が古い物件の中には、駅や商業施設に近い場所など、現在では新築用地を確保しにくい立地に建てられているケースもあります。



そのため、リノベーションによって室内の魅力を高めることができれば、立地と住環境の両方を重視する借主から選ばれる可能性があります。


2)リノベーション物件は仲介会社に紹介されやすい


リノベーション物件は仲介会社に紹介されやすい

仲介会社の主な収益源は、成約時に発生する仲介手数料です。また、部屋探しをする方の多くが賃貸検索サイトを活用しているため、仲介会社は日々多くの物件情報を掲載しながら集客を行っています。



そのような中で、原状回復しかしていない築20年以上の物件は、競合物件との差が分かりにくいため、適正家賃で募集しても空室が埋まりにくい傾向があります。



一方で、リノベーションによって間取りや設備、デザインが改善されている物件は、築年数が古くても特徴を伝えやすくなります。



私自身も2018年からリノベーションに取り組む中で、築年数だけで判断されることが少なくなり、室内写真や設備内容を見て問い合わせが入るケースが増えたと感じています。



仲介会社にとっても、「新築は予算が合わないが、きれいな部屋に住みたい」という方への提案材料になるため、紹介候補として検討されやすくなる可能性があります。


3)貸主にとっては賃料維持・賃料アップを狙いやすい


貸主にとっては賃料維持・賃料アップを狙いやすい

リノベーションの目的は、単に部屋をきれいにすることではありません。重要なのは、現在のライフスタイルに合った住環境を提供し、家賃を下げずに選ばれる状態をつくることです。



築年数が経過すると、設備や間取りは少しずつ時代に合わなくなります。その結果、空室を埋めるために家賃を下げざるを得なくなるケースもあります。



しかし、家賃を下げると毎月の収入が減少するため、借入返済や将来的な修繕計画にも影響を与える可能性があります。



一方で、リノベーションによって物件の魅力を高めることができれば、家賃下落を抑えたり、条件によっては賃料アップを目指したりできる可能性があります。



もちろん、リノベーションを行えば必ず家賃が上がるわけではありません。エリアの賃料相場や競合物件、ターゲット層、工事内容を踏まえて判断する必要があります。



それでも、築20年以上のアパートが今後も賃貸市場で選ばれ続けるための有力な選択肢の一つがリノベーションだと私は考えています。




4. 建て替えよりリノベーションを検討すべきケースとは?


建て替えよりリノベーションを検討すべきケースとは?


築20年以上のアパートを所有している貸主にとって、将来的にどのような出口戦略を選択するかを考える時期が訪れます。代表的な選択肢としては…



  • 建て替え


  • 売却


  • リノベーションによる運用継続



の3つがあります。



建て替えを行えば、新築物件として再スタートできるため、設備や性能面を一新できます。また、建物部分については新たな減価償却が始まるため、税務面でメリットが生じる場合もあります。しかし現在は、建築資材や設備費、人件費の上昇によって建築費が大きく高騰しています。



そのため、建て替えを行う場合は建てたときよりも多額の資金が必要になり、借入額も大きくなりやすくなり、また、入居希望者の家賃負担能力にも限界があります。



第2章で紹介した通り、新築でも募集が長引くケースがあるため、建て替え時は想定家賃での客付けを慎重に検証する必要があります。



そのため建て替えを検討する際は、「想定家賃で本当に満室運営できるか」を慎重に検証する必要があります。仮に客付けが難しい場合は…



  • 広告料の設定


  • 期間限定の家賃値下げ


などが必要になるケースも考えられます。


リノベーションは既存建物を活用しながら収益改善を目指せる方法


一方、リノベーションは既存建物を活用しながら収益改善を目指せる方法です。特に次のようなケースでは、建て替えを決断する前にリノベーションを検討する価値があると考えています。



  • 建物の構造に大きな問題がない


  • 立地や周辺需要がある


  • ファミリー向け賃貸の需要が見込める


  • 現在の家賃が周辺相場より低い


  • 室内改善による賃料改善の余地がある


  • 建て替え資金に不安がある



私自身も1993年築20戸のファミリー向けアパートを所有していますが、当初から建て替えを前提に考えていたわけではありません。



第1章でお伝えしたように、2017年の繁忙期に客付けで苦戦したことをきっかけに、私は翌2018年からリノベーションに取り組み始めました。



その後、アパートローンの借り換えと返済期間の延長を行ったことで、完済前に建物の減価償却が終了し、2024年からデッドクロスの状態に入りました。



▶デッドクロスによる資金繰りの変化や、私が実際に行った対応については、楽待の密着取材動画「【債務超過】相続した不動産は月20万円の赤字物件!?『2代目大家』苦労だらけの人生に密着」でも紹介されています。


