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フロアタイルとクッションフロアの違いとは?クッションフロアへ全面変更した理由と8年間の検証結果


築年数が経過したアパートのリフォームやリノベーションを計画する際、室内の印象を大きく左右する床材選びは、空室対策の成否にも影響する重要なポイントです。



賃貸物件ではフロアタイルとクッションフロアがよく採用されますが、「デザイン性を重視すべきか」「コストや防音性を優先すべきか」と悩む貸主も少なくありません。



弊社でも当初はフロアタイルを採用していましたが、廃番リスクや生活音対策などを踏まえて、2019年以降はリノベーションする全室をクッションフロアへ変更しました。さらに約8年間の運用結果を検証したところ、床材選びに関する新たな知見を得ることができました。



本記事では、フロアタイルとクッションフロアの基本的な違いを整理するとともに、弊社アパートで実際に床材を変更した理由や、その後の運用結果を交えながら、空室対策における床材選びの考え方を詳しく解説します。


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▼ 目 次




【本記事でお伝えする結論】


  • フロアタイルとクッションフロアは、それぞれ特徴が異なるため、施工費だけでなく建物構造や維持管理、入居者層まで考慮して選ぶことが重要。


  • 弊社では廃番リスクや生活音への配慮から、2019年以降は全室クッションフロアへ変更し、実際の運用結果を踏まえて現在も採用している。


  • 約8年間の運用検証では、クッションフロアでも通常のクリーニングで再募集できた事例があり、床材は実績を踏まえて判断することが大切。


1.賃貸床材リフォームで迷う「フロアタイル」と「クッションフロア」の違い


フロアタイルとクッションフロアの基本情報


床材ひとつで室内の印象を大きく左右するため、賃貸リフォームやリノベーションする際には非常に重要なポイントになるものの…



  • 見た目重視で選ぶべきか

  • コストや耐久性を優先すべきか



で悩む貸主は少なくありません。特に原状回復や長期的な維持管理までを考えると、床材ごとの特徴をあらかじめ理解しておくことが重要になってきます。



ここでは賃貸物件で床材を張り替える際、よく採用されるフロアタイルとクッションフロアの違いについて、分かりやすく解説します。



なお弊社では、この後紹介する実際の運用結果を踏まえ、2019年以降は全室クッションフロアへ変更しています。まずは両者の特徴を確認していきましょう。



1)フロアタイルとは?


フロアタイルについて

フロアタイルとは塩化ビニール素材で作られたタイル状の床材のことです。



1枚ずつ床に敷き詰めながら施工するため、手間がかかりますが、非常に高い意匠性を持っています。そのため近年ではフロアタイルを採用する物件が増加しています。フロアタイルのメリットとデメリットをまとめると以下の通りとなります。


フロアタイルのメリット


  • デザイン性の高さ:木目や大理石などの凹凸(リアルな質感)が再現されており、一見すると本物と見違えるぐらいクオリティーが高い床材です。


  • 優れた耐久性:床自体が硬いため、重い家具を置いても設置跡が残りにくく、キズや経年劣化にも強いです。耐用年数は約10~15年のため張り替え頻度を抑えやすくなります。


  • 部分交換が可能:万が一張り替えが発生しても、対象箇所を差し替えることができるため、コストパフォーマンスが高いです。


フロアタイルのデメリット


  • 初期コストの高さ:1枚ずつ施工するため、クッションフロアと比べると、平米単価が2倍以上高くなります。


  • 防音性の低さ:素材が硬くクッション性がないため、特に階下への足音が響きやすくなります。


2)クッションフロアとは


クッションフロアについて


クッションフロアとは塩化ビニール素材で作られたロール状の床材のことです。部屋の大きさに合わせて施工することができます。メリットとデメリットをまとめると以下の通りとなります。

クッションフロアのメリット


  • 施工費を抑えやすい:ロール状で一気に施工できるため、床材リフォームの中では比較的費用を抑えやすいです。


  • 耐水性と適度なクッション性:つなぎ目が少ないため水が下にしみにくく、また適度なクッション性があるため、歩行時の衝撃をやわらげることが期待できます。


クッションフロアのデメリット


  • 耐久性が低い:素材自体が柔らかいため、冷蔵庫などの重い家具を置くと、くっきりと設置跡が残ってしまいます。また耐用年数は約6~10年でフロアタイルと比べ短めです。


