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敷金礼金無料は、賃貸繁忙期に本当に有利か?


毎年1月~3月は新生活に向けて多くの方が部屋探しを行います。そのため同時期は賃料や初期費用が高くなるものの、需要の高さから早期成約が期待できます。



しかし近年の賃貸市場は借り手有利な状況が続いており、特に初期費用を可能な限り抑えたいと考える方が増えています。そのため一部の物件では空室対策の一環として、繁忙期であっても敷金と礼金を無料に設定して募集を行っていることがあります。



本投稿は賃貸繁忙期において、敷金と礼金を無料とした場合、本当にその効果が期待できるかについて、解説します。


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▼ 目次



【本記事でお伝えする結論】


  • 初期費用が抑えられれば、節約できた分を引っ越し費用などに充当できるため、早期成約が期待できる。


  • 賃貸繁忙期において、敷金や礼金を無料して募集しても、部屋全体のクオリティーが高くなければ、反響につながらず、大きな効果は見込めない。


  • 弊社では2018年から空き室を順次リノベーションを行い、敷金と礼金は無料としているが、借主からヒアリングから、入居の決め手は初期費用の安さより部屋全体のクオリティーの高さが重視されていることが分かった。



1.賃貸繁忙期とは?


賃貸繁忙期とは?


本題に入る前に、賃貸繁忙期について簡単におさらいしたいと思います。賃貸繁忙期とは、新年度が始まる4月に向けて、多くの方が部屋探しを行うため需要が集中し、入居申込が一気に増える時期のことです。



毎年1月~3月は、賃貸業界にとっては最大の書き入れ時となるため、大手管理会社ではテレビコマーシャルを使った入居促進キャンペーンを積極的に展開しています。



賃貸繁忙期の最大のメリットは、需要が高まるため賃料や初期費用を値下げしなくても部屋が埋まりやすい点です。


▶退去が発生した際に行うべきポイントについては、過去記事をご覧下さい。



2.敷金と礼金を無料にするメリット


敷金と礼金を無料にするメリット

敷金とは入居時に貸主に預け入れる担保金みたいなもので、礼金は入居に対する謝礼金として、賃貸業界では長くから根付いている商習慣です。



敷金は基本的に、家賃滞納や夜逃げなどが発生しない限り、退去時に返還する費用であるため、借主に賃料支払い能力があれば必ずしも必要な費用ではありません。しかし、礼金は貸主の収入に直結するため、無料にしてしまうとデメリットと感じやすくなってしまいます。



初期費用が安ければ入居促進効果が高まる
株式会社ウチコミ リリースより

借主が契約時に支払う初期費用の相場は、一般的に賃料の4か月~6ヵ月とされています。ただし、賃貸繁忙期は同時に引越し業界の繁忙期とも重なるため、引っ越し費用が高額になります。



さらに新生活に向けて家具や家電を購入する方は多くなることを踏まえると、初期費用を抑えたいと考えるニーズは相当数いるはずです。



実際に、株式会社ウチコミが調査したところによると、初期費用が安ければ多少希望条件とは異なっても候補として検討すると回答した方が約8割いることが明らかになっています。


▶株式会社ウチコミが発表したリリースは、こちらをご覧下さい。


敷金と礼金は貸主判断で無料にできる

もし敷金と礼金が無料になっていれば、その分を引っ越し費用や家具家電費用に充当することができるため、仲介担当者にとっても内見時のクロージングがしやすくなるので、成約につなげやすくなります。



早期に部屋が埋まれば、礼金が設定していなくても実質的な費用対効果が見込めるため、結果として貸主と借主双方にとって大きなメリットが生じます。



また、契約時に家賃保証会社に加入することにより、入居中に賃料滞納や夜逃げが発生したとしても、保証会社から代位弁済が行われるため、敷金を設定しなくても貸主側に大きな不利益が発生することは殆どありません。


▶家賃保証会社の詳細は、過去記事をご覧下さい。




3.敷金と礼金無料は、賃貸繁忙期において本当に有効か?


敷金と礼金無料は、賃貸繁忙期において本当に有効か?