▶デッドクロスの仕組みや黒字倒産を避ける考え方は、関連記事【賃貸オーナー必見】デッドクロスとは?黒字倒産を避けるには?で詳しく解説しています。



そのため建て替えも検討しましたが、弊社物件を建築した大手管理会社へ相談したところ、現在の建築費では従前の建築時と比較して大幅な費用増加が見込まれるとの説明を受けました。



賃貸アパートの建て替えにはハードルがある


私のアパートは1993年当時、約2億6,000万円で建築されています。その後、建築費の上昇を踏まえて私自身で収支を試算したところ、仮に建て替えを行った場合、従前と同水準の収益性を確保することは容易ではないと判断しました。



また、建築費の増加分を借入で賄う場合、一般的な返済期間である30年程度では返済計画が厳しくなる可能性があります。さらに賃貸経営では、築年数の経過による家賃下落リスクも考慮しなければなりません。



そのため、従前と同水準の家賃収入を維持するには多額の自己資金が必要になると試算したことから、建て替えは時期尚早であると判断しました。



※画像はイメージです。弊社物件はリニア中央新幹線山梨県駅予定地および中央自動車道スマートインターチェンジ整備予定地から車で約5分の場所にあります。本画像は将来的な交通利便性向上をイメージしたものであり、実際の位置関係や完成形を示すものではありません。
※画像はイメージです。弊社物件はリニア中央新幹線山梨県駅予定地および中央自動車道スマートインターチェンジ整備予定地から車で約5分の場所にあります。本画像は将来的な交通利便性向上をイメージしたものであり、実際の位置関係や完成形を示すものではありません。


一方で、売却についても検討しました。しかし、私が所有するアパートはリニア中央新幹線山梨県駅予定地から車で約5分の場所にあり、さらに新駅開業に合わせて中央自動車道のスマートインターチェンジ整備も予定されています。



私は、こうした交通利便性の向上によって、このエリアには今後も賃貸需要が期待できると考え、売却ではなく運用継続を選択しました。その結果、借り換えによって毎月の返済負担を抑えながらリノベーションを進め、物件価値の向上と収益改善を目指す方針を採用しています。




もちろん、すべての物件で同じ判断が正しいとは限りません。旧耐震基準の建物や大規模な修繕が必要な建物では、建て替えの方が合理的な場合もあります。



また、税務上の取り扱いについても、工事内容によって「修繕費」と「資本的支出」の判断が異なるため、税理士などの専門家へ確認することが重要です。その上で私が感じているのは、インフレによって建築費が高騰している現在は…



「節税のために建て替えるか」ではなく、「投資した資金を将来どのように回収するか」



という視点が以前にも増して重要になっているということです。建物の状態や立地、市場環境によって最適解は異なります。



しかし、建物を活かせる条件が揃っているのであれば、建て替えの前にリノベーションという選択肢を検討する価値は十分にあると私は考えています。

 

5.弊社アパートでリノベーションを実施した結果


弊社アパートでリノベーションを実施した結果


繰り返しになりますが、私は1993年築20戸のファミリー向けアパートを所有し、2018年から空室となった住戸を順次リノベーションしています。



その結果、リノベーション部屋については従前より家賃を8〜10%引き上げて募集しているものの早期成約が続き、アパート全体の入居率は2020年以降95%以上を維持しています。



リノベーションでは、白を基調とした明るい内装や自然素材を取り入れた空間づくり、カフェスタイルキッチンなどを採用しています。



▶弊社の空室対策リノベーション事例は、関連記事「空室対策リノベーション成功事例紹介」でも紹介しています。



単に設備を新しくするのではなく、20〜30代の女性やカップル、新婚世帯が「住んでみたい」と感じる空間づくりを意識したことが、収益改善につながった要因の一つだと考えています。



また、第4章でお伝えしたように、2024年からデッドクロスの状態に入りましたが、アパートローンの借り換えによって毎月の返済負担を抑えていたことに加え、高い入居率を維持できていたため、税負担は増加したものの資金繰りが悪化することはありませんでした。



