賃貸リノベする際、ライフスタイルを意識しなければならない理由
- 空室対策リノベーション コンサルタント ㈲山長

- 2月9日
- 読了時間: 12分
更新日:2月10日
近年の賃貸市場では、部屋探しの価値観が多様化し、リノベーションが施されていれば、築年数の古さは集客上、あまり問題視されなくなっています。
その背景には、単に新しい建物よりも、個性的で自分のライフスタイルに合った暮らしを求める方が増えているからです。
リノベーションを成功させるためには、顧客のライフスタイルに合わせた部屋づくりが求められますが、リノベーションを初めて行う貸主からすれば「なぜそこまでライフスタイルにこだわらなければならないのか?」と疑問に思うかもしれません。
本投稿は、築年数が古い物件をリノベーションする際、ライフスタイルを意識しなければならない理由について、解説していきます。
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▼ 目次
【本記事でお伝えする結論】
賃貸リノベーションを行う際、顧客のライフスタイルを意識しなければならないのは、時代の流れとともに「住まいに対する価値観」が大きく変わるから。
適正賃料で募集しても、現代のライフスタイルやニーズに合わないと「住みにくい」と感じられるため、空室が埋まりにくくなる。
弊社物件は、2018年から顧客のライフスタイルやニーズに合わせたリノベーションを展開した結果、エリア空室率25%であっても、入居率と収益性の改善に成功している。
1.リノベーションする際に、ライフスタイルに合わせる理由

賃貸リノベーションを成功させるためには、顧客が求めるライフスタイルを反映した住空間を提供することが鍵となります。
初めてリノベーションに挑戦する貸主の中には、「内装や設備を更新すればいいのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかしそれは、リノベーションというより、単なる原状回復に近いリフォームになってしまい、リノベーションの目的やコンセプトから外れてしまいます。
リノベーションにおいて、顧客のライフスタイルを意識しなければならないのは、時代の流れとともに住まいに対する価値観が大きく変わっているからです。過去と現在を比較すると、その違いは明確に見えてきます。

例えば、1990年代から2000年代時かけて建てられたファミリー向けアパートは、壁付けキッチンや間取りがDKのが主流でした。
当時はダイニングとキッチンはあくまで「食事をするための場所」、「居間」は家族がくつろぐスペース、来客をもてなす場は「客間」で対応するのが当たり前だったため、部屋数が多い物件が人気を集めていました。
またかつては和室での生活が当たり前だったため、賃貸物件でも和室が設定され、それに伴い押入が標準的な収納スペースとして設置されていました。
しかし次第に一つの空間で家族とのつながりや、コミュニケーションを重視する考え方が広まり、ファミリー向け物件ではLDKのような開放的な間取りが定着しました。
さらに、洋式での生活様式が普及した現代では、賃貸物件を最も利用する若年層にとって、全室フローリング、クローゼット収納が常識となりつつあります。そのため室内に和室や押入があると、利便性を損なう要因になります。

つまりどれだけ設備や内装を変えたとしても、現代のライフスタイルやニーズに合わない部屋は、部屋を探す方にとっては「住みづらい」と感じてしまうため、適正賃料で募集しても賃貸検索サイトの反響も伸び悩み、空室を埋めることは難しくなります。
そのためリノベーションをする際には、顧客が求めている住環境へのアップデートが欠かせなくなります。顧客の暮らし方や価値観の変化を意識したリノベーションは、賃貸物件の魅力を再構築し、新たな顧客を呼び込む成功の秘訣と言えます。
2.具体的な賃貸リノベーション事例

