【賃貸空室対策に効果的】築古アパートのリノベーションアイデア
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長

- 2月5日
- 読了時間: 13分
築年数が古くなると物件資産価値や競争力が低下し、適正賃料以下で募集しても客付けが難しくなりことがあります。
しかし近年では部屋探しの価値観が多様化し、個々のライフスタイルを重視する方が増えています。そのため築年数が古い物件でもリノベーションを施すことで競争力が向上し、入居率や収益性の改善が期待できます。
弊社物件も築年数が古いものの、顧客のニーズに応じた差別化リノベーションを行ったことで、2020年以降4期連続で増収増益を達成しています。
本投稿は、築年数が経過した物件を所有している貸主に向けた、空室対策に効果的な築古アパートのリノベーションアイデアについて、解説いたします。
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▼ 目次
【本記事でお伝えする結論】
部屋探しの多様化やライフスタイルを重視する方が増えたため、築年数が古くても、リノベーションを施せば、集客には影響しなくなった。
古くなったアパートをリノベーションすると、従前と比べ資産価値が高まるため、収益アップが期待できる。
弊社物件は築年数が古いため、2018年から空き室を順次リノベーションを実施。2年後から4期連続で増収増益を達成した。
1.築古アパートのリノベーションが空室対策に効果的な理由

築古アパートのリノベーションが空室対策に効果的である理由には、以下3つの要素が挙げられます。
築年数の許容範囲の変化
賃料がリーズナブル
顧客が求めるインテリアデザイン空間の提供
それではそれぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
築年数の許容範囲の変化

エイブルが20~30代男女400人を対象に、「賃貸物件の許容範囲」についてアンケート調査を実施したところ、新築物件を希望する方は全体の6%にとどまり、最も多かった意見は「築10年以内」「築15年以内」「築20年以内」の3つでした。
一方で「リフォームが施されていれば気にならない」「特に築年数にこだわりはない」と回答した方が3割を超えています。
この結果から、部屋を探している方は、必ずしも築年数に対して強いこだわりを持っていないこと、また築年数が古くてもリフォームを施すことで、部屋探しの選択肢が広がることが示唆されます。
▶エイブルが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
賃料がリーズナブル

築10年以内のアパートは、物件資産価値が高いため、賃料が高めに設定されています。また敷金や礼金が必要になるケースが多く、初期費用も高額になる傾向があります。
一般的に築年数が浅い物を選ぶ方は、賃料や初期費用の高さは気にしない場合が多いものの、予算面で断念する方が一定数います。
一方でリノベーション物件は、築年数こそ経過しているものの、内装や設備は新築同様に整備されており、快適な住環境が提供されています。また賃料は新築物件と比べて20%程度抑えられています。
近年のインフレによる実質賃金の伸び悩みを背景に、築年数に浅い物件に入居したいが賃料を抑えたいと考えている方にとって、リノベーション物件は非常に魅力的な選択肢となるため、入居促進につながりやすくなります。
顧客が求めるインテリアデザイン空間の提供

株式会社一条工務店が全国の男女1,097名を対象に「住まいのインテリアに関する意識調査」を実施したところ、以下のことが明らかになりました。
若い世代ほどインテリアに対する関心が高い
現在のインテリアに不満を抱いている方は半数を超える
賃貸物件の居住者の中には、好みのインテリアにできないことに不満を抱いている
部屋のインテリアに関して、約6割は女性の意見を反映している
賃貸物件は幅広い層に受け入れられるように、画一的な室内デザインとなっています。しかしリノベーション物件を検討する方は、自分の好みに合ったインテリアスタイルで暮らしたい志向が強いです。
このため、リノベーションを機にデザイン性が高い室内空間を提供することで、ニーズとマッチしやすく、さらに物件があるエリアはもともと好立地にある場合が多いため、早期に部屋が埋まりやすくなります。
▶一条工務店が発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
2.賃貸リノベーションによる費用対効果

リノベーションはリフォームと比べて費用が高額になりますが、その分費用対効果は非常に優れています。
従前と比べると、賃料の値上げが可能になるほか、空室期間の短縮や、契約更新時の賃料値下げ要求を避けられるといった効果が期待できます。
それでは、古くなったアパートをリノベーションすることによって得られる、具体的な費用対効果について、さらに詳しく見てきましょう。
賃料アップ効果

