空室対策はリノベーションで解決できる?失敗しない判断基準と家賃アップ事例を公開
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長

- 4 時間前
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築20年以上の物件を所有している貸主の中には、家賃を値下げしても「空室が埋まらない」「反響が弱くなっている」と感じることが多くなると思います。
この理由は物件築年数が経過してくると、設備や間取りが現在のライフスタイルに合わなくなるため、従来の方法では競争力が低下しやすくなるからです。しかし、ここで安易に家賃を値下げしてしまうと、既存借主とのバランスも崩れてしまいます。
本投稿は、空室対策としてのリノベーションが本当に有効なのかを、判断基準と具体的な家賃アップ事例をともに解説します。
最後までお読みいただくと、リノベーションで「埋まる物件」に変え、収益性とキャッシュフローを同時に改善するための具体的な道筋が理解できます。
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▼ 目 次
【本記事でお伝えする結論】
空室が発生するのは築年数ではなく”選ばれる理由不足”が原因で、競合比較とターゲット設計を前提に、差別化リノベを行えば従前より家賃を10~20%値上げしても早期成約が可能になる。
築古アパートの空室は、「表装リフォームだけ」「ターゲット不在」「安易な値下げ」が主因で差別化不足と収益悪化を招く。ターゲットを明確にし、間取りや設備で選ばれる理由を作ることが重要。
空室対策として効果が出るリノベーションの条件は、「選ばれる理由」を明確に設計できるかどうか。この視点を持てば、競合との差別化が図れ、家賃アップと空室改善が可能になる。
リノベーションの判断基準について、回収期間に固執せずに「10年収支」で比較した方が良い。家賃設定は最大でも新築80%以下、従前10~20%増を目安にすればキャッシュフローは安定する。
リノベーションの成否は、「やりかどうか」ではなく「どの条件で判断するか」によって決まる。需要の有無や物件の状態、投資回収の見込み、この3つを冷静に見極めることが不可欠。
1.空室対策はリノベーションで本当に解決できるのか?

空室対策としてリノベーションは有効とされていますが、すべての物件で成果が出るわけではありません。
重要なのは「なぜ空室が続いているのか」という原因を正しく把握し、その上で適切な施策を選ぶことです。闇雲な改修ではなく…
競合との比較
ターゲット
市場動向
を踏まえた判断をすることが重要になります。ここでは空室が埋まらない本質的な理由と、リノベーションが機能する条件、失敗するケースを具体的に整理します。
1)空室が埋まらない本当の理由

空室が埋まらない最大の原因は築年数ではなく、競合物件と比較された時に「選ばれる理由がないこと」です。
築年数が20年以上で空室が続くと、多くの貸主は「古いから決まらない」と考えがちですが、現在の賃貸市場では条件の近い物件が一括で比較されるため、見た目や設備の差がそのまま選択結果に直結します。
つまり、築年数そのものよりも「第一印象」と「差別化の有無」が成約を左右しているのが実態です。
なぜこのようなことが言えるのかというと、部屋探しをされる方の多くは、SUUMOなどの賃貸検索サイトを利用し、掲載写真と希望条件だけで内見候補先を絞り込んでいるからです。
例えば、同一エリアで2LDK家賃5~6万円が複数掲載されている場合、内装や設備が古いままでは「内見したい」方は少ないため反響数が低下してしまいます。
実際にat-homeが発表したリリースによると、同サイト利用者の約半数以上が水回り写真を重視して確認しており、キッチンや浴室の印象が反響数に大きく影響することが分かっています。
▶at-homeが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
2)リノベーションが有効なケースと無効なケース

リノベーションは条件を正しく見極めれば空室対策として有効ですが、判断を誤ると投資回収が難しくなります。
まずリノベーションが有効なケースは、競合と差別化できる場合です。同じ築年数や家賃帯が多いエリアでは、内装や設備、間取りを現代のライフスタイルに合わせることで、競争力が向上していきます。
さらに成約ターゲットを単身者やカップルなどに明確化し、その層に合った設備や内装をとりいれれば、競争力はさらに増すため、従前より10~20%高くしても早期成約が可能になります。
一方でリノベーションを行っても無効になるケースもあります。例えば立地が極端に弱く賃貸需要が少ない場合や、間取りが致命的な欠点がある場合は、表面的な改修だけでは改善できません。
よくある失敗例として、高額な費用をかけて内装をきれいにしたものの、ターゲット設定が曖昧だったため、結果的に家賃を上げられず、回収に長期間かかるケースです。また壁紙の張り替え程度のリフォームでは、競合との差別化にはならないため、空室期間の短縮が難しくなります。
適切なリノベーションを行えば、家賃を値上げしても空室期間の大幅短縮(例えば空室6か月→1か月前後)が可能になるため、収益改善が期待できます。またクオリティーが高いリノベーションを施せば入居満足度が高まり長期入居につながるため、退去リスクの軽減効果も期待できます。
つまり、リノベーションは万能ではありませんが、条件を見極めて実施すれば、空室対策として大きな成果を生む手段となります。
▶空室対策リノベーションの考え方全体を整理したい方は、こちらも参考になります。
2.築古アパートの空室対策でよくある失敗とは?

