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賃貸リノベーションのタイミングで人気設備を導入すべきか?


築年数が経過した賃貸物件をリノベーションする際、「せっかく工事をするなら、人気設備も一緒に導入した方がいいのでは?」と考える貸主は多いのではないでしょうか?



リノベーションによって部屋の競争力を高め、さらに入居者から支持されている人気設備を充実させれば、賃貸検索サイトの検索でも有利になりやすくなります。



しかし人気設備を導入すると、設置費用だけではなく、将来の交換費用や月々の利用料金などが発生することがあります。



そのため、人気設備を導入するかどうかは、入居者ニーズやエリア特性、競合物件との比較、ランニングコスト、家賃への反映可能性などを総合的に確認したうえで判断することが重要です。



本記事では、賃貸リノベーションのタイミングで人気設備を導入すべきか、その判断方法について解説します。


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▼ 目次




【本記事でお伝えする結論】


  • 人気設備は検索や比較で有利になる一方、導入すれば必ず早期成約できるわけではない。


  • 人気設備は、入居者ニーズ・競合状況・導入費用・維持費などを確認して必要なものを選ぶことが重要。


  • リノベーションでは人気設備の数を増やすことを目的にせず、ターゲットに合った室内づくりを優先したうえで、必要な設備を選ぶことが重要。


1.なぜリノベーションを機に人気設備の導入を検討する貸主が多い?


なぜリノベーションを機に人気設備の導入を検討する貸主が多い?


リノベーションのタイミングで人気設備の導入を検討することには、一定の合理性があります。



全国賃貸住宅新聞社では、全国の不動産会社を対象としたアンケートをもとに、毎年「入居者に人気の設備ランキング」を発表しています。



2025年の「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」ランキングでは、ファミリー向けの上位に「エントランスのオートロック」「高速インターネット(1Gbps以上)無料」「インターネット無料」「宅配ボックス」などがランクインしています。



このランキングは、実際に賃貸物件の仲介・管理に携わる不動産会社へのアンケートをもとにしているため、現在の入居者ニーズを把握するうえで参考になるデータのひとつとなります。



また賃貸検索サイトでは、入居希望者が希望する設備条件を指定して物件を絞り込むことができます。



そのため人気設備を導入することで、設備条件を指定した検索で比較対象に入りやすくなったり、競合物件と比較された際の訴求材料になったりする可能性があります。



さらにリノベーションでは、間取りや水回り、内装などを現在のライフスタイルに合わせて見直しますので、このタイミングで入居者ニーズの高い設備も一緒に導入すれば…



「リノベーションによる室内の改善」+「人気設備による利便性の向上」



という両面から物件の魅力を高めることができます。



このように考えると、リノベーションと同時に人気設備を導入することには一定のメリットがありますが、人気設備を充実させれば、それだけで早期成約できるとは限りません。



次章では、人気設備が充実している新築物件を例に考えてみます。




▶人気設備ランキングについては、関連記事「2025年全国賃貸住宅新聞社から人気設備ランキングが発表されました。」をご覧ください。



2.人気設備が充実した新築物件なら早期成約できる?


人気設備が充実した新築物件なら早期成約できる?


近年の新築賃貸物件では、現在のライフスタイルに合わせた間取りや仕様に加え、インターネット無料やオートロック、宅配ボックス、浴室換気乾燥機など、入居希望者から支持されている設備を導入しています。



そのため、「人気設備を充実させること」が早期成約の決定的な要因であれば、新築物件は建物完成前後に成約しやすいと考えるのが自然です。しかし実際には、設備が充実した新築物件であっても、必ず早期成約できるわけではありません。



理由のひとつとして考えられるのが、家賃と入居希望者の予算とのバランスです。近年は建築費や人件費などが上昇する一方、新築賃貸の募集家賃も上昇傾向にあります。





一方、入居希望者は毎月支払える住居費の上限があります。そのため、人気設備が充実している新築物件であっても、募集家賃と入居希望者の予算が合わなければ、設備の充実だけで成約につなげることは難しくなります。



ただし、賃貸市場の状況はエリアによって大きく異なります。



人気設備を備えた新築賃貸物件でも、東京23区と山梨県では賃貸需要の違いにより入居状況が異なるイメージ



弊社物件を管理している大手管理会社の担当者によると、東京23区内では賃貸需要が強く、新築物件でも比較的早期に満室になるケースがあるとのことです。



また、先ほど紹介したアットホームの調査では、東京23区の賃貸マンション・アパートの募集家賃が高い水準で推移していることが確認できます。



一方、弊社物件がある山梨県では賃貸住宅の空室率が全国平均より高く、エリアや募集条件によっては、人気設備を備えた新築物件でも建物完成後に募集が続いているケースを実際に確認しています。