借地借家法に基づき正当な理由があれば、貸主は借主に対し賃料値上げを要求することができます。しかし値上げには双方合意が条件となるため、たとえ正当な理由があっても借主が拒否すれば、賃料の値上げはできません。
一方で、退去後のリノベーションを行うことで、物件の資産価値は従前よりも向上します。その結果、相場より高めの賃料設定しても、新築物件より安ければ、顧客は物件価値に納得しやすくなるため、客付けの影響はほとんどありません。
このことからリノベーションは、貸主が唯一できる賃料値上げ方法と言えるでしょう。
空室期間短縮効果

賃貸物件の平均的な空室期間は4か月前後と言われています。ただし募集のタイミングや立地、建物の築年数によって変動することがあります。
築年数が古いアパートをリノベーションすると、従前と比べて住環境が大幅に改善されます。特に部屋探しをする際に多くの方が重視する水回りがリニューアルされると、賃貸検索サイトで多くの反響が得られるようになります。
また内見時の第一印象も良くなるため、従前と比べると成約までのスピードが大幅に向上します。その結果、「賃料のアップ」と「空室期間の短縮」の2つの側面で収益が改善されるため、リノベーションの費用対効果を実感しやすくなると言えます。
▶部屋探しをされる方が、水回りを重視する理由については、こちらをご覧下さい。
賃料値下げ要求回避効果

近年の賃貸市場は、需要と供給が逆転しているため、全国的に空室率が悪化しています。特に築年数が古い物件は競争力が低下し、供給過多の状況です。
また原状回復程度のリフォームを行う物件が多いため、差別化が進まず、コモディティ化が加速しています。この結果、価格競争が激しくなり、相場の値崩れが起きやすい構造となっています。
賃料相場の下落は、現況賃料との乖離が発生し、契約更新時に借主から賃料値下げ要求が発生しやすくなります。
しかしリノベーションを行うことで、原状回復しかしていない同じ年数の物件と比べ資産価値が向上し、相場の影響を受けにくくなります。その結果、借主から賃料値下げ要求のリスクが軽減し、物件管理を強化すれば安定した賃料収入を確保しやすくなります。
3.【賃貸空室対策に効果的】築古アパートのリノベーションアイデア
アイデア①:水回りを一新

一般的に物件の築年数が20年を超えると、水回り設備の老朽化が深刻となり、そのままの状態で募集しても競争力が低下しているため、空室の長期化は避けられません。
しかし、リノベーションを機に水回りを一新すると、機能性や利便性が大幅に向上し、入居後も快適に暮らせられるため、早期成約が可能になります。
なお水回り設備を交換をする際には、標準的なグレードを選ぶことがポイントです。リノベーションは多額のコストがかかる上、賃料の値上げには限界があるため、高いグレードの設備を選ぶと、回収期間が長くなり、投資効率が低下する恐れがあります。

また水回りの移動については、顧客から確実に敬遠される「和式トイレ」「3点ユニット」「バランス釜」「洗濯機置き場は室外にある」場合を除いては、基本的に移動しなくても集客面で影響が出ることは少ないです。
加えて、築年数が古いファミリー向け物件には、壁付けキッチンが標準となっていますが、近年ではリビングの様子を伺いながら料理ができる対面キッチンが主流となっています。
ただキッチンの位置を変えなくても、最新キッチンが導入されていれば、特に問題はなく、またコストも抑えられるので効率的です。
▶水回りリフォームの詳細については、過去記事をご覧下さい。
アイデア②:顧客が好むインテリアデザイン

先程ご紹介した一条工務店のリリースによると、『賃貸物件に入居されている方の中には、好みに合ったインテリアにできないことに不満を感じている』方が一定数いることが明らかになっています。
視点を変えればリノベーションを通じて顧客が好むインテリアデザインに変更すれば、物件の魅力が高まるため、入居率の向上につながる可能性が示唆されます。
特にファミリー向け物件をリノベーションする場合、女性が部屋探しの主導権を握ることが多いため、温かみが感じられレイアウトがしやすい「シンプルナチュラル」や「北欧」スタイルを採用することで、入居後の生活スタイルがイメージしやすくなります。
▶顧客が好むインテリアデザインに関する詳細は、過去記事をご覧下さい。
アイデア③:間取り変更