築年数が経過したアパートの空室対策は「何をやるか」以上に、「やってはいけないこと」を避けることが成果を大きく左右します。実際に…
反響が取れない
成果につながらない
物件の多くは、共通した失敗パターンに陥っています。ここでは特に多い典型的な失敗事例を取り上げ、なぜ効果が出ないのか、その本質的な原因と改善の方向性を具体的に解説していきます。
1)表装リフォームだけで終わる

空室対策としてリフォームしているのに、入居が決まらない原因の多くが、表装リフォームに注力し競合物件との差別化ができていないことです。
築20年以上の物件を所有する貸主の多くは「とりあえず見た目を整えれば決まる」と考えがちですが、それは過去の話。現代の賃貸市場ではその考え方は通用しません。
貸主の中にはリフォーム利回りを重視して、リフォームをする箇所を限定していますが、そもそも築20年以上の物件は競争力が低下しており、さらに供給数も多いです。そのため設備や間取りを変えずに、内装のみリフォームし、入居希望者の条件に合致していたとしても…
どの部屋も同じ
設備や間取りが古臭い
と感じやすくなり、結果的に比較検討の中で選ばれず、家賃を値下げしても埋まりにくくなります。
弊社は1993年築のファミリー物件を3棟所有しており、2016年までは表装リフォームだけで早期成約を実現していました。しかし翌年の繁忙期、そのやり方が通用せずに、集客で大失敗してしまいました。
原因はシンプルで、市場環境の変化に対して戦略が追いついていなかったことです。この詳細については、過去記事をご覧下さい。
2)ターゲット不在の改修

築年数が古いアパートの空室対策でよくある失敗は、「成約ターゲットを明確にしないまま改修してしまう」ことです。リノベーション自体は有効な手段ですが、戦略を伴わなければ空室が長期化するリスクは十分にあります。
特に空室に悩む貸主ほど、「できるだけ多くの方に選ばれる物件」を目指してしまいがちですが、現代の賃貸市場ではこの考え方は逆効果になります。その理由は部屋探しをする方は、自分のライフスタイルに合った部屋を選ぶ傾向が強くなっているからです。
その結果、リノベーションを行っても反響が伸びず、空室期間が長引く原因になります。
例えば、単身者・カップル・ファミリーの全てを想定して改修した場合、間取りや設備がどの層にも最適化されず、結果として使いにくい部屋になってしまいます。カップルには収納が不足し、単身者には家賃が割高に感じられるなど、どの層にも中途半端な印象を与えてしまいます。
このような物件は内見数があったとしても成約率は低く、空室対策として失敗に終わるケースが多いです。つまり空室対策では「誰に貸すか」を決めることが最優先であり、それが収益性と入居率の改善に直結します。
3)安易な家賃の値下げ

空室対策として「家賃を値下げすればすぐに埋まる」と考える貸主は非常に多いですが、安易に値下げすると結果的に収益悪化を招くケースが少なくありません。
確かに家賃を下げることで賃貸検索サイトの反響数は増え、短期的には成約率も上がります。しかし現代の賃貸市場では、築年数の経過と共に物件供給数が増え、競争力が低下するため、1件が値下げすると価格競争が激化し、結果としてエリア全体の家賃水準が下がることにつながります。
さらに見落とされがちなリスクとして、同一物件内で家賃差が生じると、既存借主から「同条件なのに家賃が違うのは不公平だ」とクレームが発生しやすくなる点です。契約更新時に家賃減額を求められるリスクが高まり、一度の値下げが全体の収益構造を崩してしまう可能性があります。
また相場より低い家賃帯で募集してしまうと、入居審査のハードルが下がることになるため、結果として滞納や騒音などの管理トラブルが増えることにもつながります。これにより退去率や原状回復コストが増え、さらに収益性が悪化する悪循環に陥る可能性があります。
空室対策として本当に重要なのは、家賃を下げることではなく、競合物件と比較されたときに「選ばれる理由」をつくり、適正家賃を維持しながら成約につなげる戦略を持つことです。
▶家賃値下げは一時的に反響を増やしても、長期的には収益悪化を招くことがあります。詳細については過去記事をご覧下さい。
3.空室対策として効果が出るリノベーションの条件