もちろん、これは山梨県内のすべての新築物件に当てはまる話ではありません。立地、間取り、家賃、募集時期、競合物件などによって成約状況は異なります。



ただ、「新築+人気設備」という条件がそろっていても、それだけで早期成約が保証されるわけではないことは分かります。



つまり人気設備は、物件の競争力を高める要素のひとつではあるものの、最終的には家賃、立地、間取り、室内の魅力などを含めた総合的なバランスが重要になります。



これは、新築物件の代替として検討されることがあるリノベーション物件でも同じです。



そのためリノベーションを行う際も、「人気設備だから導入する」と考えるのではなく、自分の物件では何に予算をかければ入居ターゲットから評価されやすいのかを考える必要があります。


3.弊社が人気設備を必要最小限にしている理由


弊社が人気設備を必要最小限にしている理由


弊社では1993年築のファミリー向け賃貸アパートを所有しており、2018年から空室を順次リノベーションしています。



しかし、人気設備ランキングで上位に入っている設備をすべて導入しているわけではありません。弊社物件の場合…



  • 高速インターネット(1Gbps以上)無料:未導入

  • インターネット無料:未導入

  • エントランスのオートロック:未導入

  • 宅配ボックス:導入



となっています。インターネット環境は、入居者自身が好きなプロバイダと契約できる「インターネット接続可」となっています。一方、宅配ボックスは2024年に導入しました。



それではなぜ弊社では人気設備の導入に慎重なのか、その理由をお伝えします。


人気設備よりリノベーションによる差別化を優先


人気設備よりリノベーションによる差別化を優先


弊社では、人気設備を数多く導入することよりも、入居ターゲットを明確にしたうえで、リノベーションによって競合物件との差別化を図ることを優先しています。



前章でもお伝えしたとおり、弊社物件がある山梨県は賃貸住宅の空室率が全国平均より高く、周辺には築年数や間取りが近い競合物件もあります。



そのため、人気設備を追加するだけではなく、主な入居ターゲットである20~30代のカップルや新婚世帯から「住みたい」と思ってもらえる室内づくりに予算を優先的に配分しています。



実際に、人気設備を数多く導入していない弊社物件でも、2020年以降は年間入居率95%以上を維持しています。



▶築年数が経過した賃貸物件で、リノベーションによって競合物件との差別化を図る考え方については、関連記事「空室対策リノベーション完全ガイド」をご覧ください。



人気設備はランニングコストと費用対効果も確認


人気設備はランニングコストと費用対効果も確認


また弊社が人気設備の導入に慎重なのは、導入後のランニングコストと費用対効果も重視しているからです。



例えば、現在インターネット無料は多くの物件で導入されていますが、毎月の使用料金は入居の有無なく貸主が回線業者やプロバイダに支払っています。また最近では築年数関係なくインターネット無料物件が多くなってきているので、毎月の費用をそのまま家賃や共益費へ反映できるとも限りません。



さらにインターネットの通信品質は、サービス内容や回線方式、利用状況などによって異なるため、設備を導入すれば必ず入居者満足度が高まるとは限りません。



こうした点を考慮し、弊社ではインターネット無料を導入するよりも、室内のリノベーションへ予算を配分することを優先しています。



宅配ボックスは費用対効果と差別化を考えて導入


宅配ボックスは費用対効果と差別化を考えて導入


一方、宅配ボックスについては考え方が異なります。



弊社物件には共用廊下があるため、そのデッドスペースを活用し、各世帯分の宅配ボックスを設置しました。導入費用はかかりますが、採用した宅配ボックスは設置後に月額利用料が発生するものではありません。



また、入居者や宅配業者から実際に設置要望があったことも、導入を決めた理由のひとつです。



一般的な集合住宅では、宅配ボックスの設置数は総戸数の30~40%程度が目安とされています。一方、弊社では全20戸それぞれに宅配ボックスを設置しているため、設置率は100%です。



そのため、共用の宅配ボックスがすべて使用中で荷物を受け取れないといった状況が発生しにくく、「各世帯に1台ずつ宅配ボックスがある」という点そのものが、競合物件との差別化につながると考えています。



このように弊社では、人気設備ランキングの順位だけを基準に設備を追加するのではなく、実際の入居者ニーズ、導入費用、ランニングコスト、競合物件との差別化などを確認したうえで導入を判断しています。



