近年では賃貸空室率が全国的に問題となっていることから、築年数が経過している物件の中には空室率を改善させるためにリノベーションを積極的に展開している所が多くなってきています。
ただ部屋の顔ともいうべきキッチンや間取りなど重点部分はしっかりとリノベーション対応しているものの、浴室部分に関しては費用が嵩むこともあり、意外に手を付けていない物件が多いのが現状です。
水回り部分は築年数以上に古さが目立ちやすいため、仮にリノベーションしても浴室が現状のままの状態では、集客上不利になってしまいます。
弊社物件は築年数が経過しているため、2018年から空き部屋を随時リノベーションしています。フルリノベーションしている部屋については、家賃値上げ目的としていることから浴室のリノベーションも行っています。
リノベーションを行った浴室は内見時における反響がとても高く、早期成約に結び付けることに成功しています。
また弊社物件ではリノベーション個所を限定的にすることで、家賃を据置にして募集している部屋もあります。
そちらの浴室はワンポイント交換のみの対応となっていますが、水栓などを変えることで古さを軽減させることができ早期成約させることに成功しています。
本投稿は弊社で人気のリノベーションルームを例に浴室のリノベーションに焦点を当てて、こだわりやポイント、費用感についてお伝えいたします。
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▼目 次
【本記事でお伝えする結論】
"浴室リノベーションで重要なポイント”
1.人気リノベーションルームの浴室紹介
弊社が浴室をリノベーションする際、下記のポイントを大切にしています。
一般的に浴室リノベーションする方法としては、全体交換(システムバス導入)/部分交換(壁の張替えなど)がありますが、弊社では後者を選択しています。
上記の理由は部分対応しても古さは全く感じられず、さらに全体交換と比べると費用を抑えることができるため、費用対効果がとてもいいからです。
家賃据置の部屋においては、シャワー水栓/鏡のみ交換しています。
2.浴室リノベーションのメリット・デメリット
1)浴室リノベーションのメリット
古さが感じられなくなる
賃貸に設置されてある浴室は、基本的にシステムバスとなっています。しかし年数が経過してくるとキッチン同様に「見た目的に古さ」がでてしまいます。
▶キッチンの見た目に関する詳細は、過去記事をご覧下さい。
特に女性は、清潔感が感じられないとそれだけ忌避してしまいます。
しかし、どちらもしっかりとリノベーションを施し、古さを軽減することさえできれば、築年数が経過していたとしても受け入れられ、入居の決め手の一つになります。
入居促進につなげられる
お部屋探しをされる方は、基本的に希望条件に合致した複数の物件を内見します。その際、ファミリー物件を探している方は、水回りは非常に気にされています。
女性はキッチン同様浴室も重要視しているため、キッチンはリノベーションしているのに浴室は何もしていないとなると、それだけで心が萎えてしまい他の物件に流れてしまう可能性が高くなります。
しかし浴室のリノベーションをしている物件は、そんなに多くはないためリノベーション時にしっかりと対応しておくと相対的に優位となり入居促進や早期成約に繋げやすくなります。
2)浴室リノベーションのデメリット
費用が高額になってしまう
浴室リノベーションの唯一のデメリットはコストが高くなってしまうことです。浴室リノベーションする場合、部分的に交換する方法と全体を変える方法の2つの選択肢があります。
部分的に変える方法とは、床/壁/天井を張り替えるもしくは塗装する方法が一般的で、費用的にはおおよそ20万円程度となります。
一方、全体を変える方法としては「システムバスそのものを導入」する方法があります。
築年数が経過している物件の浴室は0.75坪が多いのですが、システムバスを導入することによって1坪/1.25坪に広げることも可能です。