リノベーションをしても結果に差が出てしまうのは、「どのような設計をしたか」で成果が大きく変わるからです。
単に内装や設備を新しくするだけでは不十分で、収益につながる視点で全体を設計できるかが重要な分岐点となります。
ここでは、空室対策として実際に効果を生むリノベーションの条件を、「選ばれる理由」「家賃アップ」「差別化」の3つの観点から具体的に解説していきます。
1)「選ばれる理由」を作る設計

空室対策でリノベーションを検討する際、多くの貸主が「何をすれば埋まるのか分からない」と悩みます。その原因は、内見者が物件を選ぶ基準を正しく捉えていないことにあります。
現代の賃貸市場は、築年数よりも「生活のしやすさ」や「見た目の印象」が重視されており、ここを外してしまうと競合物件に埋もれてしまいます。
例えば、築20年の2LDKでも、収納が不足していると内見時にマイナス評価となりやすく、逆にクローゼット化や見せる収納を設けることで、同じ家賃帯でも印象は大きく変わります。
また内装の印象は成約率に直結します。白をベースにした配色は、内見時に明るく広く見える効果があり、第一印象の向上につながります。実際に、写真や内見時の印象が良い物件は反響が増えやすく、競合より先に選ばれえる傾向があります。
さらに宅配ボックスなど現代のライフスタイルに合った設備を導入することで、古い物件でも利便性の面で評価を高めることができます。
よくある失敗は、設備や内装を部分的に改善するだけで、全体の統一感や使い勝手を考えていないケースです。その結果「きれいだが決め手がない部屋」になり、空室が長期化します。
一方で、顧客目線で「ここに住みたい」と思える部屋であれば、相場より高い家賃でも選ばれやすくなります。つまりリノベーションで重要なのは単なる改修ではなく、選ばれる理由を具体的に設計することです。
▶築年数だけではなく、選ばれる理由の有無が成約を左右する背景は、過去記事でも解説しています。
2)家賃アップが可能な改修内容

リノベーションで家賃アップを実現できるかどうかは、どの部分に投資するかで大きく変わります。多くの貸主は「どこを改修すれば家賃が上がるかわからない」と悩みますが、結論としては顧客満足度に直結する部分に投資することが重要です。
特に水回り設備は影響が大きく、キッチンや洗面台の機能性を向上することで、日常の使いやすさが改善され、物件全体の評価が上がります。
例えば、古いキッチンのままでは同じ家賃帯の物件と比較されて不利になりますが、使い勝手の良いシステムキッチンに変更することで、月5,000円~10,000円の家賃アップが現実的になります。また間取り変更も効果的です。
特に近年では3LDKの賃貸需要は減少し、広いリビングを求める傾向が強いため、2LDKへ変更することでLDKの広さを確保しつつ、競合との差別化が可能になります。
よくある失敗は、コストをかけたにもかかわらず家賃に反映できない改修です。例えば内装だけに100万円以上投資しても、生活の利便性が変わらなければ内見者は納得しないため家賃は上がりません。
一方で、借主が日常的に使う設備に投資すれば、体感価値が上がるため、結果としても家賃アップと早期成約につながります。適切な改修を行えば、空室期間の短縮と収益改善の両立が可能になります。
3)差別化できるコンセプト設計

空室対策としてリノベーションを成功させるためには、コンセプト設計が不可欠。多くの物件が埋まらない理由は、ターゲットに対して魅力が伝わっていないことにあります。
内見者は「自分の暮らしに合うかどうか」で物件を選ぶため、誰に向けた部屋なのかが曖昧だと選ばれにくくなります。
例えば、20~30代カップルを成約ターゲットにする場合、明るく統一感のある内装や使いやすいリビング空間が重視されます。このとき、アクセントクロスに奇抜な色を使うと、家具やインテリアと合いにくくなり敬遠される可能性があります。
一方でライトグレーやベージュなどの落ち着いた色を採用すれば、どんなインテリアにも合いやすく、内見時の印象も良くなります。
よくある失敗は、デザイン性を優先しすぎるあまりターゲットを無視してしまうことです。その結果、「おしゃれだけど住みにくい部屋」となってしまい、成約率が低くなります。
最終的に空室対策として効果が出るリノベーションの条件は、「選ばれる理由」を明確に設計できるかどうかにあります。この視点を持つことで、競合との差別化が図られ家賃アップと空室改善を同時に実現できます。
4.家賃アップは可能か?収益改善シミュレーション