築年数が古い物件が敬遠される理由の一つに、「競争力の低下」が挙げられます。
特に間取りがDKであったり和室があると、現代のライフスタイルと合わないことが多く、部屋探しをする方にとって、「入居後の暮らしに不安を感じやすい」状況になってしまいます。そのため適正賃料で募集しても空室が埋まりにくくなります。
しかしリノベーションを機にDKをLDKに変更したり、和室を洋室に変えることで、現代のライフスタイルに合った空間を提供できるようになり、物件の競争力が向上します。
ある程度の費用はかかりますが、対応することで早期成約が期待できることを踏まえると、費用対効果は非常に優れているといえます。
▶間取り変更によって得られるメリットについては、過去記事をご覧下さい。
アイデア④:収納力強化

ダイワハウスが発表したリリースによると、集合住宅に入居されている方の約7割は、備付収納に対して不満を感じていることが明らかになっています。
このことを受けて近年建設された新築物件では、多少居住スペースを削ってまでも一定の収納スペースを確保しています。一方で築年数が古い物件は、収納スペースが少なく、また容量も小さいため、後付けのハンガーラックや収納家具などを用意する必要があり、生活感が目立ちやすくなります。
しかしリノベーションを機に、一部の収納をクローゼットに変えたり、また壁面収納やオープンクロ―ゼットを新設、また玄関シューズボックスを入れ替えるなどの工夫を行うことで、収納力が大幅に向上し、利便性も高まります。
リノベーション物件の中には、意外と収納改善を行っていないこともあるので、収納力を強化することで内見時の印象が良くなり、成約率の向上につながります。
▶ダイワハウスが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
アイデア⑤:宅配ボックス

LIFULL HOME'Sが発表したリリースによると、部屋探しの際「宅配ボックス」を入居条件にして検索する方が約6割に達していることが明らかになりました。
同リリースの中で、宅配ボックス導入物件と非対応物件の賃料相場を比較したところ、導入済みの物件は月額13,000円高いことがわかりました。
近年建てられた新築物件では、宅配ボックスは設置されていますが、導入コストの高さから、特に築年数が古い物件では、導入されていないケースが圧倒的に多いのが現状です。
しかし宅配ボックスに対する需要の高さを考慮すると、リノベーションのタイミングで導入することで、付加価値がさらに向上し、早期成約の可能性も高まるため、費用対効果も期待できると言えるでしょう。
▶LIFULL HOME'Sが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
4.築古アパートのリノベーション事例

弊社物件は築年数が経過しているため、2018年から空き室を随時リノベーションしています。2026年1月末時点で全20戸中15戸リノベーション済みで全室満室となっています。
弊社リノベーションの特徴とまとめると以下の通りとなります。
キッチンと洗面台はオリジナルのカフェスタイル、浴室は内装と水栓と交換したリノベーションを行う
機能性とデザイン性を向上させるため、壁には自然素材の漆喰を施工
入居後のレイアウト考慮し、インテリアを白を基調としたシンプルナチュラルを採用
需要が少ない3DKと3LDKの部屋を2LDKに間取り変更することで、反響を高める工夫をしている
一部収納をクローゼット化、オープンクロ―ゼットを新設することで、収納容量を増やしている
玄関収納はリノベーションを機に最新のシューズボックスに変更
借主の要望に応え2024年秋に全室に宅配ボックスを設置

顧客が求める価値と弊社リノベーション物件が提供できる価値を明確にした結果、2020年以降4期連続で増収増益を達成し、2024年度は賃料収入が過去最高を更新することができました。
▶弊社リノベーションの詳細は過去記事をご覧下さい。
5.まとめ
今回は、築年数が経過した物件を所有している貸主に向けた、空室対策に効果的な築古アパートのリノベーションアイデアについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
部屋探しの多様化やライフスタイルを重視する方が増えたため、築年数が古くても、リノベーションを施せば、集客には影響しなくなった。
古くなったアパートをリノベーションすると、従前と比べ資産価値が高まるため、収益アップが期待できる。
弊社物件は築年数が古いため、2018年から空き室を順次リノベーションを実施。2年後から4期連続で増収増益を達成した。
リノベーションを行うことで資産価値が高まり物件競争力が向上します。しかしリノベーション物件を求めてる方の多くは室内機能性とデザイン性を重視しているため、単に設備を交換したりアクセントクロスを施工しただけでは、顧客が満足できる住環境とは言えません。
賃貸リノベーションで成功するならば、成約ターゲットのニーズに応じた部屋作りを行うことが求められます。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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