  • 部分補修が難しい:大きなキズや穴が発生した場合、部分補修が難しくなるため、基本的には全面張り替えとなります。


3)一目でわかる!コスト・耐久性・デザイン性の比較


フロアタイルとクッションフロアの特徴を比較すると、以下の通りとなります。


フロアタイル


クッションフロア


タイル状(ピース状)

形状

ロール状


約4,000円~

㎡当たりの施工単価

約2,200円~


高い(リアルな質感)

デザイン性

表面はプリント印刷


比較的強い(凹まない)

耐久性

弱い(家具跡が残りやすい)


低い

防音性

高い

(歩行時の衝撃を和らげる特徴がある)


1枚単位で部分交換可能

原状回復のしやすさ

基本的に全面張り替え


(※施工費は弊社の施工事例をもとにした目安であり、施工面積、下地の状態、施工会社などによって異なります)

▶床リノベーションの費用対効果を詳しく知りたい方は、過去記事をご覧ください。



▶フロアタイルとクッションフロアなど、賃貸床材の基本的な種類や特徴については、過去記事をご覧ください。



2.一般のDIYとは違う!貸主が床材を選ぶ3つの判断基準


フロアタイルとクッションフロア、床リフォーム時適切なのは?


賃貸物件の床材を張り替える際は、一般住宅のDIYとは異なり、見た目や施工費だけでなく、賃貸経営に与える影響まで考える必要があります。貸主が確認したい主なポイントは、次の3つです。



  • 退去時の修繕費


  • 内見時の印象


  • 生活音への配慮



床材によって、初期費用、維持管理のしやすさ、室内の見え方は異なります。ここでは、空室対策として床材を選ぶ際に確認したい3つの判断基準を解説します。


1)初期費用vs退去時の原状回復コスト


初期費用vs退去時の原状回復コスト


床材を選ぶ際、「目先のコスト」だけで選んでしまうと長期的に損をする可能性があります。一般的なDIYならば、コスト最優先で全く構いませんが、賃貸経営では「原状回復時のコスト」まで見据える必要があります。



フロアタイル


初期費用は高めですが、耐久性がとても高く、キズや汚れに強いのが特徴です。



万が一経年劣化や部分的な破損が発生しても、「1枚単位で部分交換」が可能なため、退去後の貸主負担となる原状回復費用を最小限に抑えることができます。



クッションフロア


フロアタイルに比べ初期費用を大幅に抑えられるメリットがあります。



ただ素材自体が柔らかいため、家具などの設置跡がつきやすく、広範囲に日焼けや破損が発生すると、基本的に全面張り替えを余儀なくされるため、結果的にコストが増えるリスクがあります。



床材を張り替える際には、目先の施工費だけではなく、5年後、10年後の退去時に「いくら修繕費がかかるのか」といった長期的な視点を持つことが重要です。


▶原状回復とリフォームの違いを整理したい方は、過去記事をご覧ください。


2)内見時の印象への影響


入居率の影響:内見時の見栄えと家賃帯のバランス


床材の色や質感は、部屋全体の印象を左右する要素のひとつとなります。



フロアタイルは、本物のフローリングに近い質感を表現しやすく、デザイン性や耐久性を重視したリノベーションで採用されることがあります。



一方、クッションフロアはフロアタイルと比べると耐久性やデザイン性で劣る商品もありますが、色柄や周囲の建具・壁紙との組み合わせを工夫することで、清潔感や明るさのある空間を演出できます。



築年数が経過した物件では、壁紙だけを明るくしても、濃い色の床が残ることで室内全体が暗く見える場合があります。そのため、床材を変更するかどうかは、現在の床の状態や内装全体のバランスを確認した上で判断することが重要です。


3)上階からの生活音・騒音リスクへの配慮


借主トラブル防止:上階からの生活音・騒音リスク対策


床材を選ぶ際は、デザインや費用だけでなく、階下へ伝わる生活音にも配慮することが重要です。



株式会社Alba Linkが集合住宅の入居者500人を対象に行ったアンケートでは、騒音に悩んだ経験がある人が多く、上階からの足音も代表的な悩みとして挙げられています。



また、LIXIL住宅研究所の調査でも、「上階の足音や声が響く」が賃貸住宅に対する不満として最も多く、築年数が経過した物件ほど、防音(遮音)性への不満が増える傾向が示されています。



近年では、デザイン性や耐久性の高さからフロアタイルを採用するケースが増えています。一方で、床材だけで生活音の問題を改善できるわけではなく、建物構造や床下地なども影響します。



そのため、貸主が床材を選ぶ際は、デザイン性や費用だけでなく、建物の構造や住環境も踏まえて検討することが重要です。




3.【実録】所有アパートでフロアタイルからクッションフロアへ全面変更した理由と結果


【実録】所有アパートでフロアタイルからクッションフロアへ全面変更した理由と結果

では、実際に床材を変更すると、賃貸経営にどのような変化があったのでしょうか?