少なくとも弊社の運営実績からは、人気設備の数だけで物件の競争力が決まるわけではなく、入居ターゲットに合わせて部屋全体の価値を高めることも重要だと考えています。



▶宅配ボックスを導入した理由について関連記事「宅配ボックス設置は、空室対策に効果的?」をご覧ください。


▶人気設備より室内クオリティーを優先している理由について関連記事「人気設備ランキングに騙されるな!空室対策で設備投資より室内クオリティーを優先すべき理由」をご覧ください。



4.それでも人気設備を導入した方がよいケース


それでも人気設備を導入した方がよいケース


ここまでお伝えした内容だけを見ると、「リノベーションでは人気設備を導入しなくてもよい」と感じるかもしれませんが、そういう意味ではありません。



物件やエリアによっては、リノベーションのタイミングで人気設備を導入した方が集客上有利になるケースがあります。特に、次のような場合は導入を検討する価値があります。


入居者から具体的な要望がある


入居者から具体的な要望がある


実際に入居している方から、特定の設備について繰り返し要望が出ている場合は、その物件における需要を判断する重要な材料になります。



弊社でも、実際の入居者から寄せられた要望を設備投資の判断材料のひとつにしています。もちろん、要望があった設備をすべて導入する必要はありません。



しかし、同じ設備について複数の声が寄せられているのであれば、費用対効果などを確認したうえで、導入を検討する価値はあると考えています。



全国的な人気設備ランキングだけで判断するのではなく、自分の物件を実際に利用している入居者から、どのような設備が求められているのかを確認することも重要です。


その設備がないことで集客上不利になっている


その設備がないことで集客上不利になっている

管理会社や仲介会社から、「このエリアではこの設備がないと紹介しにくい」「内見者からこの設備がないことを指摘されることが多い」など、募集や内見に影響している具体的な情報がある場合は、設備の導入を検討する材料になります。



ただし、一社からの意見だけで判断するのではなく、可能であれば複数の仲介会社から話を聞き、競合物件にその設備がどの程度導入されているか確認することも重要です。



周辺の競合物件で標準的に導入されている設備であれば、それは「差別化するための設備」ではなく、比較対象から外れないために必要な設備になっている可能性があるからです。


費用対効果が期待できる


最終的には部屋のクオリティーの高さ

入居者からの需要が確認でき、比較的少ない費用で導入できる設備であれば、導入を検討する価値があります。



特にリノベーションと同時に施工することで、単独で工事するよりも施工の手間や費用を抑えられる設備については、工事のタイミングで検討しやすくなります。ただし、導入費用だけで判断するのではなく…



  • 導入後の維持・修理・交換にかかる費用

  • 家賃や募集条件への反映が可能か

  • 問い合わせや内見の増加につながる可能性があるか

  • 長期的に入居者から必要とされる設備か



なども確認することが重要です。例えば、数十万円をかけて設備を導入しても、家賃や集客への効果がほとんど期待できず、さらに維持費や交換費用が継続的に発生するのであれば、弊社では優先順位を下げます。



反対に、比較的少ない投資で入居者の利便性を高め、募集時の弱点を補えるのであれば、導入するメリットは大きくなります。



つまり、「人気設備だから導入する」のではなく、「投資する費用に対して、自分の物件にどのような効果が期待できるのか」まで確認して判断することが重要です。


5.まとめ


今回は、賃貸リノベーションのタイミングで人気設備を導入すべきかについてお伝えしました。



人気設備は、賃貸検索サイトで比較対象に入りやすくなったり、入居者の利便性を高めたりするメリットがあります。しかし、それだけで物件の競争力が高まり、早期成約につながるとは限りません。



大切なのはランキングを見て設備を増やすことではなく、自分の物件の入居ターゲットが本当に必要としている設備を見極め、費用対効果を確認したうえで選ぶことです。



そしてリノベーションで最も重要なのは、設備の数ではなく、入居ターゲットから「ここに住みたい」と思ってもらえる室内をつくることです。



限られた予算を人気設備だけに使うのではなく、間取り・水回り・内装などのデザイン性や機能性を高め、部屋そのものの価値を高めることを優先したうえで、必要な設備を選択することが重要だと弊社では考えています。



▶弊社が実際にリノベーションによって入居率や収益を改善してきた実績については、「空室対策リノベーション実績」をご覧ください。





今回ご紹介した内容は、私自身が1993年築のアパートを運営する中で実践し、試行錯誤を重ねながら取り組んできた空室対策です。



しかし、「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件でも活用できるのか判断できない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。



そのような場合は、(有)山長の無料相談をご利用ください。






空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年に祖父が建設した3棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

▶︎まずはお気軽にお問い合わせください

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