弊社物件は、代表の祖父が相続税対策の一環として、1993年にファミリー向けアパートを3棟建てたことから始まりました。
2007年に相続により現代表が2代目のオーナーに就任。これまで表装リフォームを強化したことで早期成約を実現してきましたが、2017年の繁忙期、今までの空室対策がまったく通用しなくなり、客付けに失敗、赤字に転落してしまいました。
客付けの失敗について、弊社代表は、部屋の設備や間取りが現代のライフスタイルに適していないことが原因と分析。これを機にリフォームからリノベーションへと方針転換し、デザイン性と機能性を強化することを意識しました。
▶弊社がリノベーションへと方針転換した詳細については、過去記事をご覧下さい。
その結果、エリア空室率が25%と決して好条件とはいえない賃貸市場においても、2020年以降4期連続で増収増益を達成し、年間稼働率も95%以上と高い水準を維持することに成功しています。
それでは、弊社が実施したライフスタイルを意識したリノベーション事例をご紹介します。
ライフスタイルに合わせた間取り変更

1993年に建てられた弊社物件の当初の間取りは、3DK8戸、2LDK8戸、3LDK4戸という構成でした。3棟それぞれ異なる間取りとなっていたのは、恐らく多様なニーズに対応する目的があったと考えられます。
しかし最近では、リビングで家族とのコミュニケーションを重視する方や、少子化の影響でコンパクトな部屋を求めるニーズが増えたことで、3DKや3LDKの需要は減少傾向となっています。
そのため弊社物件では退去を機に、それぞれ2LDKに間取り変更を行っています。本執筆時である2026年2月9日現在、2LDKは18戸、3LDKは僅か2戸のみとなっています。
さらに2018年以降はさらにリノベーションを加え、白を基調としたシンプルなインテリアテイストにしたことで、借主自身のライフスタイルに合わせたインテリアコーディネートがしやすくなり、また部屋全体の解放感も感じられるようになりました。
その結果、従前と比べ早期に部屋が埋まりやすくなり、場合によってはリノベーション改修前でも入居申込が入ることもあります。
▶間取り変更に関する詳細は、過去記事をご覧下さい。
収納の一部をクローゼット化

ダイワハウスが発表したリリースによると、集合住宅に入居している方の約7割は、備え付け収納に対して不満を感じているとのことです。
とりわけ築20年以上経過した物件は、新築物件と比べると、収納スペースや容量が大幅に不足しているため、借主は入居後に後付けのハンガーラックなどを用意しなければなりません。その結果、生活感が強まり部屋全体に圧迫感を与えてしまいます。
そこで弊社物件では、リノベーションを機に収納スペースの改善を進め、一部をクローゼットリフォームすることで収納力を強化。また2025年9月からは洋室にオープンクロ―ゼットを新設し、従前と比べ収納容量が格段に向上。
これにより利便性が高められ、より快適な住空間が提供できるようになりました。
▶ダイワハウスが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
▶弊社収納リフォームの詳細は、過去記事をご覧下さい。
室内居住性を向上

リクシル住宅研究所が発表したリリースによると、賃貸アパートに入居する約8割の借主は、室内機能性(断熱、湿気、防音)に対して不満を感じ、この傾向は築年数が古くなるほど大きくなっています。
さらに、不満に感じた借主の約3割は、住み替えを検討していることも明らかになっています。
▶リクシル住宅研究所のリリースに関しては、こちらをご覧下さい。
一般的にリノベーションを行う際、デザイン性や設備のリニューアルに注目されがちですが、室内機能性の改善も併せて行わないと「ライフスタイルに適さない部屋」と、捉えられる可能性が高まります。
そこで弊社物件では、リノベーションを機に床材は吸音効果が高いクッションフロアを、壁材には調湿、消臭、吸音効果が期待できる自然素材の漆喰を採用しています。
その結果、借主から夏場の光熱費削減ができたと喜びの声を多くいただくようになり、顧客満足度の向上につながりました。この満足度の向上は、長期入居者の増加を促し、一部の借主はロイヤルカスタマーとなり、知人や友人に物件紹介をしてくれるようになりました。
また漆喰は壁紙と比べるとイニシャルコストは高くなるものの、日焼けがしにくく、補修も容易なため、退去時の壁材原状回復費用を大幅に抑えられるメリットもあります。
▶漆喰の効果に関しては、過去記事をご覧下さい。
デザイン性と機能性を向上したイマドキの洗面台