敷金と礼金を無料にすることで、初期費用の削減につながるため、特に賃貸需要が高まる繁忙期に設定することで入居促進効果が期待できそうに思われますが、現実的には必ずしもそうとは限りません。



賃貸市場における物件供給の状況を考えると、新築物件は少ない一方で、築年数が経つにつれて供給量は増加しているが実情です。その中でも、築10年以内の物件は、年間を通じて供給自体が少なく需要も高いため、敷金や礼金が設定されていても、客付けに影響が出ることはほとんどありません。



しかし築10年を超えてくると、物件競争力や需要が低下しやすく、予算を気にされる方が徐々に出てくるため、敷金と礼金は見直すことで入居促進につながる可能性が高まります。




一方で築20年以上になると、物件設備や間取りの老朽化が目立ちがやすくなり、賃料を抑えたい方以外は積極的に入居したいとは考えません。また需要より供給の方が多いため、敷金や礼金を無料にしたり、適正賃料以下で募集しても、空室が長期化しやすい傾向になります。



つまり、賃貸繁忙期において敷金や礼金を無料にした場合、その効果が期待できるのは、築10年~20年の物件までで、築20年を超えると物件自体の競争力が低下してしまうため、無料にしても客付け効果は正直難しくなります。



4.繁忙期に効果的な空室対策とは?


繁忙期に効果的な空室対策とは?

繁忙期において空室を早期に埋めたいならば、築年数に応じたリフォームやリノベーションを検討されることをおすすめします。



多くの貸主は繁忙期に工期が長引くことを懸念し、リフォームやリノベーションをためらいがちになりますが、部屋探しをされる方の多くは、募集部屋の写真や間取りを重視していることがat-home、CHINTAIが発表したリリースより明らかになっています。



そのため物件自体に競争力がなければ、顧客の希望条件に合致していたとしても、避けられてしまうため結果的に空室が長期化しやすくなります。


▶at-home、CHINTAIが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。




▶リフォーム・リノベーションのタイミングの詳細は、過去記事をご覧下さい。



特に競争力が著しく低下している築20年以上の物件は、原状回復で募集するより適切なリフォームやリノベーションを行うことで、付加価値が高まるため、早期成約や賃料アップにつながるケースが多いです。


弊社リノベーション部屋

弊社ではファミリー向け物件を3棟所有していますが、築年数が経過しているため、2018年から空き室を順次リノベーションを行っています。



具体例として2024年1月末、約8年入居されていた借主が戸建て住宅へ住替えを理由に退去されました。この部屋はまだリノベーションを実施していなかったため、リノベーションを行ってから募集を開始する予定でしたが、退去数日後に内見が入り成約となりました。



弊社では法人契約以外は敷金と礼金は無料にし、さらに弊社公式サイト経由から内見~入居申込された方限定で、仲介手数料も無料にしています。



ただしこれまでの借主からのヒアリングから、入居の決め手となっているのは初期費用の安さより部屋全体のクオリティーの高さでであることがわかりました。そのため、繁忙期において確実に空室を埋めたいならば、魅力的な部屋を提供するのが最も効果的だといえます。


▶こちらの部屋の詳細については、過去記事をご覧下さい。




▶弊社リノベーションの詳細は、過去記事をご覧下さい。


5.まとめ


今回は賃貸繁忙期において、敷金と礼金を無料とした場合、本当にその効果が期待できるかについて、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。



  • 初期費用が抑えられれば、節約できた分を引っ越し費用などに充当できるため、早期成約が期待できる。


  • 賃貸繁忙期において、敷金や礼金を無料して募集しても、部屋全体のクオリティーが高くなければ、反響につながらず、大きな効果は見込めない。


  • 弊社では2018年から空き室を順次リノベーションを行い、敷金と礼金は無料としているが、借主からヒアリングから、入居の決め手は初期費用の安さより部屋全体のクオリティーの高さが重視されていることが分かった。



賃貸繁忙期において、敷金と礼金が無料になっていると、部屋探しをされる方にとっては、初期費用を抑えられる大きなメリットになるので、希望条件に合えば内見につながる可能性は高まります。



しかし部屋探しをされる方は平均3件内見して比較・検討するため、部屋全体のクオリティーが低いと判断されると他の物件に流れてしまうリスクは高くなります。



そのため、特に築20年以上経過している物件は、適切なリフォームやリノベーションを行うことで物件の競争力が高まり、敷金と礼金が無料にすることでオトク感が増すため、繁忙期中の早期成約は十分期待できます。




今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。


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空室対策コンサルタント 有限会社山長
有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)

アパート経営、空室対策コンサルタント


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