ただし、システムバス導入となると既存浴室を一旦すべて壊さないといけないことから、時間と手間がかかり、工事費含めて最低でも50万円はかかってしまいます。
浴室リノベーションを行うことで資産価値が上がるため家賃値上げは十分可能です。ただし目安としては従前家賃の10%以内です。
その理由は、リノベーション物件に入居検討している方は「新築のような暮らしをしたいけど家賃帯も抑えたい」と考えているからです。
上記グラフをご覧ください。
弊社物件ではリノベーション後に従前家賃より最大で10%値上げして募集しています。
同エリア内の新築2LDKの家賃相場(弊社と同じぐらいの専有面積の部屋)は7.8万円(2023年1月19日現在)となっていることから、新築物件に入居したいが家賃予算的に厳しい/抑えたい方は弊社物件を選択した方がオトクになります。
しかし、もし弊社リノベーション物件の家賃を従前より20%値上げしてしまと、毎月の家賃は7.2万円となってしまいます。
新築物件の家賃とそれほどの差異がなければ、部屋探しをされている方は「築年数で判断」してしまう可能性が高く、それではリノベーションをした意味合いが薄れてしまいます。
3)弊社が浴室リノベーションを行う理由
リノベーションを本格的に展開しようとした背景には、「従来の空室対策に限界を感じた」という理由があります。
弊社物件は、競合他社物件と比べると退去リフォーム(壁紙交換など)を積極的に行っていたこともあり、これまで空室期間が長期化することは殆どありませんでした。
しかし、2017年の繁忙期募集部屋が殆ど埋まらず、追い打ちをかけるように3月末に転勤による退去が2件発生してしまい、一気に赤字に転落してしまいました。
▶弊社物件が赤字転落してしまった詳細は、過去記事をご覧下さい。
赤字転落してしまった際、今までの空室対策では今後集客していくことが難しいと判断し、より効果的なリノベーションへと舵を切ることを決断。
試行錯誤の上2018年に初のリノベーションブランド:エレガントルームを立ち上げ、フルリノベーションをした部屋の募集を行いました。
▶弊社リノベーションブランドの詳細は、プレスリリースをご覧下さい。
集客ターゲット層に沿ったカフェスタイルリノベーションを行ったこともあり、間違いなく早期に集客することができると自信をもって募集しました。しかし繁忙期に募集したのに関わず成約になったのは、なんと半年以上先の10月でした。
どうして部屋が埋まらなかったのか?
その理由はとても簡単でした。浴室に関して全く手を加えていなかったからです。
シャワー水栓は最新のものに交換したものの、それ以外は何ら対応していませんでした。せっかくキッチンや洗面台をカフェスタイルにしても浴室がリノベーションされていなければ家賃値上げしても内見された方は納得できるはずもありません。
あまりにも長期間空室が続いていたこともあったため、最終的には数千円値引きしてようやっと成約させることができました。
第1弾のリノベーション部屋の成約が長期化になってしまったことについて、競合他社物件をくまなく調べた所、リノベーション物件の浴室はあまり手を加えていないことに気づきました。
そこで別部屋をリノベーションを行う際、浴室を部分リフォームした所、1回目のリノベーション部屋と比べると成約期間が大幅に短縮させることができ、これ以降フルリノベーションを行う部屋においては浴室リフォームを行うようになっていきました。
3.古い賃貸は浴室リノベーションを行うべき?
1)家賃値上げを必ずしたいのであれば必須
部屋探しされる方は、希望条件に合った複数の物件を内見しています。
先述の通り競合他社リノベーション物件では、浴室リノベーションを施していません。家賃値上げ+早期成約させたいのであれば、浴室リノベーションを行い差別化を徹底するしか方法はありません。
水回り部分のリノベーションを行うことによって、募集家賃以上の付加価値をつけることができます。そのため家賃値上げがしやすくなり、内見される方も納得して入居していただくことが可能となることから、借主貸主双方にとってプラスとなります。
2)浴室リノベーション費用を抑えるコツとは?