ここからは、弊社が所有するアパートで床材を変更した経験をもとに、変更した理由、内見時の反応、約8年間使用した後の状態をご紹介します。



1)フロアタイルの廃番と築年数による生活音対策


フロアタイルの廃番と築年数による生活音対策


弊社が床材を見直した理由は、大きく分けて2つあります。1つ目は、フロアタイルの廃番です。



フロアタイルは1枚ずつ施工するため、破損した場合でも必要な部分だけ交換できることから、維持管理の面で大きなメリットがあります。



しかし、次のリノベーションでも同じ商品を使用しようとしたところ、メーカーの廃番により入手できなくなっていました。



廃番リスクを避けるためには、施工時に余分に発注して保管しておく方法もあります。ただ、将来的には床材全体を張り替える可能性もあることを考えると、弊社ではこの方法は費用対効果が高いとは判断しませんでした。



この経験から、フロアタイルの大きなメリットである「部分交換によって維持費を抑える」という考え方は、商品の廃番によって成り立たなくなる場合があることを学びました。




2つ目は、生活音への配慮です。



弊社物件は軽量鉄骨造です。以前、管理会社の協力のもと、同じ棟の1階と2階がともに空室だった際に、管理担当者に2階で通常より強めに歩いてもらい、私は1階で音の伝わり方を確認しました。



その結果、想像以上に階下へ音が響いており、日常的に続けば入居者の負担になる可能性があると感じました。



もちろん、これは空室時に行った一例であり、実際の生活で同じ状況になるとは限りません。しかし、建物構造によっては歩き方などで生活音が伝わりやすいことを踏まえ、床材を張り替える際はデザイン性だけでなく、生活音への配慮も重要だと考えました。



こうした経験を踏まえ、弊社では2019年以降にリノベーションする部屋について、居室の床材を原則としてクッションフロアへ変更しています。



▶床材廃番失敗のエピソードについては、関連記事「【2022年】実体験をもとに賃貸リノベーション失敗と対策を解説」で詳しく紹介しています。



2)白系クッションフロアへ変更後の内見時の反応


当初はフロアタイルを採用していました
当初はフロアタイルを採用していました

白系のクッションフロアを採用
白系のクッションフロアを採用

懸念していたのは、クッションフロアがフロアタイルと比べて安っぽく見えないかという点でした。そこで弊社が採用したのが、白系の木目調クッションフロアです。



フロアタイルと比べると表面の質感や立体感には違いがありますが、白系の床材へ変更したことで、従来の濃い色の床よりも室内を明るく開放的に見せることができました。



また内見時には、単なるコスト削減ではなく、室内の明るさや生活音への配慮を踏まえて採用した床材であることを説明しました。



その後、弊社物件では、フロアタイルを採用していた時期と比べて内見後の成約につながりやすくなりました。ただし、成約にはキッチン、洗面台、間取り、家賃、募集時期など複数の要因が関係するため、床材の変更だけによる結果とは考えていません。



▶白系クッションフロアを採用した実際のリノベーション事例については、関連記事「【2025年】弊社アパート人気No.1リノベーションルームを大公開」をご覧ください。



3)【検証】クッションフロアは本当に耐久性が低い?8年後のリアルな状態

【検証】クッションフロアは本当に耐久性が低い?8年後のリアルな状態

2025年1月末、約8年間入居されていた方が、戸建て住宅への住み替えに伴い退去されました。この部屋は、もともと3LDKでしたが、約8年前に2LDKへ間取りを変更した際、床材としてクッションフロアを採用しました。



退去後に室内を確認したところ、家具を設置していた箇所には凹みが見られました。一方、目立つ日焼けや大きな破損はなく、通常のクリーニングを行うことで、床材を張り替えずに再募集できる状態を保っていました。



これは弊社物件における一事例であり、すべてのクッションフロアが同じ状態を維持できるとは限りません。床材の状態は、商品の仕様や日当たり、家具の設置状況、入居期間、使用方法などによって変わります。



ただし今回の結果から、一般にフロアタイルより耐久性が低いとされるクッションフロアでも、使用状況によっては約8年間使用した後も、全面張り替えをせずに再募集できる場合があることが分かりました。



この実際の運用結果を踏まえ、弊社では現在も住宅用クッションフロアを継続して採用しています。


4.【結論】空室対策リノベーションではどちらを選ぶべきか?