リノベーションによる家賃アップを検討する際、多くの貸主が「本当に収益は改善するのか」と不安を抱きます。
重要なのは、単純に家賃増額だけで判断するのではなく、空室期間や運営コストを含めた「総合的な支出」で考えることです。
ここでは回収期間の考え方から現実的な家賃アップの水準、さらにキャッシュフローがどのように改善されるかを具体的な数値をもとに解説していきます。
1)リノベ費用と回収期間の考え方

リノベーションで家賃アップを狙う際、多くの貸主が悩むのが「本当に回収できるのか」という点です。回収期間が長期化すればキャッシュフローを圧迫してしまうため、経営判断としては失敗になります。
一般的には、3年~5年で回収できるかが一つの目安とされ、計算式は「リノベーション費用÷年間の家賃総額分」です。
例えば100万円をかけて月1万円の家賃アップができた場合、年間12万円の増収となり、回収には約8年かかります。このケースは一見成立しているように見えますが、回収が長すぎると判断されることが多く、結果としてコストを削り中途半端な改修になってしまいます。
しかし重要なのは短期回収ではなく、長期保有を前提に「原状回復のまま」と「リノベーション後」の収支を比較する視点です。例えば空室期間が年間6か月から2か月に短縮されれば、それだけで年間数十万の機会損失を防げます。
単純な改修年数ではなく、10年スパンでの総収益で判断することが、収益改善の精度を高めるポイントになります。
2)家賃アップの現実ライン

家賃アップがどこまで可能かは、多くの貸主が知りたいポイントですが、結論から言えば物件があるエリアとリノベーション内容によって、10%~20%程度が現実的なラインです。
ただし、どれだけリノベーションしても、その価値は新築物件を超えることが難しいため、値上げの上限は新築の8掛け以内に抑えないと、顧客からは「割高」と判断され逆効果になります。
例えばエリア内の新築2LDKが10万円の場合、リノベーション物件は8万円以内に抑える必要があります。これを無視してしまうと、内見者は同じ家賃帯の築浅物件を選ぶため、反響が極端に落ちる可能性があります。
▶家賃アップの詳細については、過去記事をご覧下さい。
3)キャッシュフロー改善の仕組み

空室対策としてのリノベーションが収益改善につながる理由は、単に家賃アップだけではなく、複数の要素が組み合わさるためです。まず家賃アップにより月々の収入が増え、レントロール全体の底上げが可能になります。
さらに競争力が高まることで空室期間が短縮され、年間で見た収入ロスが大きく減少します。
例えば月6万円の部屋が6ヵ月空室だった場合、年間36万円の機会損失になりますが、リノベーションにより空室期間が2ヵ月に短縮されれば、損失は12万円に抑えられます。年間24万円の差となり、家賃アップ以上に大きな効果を生みます。
また設備を更新することで、従前と比べて突発的な修繕費が減少し、支出の予測が立てやすくなります。さらに融資を活用すれば手元資金を温存でき、利息を経費計上することで税負担の軽減も期待できます。
これらが重なることでキャッシュフローは安定し、経営の安全性が高まります。
結果として、適切なリノベーションを行えば家賃アップは十分に可能であり、空室損失の削減と合わせて収益全体を改善することができます。重要なのは数字ではなく、長期的な収支バランスで判断することです。
▶リノベーションを成功させるには、家賃アップだけでなく資金繰りまで含めた設計が重要になります。詳細は過去記事をご覧下さい。
5.空室対策としてのリノベーション実例

弊社は1993年にファミリー向けアパート3棟を建て賃貸経営を始めました。弊社は競合物件と比べるとリフォームに注力していたため、相場より高めの設定でも早期に部屋が埋まっていました。しかし2017年の繁忙期、空室が殆ど埋まらず赤字になってしまいました。
原因は水回り設備を全くリニューアルしなかったため、設備の古さだけが残り「家賃が高い物件」の印象が強くなってしまったからです。
そこで2018年から、競合物件との明確な差別化を図るべく、自然素材を用いたカフェスタイルに特化したリノベーションを段階的に実施しました。