浴室リノベーション費用を抑えるなら、部分リフォームをするしか方法はありません。
弊社で浴室リノベーションする際には、浴槽はそのまま活用し、壁/天井/床に水回り専用シートを施工しています。
シートを施工するだけとなるため、工期はわずか1日で終了し、さらに費用に関してもシステムバスと比べて3分の1程度となるため、コストパフォーマンスに優れています。
施工会社担当者の話によると、シートの寿命は使用状況によって差異はあるものの、概ね10年は持つとのことです。退去時にシートが劣化してしまっても劣化した部分のみ張替えすることが可能となることから、退去リフォーム費用を抑えることができます。
貸主の中には、予算の都合上浴室リノベーションを行えない可能性もあります。そのような場合にオススメのリフォーム方法があります。それは、浴室のシャワー水栓/鏡/電球を変える方法です。
築年数が経過している物件の浴室水栓は、2ハンドル混合栓が設置されているケースが多いです。
いわゆる「ひねるタイプ」の水栓は、時代を感じさせるものであることから、この水栓があるだけで浴室イメージが悪くなってしまいます。
そこでリフォームする時にはサーモシャワー混合栓に変えるだけでも、浴室イメージががらりと変わってきます。また鏡も少し大きめのものに変えるだけで、浴室が広く見える効果が期待でき、費用もそれほど掛からないためオススメです。
更に裏ワザとしては、リフォームの時に浴室電球をLEDに変えると効果的です。
長年使用していた電球は当然ながら新しいものと比べると明るさに歴然の差が出てしまいます。
LED電球(ルーメンが高いもの)に変えることで浴室全体がとても明るくなるため、ワンポイント交換だけでも、十分古さを軽減させることができます。
ただ上記リフォームをする場合、1点だけ注意が必要です。
シャワー水栓だけ交換しても、リノベーション対応した浴室と比べるとデザイン性や清潔感では、完全に劣ってしまいます。
そのため、上記リフォームを行う場合には家賃は現状維持のままでしないと、弊社が一番最初に行ったリノベーション部屋と同様に、集客上苦戦することが予想されます。
▶弊社リノベーションの失敗例(浴室以外)に関しては、過去記事をご覧下さい。
4.浴室リノベーションの反響は?
弊社物件の浴室広さは0.75坪となっているので、近年施工された新築物件の浴室と比べると、若干浴室は狭い印象となってしまいます。
しかし、リノベーション時において部分リフォームをしっかりと行っていることから、内見者/借主からの反響はものすごく高いです。
浴室リノベーションに関して、数名の借主からヒアリングしても利便性や機能性に全く問題ないと回答して頂いたことから、無理してシステムバスを導入しなくてもしっかりと部分リフォームを行えば集客上何ら問題がない事がわかりました。
5.まとめ
今回は弊社アパート人気№1リノベーションルームの浴室についてお伝えしました。冒頭にお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
賃貸リノベーションで浴室対応している物件はほぼないため、対応することで資産価値が高くなり家賃値上げがしやすくなる。
浴室リノベーションすることによって、貸主・借主双方にとってプラスとなる。
費用捻出が難しい場合、家賃据置で募集するのであれば、ワンポイント交換だけでも入居促進につなげられる。
築年数が経過してくると設備も古くなってしまうため、そのままの状態で貸し出してしまうと空室対策上不利になってしまいます。
ただ今回ご紹介した弊社浴室リノベーションは、システムバス導入と比べると3分の1程度の予算で対応することができ、集客上においても有利になることから早期に客付けをしたいと考えている貸主にはオススメです。
ファミリー物件では水回りを強化しないと成約に持ち込むことはできません。女性たちにとってキッチン/洗面台/浴室はとても重要な設備で内見時に利便性+機能性に納得できなければ成約は難しくなります。
しかし本記事で触れた内容をしっかりと対応することができれば多少家賃が高いと思われても納得して成約してもらえるため、長期入居して頂ける可能性も高まります。
▶弊社リノベーションルーム詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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