一方で、家賃を8〜10%引き上げただけでは投資回収に時間がかかるため、「本当にリノベーションを行う意味があるのか」と疑問に感じる方もいるかもしれません。



しかし所有するアパートは賃貸空室率が高いエリアにあるので、リノベーションを行わず競争力が低下したままでは、将来的な空室増加や家賃下落のリスクが高まると考えました。



リノベーションの目的は、単に家賃を上げることではありません。築年数が経過しても選ばれる物件として競争力を維持し、長期的な収益改善につなげることを目的としています。



リノベーション資金


また、リノベーション資金についても、現在と同じ方法を最初から選んでいたわけではありません。

1回目のリノベーションでは、メインバンクからプロパー融資を受け、返済期間10年で工事を実施しました。



▶リノベーション資金の調達方法については、関連記事「賃貸リノベーションで使えるアパートリフォームローンとは?負担を減らすローン活用術」で詳しく解説しています。



ただ当時は現在ほど収益が安定しておらず、リノベーション後も成約までに約10か月を要しました。そのため、2回目のリノベーション資金を相談した際には、融資担当者から「プロパー融資は難しい」と言われ、日本政策金融公庫を活用した代理貸付を提案されました。



その後、3回目のリノベーションを計画した際に、甲府市の制度融資を紹介されました。この融資は保証協会への保証料が必要になるものの…



  • 利子補給制度があるため実質金利は約1.0%


  • 返済期間は7年


  • 固定金利



であることから、日銀の利上げ局面でも返済額が変わらないというメリットがあります。これまで複数の融資制度を利用してきましたが、現在は資金調達コストや返済計画のバランスを考え、制度融資を活用しながらリノベーションを継続しています。


リノベーションで注意すること



私がリノベーションを続ける中で強く感じているのは、貸主の好みだけで工事内容を決めてはいけないということです。リノベーション物件を選ぶ方の多くは、入居後に自分の好きな家具や雑貨を配置し、自分らしい暮らしを楽しみたいと考えています。



そのため、貸主の趣味やデザインへのこだわりを強く反映し過ぎると、かえって入居希望者とのミスマッチが生じる可能性があります。白を基調とした内装を採用しているのもそのためです。



白をベースにすることで、韓国風、北欧風、ナチュラルテイストなど幅広いインテリアに合わせやすくなり、入居者自身が好みの空間をつくりやすくなります。



リノベーションは部屋をきれいにすることが目的ではありません。借主・仲介会社・貸主の三者にとってメリットのある空間をつくることで、はじめて空室対策や収益改善につながると考えています。


6.まとめ


今回は、築20年以上のファミリー向けアパートがインフレ時代にリノベーションを検討すべき理由、建て替えとの違い、貸主が判断する際のポイントについてお伝えしました。


築年数が経過したアパートは、設備や間取りが現在のライフスタイルと合わなくなることで競争力が低下し、空室が増えやすくなります。また近年は物件供給の増加によって借主の選択肢も増えており、原状回復だけでは選ばれにくい時代になっています。



一方で、インフレによる建築費や人件費の上昇によって、新築アパートは以前より高い家賃設定が必要になっています。そのため、「新築だから完成前に満室になる」とは言い切れない状況になりつつあり、家賃と住環境のバランスを重視してリノベーション物件を選ぶ方も増えています。



実際に私が所有する1993年築20戸のファミリー向けアパートでも、2018年から空室対策リノベーションを進めた結果、リノベーション部屋は従前より家賃を8〜10%引き上げながら成約し、2020年以降の入居率は95%以上を維持しています。



もちろん、すべての物件でリノベーションが最適解になるとは限りません。建物の状態や立地、地域需要によっては建て替えや売却が合理的なケースもあります。



しかし、建物を活かせる状態であり、今後も賃貸需要が見込めるエリアであれば、建て替えを急ぐ前にリノベーションによる収益改善を検討する価値は十分にあります。



築20年以上のアパートを所有している貸主様は、「築古だから仕方ない」と考えるのではなく、現在の入居者ニーズに合わせたリノベーションによって競争力を高められないか、一度検討してみてはいかがでしょうか。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年・98年に祖父が建設した計4棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと劇的に改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」と「満室継続」を同時に達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

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