【結論】空室対策リノベーションではどちらを選ぶべきか?


弊社物件での経験と、それぞれの床材の特徴を踏まえて、床材を選ぶ際の考え方を整理します。



結論として、フロアタイルとクッションフロアのどちらが適しているかは、施工費だけでは判断できません。建物構造、床下地、施工する場所、想定する入居者層、内装デザイン、将来の維持管理まで含めて検討する必要があります。


1)フロアタイルが向いている物件


フロアタイルが向いている物件

デザイン性を重視する部屋


フロアタイルは、木目や石目などの質感を表現しやすいため、内装全体のデザイン性を重視するリノベーションで検討しやすい床材です。

部分補修を想定している部屋


傷んだ部分を1枚単位で交換できる点はメリットです。ただし、弊社が経験したように商品が廃番になる可能性もあります。将来の部分補修を重視する場合は、予備材を保管しておく方法も考えられます。

キズへの配慮が必要な部屋


表面が比較的硬い商品は、家具跡や引っかき傷への対策として選択肢になります。ただし、ペット可物件で使用する場合も、商品ごとの耐傷性や滑りやすさを確認することが必要です。


2)クッションフロアが向いている物件


クッションフロアが向いている物件

初期費用を抑えながら内装を明るくしたい


クッションフロアは、フロアタイルと比べて施工費を抑えやすく、色柄の選び方によって室内の印象を変えられます。

トイレ、洗面脱衣所などの水回り


耐水性があり、継ぎ目を少なく施工できるため、水回りで広く使用されています。

上階からの生活音を抑えたい場合


クッション性があるため、特に上階からの生活音に配慮したい場合は選択肢の一つになります。ただし、実際の遮音性能は床材単体では判断できないため、下地や施工方法を含めて確認することが重要です。



▶なお、床材選びは空室対策リノベーション全体の一要素です。キッチン・洗面台・間取り変更などを含めた全体の考え方については、「空室対策リノベーション完全ガイド」で詳しく解説しています。



5.まとめ


今回は、賃貸リノベーションの実体験をもとに、フロアタイルとクッションフロアの違いや、それぞれの特徴、床材を選ぶ際の判断基準について解説しました。



フロアタイルとクッションフロアは、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。そのため、どちらが優れているかで判断するのではなく、建物構造や予算、将来の維持管理まで含めて、自分の物件に合った床材を選ぶことが重要です。



「何から始めればよいのかわからない」「自分の物件ではどちらの床材を選ぶべきか判断できない」「床材だけでなく、部屋全体のリノベーション方針について相談したい」という方は、お気軽に弊社の無料相談をご利用ください。





空室対策コンサルタント 有限会社山長

有限会社山長 長田 穣

取締役 長田 穣(オサダミノル)    空室対策コンサルタント


1993年に祖父が建設した3棟のアパートを、2007年に突如相続。当時は赤字経営に陥り、修繕費すら捻出できない絶望的な状況からのスタートでした。


暗中模索の中、2018年より独自の「高付加価値リノベーション」を本格開始。


その結果、2020年以降はリノベーション前の入居率77%から、年間平均95%以上へと大きく改善しました。築30年以上の物件ながら、周辺相場より10%以上高い家賃設定で「年間収入430万円アップ」を達成しています。


この逆転劇は『全国賃貸住宅新聞』などの業界メディアでも大きく取り上げられました。


現在は、山梨県内を中心に空室対策コンサルタントとして活動。自ら苦境を乗り越えた「大家の痛みがわかる専門家」として、コストを抑えつつ物件収益を最大化する、持続可能な満室経営をサポートしています。


あなたのアパート経営を支援させていただきます!


▶︎〒400-0053 山梨県甲府市大里町2090

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