賃貸物件にある洗面台は、耐久性とコストパフォーマンスを重視し、既製品が導入されていることが多く、また画一的なデザインのため、特に女性客からは不満の声が上がることも少なくありません。
さらに既製品の場合、洗面ボウルが低いため、水撥ねが発生しやすく、掃除の手間が増える点もマイナス評価となってしまいます。
弊社物件では、フルリノベーション部屋のみに、機能性とデザイン性が高い造作洗面台を導入しています。
この造作洗面台は、建具職人による手作りの一点物で、無垢材を用いています。大きめの鏡を設置して身だしなみを整えやすくするとともに、洗面ボウルには病院で使用されている、底が深い業務用のものを採用することで、水撥ねのリスクが減り、掃除の負担も最小限に抑えられます。
既製品と比べ約2倍近いコストがかかりますが、無垢材ならではの木の温もりや優れたデザイン性、そして機能性が大きく向上しているため、特に成約のカギを握る女性客から高い評価を受けています。
この満足度の高さを考慮すると、投資に対するコストパフォーマンスは非常に優れていると言えるでしょう。
▶弊社の造作洗面台の詳細に関しては、過去記事をご覧下さい。
差別化を意識したカフェスタイルキッチン

クックパットが発表したリリースによると、部屋探しをする方の多くは、多少希望条件を譲歩しても充実したキッチン環境を重視していることがわかりました。つまり、自身のライフスタイルにあったキッチンを求める傾向が強いといえます。
そのため、近年建てられたファミリー向け新築物件には、料理をしながらリビングにいる家族と会話ができる対面キッチンが採用されています。
▶クックパットが発表したリリースの詳細は、こちらをご覧下さい。
一方、築年数が古い物件では、壁付けキッチンが主流のため、リノベーションを機に人気が高い対面キッチンに変更するケースがあります。ただし、給排水管などの増設工事などが発生するため、費用が高額になってしまいます。
弊社物件にはもともと壁付けキッチンが設置されていますが、対面キッチンへの変更による費用対効果はそれほど得られないと判断し、リノベーションを行う際は、既存キッチンを活かしたオリジナルのカフェスタイルキッチンを導入しています。
具体的には、キッチン本体はそのまま活用しつつ、キッチンパネルは新しい不燃化粧板を張り替え、扉は無垢材を採用しています。また機能性を高めるためにカウンターを新設しています。
これにより壁付けキッチンの最大の弱点である「対面での料理」が可能になるだけでなく、一般的なキッチンと比べるとデザイン性や機能性が向上。さらにオリジナル性も高いため、競合物件との明確な差別化を図りやすくなります。
その結果、従前と比べ内見からの成約率は向上し、入居促進に大きく貢献しています。
▶弊社カフェスタイルキッチンの詳細は、過去記事をご覧下さい。
3.まとめ
今回は、築年数が古い物件をリノベーションする際、ライフスタイルを意識しなければならない理由について、お伝えしました。冒頭でお伝えしたポイントをもう一度確認しましょう。
賃貸リノベーションを行う際、顧客のライフスタイルを意識しなければならないのは、時代の流れとともに「住まいに対する価値観」が大きく変わるから。
適正賃料で募集しても、現代のライフスタイルやニーズに合わないと「住みにくい」と感じられるため、空室が埋まりにくくなる。
弊社物件は、2018年から顧客のライフスタイルやニーズに合わせたリノベーションを展開した結果、エリア空室率25%であっても、入居率と収益性の改善に成功している。
弊社物件がリノベーションによって、入居率と収益性を大幅に向上させることができたのは、徹底した市場調査を行い、成約ターゲット層をペルソナ設定し、さらに競合物件との明確な差別化を図ったことが要因であると考えています。
一方で、空室対策リノベーションを行っても、思うような効果が得られない場合、リノベーションをなぜ行うのか、その目的や意義が十分に理解していない可能性が高いと言えます。
▶賃貸リノベーションをなぜ行うのか、その詳細については過去記事をご覧下さい。
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取締役 長田 穣(オサダミノル)
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