フルリノベーション部屋は家賃を60,000円~62,000円から66,000円へ約8~10%引き上げ、さらに部分リノベーション部屋(セカンドライン)も用意しました。
当初は相場より1万円以上高い設定だったため、ポータルイサイトでの反響は少なく、初回成約まで焼く6か月を要しました。
しかし公式サイトを開設しホームページやSNSを使って、ターゲット訴求を強化した結果、2020年以降は成約期間が1~2か月へ短縮し、空室期間も最大1年から1か月前後へ改善しました。
成功要因は、20~30代女性にターゲットを絞り、無垢材を使ったオリジナルのカフェスタイルキッチンや漆喰など明確な価値を持たせた点です。
山梨県は全国平均と比べると空室率が高く、築20年以上の物件が多いエリアですが、適切なリノベーションを施せば家賃アップと空室改善は両立できます。つまり、空室対策としてのリノベーションは「誰にどんな価値を提供するか」を明確にすれば、安定した収益と長期入居を実現できる有効な手段です。
▶弊社空室対策リノベーション実績の詳細は、過去記事をご覧下さい。
6.リノベーションをやるべき判断基準

リノベーションを検討すべきかどうかは、明確な判断基準で見極めることが重要です。条件を誤れば投資回収が難しくなり、経営リスクを高める可能性があります。ここでは実務上の判断基準を整理します。
リノベーションを検討すべき物件の特徴
「今後も一定の賃貸需要があり、再生余地がある物件」は、リノベーションを検討すべきです。具体的には、築20~30年で構造的な問題がなく、今後も長期保有を前提にしている物件は、建て替えよりも低コストで価値向上が可能であり、収益改善につながる可能性が高いです。
また表装リフォームでは反響が落ちているものの、エリアに一定の賃貸需要がある場合は、重要なサインです。これは市場から受け入れられていないのではなく、「選ばれる理由が弱いだけ」の状態であるため、リノベーションによって改善余地は十分にあります。
リノベーションを検討すべき物件の特徴
一方で、賃貸需要が今後期待できない、または再生コストが高すぎる物件は、リノベーションを避けるべきです。代表的なのは構造的な欠陥が見つかり、大規模修繕に多額の費用がかかるケースです。例えば…
耐振性に問題がある(特に1981年前に建てられた物件)
給排水管の全面交換が必要
などの場合、数百万円単位の追加費用が発生する可能性があるため、リノベーションで家賃を値上げしても回収が厳しくなります。
さらに注意が必要なのは、エリア自体の賃貸需要が低下している場合です。人口減少や学校や企業の撤退などがあると、賃貸需要は一気に低下してしまいます。そのためどれだけリノベーションしても成約につながりにくくなってしまいます。
判断を誤らせないための重要なポイント
リノベーションの成否は、「やりかどうか」ではなく「どの条件で判断するか」によって決まります。需要の有無や物件の状態、投資回収の見込み、この3つを冷静に見極めることが不可欠です。
7.まとめ
今回は、空室対策としてのリノベーションが本当に有効なのかについてお伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認してみましょう。
空室が発生するのは築年数ではなく”選ばれる理由不足”が原因で、競合比較とターゲット設計を前提に、差別化リノベを行えば従前より家賃を10~20%値上げしても早期成約が可能になる。
築古アパートの空室は、「表装リフォームだけ」「ターゲット不在」「安易な値下げ」が主因で差別化不足と収益悪化を招く。ターゲットを明確にし、間取りや設備で選ばれる理由を作ることが重要。
空室対策として効果が出るリノベーションの条件は、「選ばれる理由」を明確に設計できるかどうか。この視点を持てば、競合との差別化が図れ、家賃アップと空室改善が可能になる。
リノベーションの判断基準について、回収期間に固執せずに「10年収支」で比較した方が良い。家賃設定は最大でも新築80%以下、従前10~20%増を目安にすればキャッシュフローは安定する。
リノベーションの成否は、「やりかどうか」ではなく「どの条件で判断するか」によって決まる。需要の有無や物件の状態、投資回収の見込み、この3つを冷静に見極めることが不可欠。
空室対策で成果を出すには、築年数を理由に家賃を下げるのではなく、「誰に、どんな価値を提供する物件に変えるか」を明確にしたリノベーションが必須となります。
表装リフォームやターゲット不在の設備変更だけでは反響が伸びにくく、収益改善にもつながりません。
空室率が全国平均と比べて高い山梨県に物件がある弊社では、水回りや間取り、内装コンセプトを変えたことで、家賃を8~10%上げてさらに相場より1万円以上高い設定にしても、空室期間を6ヵ月超から1か月前後へ短縮でき、結果的に長期入居や修繕費の抑制させることにも成功しています。
築20年以上の物件を所有し、今後も賃貸需要が期待でき、また長期保有を検討する貸主は、一度ご自身の物件がリノベ―ション向きかどうか、具体的に見直してみてください。
今回ご紹介した内容を実践して頂ければ確実に効果は期待できますが、「こんなのどこから手をつけていいかわからない!」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
アパート経営、空室対策コンサルタント
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